Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

春日太一講演会:松本清張に挑んだ脚本家橋本忍

2024-09-11 | 映画・ビデオ



松本清張記念館が毎年この時期に催す講演会。今年は脚本家橋本忍をテーマに、映画史研究家春日太一の講演。これは聴かねば!と思い、速攻で応募しました。

黒澤明作品の印象が強い橋本忍だが、根底にあるのは、自分ではどうしようもない状況に追い込まれてしまった人間の悲劇を描くこと。「羅生門」も「七人の侍」も、命令に従った兵士が戦犯として裁かれる「私は貝になりたい」もそうだ。そういう意味では、松本清張との相性はよかった。清張作品も、意に反して追い込まれた人が出てきて、そこに人間の業、欲、情が絡む。しかも橋本忍はそうした情にまつわる部分を観客に強く訴えて支持されてきた脚本家。

一方で、映像化にあたり、原作を改変することに躊躇はしない人だった。近頃もテレビドラマの原作改変で大きな悲劇を生んだ日本エンタメ業界だが、橋本忍は観客にウケる、映画として売れるためなら容赦なく原作にない要素を盛り込んでしまう人。「砂の器」を例に出して、有名な親子が旅するシーン(原作にはない)誕生の裏話が披露された。

橋本忍へのインタビュー、創作ノートの研究から紐解かれた、橋本忍の人柄や売れる作品にするための執念めいたエピソードが面白い。創価学会映画を手がけて関係を築いたのは、その後の新作のチケットを買ってもらうため。「砂の器」をどうしても撮りたくて独立プロを設立、野村芳太郎監督で撮るための交渉。

そして松本清張が自作を映像化する霧プロを設立した頃から袂を分つことになる。丹念な取材と映像作品の分析から語られる話は、興味をさらに高めてくれる。橋本忍評伝「鬼の筆」購入しました。挑んでみます。

そういえば、僕が「砂の器」を初めて観たのは、「愛の陽炎」と二本立て上映された1986年。えっ!?「愛の陽炎」も橋本忍の脚本じゃん!あれは"橋本忍二本立て"だったのか!…と今さらながら気づいた。自分を裏切った男を丑の刻参りで呪い殺すお話。でも最後は意外にも泣かせる展開が待っている。なるほど、あれも橋本忍節(言い方悪いな)だったということか。「砂の器」改めて観ようと思う。ついでに「幻の湖」も。

楽しくて、貴重なお話が聞けた講演会でした。




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あなたのトム・クルーズはどこから

2021-09-14 | 映画・ビデオ



Twitterのハッシュタグから。
お題は
#あなたのトムクルーズはどこから

初めて観たのは多分「トップガン」。同時代的に主演作はあれこれ観てるのだが、とにかくええカッコしいで、女優とイチャイチャする印象しかなくて、観れば観るほど嫌いになった。エリザベス・シューと温泉でイチャイチャ、部屋を訪ねてきたリー・トンプソンとイチャイチャ。親の留守中にレベッカ・デモーネイ呼んでイチャイチャ。

あー嫌い😖

「ミッション・インポッシブル」もやっぱりええカッコしいなんだけど、ブライアン・デ・パルマ監督を起用したセンスにオッ?と思った。トムは嫌いだけどこれ、好きだなー。

「インタビュー・ウィズ・バンパイア」は、初めてトムが演じた役をカッコいいと思った。いやいや、俺はあのコスプレ感が気に入っただけだ。決してトムをカッコいいと思ったわけじゃない。

なーんかトム主演のSF映画とは相性がいいみたいで、不思議と嫌いな映画がない。「オブリビオン」も、日本原作の長いタイトルのやつも、みんなが酷評する「宇宙戦争」も。いちばんのお気に入りは「バニラスカイ」かなー。でもこれらは監督の評価が大きい。決してトムじゃない。

