Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

5月のBGM

2012-05-31 | 音楽
2012年5月に聴いていた愛すべき音楽たち。今月も節操なくあれこれ聴いてます。

■Spring of Life/Perfume
久しぶりにCDショップで購入。意外にも初回限定盤しか置いてなかった。カウンターの向こうのお姉さんが「ポスターつきますけど、お渡しちゃっていいですか?」仕事帰りに寄ったからか、こう言われた。素直にいただいて帰ったが、いい年齢(とし)した男子が貼るのは照れがあるな。Spring of Lifeの疾走感がいいね。コミュニケーションは最初は好きになれない気がしたが、だんだん好きになる癖になるぅ!。
Spring of Life (初回限定盤)(DVD付)

■Streets of Fire/Original Soundtrack
先月こんな記事を書いちゃってから無性に聴きたくなって、出勤中に数日パワープレイ。聴いたのはもちろんFire Inc.のNowhere FastとTonight Is What It Means To Be Young(今夜は青春)。「ストリート・オブ・ファイヤー」は大好きな映画。ダイアン・レインが歌うライブシーンはもう何回観たかわかんない。
ストリート・オブ・ファイヤー ― オリジナル・サウンドトラック

■トーキュー・シック/佐野元春&雪村いづみ
異色の組み合わせにびっくりして思わずダウンロード。小気味よいスウィングに乗る二人の歌声はスピーカーのこちら側にいる僕らをわくわくさせてくれる。音楽に大切なのはリズムだなぁと改めて思う。
トーキョー・シック - Single - 佐野元春 & 雪村いづみ

■ブラック★ロックシューター/Supercell Feat.初音ミク
ノイタミナ枠で放送されたアニメ「ブラック★ロックシューター」。暗い物語とテーマに2話まで見て放置、録画も途中までしかしていなかった。supercellのあの曲を聴くと、アニメの続きが気になって録画してあった6話まで一気に見る。そうか!観る側もこの痛みに耐えて初めて結末に触れることができるんだ。録画していない7話と8話が観たいー!レンタルを待つか・・・誰か録画してない?
supercell (通常盤)

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今日の映画台詞・「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」 (1999)

2012-05-30 | 今日の映画台詞
今日の映画台詞◆
「風呂ってのはなぁ、体をきれいにするだけじゃないぞ。心もきれいにしてくれるんだ。」
「クレヨンしんちゃん爆発!温泉わくわく大決戦」(1999)◆

英国スパイ、ジェームズ・ボンドとも風呂に入ったという温泉の精(丹波哲郎)のひとこと。「テルマエ・ロマエ」以前に風呂の素晴らしさを説いた日本映画だぞ。

「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」 予告編





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マジェスティック

2012-05-29 | 映画(ま行)

■「マジェスティック/The Majestic」(2001年・アメリカ)

監督=フランク・ダラボン
主演=ジム・キャリー マーティン・ランドー ローリー・ホールデン

 フランク・キャプラの「スミス都へ行く」や、ウィリアム・ワイラーの「我等の生涯の最良の年」、マービン・ルロイの「心の旅路」・・・。この映画には「アフリカの女王」や「巴里のアメリカ人」等多くのクラシックが登場するが、僕の頭の中では、最初に挙げたような、もっともっと様々なクラシック映画の記憶がよみがえった。見終わって最初に思ったことは、おすぎじゃないけど”淀川さんに観せたい!”ということ(笑)。これ程の映画愛に満ちたフィルムは最近なかった。マーチン・ランドーが映画館再建を息子(と信じている男)に訴える場面から、泣けましたよ、ホント。ダラボン監督作に共通する要素”映画愛”は、本作では全面に出されている。「世界が静止する日」のゴドー(ロボット)の光線の光をバックに口づけする二人がシルエットになる・・・何ていい場面だろう!。

 主人公は記憶を失って自分の真実を探そうとする男。しかも浜辺に流れ着いた町ローソンではその町の戦死した若者と間違えられ、脚本家として仕事をしていたハリウッドでは”赤”と勘違いされて審問会に召還。「ショーシャンクの空に」では無罪なのに投獄されたティム・ロビンス、「グリーンマイル」では幼女殺人犯として死刑囚となったマイケル・クラーク・ダンカン。ダラボン作品共通要素のひとつ”間違えられた男”(これもヒッチコックの映画のタイトルだね)がここにある。彼らは皆あるべき自分・あるべき生き方に考えをめぐらしている。

