Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

2024年10月のプレイリスト

2024-10-31 | 今日のBGM


◆2024年10月のプレイリスト
2024年10月に聴いていた愛すべき31曲

1 MacArther Park(Donna Summer)
映画「ビートルジュースビートルジュース」で流れる。圧巻のシーンだぞ😳
2 僕の見たビートルズはTVの中(斉藤和義)
和義さんと同い年なので、お気持ちはよーくわかります😊
3 Tragedy(哀愁のトラジディ)(Bee Gees)
こちらも「ビートルジュース ビートルジュース」で使用された。
4 らっきー⭐︎ちゃんねるのテーマ(神前暁)
アニメ「らき⭐︎すた」サントラより。このグルーヴが好き♪
5 ミエナイチカラ(B'z)
B'z楽曲は気持ちをアゲてくれる⤴️
6 限界LOVERS(SHOW-YA)
「芸能人格付けチェック」に登場したもので、久々に聴いてみた🎸✨
7 Paperlate(Genesis)
ホーンセクションが華やかな80年代ジェネシス楽曲。
8 All The Right Friends(R.E.M.)
R.E.M.楽曲の中でもかなりお気に入り。
9 Everchanging Times(Siedah Garrett)
映画「赤ちゃんはトップレディがお好き」鑑賞。80年代らしいオシャレなアレンジ。
10 パープルタウン〜You Oughta Know By Now(八神純子)
今聴いてもカッコいいアレンジとパワフルなヴォーカル。

11 男達のメロディー(怒髪天)
王道なカバーに原曲へのリスペクトを感じるのは同い年だからかもww
12 天使(エンジェル)(甲斐バンド)
おいらの天使はある日突然通りの向こうからやって来た♪
13 Everything In Its Right Place(Radiohead)
ほわーんとしたシンセに、意識をどっかに連れてくような念仏めいたボーカル。
14 Good-bye My Loneliness(ZARD)
いい曲はたくさんあるけど、お気に入りはやっぱりこれなんよ。
15 許婚っきゅん(あの)
令和版アニメ「らんま1/2」OP曲。高橋留美子のラブコメ路線は大好物♡
16 小さな旅(岩崎宏美)
大野雄二によるNHK番組「小さな旅」テーマ曲、歌詞付きバージョン。
17 もしもピアノが弾けたなら(西田敏行)訃報を聞いて言葉も出ない。大門未知子新作の予告編でお姿を見たばっかりなのに😭
18 And I Love Car(奥田民生)
30年乗った愛車の後釜に、真っ赤な新しい相棒がやって来た。
19 Alfie's Theme Original(Sonny Rollins)
映画「アルフィー」(1966)サントラ盤より。主人公はいけ好かないが音楽は素敵♪
20 ラストショー(香坂みゆき)
アルバム「Nouvelle Adresse」収録。杏里の提供曲(後にセルフカバーあり)。

21 Navy Night(中村有里)
🎷新作💿ゲット。通勤中に聴き込んでおりまする。
22 Love Is Everything(木村昇)
「ルパン三世」EDを飾る名曲。🎷演奏したい!歌いたい!とずーっと思ってる曲。木村昇さんのご冥福をお祈りします😢
23 スピード(森口博子)
岸谷香の提供曲では松田聖子のPrecious Heartと並んで大好きな一曲。
24 You May Be Right(ガラスのニューヨーク)(Billy Joel)
洋楽を聴くことも楽器に向かうことも、ビリー・ジョエルはその原動力だった。
25 Don't Look Back(Fence Of Defence)
配信でウン十年ぶりに聴いた。歌詞間違えずに口ずさめたぞ。カラオケ行きたい🎤
26 Jump(忌野清志郎)
政治が話題に上るたびに清志郎なら今を何て言うだろう?と思ってしまう。
27 Election Day(Arcadia)
ニッポンの選挙は大荒れ。全体の投票率が上がらなかったことが残念でならない。
28 ガラスのPALM TREE(中川翔子&ヒャダイントライブ)
林哲司トリビュート盤より。
29 Angel Queen(星空のエンジェル・クィーン)(Dara Sedaka)
映画「1000年女王」初鑑賞。2000年代に初CD化でコンピ盤に収録された時は速攻で購入したお気に入りの曲。
30 MISS YOU(T-SQUARE)
ちょっと悲しげなサビのメロディが好き🎷

