Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

tak's Movie Awards 2023

2024-01-02 | tak's Movie Awards




2023年の映画生活は、ここ数年のうちで最も映画館通いができた年。アニメ率が異様に高いのと、サマーシーズン以降ヒット作中心だったことから、前半に見逃した映画も多かった。それでも観られる本数は限られているから、選球眼と情報収集は大切。Filmarksでの率直な感想と口コミは大事な情報源だった。
さて。いち映画ファンとしての年中行事、2023年の年間ベストを発表しまーす。この1年間にわたくしtakが観たオールタイムの映画からセレクト。公開年にタイムリーになってません。配信で旧作を観なおす機会も多かったので、ご了承くださいませ。

tak's Movie Awards 2023

■作品賞=「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」(2023年・アメリカ)

上半期に外国映画にありつけなかったことやリバイバル上映が楽しかったこともあり、下半期いちばんの衝撃となったのは本作。マーチン・スコセッシらしい裏社会の描き方が、アメリカの黒い歴史をスクリーンに刻み込む。

今年の10本
SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022)
TAR/ター(2022)
イニシェリン島の精霊(2022)
帰れない山(2022)
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023)
ゴジラ-1.0(2023)
翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~(2023)
バッファロー’66(1998)
ファルコン・レイク(2022)
私がやりました(2023)

■アニメーション作品賞=「さよならの朝に約束の花をかざろう」(2018年・日本)

Filmarksの再上映イベントにて鑑賞。勝手に恋愛ものだと思って避けていた。スクリーンのこっち側との接点がまったくないファンタジー映画だけど、ここに描かれる人を思う気持ちは普遍的なもの。

■監督賞=ボブ・フォッシー「キャバレー」(1972年・アメリカ)

ミュージカル映画がもつ音楽の力と、映画がもつ物語の力が見事な調和をもたらす傑作。2022年の「午前10時の映画祭」を見逃し、配信も近場のレンタル店でもありつけず、やっと観ることができた。ノミネートに旧作が多いのはそれぞれのすごさを思い知らされたから。

今年の10人
今村昌平「カンゾー先生」
イヴ・ロベール「わんぱく戦争」
今敏「パーフェクトブルー」
北野武「首」
ジョン・フランケンハイマー「大列車作戦」
トッド・フィールド「TAR/ター」
フランソワ・オゾン「私がやりました」
ボブ・フォッシー「キャバレー」
マーティン・スコセッシ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
宮崎駿「君たちはどう生きるか」

■主演男優賞=ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ「帰れない山」(2022年・イタリア=ベルギー=フランス)

育ち方も生き方も違う二人の心のつながりに胸を打たれる。心のどこかで人と自分に優劣をつけて日々を過ごしている僕らに、気付きを与えてくれる。二人の対比があるからこその素晴らしさ。ペアで選出といたします。

今年の10人
イヴァン・アタル「ふたりのマエストロ」
コリン・ファレル「イニシェリン島の精霊」
ジャン・ギャバン「現金に手を出すな」
トム・クルーズ「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」
バート・ランカスター「大列車作戦」
ヴィンセント・ギャロ「バッファロー’66」
ホアキン・フェニックス「ナポレオン」
光石研「逃げ切れた夢」
ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ「帰れない山」
レオナルド・ディカプリオ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

■主演女優賞=ケイト・ブランシェット「TAR/ター」(2022年・アメリカ)

全編出ずっぱりで主人公のあらゆる感情を表現し尽くす。撮影後に引退もほのめかす程に完全燃焼した名演技。音楽家としての音楽に向き合う姿勢や厳しさ。普通の人間性では高みにはたどり着けない。その凄みを思い知らされる。

今年の10人
イザベル・カレ「ムースの隠遁」
キャリー・マリガン「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
ケイト・ブランシェット「TAR/ター」
シアーシャ・ローナン「ウエスト・エンド殺人事件」
ジェーン・バーキン「彼女とTGV」
ゾーイ・カザン「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
ソフィア・ローレン「ふたりの女」
マルシューカ・デートメルス「肉体の悪魔」
ミシェル・ヨー「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
ライザ・ミネリ「キャバレー」

■助演男優賞=キー・ホイ・クァン「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022年・アメリカ)

80年代映画育ちにとっては懐かしい友達との再会。マルチバースで様々な顔を見せる役柄だが、僕らはこれまでの彼のキャリアに重ねてしまう。お下品なギャグやふざけた作風が硬派な映画ファンに嫌われる本作だが、俳優陣の頑張りは評価されるべき。

今年の10人
エイドリアン・ブロディ「ウエスト・エンド殺人事件」
キー・ホイ・クァン「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
クリストファー・ウォーケン「グリニッジビレッジの青春」
ジョエル・グレイ「キャバレー」
バリー・コーガン「イニシェリン島の精霊」
ブルース・ダーン「ブラック・サンデー」
ブレンダン・グリーソン「イニシェリン島の精霊」
マッツ・ミケルセン「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
リノ・ヴァンチュラ「現金に手を出すな」
ロバート・デ・ニーロ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

■助演女優賞=リリー・グラッドストーン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」(2023年・アメリカ)

じわじわと迫る日常の恐怖の中、夫への信頼と白人への疑念の間で葛藤する女性を演じて、堂々たる演技で大物男優と渡り合う見事な仕事。

今年の10人
イザベル・ユペール「私がやりました」
オリビア・ハッセー「サマータイム・キラー」
ケリー・コンドン「イニシェリン島の精霊」
シェリー・ウィンタース「グリニッジビレッジの青春」
ジャンヌ・モロー「大列車作戦」
ジョアンナ・シムカス「冒険者たち」
ノエミ・メルラン「TAR/ター」
浜辺美波「シン仮面ライダー」
ミュウ・ミュウ「ふたりのマエストロ」
リリー・グラッドストーン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

■音楽賞=上原ひろみ「BLUE GIANT」(2023年・日本)

予告編見て音楽が上原ひろみと知った瞬間に、これはすんげえもんが聴けるに違いないと確信。2023年に最も聴いたサントラ盤はこれ。モーションキャプチャーによる演奏シーンのビジュアル表現に賛否は分かれたようだが、その絵の向こうで演奏される音の力に僕は圧倒された。

今年の10人
上原ひろみ「BLUE GIANT」
大友良英「色即ぜねれいしょん」
クインシー・ジョーンズ「ホット・ロック」
ジャスティン・ハーウィッツ「バビロン」
ジョゼ・ベルグマン「わんぱく戦争」
ジョン・カンダー、フレッド・エブ「キャバレー」
岩代太郎「首」
フランソワ・ド・ルーベ「冒険者たち」
ルイス・バカロフ「サマータイム・キラー」
ロビー・ロバートソン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

■主題歌賞=心音(中島みゆき)「アリスとテレスのまぼろし工場」(2023年・日本)

ストーリーとシンクロする歌詞の叫びが心に焼き付く秀作。「心音(しんおん)」というタイトルが主人公たちの胸の高鳴りだけでなく、息遣いまで思い出させてくれる。

今年の10人
Cabaret (Liza Minnelli)「キャバレー」
DIGNITY (Ado)「沈黙の艦隊」
In This Country (Robin Zander)「オーバー・ザ・トップ」
Le Refuge (Louis-Ronan Choisy)「ムースの隠遁」
SOULSOUP(Official髭男dism)「劇場版SPYxFAMILY CODE:White」
Still Standing (Robbie Robertson)「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
Winner Takes It All (Sammy Hager with Edward Van Halen)「オーバー・ザ・トップ」
アンサンブル(TRUE)「特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト」
心音(中島みゆき)「アリスとテレスのまぼろし工場」
灰色の街(松田優作)「ヨコハマBJブルース」






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tak's Movie Awards 2022

2023-01-01 | tak's Movie Awards

 

2022年は映画生活に配信を導入したこと、流行り病の関係で家から出られない状況になったことなど、様々な事情があって、鑑賞本数ならここ10年で最もたくさん観た年になった。それでも観られる本数は限られているから、選球眼と情報収集は大切。Filmarksで様々な感想に出会えるのは日々の楽しみ。お世話になってます。
さて。いち映画ファンとしての年中行事、2022年の年間ベストを発表しまーす。この1年間にわたくしtakが観たオールタイムの映画からセレクト。公開年にタイムリーになってません。配信で旧作を観なおす機会も多かったので、ご了承くださいませ。

tak's Movie Awards 2022

■作品賞=「コーダ あいのうた」(2021年・アメリカ)

