Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

風の谷のナウシカ

2020-06-29 | 映画(か行)



◾️「風の谷のナウシカ/Nausicca of The Valley of Wind」(1984年・日本)


監督=宮崎駿

声の出演=島本須美 納谷悟朗 榊原良子 家弓家正


「ナウシカ」を初めて観たのは高校時代。「すげえアニメがある」と友達が貸してくれたビデオだった。公開してそれ程経っていない時期だったと記憶している。


今回、映画館で観る機会に恵まれた。王蟲の大群、メーヴェや大型飛行船の飛行シーン、巨神兵の登場、腐海の風景。スクリーンで観るとその迫力は全然印象が違う。金曜ロードショーで観るのもいいけど、これは映画館で是非観て欲しい。


セリフのいくつかは暗記しているくらいに何度も観ている(おばばのものまね得意です・笑)。何度観ても、宮崎駿監督のメッセージに胸を打たれる。人間は自然といかに向き合うべきか、戦争という愚かな行為がもたらすこと。


そういえば前に観たのは、東日本大震災の頃だった。原発事故のすぐ後で汚染の報道が連日続いていた日々。ナウシカが腐海について語る言葉が痛切に心に響いた。

「汚れているのは土なんです。誰がこんなふうにしてしまったの。」

このコロナ禍の中で観ると、どうしても腐海で着用しているマスクに目がいく。

「マスクをしなければ5分で肺をやられる」

あ、また今のご時世に響く言葉が。


冒頭数分のナウシカのセリフは説明くさいよなあー、と以前は思っていたけれど、今は自然と耳に入ってくる。改めて観ると音楽は、意外と電子音が多いことに気づく。


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今日のBGM:今年の夏はモア★ベター/森高千里

2020-06-27 | 今日のBGM






本日の通勤BGMは、森高千里「今年の夏はモア★ベター」。夏になると無性に聴きたくなるお気に入り。僕ら世代が夏の定番アルバムを選ぶと、ギターはカッティング、ベースはスラップかシンセベース、キメがカッコいい、カーオーディオ向け…となりがちなのだが、このアルバムにはそんな要素は皆無なのだ。

このアルバムのプロデュースは細野晴臣。世間が考える夏のワクワク感はこのアルバムにはない。歌詞には「ゴミだらけの砂浜」「湘南の海は好きだけどなんか違う」とか出てくるし、エキゾチックなスチールドラム、細野楽曲のハイセンスなカバー。

楽曲から感じるのは海沿いに続くハイウェイではなく、かげろうが立ち込め、犬が吠える暑苦しい夏の風景。そうか、これは細野晴臣が在籍したはっぴいえんどの「夏なんです」で歌われた夏のイメージなのでは。コシミハル作のおサレなフレンチぽい楽曲があるが、これだってエアコンが過剰に効いたカフェの風景を思わせる。ちょっと偏りのある夏の風景たち。

写真はオープニングを飾る細野楽曲カバー、「東京ラッシュ」。オリジナルは名盤「はらいそ」に収められ、言葉遊びが楽しい曲。言葉選びに抜群のセンスがある森高が歌うことで説得力は2割増だな。

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コレット 水瓶座の女

2020-06-26 | 映画(か行)



◾️「コレット 水瓶座の女/Becoming Colette」(1991年・アメリカ=フランス=ドイツ)


監督=ダニー・ヒューストン

主演=マチルダ・メイ クラウス・マリア・ブランダウアー ヴァージニア・マドセン ポール・リス


フランスの作家ガブリエル・コレット。奔放な恋愛遍歴でも知られる人だが、作家として世に知られるまでは、簡単な道のりではなかった。この映画は、ガブリエルの最初の結婚前後を中心に、浪費癖のあるプレイボーイの夫の束縛から、自分に目覚め魅力を増して羽ばたいていく姿を追う。


最近はバイプレイヤーとしての活躍が目立つダニー・ヒューストンの監督作。父ジョンは名監督、姉アンジェリカ、祖父ウォルターも有名な名門ヒューストン一家だけに、ついつい父親の作品と比較して触れたくもあるのだが、この映画については特に演出のすごさを感じる場面はあまり思い出せない。むしろキャスティングのよさが映画の印象と言ってもいいかも。


ガブリエルは「スペース・バンパイヤ」のマチルダ・メイ。同性の恋人を演ずるのはバージニア・マドセン。どちらも脱ぎっぷりのいいムチムチな女優なので、二人がベッドに並ぶのはまさに眼福。当時のビデオソフトのパッケージもこの場面だったから、女性作家の半生がうんぬん…というよりもエロ目的で手にした方々もさぞかしいたことだろう。でもマチルダ・メイのスネたような表情が映画後半に生き生きとしてくるのは実に魅力的。ガブリエルは劇団で活動していた頃もあるので、ステージで踊るシーンも。吸血異星人のイメージが強い女優だけど、マチルダは歌って踊れる才女でもある。そこを考えたキャスティングなのかな、フランス人だし。「メフィスト」の名演技以来80年代に活躍したクラウス・マリア・ブランダウアーも、「007/ネバーセイ・ネバーアゲイン」の悪役並に小憎らしい夫役を好演。