31 I'm Your Devil Halloween Remix(Tommy heavenly6)
ハロウィンソングといえばトミー♪🎃







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劇場版 1000年女王

2024-10-30 | 映画(さ行)


◼️「劇場版 1000年女王」(1982年・日本)

監督=明比正行
声の出演=戸田恵子 潘恵子 永井一郎 野沢那智

松本零士の原作コミックは随分前に読んだが、話が理解できたという自信がない。テレビシリーズは、僕の地元では放送されなかったので見たことがない。壮大なスケール、歴史と絡めた設定は魅力的ではあるのだが、他の作品のように様々な世代に響く親しみやすさとは違う。

この劇場版はテレビシリーズの続きや再編集でもない新作。ラーメタル星が地球に衝突する!?という全地球的な危機が描かれる。しかしあまりにも危機の描写が限定的で、女王の方舟に乗せられた雨森教授ら地球人が事態をすんなり受け入れてしまうのも説得力が薄い。まぁただでさえ分かりにくい話を2時間の尺で収めるのだから無理もないとは思う。人間関係の深さを味わうには、本作の情報だけでは物足りない。

個人的に幸いだったのは、最近アニメ「メーテルレジェンド 交響詩宿命 第一楽章・第二楽章」を鑑賞していたこと。惑星ラーメタルが太陽に近づく期間がわずかしかない長大な楕円軌道であるという設定の予備知識があったので、助けになったかも。「銀河鉄道999」のスピンオフである「メーテルレジェンド」では生き延びるために機械の身体を持つ道を選んだラーメタル人。「1000年女王」では束の間の春を待つための長期人口冬眠と、生き延びる為の地球侵略を目論む者として描かれる。そんな違いはあるけれど。

クライマックスの攻防戦はなかなか見応えはある。博物館に展示されていたクラシックな兵器で戦う地球人。さっきまで地球人を見下して猿呼ばわりしていたラーメタル人が、「想像を超えた反撃」などと慌てるのはおかしいけれど、エネルギー弾でなく物理的な兵器で反撃した「ヤマトよ永遠に」(オリジナル)の例もあることだし、よしといたしませう。ヒロイン雪野弥生(プロメシューム2世)を演ずるのは潘恵子。松本零士作品と縁のある声優陣が多数出演してしている。

特筆すべきは音楽。シンセサイザー奏者の喜多郎が映画音楽を手がけた貴重な作品。エンディングで流れる主題歌Angel Queen(星空のエンジェルクィーン)を歌うのは、ニール・セダカの娘デラ・セダカ。これは隠れた名曲だ。個人的な話だが、高校時代に吹奏楽で演奏したこともある。デビッド・フォスターがプロデュースに参加しており、哀愁漂うメロディとデラ嬢のまっすぐな歌声に、AORぽい男声コーラスがからむアレンジが素晴らしい。2010年代に初CD化されてコンピレーションアルバムに収録された際に、速攻で買ったお気に入りの曲なのだ。現在はデラ・セダカ唯一のアルバムと共に配信されている。是非お試しを。いい曲です♪





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福岡恋愛白書13 キミの世界の向こう側

2024-10-25 | テレビ・アニメ



奈緒ちゃんの芝居は評判がいい。「マイ・ブロークン・マリコ」も上手いなと思ったけど、初めて彼女を見ていい演技するなと感動したのが、実はこの単発ドラマ。

実際の恋愛体験を募集してドラマ化する、福岡ローカル局製作の単発ドラマシリーズ。その第13作で、奈緒ちゃんは聴覚障害がある大学生を演じている。出会いでの筆談から始まって、懸命に手話を覚えて距離を縮めようとする杉野遥亮君の頑張りに、見ているこっちも応援したくなる。しかし、結婚を考え始めたところで、再び二人にすれ違いが。二人の恋の行方は。放送当時見たけれど、アマプラで再見。