サンダンス映画祭で受賞後に大手企業が独占配信しようとしたが、その前に配給権を得ていた日本企業。大手の権利買取要求を突っぱねて、劇場公開。シアターで待つ僕らに届けてくれた。映画って誰のもの?独占配信が増える中、そんなことも考えた。この作品を映画館の音響とスクリーンで観られたことに感謝。そしてアカデミー賞獲得の速報に声を上げてしまった。

今年の10本
「アンダーグラウンド」
「コーダ あいのうた」
「婚約者の友人」
「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」
「すばらしき世界」
「トップガン マーヴェリック」
「パリ13区」
「ベルファスト」
「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」
「すずめの戸締り」

■アニメーション映画賞=「すずめの戸締り」(2022年・日本)

「君の名は」「天気の子」を超えないだろうとナメておりました。エンタメといろんなこだわりが詰まった見事な作品。

■監督賞=ケネス・ブラナー「ベルファスト」(2021年・イギリス)

郷愁、ノスタルジー、人生、宗教問題、家族。映画を観ている間にいろんな”あるべき姿”に思いを巡らせ、考えさせられた。名言だらけの脚本。引用される楽曲のセンス。元々シェイクスピア俳優のケネス・ブラナー。イギリス伝統と歴史の継承者としてのいい仕事。ウクライナでの戦火が毎日報道された2022年だけに重なる情景も多く、心に残る映画でもあった。

今年の10人
ヴィットリオ・デ・シーカ「昨日・今日・明日」
エミール・クストリッツア「アンダーグラウンド」
エルンスト・ルビッチ「私の殺した男」
ケネス・ブラナー「ベルファスト」
シルベスター・スタローン「ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV」
ドゥニ・ヴィルヌーヴ「メッセージ」
西川美和「すばらしき世界」
フランソワ・オゾン「Summer of 85」
李相日「流浪の月」
レオス・カラックス「汚れた血」

■主演男優賞=トム・クルーズ「トップガン マーヴェリック」(2020年・アメリカ)

トム・クルーズのアンチを貫いてきたはずの僕ですが、観念します。「マーヴェリック」でのいい歳した男の頑張りとプライドに、しかも大嫌いな「トップガン」の続編に涙まで誘われるとは思わなかった。映画館窓口で「F-14」番席を指定した80年代育ちですが、何か。

今年の10人
役所広司「すばらしき世界」
ジェフリー・ラッシュ「クイルズ」
トム・クルーズ「トップガン マーヴェリック」
ピエール・ニネ「婚約者の友人」
ブラッドリー・クーパー「ナイトメア・アリー」
ポール・ニューマン「熱いトタン屋根の猫」
マイケル・ケイン「デストラップ・死の罠」
森繁久彌「小説吉田学校」
ロバート・デ・ニーロ「ニューヨーク・ニューヨーク」
ロマン・デュリス「キャメラを止めるな!」

■主演女優賞=キャリー・マリガン「プロミシング・ヤング・ウーマン」(2020年・イギリス)

性暴力という重いテーマなのに、エンターテイメントとしての絶妙なバランスがある作品。場面ごとに犯罪映画、恋愛映画、スリラー映画を感じさせる演出でグイグイ引き込んでくる。それを成し得たのはキャリー・マリガンの熱演あってこそ。

今年の10人
エマニュエル・ベアール「Mの物語」
エミリア・ジョーンズ「コーダ あいのうた」
キャリー・マリガン「プロミシング・ヤング・ウーマン」
クリステン・スチュワート「スペンサー ダイアナの決意」
シアーシャ・ローナン「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」
ジュリエット・ビノシュ「汚れた血」
ソフィア・ローレン「昨日・今日・明日」
永野芽郁「マイ・ブロークン・マリコ」
ノエミ・メルラン「パリ13区」
パウラ・ベーア「婚約者の友人」

■助演男優賞=トロイ・コッツァー「コーダ あいのうた」(2021年・アメリカ)

娘の喉に手をあてて歌声を感じようとする場面に泣かされた。生き様も感情も家族に示す愛情もすべてが生々しい。でもそれが生きてるということ。この人がこの役でほんとうによかった。エウヘニオ・デルベスが演じた音楽の先生も愛すべきキャラクター。

今年の10人
ウィレム・デフォー「ナイトメア・アリー」
エウヘニオ・デルベス「コーダ あいのうた」
エルンスト・ストッツナー「婚約者の友人」
キアラン・ハインズ「ベルファスト」
窪田正孝「マイ・ブロークン・マリコ」
ジャック・ブラック「ハイ・フィデリティ」
ショーン・コネリー「ザ・ロック」
ティモシー・スポール「スペンサー ダイアナの決意」
トロイ・コッツァー「コーダ あいのうた」
バール・アイブス「熱いトタン屋根の猫」

■助演女優賞=シガニー・ウィーバー「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」(2020年・カナダ=アイルランド)

ヒロインの上司を演じたのは、元80年代の強いヒロイン代表、シガニー・ウィーバー。「ワーキング・ガール」のように部下のアイディア盗んだり横恋慕もしないけれど、意見は戦わせつつもヒロインとサリンジャーを見守る視線は温かい。

今年の10人
アリアナ・デボーズ「ウエストサイド・ストーリー」
ケイト・ブランシェット「ナイトメア・アリー」
ジェニファー・コネリー「トップガン マーヴェリック」
シガニー・ウィーバー「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」
ジュディ・デンチ「ベルファスト」
ダイアン・クルーガー「355」
フローレンス・ビュー「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語」
マーリー・マトリン「コーダ あいのうた」
リタ・モレノ「ウエストサイド・ストーリー」
レティシア・カスタ「ゲンスブールと女たち」

■音楽賞=マイケル・ゴア「フェーム」(1980年・アメリカ)

アイリーン・キャラの訃報が届いた2022年。彼女の歌声と共に、この映画の躍動感を思い出して欲しい。好きなことのために歩みつづけるそれぞれの青春群像劇。そこに流れた名曲の数々。Hot Lunchの場面は何度観ても感動する。

今年の10人
宇崎竜童「社葬」
セルジュ・ゲンスブール「ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ」
デイブ・グルーシン「トッツィー」
バート・バカラック「紳士泥棒 大ゴールデン作戦」
フランシス・レイ「あの愛をふたたび」
ヘンリー・マンシーニ「アラベスク」
マイケル・ゴア「フェーム」
ヨハン・ヨハンソン「メッセージ」
ライ・クーダー「クロスロード」
ラルフ・バーンズほか「ニューヨーク・ニューヨーク」

■主題歌賞=Ubugoe (森口博子)「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(2022年・日本)

ファーストガンダム伝説の第15話がまさかの劇場映画に。”戦争の匂い”を消したいのはスクリーンのこっち側も同じだよ。これまで以上にモビルスーツが恐怖をもたらす兵器に見えた。新たな一歩となるラストを今も伸びやかな歌声が彩ってくれる。グッジョブ!