 そして本作でダラボン監督が特に力を入れているのは、”民主主義の理想”を高らかに歌うこと。しかもそれがフランク・キャプラ監督作へのオマージュとなっていることだ。いわゆる”赤狩り”の時代を背景にしているけど、あの時代は、共産主義という外的要素でアメリカがどこかおかしかった時代。映画を本当に愛していながら、それが表現できなかった悲しい時代。そこを描くことで”民主主義”を際だたせたのだ。この映画を「都合がよすぎる脚本」等と批判する向きは、過去のハリウッドクラシックに何ら敬意も払えない、又は現代お気楽ハリウッド映画にのみ価値を認めて過去の偉大な作品群を観ようともしない人々だろう。だって「スミス都へ行く」なんてもっとすごいよ(ネタバレになるので詳細は書きません)。

 ジョージ・ルーカスも「エピソード2」に関するインタビューで「この映画で民主主義について考えて欲しい」と述べていたが、あのSFXドンパチ映画で考えろと言う方が無理というもの。ダラボン監督は主人公の言葉を借りて(本編での手紙の朗読はマット・デイモン!)、アメリカ国民に「今のアメリカはどっか間違っていないか?」と言っているようにさえ思えるのだが。でもここが強調されているのが、この映画がイマイチ一般受けしていない理由なのかもねぇ。僕はあのジャズ・ピアノが耳から離れません。


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ラヴソング

2012-05-25 | 映画(ら行)

■「ラヴソング/甜蜜蜜(Comrades-Almost a Love Story)」(1996年・香港)

監督=ピーター・チャン(陳可辛)
出演=レオン・ライ マギー・チャン エリック・ツァン クリストファー・ドイル

●1997年香港電影金像奨 作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞・美術賞・撮影賞
・衣装メイクアップ賞・音楽賞・脚本賞
●1997年金馬奨 作品賞・主演女優賞
●1997年香港映画批評家協会賞 作品賞・監督賞・主演女優賞

 テレサ・テンの歌声にのせて、運命のいたずらですれ違いを続ける男女の姿を描くピーター・チャンの大ヒット作。テレサ・テンが好きだというと、大陸出身者だとわかってしまう、というエピソードが興味深い。この映画観てると、当時の中国人にとって、香港は想像以上に”別の世界”だったというのがよくわかる。「海外に出ていった人たちはみんな中国に帰って来てるわよ」とマギー・チャンが言われる95年で、この物語は終わるんだけど、香港返還を控えた中国の人々の姿を通じて、香港経済・社会の移り変わりをこの映画から読みとることもできるだろう。

 でも、恋愛映画として観るのならば、この映画全編に流れる切なさを観ている自分が受け入れられるかどうか、それぞれの切なさを抱える登場人物たちに感情移入できるか、そこでこの映画が気に入るかどうか決まっちゃうのかな、と思う。

 マギー・チャンは強さを表面に出しながらも”耐える女”。「友情」と強がりながらも・・・切ない。
一方、レオン・ライは、「友情」の名の下でうまいこと二股をかけた男!ってイメージがどうしても最後までつきまとい、彼には感情移入しにくかった。ただ、慣れない都会生活での寂しい気持ちは理解できる。「怒ったらもう会ってくれないだろう?」 ここはこっちまで切なくなったね。

 やくざのオッチャン、パウさんのエリック・ツァン。自分を怖がらず「鼠しか怖いものがない」というマギー・チャンのためにミッキー・マウスの刺青を入れるなんて、男のかわゆさ(?)が出てる。「俺は方々に女がいるんだ。お前も他に男つくれよ。」といいながらマギーを抱きしめるあたりは泣けてきた。こっちに感情移入するなんて、僕も年とったのかな・・・。レオン・ライのおばさん、これもまたいい。ウィリアム・ホールデンとペニンシュラホテルで食事した若い頃の思い出を大事にする姿は実に印象的だ。クリストファー・ドイル扮する英語教師が去っていく姿も短いんだけどジンときた。こうしてみると、愛すべき登場人物たちばかりだな。