夜景を見ながらの告白シーンにキュン死する、ええ歳こいたおいさんですが何かw。

舞台は北九州。出会いは、映画「図書館戦争」でおなじみの市立中央図書館。デートは今はなきスペースワールド!😭名物だった2つのジェットコースター🎢も登場(懐)。九州工業大学、若松南海岸、勝山弓道場、そして日本新三大夜景に選ばれた皿倉山と北九州満載。杉野君の友人が松本清張の名前入りバッグ(清張記念館のグッズなんだろか?)を愛用しているのもナイス。ほんっと北九州ロケは自己主張強めww



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幻の湖

2024-10-22 | 映画(ま行)


◼️「幻の湖」(1982年・日本)

監督=橋本忍
主演=南條玲子 長谷川初範 隆大介 高橋恵子

春日太一氏が書いた橋本忍評伝「鬼の筆」を読んでいるのだが、橋本忍の失敗作として紹介されているのが噂に聞く「幻の湖」。高校時代に叔父からもらった湯布院映画祭のパンフにもデカデカと広告が載っていて、東宝創立50周年記念作との記載が。ところが上映が早々に打ち切られたとの黒歴史がある作品だ。

😸あぁ、琵琶湖を犬と走る女性の話ね。
😼時代劇とソープ嬢の話だね。
😻お市の方と淀君…むふふ♡
😺途中でスパイが出てくるよ。
😾女がわめく理由がわからなくて。
😹突然SFになって爆笑だよww
😿難解なんだよ(もう聞かないで)

いろんな人からこの映画の話を聞くたびに与えられる断片的なワードがまったくつながらなかった🤔。
動物がらみの感動作なの?でもエロくて時代劇でSFで難解?

…わからん😣どんな映画なんだ。

2024年9月に宅配レンタルDVDで初鑑賞。全貌を知ることになる。

…はぁー💧こんなんだったのか。
いい映画か?と問われたら笑うしかないんだけど、面白くないか?と問われたら面白い!🤣

これまで聞いていた断片的なワードが、上映時間が進むにつれて次々につながっていく。なんて変な映画だ。ジグソーパズルが出来上がっていくみたいにワクワク。これは変な快感。長尺が気にならなかった。しかしこれは予備知識ゼロで観たのではなくて、雑多な情報があったせい。これから本編を観る方々の楽しみを奪いたくないからその詳細は語らずにおくけれど、「お市でございます」と名乗る高級特殊浴場のシーンから、宇宙空間で迎えるラストまで次の展開が予想を超えてくる。

でも全編ワクワクしっぱなしだったかと言えばさにあらず。長尺の一因は延々とヒロインが走る場面が続くせいだ。一つは愛犬シロと琵琶湖を走る場面。四季折々の風景が美しく映し出される。これは「砂の器」の親子が各地を放浪するシーンを思わせる。長期ロケが可能でないと撮影できない映像だけに、並々ならぬ製作者の意気込みが感じられた。「砂の器」のあの場面がウケたから、またやっただけなんだろうけど。問題はシロを殺した仇を走って追い詰める場面だ。これが本編で二度登場し、おまけに長い。

僕はマラソン中継を見るのが苦手で、ただ走ってる姿を2時間見続けるのを楽しいとは思えなかった。だが映画「風が強く吹いている」を観て、走る映像に感情が乗るとこんなに面白いのか!と感激した。走者の気持ちを知って見るって大切だな、そのために増田明美の雑情報混じりの解説も必要なのかも…と妙な納得をしたw。されど。「幻の湖」の走る場面は、確かに感情が溢れんばかりに乗っているのだけど、ただ仇を追いかけているのではなくて、いつの間にか長距離走の勝負になっている"不思議"が加わる。スパートして追い詰めればあいつは疲れてチャンスが…と追う側。包丁持って追いかけられているんだから、誰かに助けを求めればいいのに、走って逃げ切ろうとする追われる側。何やこれ。そして橋の上で追いついた瞬間…

「勝ったわよ!シロ!」
…え、えぇ?😨

そして噂に聞いた場面。
ちゅどーん🚀
👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏
🤣🤣🤣🤣🤣🤣🤣🤣🤣🤣

すげぇ!😱
バラバラだったピースが全部つながった!