でも、今は無茶ばかりやる彼をどこか応援している自分に気づいている。おかしいな。かつて「トムの映画なんて14型テレビで十分」とか生意気なこと言ってたのに、意外と映画館でちゃんと観てたりする。

あれー?
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お知らせ。

2021-01-21 | 映画・ビデオ
Filmarksにアップしたレビューが1,000本突破。


このブログにアップしている記事以外の映画レビューもあり。
のぞいてみてくださいませ(^^)

https://filmarks.com/users/tak_skywalker
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2000年代の好きな映画ベストテン(日本映画篇)

2020-07-18 | 映画・ビデオ







外国映画篇に引き続き、
2000年代日本映画の私的ベストテン。

「千と千尋の神隠し」
「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」
「GO」
「スウィング・ガールズ」
「アイデン&ティティ」
「パプリカ」
「下妻物語」
「おっぱいバレー」
「サマーウォーズ」
「南極料理人」

「ウォーターボーイズ」を選べないところで、女優で映画を選んでるのがバレバレ?
当然アニメ率高しww


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2000年代の好きな映画ベストテン(外国映画篇)

2020-07-10 | 映画・ビデオ





キネ旬の2000年代ベストテンは、アジア勢とイーストウッド作品が目立つ順当な結果でした。

では不肖、私takが選ぶ2000年代ベストテン。
まずは外国映画篇から。

「あの頃ペニーレインと」
「アメリ」
「キル・ビルvol.1」
「エターナル・サンシャイン」
「善き人のためのソナタ」
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
「パイレーツ・ロック」
「(500)日のサマー」
「きっと、うまくいく」
「リトル・ダンサー」

フランソワ・オゾン監督作がないのが心残り。音楽映画が3本、オールタイムで好きな恋愛映画でも選んでしまう3本、ヨーロッパ映画やインド映画、アジア人監督も含んでいるから個人的には納得の10本かな、と。

半分は地元のある映画館で観てることにわがことながら驚く。素敵な作品との出会いに感謝。

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地上波映画番組はこうでなくっちゃ。

2020-07-02 | 映画・ビデオ




金曜ロードショーが3週連続で「BTTF」三部作を放送してくれたのは、とても嬉しかった。いやはや、地上波の映画番組はこうでなくっちゃ!映画人口を増やすためにも、こんな過去の良作をどんどんやって欲しい。今回興味をもった若い世代は確実にいるはずだ。

と言ってる僕だけど、この三部作が公開された80年代後半(昭和60年代から元号が変わる頃)は、ミニシアターとクラシック専門館に夢中で、新作は脇に置いていた偏食が激しい時代だった。しかもアンチハリウッド大作派だったから、ヒット作は一括りにしてほぼ映画館で観ていない。「トップガン」なんて友達と家呑みしながら観たくらいだ。「トム・クルーズなんて14型テレビがお似合いさ!」みたいなノリでww。「BTTF」もそのヒット作にくくられて公開当時スルーしていた。公開翌年、テレビで第1作を観て「しまった!なんで映画館で観なかったんだろ!」と後悔したのは言うまでもない。「PART2」は映画館で観たっけ。何事も偏食はいけません。

そんな意味でも、幅広くいろんなものを観られた地上波映画番組は貴重だと思うんだよね。家族でバラエティを見るのは楽しいけれど、家族で映画を楽しんだら、それはきっと思い出になる。

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90年代の好きな映画ベストテン

2020-06-11 | 映画・ビデオ




キネマ旬報の90年代映画ベストテンは、予想通りアジア圏映画の活躍が目立つ。

さて、不肖わたくしも…と90年代を振り返ってみると思いのほか難しい。この時期僕はBSで旧作どっぷりで、しかも偏食が激しく、幅広く話題作をカバーできてない時代。特に日本映画は名だたるこの時期の代表作をほぼ観てない!