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メタル・ブルー

2012-05-23 | 映画(ま行)

■「メタル・ブルー/Iron Eagle ll」(1988年・アメリカ)

監督=シドニー・J・フューリー
主演=ルイス・ゴセットJr. マーク・ハンフリー スチュワート・マーゴリン

 前作「アイアン・イーグル」は大嫌いな映画だ。強きアメリカ一辺倒なお話といい、自信過剰で挫折知らずの主人公といい、米国礼賛映画に見えて仕方がなかったのだ。しかしこの続編はなかなか面白い。対立しあう米ソの兵士が合同作戦に招集され、いがみあいながらも友情を感ずるようになっていくお話。米ソ対立を背景にしながらも、デタントへの予兆が感じられる映画なのだ。それに前作にはなかった(国境を越えた)色恋沙汰もあるから、さらにスリリングになっている。80年代のアメリカ映画は、「若き勇者たち」を筆頭に反ソ感情が画面からにじみ出るような映画が多かった。それからすれば大きな描写の変化だ。そして、この「メタル・ブルー」製作から数年後、現実社会でソビエト連邦は崩壊することになる。

 前作と違い、ルイス・ゴセットJr.を始め、登場人物たちの人柄がきちんと描けているのがいい。ただ、ソビエトの女性パイロット、ヴァレリーが妙に冷静な役柄だけに、主人公との恋を通じて彼女の中のオンナが目覚めるところをもうちょっと描いて欲しかった。クライマックスのミサイル基地攻撃場面は、決死の覚悟で作戦を遂行するサスペンスと、その裏側で核が投下されるか否かのサスペンスが併走する見事な構成。米ソ共同作戦を進めておきながら、一方でそれを覆す核攻撃を計画する政府。そんな紙一重の不安定な政治状況の恐ろしさ。それを思わずにはいられない。まぁ結末は都合がよすぎるけどね。

 冒頭、前作の主人公と今回の主人公がランデブー飛行する場面から始まる。前作同様ロックをガンガン流しながらフライトする。冒頭のロックナンバーは、ラヴァーボーイのマイク・レノ。他にはアリス・クーパーやリック・スプリングフィールドがサントラに参加。前作でルイス・ゴセットJr.扮するシンクレアが好きだった ♪Gimme Some Lovin' も収録されてます。


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アイアン・イーグル

2012-05-22 | 映画(あ行)

■「アイアン・イーグル/Iron Eagle」(1986年・アメリカ)

監督=シドニー・J・フューリー
主演=ルイス・ゴセットJr. ジェイソン・ゲドリック

 「トップガン」の余勢を駆って製作されたスカイアクション映画。実はクィーンの♪One Vision が使用されている映画で、メンバーがその使用に対して怒ったという話を聞いているので、どんな使われ方しているのか興味があって観たのだった。公開当時に観ていたら、見どころの空中戦ドッグファイト(イスラエル軍の協力による撮影だとか)をきっとそれなりに楽しんでいたかもしれない。でも米英によるイラク攻撃が行われた2003年に観ると・・・ちょっと考え込んでしまうよなぁ、正直。

 ヨーロッパの米軍基地に住むティーンエイジャーが主人公。パイロットである彼の父親が中東某国機に撃墜され、捕虜となった。3日後に処刑されることを聞いた彼は同じ基地にいる大佐(ルイス・ゴセットJr.)と共に父親救出に乗り出す・・・というお話。主人公は、フライトシュミレーターを本職のパイロット以上にこなす腕前の持ち主という設定なのだが、これが次々にミグを撃ち落とす様には呆れてしまう。トム・クルーズでさえそれなりに苦労していたのに!(笑)。かつてリチャード・ギアを泣かせた鬼軍曹もすぐ引っ込んでしまう大活躍。都合がいいにも程がある。おまけに物語上でも、危機にも陥らず、挫折知らずの主人公。成長物語としての面白さなど、この映画には皆無。おかげで筋に起伏がないし、米軍のもつ機体や武器や大佐の戦術が優れていることを強調するだけ。あんまりだ。