今年の10曲
Both Sides Now (Emilia Jones)「コーダ あいのうた」
Fame (Irene Cara)「フェーム」
Inbetween Days (The Cure)「Summer of 85」
Never Enough (Lorren Allred)「グレイテスト・ショーマン」
Nothing's Gonna Stop Us Now (Starship)「マネキン」
Super Freak (Mick Jones)「リトル・ミス・サンシャイン」
This Is Me (Keala Settle & The The Greatest Showman Ensemble)「グレイテスト・ショーマン」
Ubugoe (森口博子)「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」
生きのばし(Theピーズ)「マイ・ブロークン・マリコ」
空の青さを知る人よ(あいみょん)「空の青さを知る人よ」

2023年もよき映画とめぐりあえますように。
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tak's Movie Awards 2021

2022-01-01 | tak's Movie Awards
2021年は予習復習の年。シリーズものの続編公開が相次いだせいだ。古い「007」を観なおしたり、「エヴァ」劇場版を復習したり。Fire TVを導入して配信が増えたのも大きな影響で旧作を振り返ることもでき、本数で言えば、ここ数年ではいちばん観た年になった。そしてコロナ禍の影響は続くけれども、エンターテイメントが心の支えであることを実感した年でもある。
さて。いち映画ファンとしての年中行事、2021年の年間ベストを発表しまーす。1年間にわたくしtakが観たオールタイムの映画からセレクトしてますので、公開年にタイムリーになってません。旧作を観る機会も多かったので、ご了承くださいませ。


tak's Movie Awards 2021

■作品賞=「ドライブ・マイ・カー」(2021年・日本)
村上春樹作品の映画化は成功作が少ないので、正直観るのが怖かった。
しかし予想に反して長尺が苦にならない話の密度、会話と映像から感じる熱量に圧倒された。
原作が収められた作品集「女のいない男たち」には思い入れがあるもので、
原作の空気が生かされているのが嬉しい。
さらに付け加えられたパートが、喪失感と孤独を文章で味わう村上作品に、
人とのつながりの大切さを加えてくれている。


今年の10本
「映画大好きポンポさん」
「オン・ザ・ロック」
「カセットテープ・ダイアリーズ」
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
「声優夫婦の甘くない生活」
「ドライブ・マイ・カー」
「ノマドランド」
「ファーザー」
「ラストナイト・イン・ソーホー」
「リスペクト」

■アニメーション映画賞=「映画大好きポンポさん」(2021年・日本)

「アニメのくせに映画がわかってんじゃねえか!」
と玄人映画ファンに言わしめる(かもしれない)大傑作。
映画製作の舞台裏、特に編集の凄さ。「キネマの神様」で言ってた、”カットとカットの間に神様が宿る”ってこういうことなんよね。
映画ファンにこそ観て欲しい。


■監督賞=エドガー・ライト「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021年・イギリス)

「ベイビー・ドライバー」も素晴らしかったエドガー・ライト監督の新作は、
青春映画、スリラー、音楽映画、血まみれホラーなど幾多の要素が入り乱れながら、
スタイリッシュに仕上げられている。
ホラー嫌いなのにワクワクが最後まで止まらない。


今年の10人
庵野秀明「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
エドガー・ライト「ラストナイト・イン・ソーホー」
クロエ・ジャオ「ノマドランド」
ジョン・ヒューストン「赤い風車」
ソフィア・コッポラ「オン・ザ・ロック」
ドゥニ・ヴィルヌーヴ「DUNE/デューン 砂の惑星」
ドミニク・モル「悪なき殺人」
ハーバート・ロス「愛と喝采の日々」
濱口竜介「ドライブ・マイ・カー」
ピーター・グリーナウェイ「ベイビー・オブ・マコン」

■主演男優賞=アンソニー・ホプキンス「ファーザー」(2020年・イギリス)

認知症の目線で製作されたホラーのような人間ドラマ。
いかに不安に陥るのか、どう言う思いでいるのか知ることができるのは、
アンソニー・ホプキンスの生々しい演技あってこそ。


今年の10人
ビル・マーレイ「オン・ザ・ロック」
アンソニー・ホプキンス「ファーザー」
ヴラディミール・フリードマン「声優夫婦の甘くない生活」
スティーブ・マックイーン「砲艦サンパブロ」
ダニエル・クレイグ「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
西島秀俊「ドライブ・マイ・カー」
ポール・ニューマン「ハスラー2」
ホセ・ファーラー「赤い風車」
レイフ・ファインズ「キングスマン:ファースト・エージェント」
レオナルド・ディカプリオ「ドント・ルック・アップ」

■主演女優賞=フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」(2020年・アメリカ)
コロナ禍の2021年に、人との距離やつながりを真剣に考えさせられた「ノマドランド」。
一人でいるけど孤独でもなく、
離れているのが楽だけど人恋しくもなる。それは今の僕らも同じ。
微妙な心境を表情と横顔で訴える名演。


今年の10人
イザベル・アジャーニ「王妃マルゴ」
キーラ・ナイトレイ「オフィシャル・シークレット」
ケイト・ウィンスレット「アンモナイトの目覚め」
シアーシャ・ローナン「レディ・バード」
ジェニファー・ハドソン「リスペクト」
ジェニファー・ローレンス「ドント・ルック・アップ」
ジュリエット・ビノシュ「5月の花嫁学校」
スーザン・サランドン「ブラックバード 家族が家族であるうちに」
フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」
ラシダ・ジョーンズ「オン・ザ・ロック」

■助演男優賞=ジョナ・ヒル「ドント・ルック・アップ」(2021年・アメリカ)
くせものだらけのこの映画で、
毒のある嫌な脇役を楽しそうに演じながら、
メリル・ストリープ大統領と共に最後の最後まで存在感を示し、神経を逆撫でする。
見事だ。

今年の10人
ヴァンサン・ペレーズ「王妃マルゴ」
岡田将生「ドライブ・マイ・カー」
ジャン・マリオ・ボロンテ「荒野の用心棒」
ジョナ・ヒル「ドント・ルック・アップ」
テレンス・スタンプ「ラストナイト・イン・ソーホー」
ビル・ナイ「アバウト・タイム 愛おしい時間について」
フォレスト・ウィティカー「リスペクト」
リチャード・アッテンボロー「砲艦サンパブロ」
レイフ・ファインズ「オフィシャル・シークレット」
ロバート・デ・ニーロ「バックドラフト」

■助演女優賞=ダイアナ・リグ「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021年・イギリス)
遺作となった本作で、二人のヒロインをめぐる重要な役回りを演ずる。
ラストに至るまでの老婆の気持ちが最後の姿ににじんで胸に迫る。
今年は、かつて出演した「女王陛下の007」が、シリーズ新作でオマージュを捧げられたのも印象的だった。

今年の10人
蒼井優「人のセックスを笑うな」
ダイアナ・リグ「ラストナイト・イン・ソーホー」
デボラ・フランソワ「セザンヌと過ごした時間」
永野芽郁「キネマの神様」
パティ・マコーマック「悪い種子」
ミア・ワシコウスカ「ブラックバード 家族が家族であるうちに」
三浦透子「ドライブ・マイ・カー」
メリル・ストリープ「ドント・ルック・アップ」
ヨランド・モロー「5月の花嫁学校」
ロッシ・デ・パルマ「マーメイド・イン・パリ」

■音楽賞=HAKASE-Sun「人のセックスを笑うな」(2007年・日本)

旧作からセレクト。
あれ程嫌いだった松山ケンイチ主演作のサントラが、まさか僕の家事のBGMになるなんて(笑)。
シンプルなピアノの「みるめのテーマ」がたまらなく愛おしくって。
今年、ハンス・ジマーは確かにいい仕事をしたよ。
でもジョン・バリー亡き今「007」音楽の最適任はジャック・アーノルドだと思っている僕にはピンと来なかった。


今年の10人
HAKASE-Sun「人のセックスを笑うな」
岩崎太整、坂東祐大、Ludvig Forssell「竜とそばかすの姫」
エリック・セラ「サブウェイ」
エンニオ・モリコーネ「荒野の用心棒」
ジェリー・ゴールドスミス「砲艦サンパブロ」
ジョン・ライチベリー「愛と喝采の日々」
バート・バカラック「何かいいことないか子猫チャン」
ハンス・ジマー「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
ハンス・ジマー「DUNE/デューン 砂の惑星」
ロビー・ロバートソン「ハスラー2」
■主題歌賞=大好物(スピッツ)「劇場版 きのう何食べた?」(2021年・日本)

コロナ禍で人とのつながりを考えさせられた2021年。
「竜とそばかすの姫」のあの歌も胸に迫ったけれど、
心を許せる誰かと一緒にいる幸せと心地よさを感じさせたくれたのは、この映画とスピッツの主題歌のおかげ。


