Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

8月のBGM

2015-08-31 | 音楽
2015年8月に聴いていた愛すべき音楽たち。



■ハロー!マイラブ & ふたり~One Day/たどころ晋也(高橋ジョージ)
■step by step/浜崎あゆみ
いつからかNHKのドラマしか見ないようになった。特に「セカンドバージン」以後、火曜10時はほぼ必ずテレビの前にいる。今月最終回を迎えたドラマ「美女と男子」にどハマり。不屈のヒロイン、仲間由紀恵がどす黒い芸能界に立ち向かう姿と、人間模様がなんとも面白い。
劇中、高橋ジョージ扮する中年歌手たどころ晋也が歌う「ハローマイラブ!」は、ストーリー上で"過去の栄光"とされるヒット曲。彼の大復活、そして主人公二人の行方は…そして最終回。波乱万丈の末、ド級のハッピーエンド。久々に真剣にドラマに夢中になったよ。NHK、ありがとう!受信料しっかり払いますっww。アンチ浜崎あゆみだったうちの配偶者アミダラが、主題歌口ずさんでるんです、最近ww
ハローマイラブ!/ふたり~One Day sixxxxxx

たどころ晋也(高橋ジョージ) - 「ハローマイラブ! / ふたり ~One Day」ダイジェスト映像


浜崎あゆみ / Step by step 【Music Video】


■硝子坂/高田みづえ
今月放送されたNHKの「思い出のメロディー」、31年振りに歌番組出演!という高田みづえに感動しちゃった私です。「硝子坂」も「私はピアノ」も思わず歌っちゃったよ、テレビの前で。小学校高学年の頃だったかな。おばに「歌手は誰が好きなの?」と尋ねられ、僕は「高田みづえ!」と答えた。するとおばは期待した答えと違う…という顔をして、「田舎くさい娘が好きなのね〜」と言った。なんとなく傷ついた(笑)。僕はそれからもずっとファンでした。おかみさん、今夜はいい歌をありがとう!
高田みづえ:コンプリート・シングルズ

高田みづえ 硝子坂 (2015年8月)


■The Pros And Cons of Hitch Hiking(ヒッチハイクの賛否両論)/Roger Waters
ローリングストーン誌の記事「プログレッシヴロックの名盤50」という記事をネットで読んで、再びプログレ熱再燃した8月。Apple Musicを検索してて、高校時代に「ベストヒットUSA」で聴いて以来ずっと気になっていたアルバムを発見。それはピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズのソロ第1作「ヒッチハイクの賛否両論」。こういう試し聴きができるのは楽しい。PVが凝ってて面白かったんだよねー、これ。ギターはエリック・クラプトン。
Pros and Cons of Hitchhiking

Roger Waters - 5:01AM (The Pros and Cons of Hitch Hiking, Pt. 10)


■Histoire de melody nelson(メロディ・ネルソンの物語)/Serge Gainsbourg
フレンチも今月あれこれ聴いた。特に大好きなのは、憧れの不良老人セルジュ・ゲンスブール。通勤BGMとしてよく聴いたのは、ジェーン・バーキンとアツアツだった時代にリリースされた「メロディ・ネルソンの物語」。のちにカヒミ・カリィが真似たジャケット写真も素敵。淡々と流れる演奏の間を、つぶやくような歌声が漂う。朝からアンニュイな金曜日でございました。
メロディ・ネルソンの物語

Serge Gainsbourg - La Melody Nelson - 1 Melody


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ジュラシック・ワールド

2015-08-22 | 映画(さ行)

■「ジュラシック・ワールド/Jurassic World」(2015年・アメリカ)

監督=コリン・トレヴォロウ
主演=クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード タイ・シンプキンズ ニック・ロビンソン

 2015年のサマーシーズン。「マッドマックス」「ターミネーター」「ミッション:インポッシブル」そして「ジュラシック・パーク」の続編・・・。本当に今年は2010年代か?。1990年代じゃないよな?と思いたくなる程に、リブートと続編だらけのアメリカ映画。それでも米国製「ゴジラ」くらいしか観るものがなかった昨年の夏と比べたら、外国映画好きにとってはとても楽しい今年の夏である。