 国境侵犯をするような救出作戦が、実際に行われているのかは知らない。それでも装備や物量で圧倒的なアメリカだったからこそ、救出できた物語であることは間違いない。公開当時米国のティーンはこれを観て、「俺たちの国ってすげえよな。彼のようにヒーローにもなれる。俺たちはそんな偉大な国に住んでいるんだ!」とでも思ったのだろうね。そんな錯覚に陥った者は少なくないと思うのだ。この映画でそんな”特権的国民”の夢を見た若者達は、公開から約15年経った今30代。イラク攻撃にも関わっているに違いない。彼らが異国を見下さないことを祈る他はない。映画自体に罪はないと思いたいけれど、こういう好戦的な映画を撮り続ける限り、異文化を持つ人々との理解はますます遠ざかってしまう。そのことにまだアメリカは気づかないのかねぇ?。

 ★

この文章を書いたのは2003年。この後アメリカは、当時のヤングスターが出演した80年代の映画「若き勇者たち」の名を付けた作戦を遂行し、イスラム教徒にヘヴィーメタルを聴かせる拷問を行った。文化を軍事利用することに怒りを覚えました。

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今日の映画台詞・「ヴァージン・スーサイズ」(1999)

2012-05-20 | 今日の映画台詞
今日の映画台詞◆

「まだ人生の辛さを知る年齢にもなっていないのに」
「でも先生は13歳の女の子になったことはないでしょ」
「ヴァージン・スーサイズ」(1999)◆

ソフィア・コッポラ監督の鮮烈なデビュー作から、5人姉妹の一人が自殺未遂の後で医師と交わした会話。

人生にはその人でないとわからないこと、あるよね。

「ヴァージン・スーサイズ」予告編

70年代ロック満載のサントラ、愛聴盤です。
ヴァージン・スーサイズ オリジナル・サウンドトラック The Virgin Suicides

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ロング・エンゲージメント

2012-05-19 | 映画(ら行)

■「ロング・エンゲージメント/Un long dimanche de fiançailles」(2004年・仏)

●2004年セザール賞 助演女優賞・有望若手男優賞・撮影賞・衣装デザイン賞・美術賞
●2004年シカゴ映画批評家協会賞 外国語映画賞

監督=ジャン・ピエール・ジュネ
主演=オドレイ・トトゥ ギャスパー・ウリエル ドミニク・ピノン マリオン・コティヤール

 ジャン・ピエール・ジュネ監督がずっと暖めていたという題材である本作。婚約者の生存を固く信じ続けるオドレイ・トトゥを主人公にしているので、「アメリ」のあのファンタジックな世界を期待した人もいるだろう。しかし本作は、戦争の醜さ・無意味さとそれに翻弄される人々の姿を見事に描ききったよりハードな映画である。でもそこに描かれる人間関係は他のどんな映画よりも温かい。

 ジュネ監督ゆかりの俳優たちの個性あるキャラクターは、ここでも健在。特にオドレイ・トトゥ演ずるマチルドは「アメリ」同様コミカルで変わっていてチャーミング。「夕食前に犬が入ってきたら彼は生きている」などと”おまじない”をかけるのは、同じような経験ないですか?ここでは信じ続ける強さをも演じていて実に素晴らしい。脇役で登場するジョディ・フォスターも、戦争に運命を狂わされながらも懸命に生きる女を演じていて印象的だ。信じて追うよりも関係者を殺す道を選んだマリオン・コティヤール扮する女性が、獄中で涙する場面も好きだ。砂利を蹴散らす郵便配達まで愛すべきキャラばかり。この辺りは「アメリ」を彷彿とされるところだ。戦場で何が起ったのかをめぐるミステリーが物語の主軸となっている。服装も同じで泥まみれの男たちを延々追い続ける観客はちょっと混乱することだろう。僕も途中でわからなくなったけれど、そこはそれで流して観るのがよいだろう。わからないなりに、マチルドと一緒に新事実にドギマギする方が映画としては楽しめるはず。要するに結末にきっと感動するはずだから。