「HANA-BI」(何故か敬遠)
「Love Letter」(岩井俊二嫌い)
「萌の朱雀」(河瀬直美テレビで見た態度が嫌い)
「鉄道員(ぽっぽや)」(なんか暗そう)
「午後の遺言状」に至っては、高齢者の群衆がシアター入り口に押し寄せる光景を見て怖気付いた(笑)。

そんなんで申し訳ないですが、
以下tak選出の90年代ベストテン。

【外国映画】
髪結いの亭主(パトリス・ルコント)
天使にラブソングを…(エミール・アルドリーノ)
オルランド(サリー・ポッター)
シンドラーのリスト(スティーブン・スピルバーグ)
レオン(リュック・ベッソン)
運動靴と赤い金魚(マジッド・マジディ)
フル・モンティ(ピーター・カッタネオ)
マトリックス(ウォシャウスキー兄弟)
マディソン郡の橋(クリント・イーストウッド)
アイズ・ワイド・シャット(スタンリー・キューブリック)

【日本映画】
夢(黒澤明)
櫻の園(中原俊)
あの夏、いちばん静かな海。(北野武)
ゴースト・イン・ザ・シェル/攻殻機動隊(押井守)
ガメラ2レギオン襲来(金子修介)
ラジオの時間(三谷幸喜)
ポストマン・ブルース(SABU)
ワンダフルライフ(是枝裕和)
シコふんじゃった(周防正行)
もののけ姫(宮崎駿)

「クライング・ゲーム」「ブレイブハート」「ウェディング・シンガー」「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」がちょっと惜しいところ。「shall we ダンス?」はあの頃の熱狂的な支持に疑問を抱いていたので、敢えて外しました。

あなたのハートには何が残りましたか?

👇こちらもご覧ください。




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映画館でオードリーを。

2020-05-10 | 映画・ビデオ
思えばこのブログの初回記事は、オードリー・ヘプバーン展に行ったものだったな。


往年の映画スタアで、主演作の多くを映画館で観ているのは、誰よりもオードリー・ヘプバーン。中学生3年、「ローマの休日」を大分のシネマ5で観て以来、遺作の「オールウェイズ」までスクリーンで観る機会に恵まれたのは素敵な巡り合わせ。

昭和60年代の熊本には、クラシック映画専門館シネラックス熊本があった。オードリー・ヘプバーン主演作の多くを映画館で観ているのは、こういう映画館の存在も大きい。









#写真を貼って映画館行ったつもりになろう
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映画検定のご報告。

2020-03-08 | 映画・ビデオ
2019年キネマ旬報社主催映画検定、1級を2月に受験しまして、不合格でした。2級は合格したので、当初の目標は達成。

まあとにかくヘヴィな内容で正答率は51%。全国で4人しか合格してない難関なんでしゃーないと思うが、これに向けてこれまで避けがちだった邦画クラシックに挑んだし、なによりも好きなことについて学ぶ時間が取れたことはとっても楽しかった。

出題された年代別の正答状況は、写真のレーダーチャート。上が1級、下が2級。ともかく自分が1980年代の知識に長けていることがよーーくわかった。やっぱり僕は80年代映画の語り部を目指すべきなのかな(笑)。80年代映画主題歌記事(80's Movie Hits !)を復活させようかな、と思った。そういえば、「トップガン」の全曲解説を試みて挫折したままなんだよねーww



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追悼 スタンリー・ドーネン

2019-02-24 | 映画・ビデオ

追悼、スタンリー・ドーネン監督。あなたの作品から、映画の夢と楽しさを教わりました。

中学生の頃からSW以上に繰り返し観ている「雨に唄えば」、愛とサスペンスとオシャレが共存する「シャレード」、「パリの恋人」で過ごす夢のような時間、問答無用で楽しいミュージカル「略奪された七人の花嫁」。

そして「いつも二人で」で描かれた男と女の姿。熊本の映画館で観たのは、まだ20代だったからピンとこないところもあったけれど、今の自分だったら違う気持ちになれる気がする。

ご冥福をお祈りします。素敵な映画と時間をくれてありがとう。

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