今年の10曲
ANGEL (武田カオリ)「人のセックスを笑うな」
Downtown (Anya Taylor Joy)「ラストナイト・イン・ソーホー」
glory days(春奈るな)「冴えない彼女の育て方fine」
Into The Night (B.B. King)「眠れぬ夜のために」
No Time To Die(Billie Eilish)「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
One Last Kiss(宇多田ヒカル)「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
What's New Pussy Cat (Tom Jones)「何かいいことないか子猫チャン」
赤だけが足りない(Iris Woo)「コードギアス反逆のルルーシュⅠ興道」
大好物 (スピッツ)「劇場版きのう何食べた?」
はなればなれの君へ (Belle)「竜とそばかすの姫」




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tak's Movie Awards 2020

2021-01-02 | tak's Movie Awards
2020年は、新型コロナウィルス感染拡大で映画生活にも大きな影響があった。大作は次々と公開延期となり、大手メジャーは配信のみの対応をとる事態に発展。映画館はしばらく閉めてしまったり、再開しても間引きで観客を入れざるを得なかったり。「野生の呼び声」はシネコンの大劇場に僕一人。淋しかったな。しかしながらメジャー作が姿を消した分だけ、愛すべき映画に出会えた収穫もあった年。

いち映画ファンとしての年中行事、2020年の年間ベストを発表します。1年間にわたくしtakが観たオールタイムの映画からセレクトしてますので、公開年にタイムリーになってません。特に今年は旧作を観る機会が多かったので、そこはご理解を。

tak's Movie Awards 2020

◆作品賞
「燃ゆる女の肖像」(セリーヌ・シアマ/2019年・フランス)


今年の10本
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
「海辺の映画館 キネマの玉手箱」
「男と女 人生最良の日々」
「COLD WAR あの歌、2つの心」
「シェルブールの雨傘」
「スウィング・キッズ」
「TENET テネット」
「パラサイト 半地下の家族」
「燃ゆる女の肖像」
「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

◆アニメーション作品賞
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」




◆監督賞
大林宣彦「海辺の映画館 キネマの玉手箱」(2019)




今年の10人
アキ・カウリスマキ「浮き雲」
ウディ・アレン「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
大林宣彦「海辺の映画館 キネマの玉手箱」
クリストファー・ノーラン「TENET テネット」
ジャック・ドゥミ「シェルブールの雨傘」
スタンリー・ドーネン「無分別」
セリーヌ・シアマ「燃ゆる女の肖像」
フランソワ・オゾン「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」
ポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」
溝口健二「西鶴一代女」

◆主演男優賞
ソン・ガンホ「パラサイト 半地下の家族」


今年の10人
大杉漣「ライフ・オン・ザ・ロングボード」
カリ・ヴァーナネン「浮き雲」
クリスチャン・ベイル「フォードvs.フェラーリ」
ケビン・コスナー「JFK」
ジャン・ルイ・トランティニャン「男と女 人生最良の日々」
ソン・ガンホ「パラサイト 半地下の家族」
D.O.「スウィング・キッズ」
ティモシー・シャラメ「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
ブルーノ・ガンツ「アメリカの友人」
マット・デイモン「フォードvs.フェラーリ」

◆主演女優賞
キーラ・ナイトレイ「コレット」


今年の10人
アデル・エネル「燃ゆる女の肖像」
アヌーク・エーメ「男と女 人生最良の日々」
エル・ファニング「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
カトリーヌ・ドヌーヴ「シェルブールの雨傘」
キーラ・ナイトレイ「コレット」
コリンヌ・クレリー「ホテル」
田中絹代「西鶴一代女」
二階堂ふみ「ばるぼら」
吉岡里帆「見えない目撃者」
レニー・ゼルウィガー「ジュディ 虹の彼方に」

◆助演男優賞
アーミル・カーン「シークレット・スーパースター」


今年の10人
アーミル・カーン「シークレット・スーパースター」
アンドレ・デュソリエ「愛を弾く女」
ケネス・ブラナー「TENET テネット」
サム・ロックウェル「ジョジョ・ラビット」
ジャレッド・グライムス「スウィング・キッズ」
ジュード・ロウ「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
デニス・ホッパー「アメリカの友人」
ドナルド・サザーランド「プライドと偏見」
原田芳雄「キスより簡単」
F・マーリー・エイブラハム「薔薇の名前」

◆助演女優賞
パク・ヘス「スウィング・キッズ」


今年の10人
アン・ハサウェイ「オーシャンズ8」
ヴァレリア・ゴリノ「燃ゆる女の肖像」
エリザベス・デビッキ「TENET テネット」
オルガ・キュリレンコ「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」
スカーレット・ヨハンソン「ジョジョ・ラビット」
パク・ソダム「パラサイト 半地下の家族」
パク・ヘス「スウィング・キッズ」
マデリン・ストー「12モンキーズ」
ロザムンド・パイク「プライドと偏見」
吉田玲「海辺の映画館 キネマの玉手箱」

◆音楽賞
「真夏の夜のジャズ」(1959年・アメリカ)







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tak's Movie Awards 2019

2019-12-31 | tak's Movie Awards
毎年恒例の個人的映画賞にして映画愛情表現の年中行事、tak's Movie Awards 2019の発表です。



対象作品は2019年に私takが何を観たかのオールタイム。公開年にタイムリーにはなってませんのであしからず! 映画検定対策の為に日本映画クラシックを集中的に観たもので、そこが反映されております。
 
◆作品賞
「翔んで埼玉」(武内英樹/2018年・日本)

もともと魔夜峰央ファンではあるけれど、原作の世界観を力業で押し広げた映画化に圧倒された。それだけではなく、ディスるどころか郷土愛と遊び心に満ちた映画は、期待をいい意味で裏切り続け、最後まで楽しくて仕方ない。 2019年はマーチン・スコセッシの「映画ではない」発言が物議を醸した。日本のテレビ局が製作した映画も映画じゃないというご意見もあるだろう。だが、この「翔んで埼玉」はマーチン・スコセッシが言う「人間の感情、心理的な経験をまた別の人間に伝えようとする映画」そのものじゃないだろうか。しかも地元民だけでなく、日本中をクスッとさせるローカル愛の映画なんて他にあるだろうか。そして、市原悦子の追悼映画としても最強。
【今年の10本】
アイリッシュマン
安城家の舞踏會
イエスタデイ
ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝
さらば愛しきアウトロー
新聞記者
天気の子
翔んで埼玉
運び屋
ROMA/ローマ

◆アニメーション映画賞
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」(2019年・日本)


◆監督賞
小津安二郎「東京物語」

【今年の10人】
アスガー・ファルハディ「誰もがそれを知っている」
アルフォンソ・キュアロン「ROMA/ローマ」
小津安二郎「東京物語」
川島雄三「しとやかな獣」
是枝裕和「万引き家族」
スタンリー・クレイマー「渚にて」
フランソワ・オゾン「2重螺旋の恋人」
フランソワ・トリュフォー「映画に愛をこめて アメリカの夜」
マーチン・スコセッシ「アイリッシュマン」
リチャード・カーティス「ラブ・アクチュアリー」

◆主演男優賞
ロバート・レッドフォード「さらば愛しきアウトロー」

【今年の10人】
アンドリュー・ガーフィールド「アンダー・ザ・シルバーレイク」
ウィレム・デフォー「永遠の門 ゴッホの見た未来」
クリント・イーストウッド「運び屋」
グレゴリー・ペック「渚にて」
ダニー・ケイ「五つの銅貨」
チャーリー・ハナム「パピヨン」
ホアキン・フェニックス「ジョーカー」
松坂桃李「新聞記者」
ロイ・シャイダー「恐怖の報酬」
ロバート・レッドフォード「さらば愛しきアウトロー」

◆主演女優賞
マーゴット・ロビー「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」

【今年の10人】
エミリー・モーティマー「マイ・ブックショップ」
グレン・クローズ「アガサ・クリスティー ねじれた家」
グレン・クローズ「天才作家の妻 40年目の真実」
ケイト・ウィンスレット「女と男の観覧車」
シム・ウンギョン「新聞記者」
ジャクリーン・ビセット「映画に愛をこめて アメリカの夜」
高峰秀子「乱れる」
ベティ・デイビス「何がジェーンに起こったか?」
ペネロペ・クルス「誰もがそれを知っている」
マーゴット・ロビー「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」