 「ジュラシック・パーク」3部作の後、いよいよあの恐竜パークがオープンする第4弾である。遺伝子研究はさらに進み、見せ物としての期待に応える新種(ハイブリッド)が生み出せるようになった時代。過去の失敗を踏まえ、安全対策もしっかりと施され、恐竜テーマパークとして運営されている。パークには新しい巨大で凶暴な新種インドミナスが準備されていた。ところがこれを究極の兵器とする野望を持った人々がパークに入り込んだことから、大パニックが起こることになる・・・。

 「ジュラシック・パーク」の原作はマイケル・クライトン。彼が、人間がテクノロジーの粋を集めたテーマパークで起こる大パニックという題材を書いたのは、何も「ジュラシック・パーク」が最初ではない。僕が幼い頃、テレビの映画番組で観たSF映画「ウエストワールド」の原作はまさにマイケル・クライトンだった。「ウエストワールド」の舞台は西部、中世、未来のエリアで来場者がその世界での冒険を満喫できる大人のテーマパーク。ところがそれを制御するコンピュータの異常でロボットたちが人間を襲い始めるというストーリー。「荒野の七人」のいでたちのユル・ブリンナーが迫ってくる恐怖に小学生の僕は震え上がった。これはまさに「ジュラシック・パーク」の原点なのだ。

スピルバーグの手による「ジュラシック・パーク」。CG技術で甦った恐竜の姿に感動し、「ジョーズ」を思わせる"迫り来る恐怖"のサスペンス描写が見事な大傑作だった。また、それまで巨体を揺すって緩慢な動きしかできなかったと考えられていた恐竜が、実は機敏に動ける生き物だったという最新の研究成果に基づいていることも、当時の僕らを驚かせ、興奮させた。逃げる主人公たちをものすごいスピードで追いかけるTレックスの姿は素晴らしかった。

今では恐竜は鳥に進化した、ということで、図鑑や博物館にも羽毛を持つ恐竜が出てくる。「ジュラシック・ワールド」では、冒頭にもそれを感じさせる場面があるので、お見逃しなく。

 第4弾となる今回の「ジュラシック・ワールド」は、恐竜が動物園の象と同じレベルで珍しくなくなっている状況。巨大な水棲恐竜は、ショーのイルカのようにつり下げられた鮫を食いちぎる。映画の最初で語られるように、新しい恐竜を次々に発表しないと客足が落ちてしまう。それゆえに人間のエゴのために新種が作られているという。この辺りはオリジナルのスピリットがまさに生きている部分だ。

映画では随所にスピルバーグの第1作を思い出させるディティールが登場する。説明画面に登場するMr.DNA、ラプトルに襲われるクライマックスで登場した建物。パークの広報担当クレアと、ワイルドなオーウェンのコンビは、「ロマンシング・ストーン」のマイケル・ダグラスとキャスリン・ターナーみたい。テクノロジーが生み出したインドミナスは、もはや恐竜ではなく怪獣だ。クライマックスでは、絶体絶命の危機に、第1作を思い出させる展開にもつれ込む。この対決はまさに自然が生み出したものと、テクノロジーが生み出したものとの対決。言うなればこの映画は「ゴジラvsビオランテ」がやりたかったのかも(笑)。

 見せ場の連続で退屈しないエンターテイメントに仕上がっている。確かに面白い。でもエンドクレジットを迎えて、なにかスカッとしないものがある。人間ドラマ部分ではないだろか。登場人物のキャラクターの描かれ方がどうも物足りなく感じる。例えば、第1作と3作目に登場するグラント博士が"子供嫌い"だったという設定はその後の物語の展開を実に面白くしてくれるし、第3作で「男の子には2種類ある」と子供たちに語る場面も印象的だった。それだけ際だったキャラクターだったのだろうが、クレアとオーウェンがぎくしゃくしてる感じが前半にもっとあると、翼竜を撃った後のキスも唐突な印象ではなかったような気も。それでもラストの台詞、「一緒にいよう。生きるために。」はちょっといいじゃない。