南條玲子さん、肝の座った役者だなと思ってたけどこれを観てますますそう思えてきた。さらに様々な助演陣が登場する。風俗嬢に身を窶した女性スパイ、人のいい銀行員、音楽業界の大物、保健所の動きまで知っている室田日出男支配人、淀君の源氏名のかたせ梨乃、湖畔で笛を吹く宇宙船乗組員。スピンオフ作れそうな濃厚キャラだらけw。

橋本忍氏のそもそもの発想は、
「愛犬を殺されたら復讐するよな?するよな?オレならするな…」
から始まっているとのこと。勉強になりました。あーお腹いっぱい。

もし挑まれるのならば、なにがあっても作品を受け止めるお覚悟を。

学生時代に「砂の器」と「愛の陽炎」の二本立てを観ている。恋人に復讐するために丑の刻参りで呪い殺そうとする後者が橋本忍脚本だと最近気づいた。すごい二本立てだったんだな💧





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スオミの話をしよう

2024-10-16 | 映画(さ行)


◼️「スオミの話をしよう」(2024年・日本)

監督=三谷幸喜
主演=長澤まさみ 西島秀俊 瀬戸康史 遠藤憲一 宮澤エマ

突然姿を消した大富豪の妻スオミのために、歴代5人の夫が一同に集まった。しかし彼らが知るスオミはとても同一人物とは思えない相違が。スオミの行方は?本当のスオミとは?

三谷幸喜らしい舞台調の会話劇と、長澤まさみがそれぞれのキャラを演じ分けるのが楽しい。クライマックスの個別対応はNG連発してるに違いない。それもちょっと見たい気がするw。芸達者を揃えた男たちのキャスティング。マゾっ気の塊のような夫①遠藤憲一は、彼女のルーツを知るだけに実はよき理解者。西島秀俊の上司を演ずる夫③小林隆の騙されっぷりにはクスクス笑ってしまう。そして彼女にとって一番信頼できるのは夫④西島秀俊なのかも。

セスナ機の場面での上昇気流に…って、コントのようなギャグには、ここまでやる?とちょっと冷めたが、人の良さそうな瀬戸康史のキャラのせいか許せてしまったw

ともあれ、いろんな長澤まさみを見られるのがいちばんの見どころ。神出鬼没な宮澤エマの好助演も楽しませてくれた。

※以下ネタバレ含みます
相手に合わせてキャラを変えていたのは、あざとさではなくて彼女なりの生き方だった。それだけに現在の夫⑤の無関心が楽でよかった、とスオミは言う。予告編で受けるのは、ぶっ飛んだ女性に振り回された男たちの話という先入観だが、実は相手が望む女性像にスオミが合わせる苦労があった。そんな男と女の関わりの話にオチを持ってきたのは予想と違う着地点。なるほどね。

ウディ・アレンの珍作「カメレオンマン」を思い出した。あれは防衛本能から周囲の人物や環境に合わせてしまう男の物語だった。誰しも生活の場面によっては素の自分を出せず、キャラとは違う自分を演じてしまうことがあるじゃない。スオミの行動の根底にはそれがある。そこを三谷幸喜は人間喜劇に仕上げてくれた。

ラスト、突然のミュージカルシーン。あれだけヘルシンキを連呼されたら夢に出ちゃいます🤣





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良いおっぱい悪いおっぱい

2024-10-14 | 映画(や行)


◼️「良いおっぱい悪いおっぱい」(1990年・日本)