◆助演男優賞
ブラッド・ピット「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

【今年の10人】
アーミー・ハマー「ビリーブ 未来への大逆転」
アル・パチーノ「アイリッシュマン」
大沢たかお「キングダム」
岡田真澄「狂った果実」
オスカー・アイザック「永遠の門 ゴッホの見た未来」
ジョー・ペシ「アイリッシュマン」
ハビエル・バルデム「誰もがそれを知っている」
ビル・ナイ「マイ・ブックショップ」
ブラッド・ピット「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
フレッド・アステア「渚にて」

◆助演女優賞
リリー・ジェームズ「イエスタデイ」

【今年の10人】
アリソン・ジャネイ「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」
アンナ・パキン「アイリッシュマン」
キャリー・フィッシャー「スターウォーズEP9 スカイウォーカーの夜明け」
シシー・スペイセク「さらば愛しきアウトロー」
ダイアン・ウィースト「運び屋」
高峰秀子「張込み」
バーバラ・ベル・ゲデス「5つの銅貨」
マーゴット・ロビー「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
松岡茉優「万引き家族」
リリー・ジェームズ「イエスタデイ」

◆音楽賞
「イエスタデイ」
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tak's Movie Awards 2018

2019-01-01 | tak's Movie Awards
みなさま、今年もよろしくお願いします!
 
 
毎年恒例の個人的映画賞、tak's Movie Awards 2018の発表です。社会人もウン十年やってると満足に劇場に行けないし、見逃しは増えるばかり。しかし現実世界で頑張る為にも、映画はリフレッシュの貴重な時間だし、描かれる物語を観ながらいろんなことを考させられる時間でもある。「映画館通いはミサに行くようなもの」と言ったのはトルーマン・カポーティだけど、その感覚はよーーくわかります。
 
対象作品は2018年に私takが何を観たかのオールタイム。公開年にタイムリーにはなってませんのであしからず!
 
◆作品賞
「ボヘミアン・ラプソディ」(ブライアン・シンガー/2018年・アメリカ=イギリス)
【今年の10本】
華氏119(マイケル・ムーア)
君の名前で僕を呼んで(ルカ・グゥダニーノ)
危険な関係(ロジェ・バディム)
さよなら僕のマンハッタン(マーク・ウェブ)
シェイプ・オブ・ウォーター(ベネチオ・デル・トロ)
ダンガル きっと、つよくなる(二テッシュ・ティワリ)
ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン)
ボヘミアン・ラプソディ(ブライアン・シンガー)
リズと青い鳥(山田尚子)
ワンダー 君は太陽(スティーヴン・チョボスキー)
 
◆アニメーション映画賞
リズと青い鳥(山田尚子)
 
◆監督賞
ルカ・グァダニーノ「君の名前で僕を呼んで」
【今年の10人】
上田慎一郎「カメラを止めるな!」
ウディ・アレン「マンハッタン殺人ミステリー」
エリア・カザン「アメリカ アメリカ」
ジョー・ダンテ「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」
ブライアン・デ・パルマ「殺しのドレス」「スネーク・アイズ」
ベネチオ・デル・トロ「シェイプ・オブ・ウォーター」
マーク・ウェブ「さよなら僕のマンハッタン」
マイケル・ムーア「華氏119」
ルカ・グァダニーノ「君の名前で僕を呼んで」
ロジェ・バディム「危険な関係」
 
◆主演男優賞
アーミル・カーン「ダンガル きっと、つよくなる」
【今年の10人】
アーミー・ハマー「君の名前で僕を呼んで」
アーミル・カーン「ダンガル きっと、つよくなる」
ジェラール・フィリップ「危険な関係」
ジャン・デュジャルダン「アンナとアントワーヌ**愛の前奏曲」
ジョン・グッドマン「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」
ダニエル・ディ・ルイス「ファントム・スレッド」
ティモシー・シャラメ「君の名前で僕を呼んで」
ラミ・マレック「ボヘミアン・ラプソディ」
ルイ・ガレル「グッバイ・ゴダール!」
ロバート・デ・ニーロ「マイ・インターン」
 
◆主演女優賞
ステイシー・マーティン「グッバイ・ゴダール!」
【今年の10人】
エヴァ・グリーン「告白小説、その結末」
エル・ファニング「パーティで女の子に話しかけるには」
クリステン・スチュアート「ロスト・エモーション」
サリー・ホーキンス「シェイプ・オブ・ウォーター」
ジェシカ・チャステイン「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」
ジャンヌ・モロー「危険な関係」
ステイシー・マーティン「グッバイ・ゴダール!」
ダイアン・キートン「マンハッタン殺人ミステリー」
デボラ・フランソワ「譜めくりの女」
ハン・ヒョジュ「ビューティー・インサイド」
 
 
◆助演男優賞
ジェフ・ブリッジス「さよなら、僕のマンハッタン」「キングスマン:ゴールデン・サークル」
【今年の10人】
ウディ・ハレルソン「猿の惑星:聖戦記」「ハン・ソロ スターウォーズ・ストーリー」
クリストフ・ヴァルツ「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」
ジェイコブ・トレンブレイ「ワンダー 君は太陽」
ジェフ・ブリッジス「さよなら、僕のマンハッタン」「キングスマン:ゴールデン・サークル」
ダニエル・ブリュール「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」
ピアース・ブロスナン「さよなら、僕のマンハッタン」
マーク・ストロング「キングスマン:ゴールデン・サークル」
マイケル・ケイン「殺しのドレス」
マイケル・シャノン「シェイプ・オブ・ウォーター」
マイケル・スタールバーグ「君の名前で僕を呼んで」
 
◆助演女優賞
ルーシー・ボーイントン「ボヘミアン・ラプソディ」
【今年の10人】
アンジェラ・バセット「ミッション・インポッシブル/フォール・アウト」
エミリア・クラーク「ハン・ソロ スターウォーズ・ストーリー」
キャリー・フィッシャー「スターウォーズ/最後のジェダイ」
ジェーン・バーキン「太陽が知っている」
ジュディ・デンチ「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」
ソニア・ブラガ「ワンダー 君は太陽」
ダコタ・ジョンソン「胸騒ぎのシチリア」
ナンシー・アレン「殺しのドレス」
ルーシー・ボーイントン「ボヘミアン・ラプソディ」
レア・セドゥ「たかが世界の終わり」
 
◆音楽賞
「リズと青い鳥」
「ボヘミアン・ラプソディ」
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tak's Movie Awards 2017

2018-01-01 | tak's Movie Awards


本年もよろしくお願いします。
中学3年の冬に友達と年間ベストを選出して以来、毎年続けている私的映画賞でございます。鑑賞本数も年々減る中、昨年は映画生活史上最低の鑑賞本数でしたが、今年はそれなりに回復。なお、あくまで私takが2017年に観たオールタイムの映画が対象ですので、公開年と一致はしません。あしからず。

tak's Movie Awards 2017

作品賞=「ブレードランナー2049」(ドゥニ・ヴィルヌーブ/2017)
アニメーション作品賞=「この世界の片隅に」(片渕須直/2016)
【ベスト10】
「裏切りのサーカス」
「カフェ・ソサエティ」
「グランドフィナーレ」
「この世界の片隅に」
「ラ・ラ・ランド」
「20センチュリーウーマン」
「ハクソー・リッジ」
「ブレードランナー2049」
「ベイビードライバー」
「PK」

監督賞=ジャック・タチ「ぼくの伯父さん」
【今年の10人】
ウディ・アレン「カフェ・ソサエティ」
片渕須直「この世界の片隅に」
ジャック・タチ「ぼくの伯父さん」
デイミアン・チャゼル「ラ・ラ・ランド」
ドゥニ・ヴェルヌーヴ「ブレードランナー2049」
トム・フォード「シングルマン」「ノクターナル・アニマルズ」
パオロ・ソレンティーノ「グランドフィナーレ」
フランソワ・トリュフォー「トリュフォーの思春期」
メル・ギブソン「ハクソーリッジ」
ラージクマール・ヒラーニ「PK」