 フランス映画の魅力は人間を見つめる視線にあると常々思う。それはエンターテイメントに徹した映画とは全く異なるものだ。それ故に地味な印象の映画でも魂を揺さぶられるような経験をすることがある。しかしこれまでのジュネ監督の作風はそれとは違っていた。むしろSFX技術を使って自分の世界を作り出すことに重きがおかれていた。「デリカテッセン」のブラックユーモアや「ロストチルドレン」の空想世界。ときにノスタルジックでグロテスクな映像世界に僕は夢中になった。ハリウッドに招かれて撮った「エイリアン4」も自分の色はしかっりと残されていた。「アメリ」はジュネ監督の世界を表現する場を外に求めた作品であった。これまで彼の映画を彩ってきたSFXはファンタジックなものに姿を変え、単なる見せ物としての技術ではないことを示してくれた。ところが本作はこれらとは違う。一見これまでの映像美をさらに発展させて納得のいくジュネ映画になっている。だが、ここで描かれる戦争という厳しい現実とその時代の中で懸命に生きている人々の温かさ。フランス映画を観た後に感ずる”人間っていいよなぁ”というあの感覚が宿っているのだ。脇役の1人1人にまで人生を感じさせるような映画。得意のSFXは時代を表現するために使われている。かつて「シンドラーのリスト」を観た後、僕は「空想しか撮らなかったスピルバーグという映画少年が、現実を描ける巨匠となった映画」と鑑賞日記に記したけれど、ジュネにとっての「ロング・エンゲージメント」はまさにそれだと思うのだ。




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仮面ライダーアギト Project G4

2012-05-16 | 映画(か行)

■「仮面ライダーアギト Project G4/Masked Rider Agito : Project G4」(2001年・日本)

監督=田崎竜太
主演=賀集利樹 要潤 友井雄亮 秋山莉奈 小沢真珠

 警視庁が開発した仮面ライダースーツG4のデータを自衛隊が盗用。自衛隊が秘密裏に進めてきた超能力者の防衛力としての利用と合わせて究極の防衛力として利用しようとする・・・と自衛隊が主人公たちにとって敵役となるシリーズ番外編。もちろんアンノウンの怪人(声の担当はRider-Chipsこと野村義男ら!)はうようよ出てくるが、ここでは小沢真珠扮する陸上自衛官が”悪”として描かれる(彼女の無表情さが見事にいきている)。

 本編(TVシリーズ)の主人公はもちろんアギトこと津上翔一だが、今回はG3-Xこと氷川誠が実に印象的な活躍をみせる。G4を駆って”死を背負って戦うことが戦う者としてあるべき姿”(いかにも軍人的発想?)とする自衛官と、楽天的ながら生きることを肯定する津上との間で、氷川は揺れる存在となる。「アギト」は人間から神に近い存在へと進化する超能力者を、”人間を超越する何か”が抹殺しようとするお話。人間の存在の是非をかけて戦う主人公たちの姿に唸ったのは、子供の隣でTVに向かう親たちであったに違いない。石ノ森ワールドでは、こうした特殊能力を持った故の葛藤・苦しみが色濃く描かれる。ライダー30周年作品としての「アギト」も人間の存在という重いテーマに挑んだ意欲作なのである。本作がもうひとつ訴えたいのは、機械や技術に溺れる人間への警鐘。「アギト」はまさに人間回帰の物語なのだ。僕はそこが好きなだけに、やたらアイテムばかり繰り出す「龍騎」には心躍らない。

 本作は世界初のフルデジタル制作による劇場映画(「エピソード2」を出し抜いたってところか?)で、特殊撮影も劇場版だけにグレードアップしている。変身シーン、アギトがフォームチェンジするシーンの迫力は興奮させられる。ギルスの腕がもがれてしまうシーンで「うわっ!子供が見てるのに!」と思ったが、エクシード・ギルスへと変化することで腕が再生するのだ!。すげぇ。ギルスがライダーマンになっちゃうの?と心配した僕は1号ライダー世代(苦笑)。それに警視総監役に藤岡弘!。「僕ができないことを君たちがやってくれている」なんて言っちゃって、実は部屋で変身していそう(笑)。



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今日の映画台詞・「仮面ライダーアギトProjectG4」(2001)

2012-05-15 | 今日の映画台詞
今日の映画台詞◆

「僕ができないことを君たちがやってくれている」
「仮面ライダーアギトProjectG4」(2001)◆

警視総監役の藤岡弘が、警視庁警察官にして仮面ライダーG3である要潤に言うひとこと。1号ライダーを演じた偉人だからこそ言える台詞。キャスティングと台詞って大事だね。

Kamen Rider Agito Movie Trailer




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