監督=本田昌弘
主演=嗟山ゆり 中村ゆうじ

初めての出産を控えた夫婦を対象にした保健所の催しに参加したことがある。父親母親教室めいたものだ。
👩🏻‍🦱「妊婦がいかに重たいものを身につけているのか体験してみましょう!はい、じゃあいちばん前のあなた!」
😳「僕ですか?」
👩🏻‍🦱「はい、これをつけてみてくださいね」
有無を言わさず保健所の方は、僕の身体に砂鉄入りのサポーターみたいなものを巻きつけ始めた。
😓何これ、肉じゅばん着た相撲コントみたいじゃん。おっ、重っ…重っ…おっもーっっっ!!!
👩🏻‍🦱「一度しゃがんでみてください」
ただでさえ音がしやすい僕の脚の関節が思いっきり音を立てた。
バキッ🦴
後ろにいた夫婦の男性が声をあげた。
🙀「そ、そんなにっ!」
場を盛り上げてしまった私😓

その経験あってか、僕はそれなりに育児するお父ちゃんでした。はい。

本題。映画「良いおっぱい悪いおっぱい」は、詩人伊藤比呂美さんの子育て日記が原作。ジャーナリストの妻と大学講師の夫が初めての妊娠、出産、育児で経験を積んでいくストーリー。思い悩んだり、喜んだりする日常をほのぼのと描いたハートウォームな作品である。

母となった妻が授乳するのを見ながら、大切なものを失ったような微妙な表情をする夫が笑える。でも同じ気持ちだったのかもw。

妻が仕事に復帰して、育児が夫の仕事に偏っていく後半からが、中村ゆうじのコミカルな持ち味が発揮されて好感。四苦八苦しながら歪んでいた表情が、子供が泣き止んでニタッとほころぶ。下手な台詞がなくても、その表情がすべてを物語る。それは自信につながっているのだ。そして苦労は子供の笑顔で上書きされる。




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赤ちゃんはトップレディがお好き

2024-10-13 | 映画(あ行)


◼️「赤ちゃんはトップレディがお好き/Baby Boom」(1987年・アメリカ)

監督=チャールズ・シャイア
主演=ダイアン・キートン サム・シェパード ジェームズ・スペイダー ハロルド・ライミス

女性の社会進出が進みつつある1980年代。ダイアン・キートン演ずるヒロインは、男と対等に肩肘張って仕事に向き合ってきた。成果も認められて角部屋のオフィスに部下、ドライな関係の彼氏がいて不自由のない生活だった。そこに従姉妹が亡くなり、遺された赤ちゃんを育てることに。「成功するには何かを犠牲にしなくてはいけない」と言われた彼女は、仕事と子育てを両立させようと必死になる。

公開当時は大学生、クラシック映画好きだった頃だからかスルーしていた。今観るとあれこれ考えさせられる。ビジネスで認められる一方で、失われているものはないだろか。生きて行くのにはお金がいるけれど、リッチであることだけが幸せなのか。窓辺でロッキングチェアに座るラストシーンのヒロインを見ながら、とてもほっこりした気持ちになれたのは、今の年齢で観たからだろう。

ダイアン・キートンが着るスーツの肩の大きさ、エレクトリックピアノの美しい劇伴に、80年代の空気を感じる。音楽は「ロッキー」のビル・コンティだが、派手なブラス🎺の楽曲ではなく小洒落たアレンジが耳に残る。主題歌Everchanging Timesを歌うのは、マイケル・ジャクソンとのデュエット曲でも知られるサイーダ・ギャレット。デビッド・フォスターがプロデュースに加わっているようだ。エレピの音が気になったのはそのせいだったのか。

サム・シェパードやジェームズ・スペイダー、ハロルド・ライミスなど助演陣も芸達者ぞろい。医師サム・シェパードと初めて会う場面、勘違いでダイアン・キートンが本音をぶちまける様子が好き。

ビジネス復讐劇でもあるのだけれど、その痛快さよりもヒロインが自分を取り戻す姿こそが見るべきポイント。ダイアン・キートンって、それぞれの時代のカッコいい女性、それまで映画で描かれてこなかった生き方を演じてきた人だと思っている。「アニー・ホール」や「ミスター・グッドバーを探して」、「恋愛適齢期」「最高の人生のつくり方」などなど。本作はその80年代代表と言えるのかも。