主演男優賞=ライアン・ゴズリング「ブレードランナー2049」「ラ・ラ・ランド」
【今年の10人】
アーミール・カーン「PK」
アンドリュー・ガーフィールド「ハクソー・リッジ」
ゲイリー・オールドマン「裏切りのサーカス」
コリン・ファース「シングルマン」
ジェシー・アイゼンバーグ「カフェ・ソサエティ」
トム・ハンクス「ブリッジ・オブ・スパイ」
ハンフリー・ボガード「アフリカの女王」
マイケル・ケイン「グランドフィナーレ」
ライアン・ゴズリング「ブレードランナー2049」「ラ・ラ・ランド」
ロバート・デ・ニーロ「ヒート」

主演女優賞=アネット・ベニング「20センチュリーウーマン」
【今年の10人】
アヌーク・エーメ「男と女」
アネット・べニング「20センチュリーウーマン」
イザベル・ユペール「エル」
エイミー・アダムズ「ノクターナル・アニマルズ」
エマ・ストーン「ラ・ラ・ランド」
エマニュエル・べアール「美しき運命の傷痕」
キャサリン・ヘップバーン「アフリカの女王」
キャリー・マリガン「わたしを離さないで」
クリステン・スチュアート「カフェ・ソサエティ」
リリー・ジェームズ「ベイビードライバー」

助演男優賞=ケビン・スペイシー「ベイビードライバー」
【今年の10人】
アンドリュー・ガーフィールド「わたしを離さないで」
クリストフ・ヴァルツ「おとなのけんか」「007/スペクター」
ケビン・スペイシー「ベイビードライバー」
コリン・ファース「裏切りのサーカス」
ジョン・ハム「ベイビードライバー」
スティーブ・カレル「カフェ・ソサエティ」
ハーベイ・カイテル「グランドフィナーレ」
ハリソン・フォード「ブレードランナー
2049」
ポール・ダノ「グランドフィナーレ」
マーク・ライランス「ブリッジ・オブ・スパイ」「ダンケルク」

助演女優賞=アリシア・ヴィカンダー「エクス・マキナ」
【今年の10人】
アナ・デ・アルマス「ブレードランナー2049」
アリシア・ヴィカンダー「エクス・マキナ」
エル・ファニング「20センチュリーウーマン」
キーラ・ナイトレイ「わたしを離さないで」
キャロル・ブーケ「美しき運命の傷痕」
シャーロット・ランプリング「わたしを離さないで」
ジャンヌ・モロー「ぼくを葬る」
ナスターシャ・キンスキー「ホテル・ニューハンプシャー」
マリー・ジラン「美しき運命の傷痕」
レア・セドゥ「007/スペクター」

音楽賞=「ベイビードライバー」

作品賞は文句なし。オリジナルへの思い入れがあるからこその期待と不安に対して、スタッフ、キャストが示した見事な続編。映画愛の賜物。「この世界の片隅に」は語り継ぐべき傑作。

監督賞は劇場鑑賞できたクラシックから。煙草の規制がますます厳しくなる中、この映画の主人公のトレドマークであるパイプさえもが、好ましくないと言われているんだそうです。なーんかさみしいですね。

主演男優賞は「ブレードランナー」をこうも切なく演じられてしまったら、ゴズリングでしょ。ただ「ラ・ラ・ランド」の彼はどちらかと言うと好みじゃないっす。主演女優賞はイザベル・ユペールとリリー・ジェームズと迷ったけど、年齢を重ねた女性のカッコよさをいちばん感じたのはアネット姐さん。

助演男優賞は今年いろいろ騒がれたお一人。銀幕の中じゃいい仕事してるんだけどね。助演女優賞は実は「ブレードランナー」とのAI美女対決でした(笑)。そして音楽賞は文句なし!この高揚感は他の映画じゃ味わえない。

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tak's Movie Awards 2016

2017-01-07 | tak's Movie Awards
毎年、その年に観た新旧問わずすべての映画からベスト作品を選出する個人的awardをやってきました。しかしながら、リアルワールドでの様々な事情から、2016年はこれまでのように映画館通いができませんでした。このアワードは僕が映画ファンを公言した1980年から、毎年選出してきた個人的映画賞なのですが、2016年は僕の映画生活史上、最も鑑賞本数の少ない年となりました。

それでもなんとか喰らいついた新作と近作から選出をしました。なーんとか2017年はいろいろ観たい。
という訳で、ベスト10は今年はやりません。あしからず。



■作品賞=「ブルックリン」(ジョン・クローリー/2015年・アイルランド=イギリス=カナダ)
■アニメーション作品賞=「君の名は。」(新海誠/2016年・日本)

□監督賞=イングマル・ベルイマン「野いちご」(1957年・スウェーデン)「叫びとささやき」(1972年・スウェーデン)

□主演男優賞=ロマン・デュリス「彼は秘密の女ともだち」(2014年・フランス)
□主演女優賞=シアーシャ・ローナン「ブルックリン」(2015年・アイルランド=イギリス=カナダ)

□助演男優賞=ドニー・イェン「ローグ・ワン スターウォーズ・ストーリー」(2016年・アメリカ)
□助演女優賞=ルーニー・マーラ「キャロル」(2015年・イギリス=アメリカ=フランス)

□音楽賞=エンニオ・モリコーネ「ヘイトフル・エイト」(2015年・アメリカ)


社会人になりたての時、いろんな人生の決断をした時の不安だった"あの頃"の自分に再会できる素敵な作品。それが「ブルックリン」。
その不安な気持ちを抱いていたのは僕も同じ。観た後でジワジワとくる映画でした。

主演女優賞は「キャロル」のケイト・ブランシェットと悩んだけど、結局シアーシャの瞳の輝きに負けました。

ヨーロッパ映画好き要素を残したくて、主演男優賞はおフランス映画で。

助演男優賞、本音は野村萬斎にあげたい。モーションキャプチャーでゴジラを演じたんだもの。
もちろんドニーも素晴らしかった。

アニメは「聲の形」を見逃したのが残念だったけど、
なんだかんだ言っても「君の名は。」は秀作。それは誰もが認めてること。

映画館に行けない日々に、鑑賞眼を落とすまいと旧作をDVDで観た。
そんな旧作に敬意を表して、監督賞は北欧の巨匠ベルイマンに。
ウディ・アレンのルーツはここにあったのだ、と心底納得。

2017年は、もうちょっと映画館に行きたい。
今年もよろしくお願いします。

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tak's Movie Awards 2015

2016-01-03 | tak's Movie Awards
2015年に観た映画から、takが選んだベスト作品。・・・というものの、下半期に映画館になかなかいけず、大好きな「007」も「SW」も年末に間に合わず。ここ数年でワースト2位の年間鑑賞本数で、他にも見逃し作品多数・・・というやや悔いの残るアワード(泣)。しかし、上半期に出会えたパワフルで新たな試みに挑む意欲作たちは、まさに2015年を代表する秀作ぞろい。あくまでわたくしtakが何を観たかが基準なので、あしからず。

★対象は2015年に観たすべての映画(劇場、DVD、VTR、地上波、BSすべて含む)。新作、旧作を問わない。
★劇場公開することを前提に撮られた映画を対象とする。いわゆるVシネマ、OVAなどビデオリリース目的のものは含まない。

■作品賞=「セッション/Whiplash」(2014年・アメリカ)
僕の周囲では、教授の役柄が受け入れられなくて賛否まっぷたつ。でもこんなカッコいい映画はないよ。音楽と映像が一体化した見事なクライマックスは鳥肌もん。音楽スポ根映画みたいに世間では言われたが、要は昔からある"鬼軍曹"ものなのだ。


今年の10本
・「アリスのままで」(2014)
・「海街diary」(2015)
・「おみおくりの作法」(2013)
・「キングスマン」(2014)
・「ゴーン・ガール」(2014)
・「ストックホルムでワルツを」(2013)
・「セッション」(2014)
・「はじまりのうた」(2014)
・「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
・「6才のボクが大人になるまで。」(2014)

■監督賞=アレハンドロ・G・イニャリトゥ「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)