キーラ・ナイトレイ主演版を観ただけに、マチルダのコレットを見直してみたい。




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コレット

2020-06-21 | 映画(か行)






◾️「コレット/Colette」(2018年・アメリカ=イギリス=ハンガリー)




監督=ウォッシュ・ウエストモアランド


主演=キーラ・ナイトレイ ドミニク・ウェスト フィオナ・ショウ デニース・ゴフ




フランスの作家にして、同性も含めた恋愛遍歴でも知られるシドニー・ガブリエル・コレット。性の解放者とも言われる彼女の半生を、芯のある気丈なヒロインが似合うキーラ・ナイトレイ主演で撮った秀作。後付けの知識でよいので、もう一つ知っておきたいのは、この映画がウエストモアランド監督と彼の同性パートナーである故リチャード・グラツァーの脚本によるものだということ。それを知って観ると、この映画が単に興味本位でコレットの人生を追って撮られた映画ではないと思える。ひとりの女性の成長と自立の物語には、自分自身であろうとすることに勇気をくれるメッセージがある。




ブルゴーニュ地方の田舎村で育ったコレットは歳の離れた夫に嫁ぐ。しかし度重なる夫の軽々しい行動に苦しむ日々。やがて夫はコレットの文才に気づき、学生時代の思い出を小説にした作品を書いてみることを勧める。最初はそれを評価しなかった彼だが、ビジネスが窮地に立ちその作品に手を入れて、夫のペンネーム"ウィリー"名義で出版すると社会現象になる大ヒットを記録する。夫との共同で書き続けた「クロディーヌ」のシリーズ。自分の作であることを主張し始めたコレットは、夫と衝突。やがて自分の表現の場を文筆以外にも求め始める。それでも彼女は内から湧き出る文章を、留めておくことはできなかった。




女流作家として売り出すことが叶わなかった時代なのかもしれない。だが、「天才作家の妻 40年目の真実」のグレン・クローズのように、身勝手な人物の影で才能に光が当たらないのはいつの時代もありうること。「コレット」の夫は、自ら創造することのないタイプのプロデューサーだ。妻の才能を認めながらも、彼女をあくまでビジネスの手段としか見ることができなかった愚かさが虚しい。映画後半、コレットが「クロディーヌ」シリーズについての思い入れを語る場面は、もはや決定的なすれ違い。キーラ・ナイトレイはこの映画でも多くの衣装を着こなしており、ファッションの変化がコレットの変貌と重なっていくのも見どころだ。




ガブリエル・コレットの代表作「Gigi」は後に舞台劇となり、あのオードリー・ヘプバーンが主役を務めることになる。その映画化はレスリー・キャロン主演の「恋の手ほどき」。観たことがないので、コレットの半生を知った上で観ると面白いかな。




ちなみに。1991年にガブリエル・コレットを主人公にした映画「コレット・水瓶座の女」が製作されている。こちらは同性愛の一面がやたらと取り上げられており、感動はこのウエストモアランド監督版には遠く及ばない。主役のマチルダ・メイはお気に入りの女優さんなのでちょっと残念。



映画『コレット』予告編


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映画クレヨンしんちゃん爆発!温泉わくわく大決戦

2020-06-20 | 映画(か行)






◾️「映画クレヨンしんちゃん 爆発、温泉わくわく大決戦」(1999年・日本)

監督=原恵一
声の出演=矢島晶子 ならはしみき 藤原啓治 こおろぎさとみ

原恵一監督作の「クレしん」は本当に映画ファンのための映画。大傑作「オトナ帝国」や「アッパレ戦国~」はやっぱりすごいけれど、この「温泉わくわく」がすごいのは大人にしか笑えない部分がとても多いことだ。

冒頭の幼稚園の先生たちが露天風呂にはいっている場面にしても、ひろしとみさえのけんかで野原家崩壊?の危機となるところにしても、温泉の精(丹波哲朗)のセリフの数々(「オレはジェームズ・ボンドとも風呂に入ったんだ」etc)にしても、温泉地のコードネームを持つおねいさんたち・・・オトナほど笑えるギャグが満載。指圧が気持ちいいという場面だって、子供じゃ笑えないだろう。