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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション

2015-08-10 | 映画(ま行)

■「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション/Mission : Impossible Rogue Nation」(2015年・アメリカ)

監督=クリストファー・マッカリー
主演=トム・クルーズ ジェレミー・レナー サイモン・ペッグ レベッカ・ファーガソン アレック・ボールドウィン

 トム・クルーズは嫌い!とこのブログではさんざん書いてきた。それでも彼の主演作はついつい映画館で観てしまう。特にこの「ミッション:インポッシブル」シリーズはそうだ。今回も公開初日に映画館に足を運んでしまった。ブライアン・デ・パルマ監督の第1作と前作「ゴースト・プロトコル」がお気に入り。それは「スパイ大作戦」らしいチームプレイの産物だからだ。ジョン・ウー監督の第2作とJ・J・エイブラムス監督の第3作は、どうしてもトム・クルーズのええかっこしい映画にしか見えなかった。そして第5作「ローグ・ネイション」は第4作「ゴースト・プロトコル」の脚本を手掛けたクリストファー・マッカリーが監督を務める。前作同様チームプレイの面白さが楽しい。これぞスパイ映画、エンターテイメントだ。

 「ローグ・ネイション」の面白さは脚本にあると思う。まずはポスターや予告編で見せつけられた、離陸する飛行機につかまるイーサン・ハント。この命知らずなトムの役者魂にも恐れ入るが、これ程の見せ場をプレタイトルにもってくるという贅沢さ。もう"ツカミ"はオッケーだ。そして本編へ。謎のスパイシンジケートを追っていたイーサン・ハントは、ロンドンで敵の罠に落ちてしまう。謎の美女イルサの手引きで脱出に成功するが、シンジケートから追われるだけでなく、彼が属するIMFは解散、CIAに編入されるという事態になり、CIAにも捜索されることになってしまう。シンジケートの手がかりを掴んだイーサンは、IMFチームの一員ベンジーをウィーンへと呼び出す。「トゥーランドット」が上演される最中に企てられる要人暗殺。二人はさらなる手がかりを追ってモロッコへ。イルサの協力で、シンジケートの情報を得るべくイーサンはさらなる危険な作戦に出る。

 本当に面白いサスペンス映画は、単なる1対1の追いかけっこではない。イーサンとシンジケート、CIA、さらに謎の美女イルサをからめた二重三重の追跡劇が観客を飽きさせない。そして美女イルサが峰不二子の様な存在。味方と思ったら裏切られる。彼女がどういう存在なのかは最後までハラハラさせる要素になっている。ウィーンのオペラ場面で使われるのがプッチーニの「トゥーランドット」なのだが、そもそもこの物語は美しい中国の姫トゥーランドットが出題する3つの謎を解くお話。音楽にもところどころで引用されていて、謎の美女イルサはトゥーランドット姫に重ねられているというセンスのよさ。イーサン・ハントを追うことを命ずるCIA長官が、こちらもかつてジャック・ライアンというスパイを演じたアレック・ボールドウィン。こういう映画ファンをニヤッとさせるところが楽しくて楽しくて。ストーリーの面白さで最後までハラハラさせてくれる一級の娯楽大作に仕上がっている。

映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』ティザー予告映像




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海街diary

2015-08-02 | 映画(あ行)

■「海街diary」(2015年・日本)

監督=是枝裕和
主演=綾瀬はるか 長澤まさみ 夏帆 広瀬すず 大竹しのぶ

 久しぶりにいい日本映画を観た。人気も実力もある4女優のアンサンブル。"小津安二郎ぽい"と玄人な映画好きから評された是枝監督の演出。作家性を求める映画ファンにも、人気者が観たいという映画ファンの期待にも応えたバランスの良さ。エンドクレジットが流れ始めると、上映時間が終わってしまうのがものすごく名残惜しかった。このままこの鎌倉の風景を、姉妹の姿を眺め続けていたい。少し前に「アバター」を観た人が、あの仮想現実の世界に魅せられて"鑑賞後うつ"になったというニュースが流れたことがあった。まぁ、それ程とは言わないまでも、僕や多くの観客はこの海街を眺め続けたいと少なからず思った。でも決定的に違うのは、そこに描かれるのが実は厳しくて現実的な出来事だということだ。