今年の10人
・アレハンドロ・G・イニャリトゥ「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
・ウディ・アレン「マジック・イン・ムーンライト」(2014)
・クリント・イーストウッド「アメリカン・スナイパー」(2014)
・サム・ペキンパー「戦争のはらわた」(1977)
・ジョン・カーニー「はじまりのうた」(2014)
・デイミアン・チャゼル「セッション」(2014)
・デビッド・フィンチャー「ゴーン・ガール」(2014)
・ピーター・チャン「捜査官X」(2011)
・リチャード・リンクレイター「6才のボクが大人になるまで。」(2014)
・ロマン・ポランスキー「毛皮のヴィーナス」(2013)

■主演男優賞=コリン・ファース「キングスマン」(2015)


今年の10人
・ウディ・アレン「誘惑のアフロディーテ」(1995)
・エディ・マーサン「おみおくりの作法」(2013)
・コリン・ファース「キングスマン」(2015)
・ジェームズ・コバーン「戦争のはらわた」(1977)
・ブラッドリー・クーパー「アメリカン・スナイパー」(2014)
・ベン・アフレッック「ゴーン・ガール」(2014)
・マーク・ラファロ「はじまりのうた」(2014)
・マイケル・キートン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
・マイルズ・テラー「セッション」(2014)
・マチュー・アマルリック「毛皮のヴィーナス」(2013)

■主演女優賞=キーラ・ナイトレイ「はじまりのうた」(2014)


今年の10人
・綾瀬はるか「海街diary」(2015)
・エッダ・マグナソン「ストックホルムでワルツを」(2013)
・エマ・ストーン「マジック・イン・ムーンライト」(2014)
・エマニュエル・サニエ「毛皮のヴィーナス」(2013)
・エレン・ペイジ「JUNO」(2007)
・キーラ・ナイトレイ「はじまりのうた」(2014)
・シェイリーン・ウッドリー「きっと、星のせいじゃない。」(2014)
・ジュリアン・ムーア「アリスのままで」(2014)
・ソフィー・マルソー「恋するパリのランデヴー」(2012)
・ロザムンド・パイク「ゴーン・ガール」(2014)

■助演男優賞=J・K・シモンズ「セッション」(2014)


今年の10人
・アダム・レヴィーン「はじまりのうた」(2014)
・アラン・リックマン「暮れ逢い」(2013)
・アレック・ボールドウィン「アリスのままで」(2014)
・イーサン・ホーク「6才のボクが大人になるまで。」(2014)
・エドワード・ノートン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
・サイモン・ペッグ「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」(2015)
・J・K・シモンズ「セッション」(2014)
・J・K・シモンズ「JUNO」(2007)
・ピーター・コヨーテ「チャップリンからの贈り物」(2014)
・マクシミリアン・シェル「戦争のはらわた」(1977)

■助演女優賞=ロザンナ・アークエット「6才のボクが大人になるまで。」(2014)


今年の10人
・アンドレア・ライズボロー「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
・エマ・ストーン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)
・キアラ・マストロヤンニ「チャップリンからの贈り物」(2014)
・広瀬すず「海街dairy」(2015)
・ヘイリー・スタインフェルド「はじまりのうた」(2014)
・ミア・ワシコウスカ「嗤う分身」(2013)
・ミラ・ソルビーノ「誘惑のアフロディーテ」(1995)
・レベッカ・ファーガソン「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」(2015)
・ロザンナ・アークエット「6才のボクが大人になるまで。」(2014)
・ローラ・ダーン「きっと、星のせいじゃない。」(2014)

■音楽賞=ペーター・ノーダール「ストックホルムでワルツを」(2013)


■主題歌賞=Lost Stars (Adam Levine) / Tell Me If You Wanna Go Home (Kiera Knightley)「はじまりのうた」(2014)


2015年は、音楽を題材とする映画に秀作が多い年だった。
映像と音楽が一体となるときの感動。映画だから味わえる至福の瞬間。

2016年は昨年見逃したものを追いかけることから始めたいと思います。

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tak's Movie Awards 2014

2015-01-01 | tak's Movie Awards
中学3年の年末に、映画好き友達と「ロードショー」や「スクリーン」誌の真似して年間ベストを選んでから34年。いち映画ファンによる映画愛表現の手段として、今年も個人的べスト作品を選出します。とはいえ、若い頃と違っていろんなことで忙殺される日々。フットワーク軽く映画館に行ったり、レンタル店に通い詰めるなんてできない。それだけ観る映画を自分で厳選する嗅覚がますます必要になっているのだ。

そして若い頃とは違って日々のいろんなことに悩まされる日々。今年は些細なことから深刻なこと、私的なことからお仕事のことまで悩んでしまうことの多かった年だった。何を信じていいのかが疑われる出来事が、世間でも自分の身の回りでも次々と起こった年だったようにも思う。世間の情報や見てくれに踊らされずにいることの難しさ。

そんな2014年に観たすべての映画から、私takが選んだ私的映画賞がこちら。国際映画賞の結果なんぞ関係なく、あくまでも個人としてグッときたかが基準。特に今年は自分を励ましてくれる映画が多かった。いや、映画がもつ力とともに、いろんな事に励まされ続けた年だったよな気もするのです。感謝。(昨年の結果はこちら

★対象は2014年に観たすべての映画(劇場、DVD、VTR、地上波、BSすべて含む)。新作、旧作を問わない。
★劇場公開することを前提に撮られた映画を対象とする。いわゆるVシネマ、OVAなどビデオリリース目的のものは含まない。

■作品賞=「きっと、うまくいく/3 Idiots」(2009年・インド)

今まで敬遠してきたマサラムービーだったが、いやはや参りました。あっという間の3時間。途中に入った5分間の休憩時間が邪魔に感じるほど、先が観たくて仕方なくなった。人情喜劇、青春ドラマ、お約束のミュージカル場面、成長物語、謎解き、涙・・・映画に求められるエンターテイメントをてんこ盛りにしながらも、決して無駄がない。エンドロールを観ながら「すげえ」と口にしてしまった映画、これまで何本あっただろうか。そして悩み多き日々を送る僕らの背中を、ドーンと強烈に押してくれるような前向きさと優しさに満ちた映画。世間的には2013年公開作。だけど、小倉昭和館で今年この映画に巡り会ったのは、僕にとってとても意味のあることのように思えたのでした。傑作エンターテイメント。

今年の10本
「思い出のマーニー」(2014)
「紙の月」(2014)
「きっと、うまくいく」(2009)
「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(2014)
「ジャージー・ボーイズ」(2014)
「ゼロ・グラビティ」(2013)
「そこのみにて光輝く」(2013)
「her/世界でひとつの彼女」(2013)
「マダム・イン・ニューヨーク」(2012)
「LIFE!」(2013)


■監督賞=アルフォンソ・キュアロン「ゼロ・グラビティ」(2013)

上映時間の間ずっと椅子にしがみついていた(恥)。これはまさに"映像体験"だった。だが「ゼロ・グラビティ」はただの見せ物娯楽映画ではない。困難に立ち向かうヒロインの姿に気づくと勇気づけられている。ラストシーンで大地に立ち上がるサンドラ・ブロックに涙が出た。ただ立ち上がるだけなのに。この物語を観たこともない映像で表現したキュアロン監督の手腕に素直に感動。

今年の10人
アルフォンソ・キュアロン「ゼロ・グラビティ」(2013)
市川準「トニー滝谷」(2004)
ウディ・アレン「ブルー・ジャスミン」(2013)
クリント・イーストウッド「ジャージー・ボーイズ」(2014)
呉美保「そこのみにて光輝く」(2013)
フランソワ・オゾン「危険なプロット」(2012)
ペドロ・アルモドバル「オール・アバウト・マイ・マザー」(1998)
ベン・スティーラー「LIFE!」(2013)
ラージクマール・ヒラニ「きっと、うまくいく」(2009)
吉田大八「紙の月」(2014)


■主演男優賞=ベン・スティラー「LIFE!」(2013)