僕が何より好きなのは悪の結社YUZAME(このロゴに爆笑!)の真紅のロボットが出現し、春日部へ向かう場面。怪獣映画へのオマージュがそこにはある。迎え撃つ陸上自衛隊が怪獣映画のBGMを流しながら進撃すると、ロボット頭部のスピーカからゴジラのテーマ曲が。みんな怪獣映画が好きだったのね。しかも他人事のような首相官邸の様子、円下落のニュースが挿入されるところも楽しい、楽しい。この面白さ、ガキどもにはわかるかなぁ・・・わっかんねぇだろうなぁ・・・(このフレーズ若い世代には通じないWW)。

でも忘れてはいけない。「寅さん」なき今、日本映画界で唯一家族映画の伝統を守り続けるのが「クレしん」(言い過ぎです)。ここでもその精神はしっかり発揮されている。再び家族がひとつになるクライマックスは見どころだ。
「風呂ってのはなぁ、体をきれいにするだけじゃないゾ。心もきれいにしてくれるんだ。」
という温泉の精の台詞、なかなかグッとくる。




「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」 予告編


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マスク

2020-06-17 | 映画(ま行)






◾️「マスク/Mask」(1994年・アメリカ)

監督=チャック・ラッセル
主演=ジム・キャリー キャメロン・ディアス ピーター・リーガート ピーター・グリーン

表情の豊かさで笑いをとれるジム・キャリー。同じコメディアン出身の男優では、ウディ・アレンやロビン・ウィリアムズ、スティーブ・マーチンみたいに話芸で笑いをとる人が好きなもので、ジム・キャリーのニッタニタして笑わせてしまう芸風をすごいとは思うけど、好みではない。

そんな彼の芸風を最新SFX技術でデフォルメさせたヒット作がこの「マスク」。原作はコミックなんだそうで、銀行に勤める冴えない男が偶然拾った古代の魔法のマスクでコミカルなスーパーマン に変身するお話。その活躍ぶりは、それまでの生活で抑圧されていたものが一気に爆発するような迫力である。密かに憧れていたギャングの情婦(これが女優としては本格的な出演作となったキャメロン・ディアス)のハートも射止めてしまうことに。しかしマスクの力に頼らず、自信ある一人の男として行動するラストは予想通りなんだけど、すっかり乗せられてしまう。

最大の見どころは特殊技術によるオーバーなギャグとアクション。飛び出す心臓や眼玉、落ちるアゴ。アニメーションでしか表現できなかったりギャグを実写映画でやっているのは特筆すべき。ラテン系ダンスミュージックが流れるミュージカルシーンも楽しい。肩の力を抜いて、流れに逆らわず楽しむべし。

  ☆

…と1996年の僕のメモに書いてあるのだが、2020年目線だとこの程度のCG合成なんて今や当たり前。「マスク」は確かに楽しかったけど、CGが笑わせてくれるならコメディアンいらないよねと、意地悪な気持ちでもあったんだよね。




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90年代の好きな映画ベストテン

2020-06-11 | 映画・ビデオ




キネマ旬報の90年代映画ベストテンは、予想通りアジア圏映画の活躍が目立つ。

さて、不肖わたくしも…と90年代を振り返ってみると思いのほか難しい。この時期僕はBSで旧作どっぷりで、しかも偏食が激しく、幅広く話題作をカバーできてない時代。特に日本映画は名だたるこの時期の代表作をほぼ観てない!

「HANA-BI」(何故か敬遠)
「Love Letter」(岩井俊二嫌い)
「萌の朱雀」(河瀬直美テレビで見た態度が嫌い)
「鉄道員(ぽっぽや)」(なんか暗そう)
「午後の遺言状」に至っては、高齢者の群衆がシアター入り口に押し寄せる光景を見て怖気付いた(笑)。

そんなんで申し訳ないですが、
以下tak選出の90年代ベストテン。

【外国映画】
髪結いの亭主(パトリス・ルコント)
天使にラブソングを…(エミール・アルドリーノ)
オルランド(サリー・ポッター)
シンドラーのリスト(スティーブン・スピルバーグ)
レオン(リュック・ベッソン)
運動靴と赤い金魚(マジッド・マジディ)
フル・モンティ(ピーター・カッタネオ)
マトリックス(ウォシャウスキー兄弟)
マディソン郡の橋(クリント・イーストウッド)
アイズ・ワイド・シャット(スタンリー・キューブリック)

【日本映画】
夢(黒澤明)
櫻の園(中原俊)
あの夏、いちばん静かな海。(北野武)
ゴースト・イン・ザ・シェル/攻殻機動隊(押井守)
ガメラ2レギオン襲来(金子修介)
ラジオの時間(三谷幸喜)
ポストマン・ブルース(SABU)
ワンダフルライフ(是枝裕和)
シコふんじゃった(周防正行)
もののけ姫(宮崎駿)

「クライング・ゲーム」「ブレイブハート」「ウェディング・シンガー」「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」がちょっと惜しいところ。「shall we ダンス?」はあの頃の熱狂的な支持に疑問を抱いていたので、敢えて外しました。

あなたのハートには何が残りましたか?