 鎌倉で暮らす三姉妹の元に、15年前に家を出て行った父の訃報が届く。葬儀が行われた山形を訪れた3人は異母妹と初めて出会う。明日からの生活も危ういのに気丈に振る舞う彼女を見て、長女幸は「鎌倉で一緒に暮らそう」ともちかける。そして始まった4人の生活。彼女たちそれぞれが抱える人間関係、家を出て行った母親との確執、親族の問題、彼女たちを見守ってきた鎌倉の人々。そこから描かれるエピソードは淡々としていながらも、それが決して軽いものではない。シナリオに書かれた台詞とは思えない程に自然で等身大の言葉たち。テレビドラマならもっとドラマティックな盛り上げ方があったりするんだろうけど、そこに流れるのは現実的な空気感。

 例えば、綾瀬はるか演じる長女幸が、長年不倫関係にあった男性(堤真一)との会話。単身で暮らす彼の元に食事を作りに行く場面で、使い古された箸が話題になり、「買ってきてくれればいいのに」という彼に幸はたしなめるように言う。「女が(男性の)箸を買うって、特別なことなんですよ。」何気ないひと言なのに、抑えられた感情や関係が伝わってくる。海辺で別れを告げる場面にしても、あぁ現実交わされる会話ってこのくらいだよね、と納得できる。そこには饒舌な説明臭さもなければ、こみ上げる感情表現もグッと抑えられている。そして幸は果物を大量に買って帰宅する。幸は何も言わないのに、妹たちは「前に男と別れた時も同じだったよね」と言う。傷つくような出来事があっても現実は続いていく。決して饒舌な映画じゃないのに、スクリーンの中にある風景や立ち居振る舞いがあまりにも雄弁で。「桜のトンネルを見せてやる」とすずを自転車の後ろに乗せる少年。その場面の美しさ。鎌倉の家と姉妹のつながりを感じさせるのは、梅酒のエピソード。鎌倉を去る母親に渡す場面には涙があふれそうになる。美しいものを美しいと思える心を持ち続けてよかった、という台詞が出てくる。それはスクリーンのこっち側の僕らが、この映画の風景や佇まいや人々の姿を美しいと感じることができる幸せにもつながる。

 長女を演ずる綾瀬はるかの笑顔が、菩薩のように見える(大げさな・笑)。いや、それくらいに癒された。これまで映画で彼女が演じた役柄は、どこか天然キャラで素の彼女(?)と世間で言われているイメージを覆すようなものは少なかったように思う。やはり大河ドラマ「八重の桜」後の彼女は女優として肝が据わったと思える。男癖も酒癖も悪い次女長澤まさみは、この映画のセクシー部分担当。しかしそれは過剰でもなく、むしろ健康的でカッコいい。自宅でのだらしないくつろぎ方も、女性だけの所帯ならそうなるよねと納得できる。三女夏帆の奔放なキャラも好感。姉たちの前ではあまり主張しない彼女が、店長と二人になると穏やかなしゃべりになるのが好印象だった。そして広瀬すず演ずるしっかり者の四女。サッカーの巧さにも感激するけど、難しい役ながらもストーリーが進むにつれて彼女が成長していく様子が何よりも素晴らしい。大竹しのぶの母親、樹木希林のおばちゃん、風吹ジュンの食堂のおばちゃん、リリー・フランキーの喫茶店のおじさん。映画が終わってもそれぞれの表情を思い出せるくらいに印象深い演技。

 上映時間が終わるのが名残惜しい。こんな気持ちは、全然趣の違う映画だけど、僕にとっては「マイ・ブルーベリー・ナイツ」以来かも。そう言えば、最近アニメ「つり球」も見たし、「ビブリア古書堂」シリーズにも夢中になったし・・・この名残惜しい気持ちは鎌倉に行ってみたい!という感情に、僕の中で変わりつつある。

綾瀬はるか、長澤まさみらが4姉妹に 映画『海街diary』予告編





 


 
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