冴えない顔したベン・スティラーが、物語が進むにつれてだんだん自信にあふれてくる。日頃の憂さを忘れさせるような広大な風景がスクリーンに広がる。ショーン・ペンに手招きされて大きな一歩を踏み出す主人公は、スクリーンのこっち側でその一歩を踏み出せずにいる僕らの心をムズムズさせてくれるのだ。彼の監督作「リアリティ・バイツ」から年齢を経て、ベン・スティラー自身の映画人としての成長を感じさせる秀作だった。

今年の10人
ウォルター・マッソー「サブウェイ・パニック」(1974)
ジェームズ・コーデン「ワン・チャンス」(2013)
ジェフリー・ラッシュ「鑑定士と顔のない依頼人」(2013)
ジョン・ホークス「セッションズ」(2012)
ジョン・ロイド・ヤング「ジャージーボーイズ」(2014)
ファブリス・ルキーニ「危険なプロット」(2012)
フォレスト・ウィティカー「大統領の執事の涙」(2013)
ベン・スティラー「LIFE!」(2013)
ホアキン・フェニックス「her/世界でひとつの彼女」(2013)
丸山明宏「黒蜥蜴」(1968)


■主演女優賞=宮沢りえ「紙の月」(2014)

今年は、舞台「海辺のカフカ」で宮沢りえの演技を生で観る幸せに恵まれた。舞台で高い評価を得ているりえちゃんだが、映画では「たそがれ清兵衛」や「父と暮らせば」「トニー滝谷」あたりが代表作。どこか玄人受けする地味な印象がある。吉田大八監督が角田光代の原作に挑んだ本作では、重いテーマの中に日々の生活にちょっと疲れた顔、年下彼氏とかわいくはしゃぐ顔、緊迫した場面のシリアスな顔と、今の彼女だからできる様々な表情を見せてくれる。間違いなく代表作となる名演。

今年の10人
池脇千鶴「そこのみにて光輝く」
エイミー・アダムス「アメリカン・ハッスル」
オドレイ・トトゥ「ムード・インディゴ うたかたの日々」
ケイト・ブランシェット「ブルー・ジャスミン」
サンドラ・ブロック「ゼロ・グラビティ」
シュリデヴィ「マダム・イン・ニューヨーク」
ニコール・キッドマン「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」
ハ・ジウォン「ハナ 奇跡の46日間」
ミア・ワシコウスカ「イノセント・ガーデン」
宮沢りえ「紙の月」


■助演男優賞=ハリソン・フォード「エンダーのゲーム」(2013)

助演ながらハリソン・フォードがSF映画に出てくるだけで映像がビシッと締まってしまうのは、僕らが「スターウォーズ」育ちだからだろうか。ゲームに卓越した才能をもつ少年少女をヴァーチャル兵士に育て上げる軍人を見事に演じておりました。最近脇役でいい仕事が多い。これもそのひとつ。

今年の10人
アンドレ・デュソリエ「美女と野獣」
オマール・シー「ムード・インディゴ うたかたの日々」
クリストファー・ウォーケン「ジャージー・ボーイズ」
ゲイリー・オールドマン「ロボコップ」
ダニエル・ブリュール「RUSH プライドと友情」
ティム・ロス「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」
ハリソン・フォード「エンダーのゲーム」
ベン・キングズレー「エンダーのゲーム」
リー・ヴァン・クリーフ「怒りの荒野」
ロバート・ショウ「サブウェイ・パニック」


■助演女優賞=エイミー・アダムス「her/世界でひとつの彼女」(2013)

人格を持つOSに恋をした主人公を見守る女友達役は、他の映画でキラキラと輝く彼女とは大きく違うやや冴えない役柄だ。しかし、主人公の本当の理解者であるこの映画の彼女は、自分にもこういう理解者がいてくれたらと思わせるに余りある素敵な存在。今年は「アメリカン・ハッスル」でもセクシーで気丈ないい女を演じてくれた。これからも応援したいハリウッド女優。

今年の10人
エイミー・アダムス「her/世界でひとつの彼女」
エマニュエル・セニエ「危険なプロット」
小林聡美「紙の月」
ジェニファー・ローレンス「アメリカン・ハッスル」
ジュリー・ウォルターズ「ワン・チャンス」
ジュリアン・ムーア「フライト・ゲーム」
ペネロペ・クルス「オール・アバウト・マイ・マザー」
ヘレン・ハント「セッションズ」
余貴美子「あなたへ」
ルーニー・マーラ「her/世界でひとつの彼女」


■音楽賞=ボブ・クリュー/ボブ・ゴーディオ「ジャージー・ボーイズ」(2014)

フォーシーズンズの栄光と挫折を描いたブロードウェイミュージカルをクリント・イーストウッドが監督するなんて誰が予想しただろう。キャストたちがオリジナルに負けない熱唱を聴かせてくれる。人生と歌が重なるクライマックスは何とも言えない余韻を残してくれる。今年も旧作のノミネートが多いこと。

今年の10人
井上尭之「太陽を盗んだ男」
エンニオ・モリコーネ「鑑定士と顔のない依頼人」
坂本龍一「トニー滝谷」
周防義和「舞妓はレディ」
ジム・オルーク「私の男」
バーナード・ハーマン「北北西に進路をとれ」
ボブ・クリュー/ボブ・ゴーディオ「ジャージー・ボーイズ」
宮川彬良/宮川泰「宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟」
村松崇継「思い出のマーニー」
リズ・オルトラーニ「怒りの荒野」


■主題歌賞=Step Out (Jose Gonzalez) 「LIFE!」(2013)

世間的には今年の映画主題歌と言えば「アナ雪」の"レリゴー"なんだろうけど、僕は人生の応援歌のようなこの映画のサウンドトラックにノックアウトされた。予告編でも使われたホセ・ゴンザレスの"Step Out"のわき上がるような高揚感。サントラは他にもデビッド・ボウイの"Space Oditty"(本編でも使われ方は最高だった!)やホール&オーツの"Maneater"の見事なカヴァーを収録。今年の主題歌賞は大激戦。

今年の10曲
BLUE (水樹奈々)「宇宙戦艦ヤマト2199追憶の航海」
Fine On The Outside (Priscilla Ahn)「思い出のマーニー」
Let It Go (Idina Menzel)「アナと雪の女王」
Live And Let Die (Paul McCartney & Wings)「アメリカン・ハッスル」
Space Oditty (David Bowie feat. Kristen Wiig)「LIFE!」
Step Out (Jose Gonzalez)「LIFE!」
Sweeter Than Fiction (Taylor Swift)「ワン・チャンス」
This Woman's Work (Kate Bush)「結婚の条件」
シネマタイズ(映画化)(特撮)「ヌイグルマーZ」
ヌイグルマーZ(特撮X中川翔子)「ヌイグルマーZ」


■ベストアクション映画=「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014)

日本のライトノベルをハリウッド映画化したSF活劇。アクションがどうだこうだというよりも、見せ方の面白さこそがこの映画の魅力。トム・クルーズのSF作品はハズレがないよな、悔しいけど。

■ベストコメディ映画=「WOOD JOB!神去なあなあ日常」(2014)

矢口史靖監督は新作が常に楽しみな映画作家のひとり。今回はオリジナル脚本ではなく、三浦しをんの小説を映画化。都会人から見た山村のカルチャーギャップをおもしろおかしく描いている映画じゃないところが素晴らしい。

■ベスト恋愛映画=「たまこラブストーリー」(2014)

アニメだからってナメたらいかん。卒業を控えた高校生の恋心を描くだけではなく、親世代の心をもキュン!とさせる見事な作品。「だいすき」って何気ない言葉がこんなにも心に響くなんて。

■ベストミステリー/サスペンス=「イノセント・ガーデン」(2013)

パク・チャヌク監督のハリウッド進出第1作はおどろおどろしい雰囲気が極上のスリラー。思春期の不安定な心と異常心理を融合させた見事な展開。この映画は記憶として残らない。背筋に感覚として残るのだ。

■ベスト人間ドラマ=「あなたへ」(2012)

今年は昭和の名優が亡くなった年でもある。地元北九州ロケ作品でありながら、公開当時スルーしてしまっていた高倉健の遺作「あなたへ」。訳ありの男たちが織りなすエピソード。あと10年若かったらこの映画の良さはわからなかったと思うのだ。ありがとう、健さん。

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