👇こちらもご覧ください。




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ミスティック・リバー

2020-06-10 | 映画(ま行)


◾️「ミスティック・リバー/Mystic River」(2003年・アメリカ)

監督=クリント・イーストウッド
主演=ショーン・ペン ティム・ロビンス ケヴィン・ベーコン ローレンス・フィッシュバーン  

クリント・イーストウッド主演作や監督作の多くに共通するのは、タフガイのイメージである。単に強いだけのヒーローではなく、強い信念を持った男性像が我々を魅了してきた。ところがこの「ミスティック・リバー」には、そんな男は誰ひとり出てこない。ただでさえ感想を言葉にしにくいイーストウッド映画だが、「ミスティック・リバー」が他の作品と違う特徴を挙げるとすればそこだろう。

お気楽なハリウッドの銀幕世界とは違って、現実の人間は誰しもが弱いものだ。ヒーローもタフガイもいやしない。この映画に登場する面々も同じ。幼い頃の誘拐監禁事件をトラウマに持つ彼らは、大人になってもそこから逃れられないでいる。それ故に、この事件に何の関係もないはずの監禁誘拐事件が彼らの中で関連づけられて悲劇へと進んでいくのだ。何かに引きずられるみたいに。

イーストウッド監督の視線はいつになく厳しい。これほど人間を見つめたアメリカ映画は近頃ちょっとなかったように思う。確かに後味は悪い。でも見終わって言いようのない切なさが残るはずだ。人生は楽しいだけじゃない。映画だって同じ。この力作をハッピーエンドでないことだけを理由に「ハズレ」と言う輩がいるのは残念だけど、エンターテイメントしか求めてないなら、こんなイーストウッド映画なんて選ばないでアメコミ映画でも観てなさい。

ストーリーや人物設定にはやや理解し難いところもある。それを抜きにしても、男優たちの力演を観るだけで入場料の元は取れるだろう。娘を失った悲しみと怒りがむき出しのショーン・ペン。常に何かに怯えているようなティム・ロビンス。やたらと渋くなったケビン・ベーコン。ラストシーンには複雑な思いに駆られる。喪失感の中で流れる行進曲はとても空しい。映画って日頃触れることもない感情や経験を感じることができる2時間でもある。観終わってうまく語れなくてもそれでいい。映画を通じて感じた痛みは、もしかしたら実社会で、誰かの痛みを少しでも感じ取れるのに役立つかもしれない。こういう映画はキツいけど、いつかどこかで人生を深くしてくれるはず。




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若おかみは小学生!

2020-06-07 | 映画(わ行)






2008年頃。講談社の青い鳥文庫をうちの子はよく読んでいた。「ちち(注・"ちち"と呼ばれている)も読んで!」と言われて、この「若おかみは小学生!」や「黒魔女さんが通る!!」シリーズを読んだよな(懐・詳しくはこち)。「黒魔女さん」の感想をブログにアップしたら、コメント欄に小学生からの書き込みが相次いでリアクションに困ったことも(笑・こち)。ともかく、「若おかみ」シリーズは当時小中学生女子を中心に絶大な人気作だった。




その「若おかみは小学生!」の劇場版アニメ。京アニ作品で知られる吉田玲子の脚本は、ロングセラーの児童文学を、単なる頑張り屋さん女子の話にとどめず、全世代に刺さる感動ポイントを散りばめる。温泉郷に受け継がれていく古き良きものと変わりゆくものの対比は見事だし、世代の違う登場人物が心を通わせていく様子は何より心温まる。「神から与えられた湯は何者をも拒まない」というポリシーが物語の最後まで貫かれて、観ている僕らの予想を遥かに超えた過酷な状況さえも幸福な感動をもたらしてくれるのだ。涙腺直撃。




主人公おっこがなぜ老舗旅館で働くことになるのかが語られる衝撃的な冒頭から、登場人物の性格描写までとにかく無駄がない。また、途中出てくるPTSDの描写やクライマックスの心理描写にも逃げがない。おっこと仲良しになり成長を支えてくれる幽霊たちや、大旅館のピンフリ令嬢(水樹奈々さすがの好演)なども、アニメだからできる素敵なキャラクターたち。




一見明るい物語に「死」に向かい合う現実が織り込まれて、大人の鑑賞にしっかり耐えるだけの秀作。幽霊たちのファンタジー色があるからといって、ナメてはいけない。こういう作品があるから、アニメ観るのをやめられない。



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