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チャイナ・シンドローム

2024-10-12 | 映画(た行)


◼️「チャイン・シンドローム/The China Syndrome」(1979年・アメリカ)

監督=ジェームズ・ブリッジス
主演=ジェーン・フォンダ ジャック・レモン マイケル・ダグラス ダニエル・ヴァルデス

原子炉に欠陥が見つかった原子力発電所で、いくつかの事故が続いた。ジャック・レモン演ずる所長は停止を提案するが、会社と政府は発電を続けさせようとする。テレビレポーターの力を借りてこの事態を告発するのだが、国家という権力がその前に立ちはだかる。

1986年5月。僕は映画鑑賞のメモにこの映画のプチ感想と共に次のような文章を書いている。

-ー先月29日から30日にかけて、ソビエトで原子力発電所の大事故があったらしい。かなりの大惨事になっている。安全装置はとてもずさんなものだったと報道されている。既にポーランドやスウェーデンに被害が及んでいるとかテレビは言っている。回り回って死の灰が日本に及んだりするのだろうか。核シェルターはないものか。ーー

1986年の僕は、チェルノブイリ原発事故の報道をどう受け止めていいのか分からないようだ。その様子が伝わってくる。でもインターネットもない時代。当時の誰もがこんな感じだったのかも。

チェルノブイリのような惨事が起きる映画ではない。メルトダウンした核が地球を侵食して、反対側の中国に被害が及ぶかも…という恐怖を前提にした社会派作品。政治的な発言もしていた当時のジェーン・フォンダらしい出演作でもあった。

それから四半世紀経って東日本大震災、福島の原発事故が起こる。事故から始まった出来事や被災地の状況。自分に何ができるのか。今もなお続く現実の問題。あの頃感じた思いを忘れてはいけない。日本での現実からすれば、映画「チャイナ・シンドローム」で起きた事故は小さなものかもしれない。しかし社員を殺してまで事実を葬り去ろうとした映画での会社や政府の姿は、違った意味での怖さがある。そして僕らはこの10年余り、原発事故から視線を逸らそうとするような人々の言動をあれこれ目にしてきた。

1986年の僕に言ってやりたい。
これが現実だぜ。



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グレンダイザーU

2024-10-08 | テレビ・アニメ



永井豪のロボットアニメ「グレンダイザー」は大好きな作品だった。1975年のテレビシリーズはもちろん、翌年の劇場版「決戦!大海獣」にも大興奮した小学生。「およげ!たいやきくん」のレコードを買うために親からお金渡された僕は、お釣りで「グレンダイザー」のレコードを買って帰った。「誰が買っていいと言った💢」と叱られたw。

毎度つまらない昔話まじりですみません😣

それからウン十年後、現在の僕は、リメイク「グレンダイザーU」にちょっと期待していたのだ。しかし…

…ん?🤨
オープニング映像に強烈な既視感。なんじゃ、「機動戦士ガンダムSEED」とクリソツじゃん!。同じ福田己津央監督だとは聞いていたけどまさかここまでとはw。

本編はフリード星の事件から始まる。グレンダイザーが暴走して破壊の限りを尽くすというショッキングなエピソード。ベガ星連合の追手から逃れてやってきた地球で、兜甲児ら「マジンガーZ」の面々と知り合うことになる本筋は同じなのだが、13話を通じてデュークと婚約者ルビーナとその姉テロンナをめぐる壮大な三角関係のドラマを見せられることになる。

勝気な美少女牧場ひかるも、ワイルドな牧場団兵衛も出てこない。ひかるは主人公たちを導く巫女のような謎めいた存在に改変されている。ひかるちゃんの華麗な乗馬姿はどこ?勇敢で困難に挫けないデュークはどこ?

テロンナとルビーナを戸松遥が二役で演じているのは見どころで、見事な演じ分けになっている。

永井豪作品らしい激情に駆られる主人公やお色気はとんでもなく薄味で、確かに物足りない作品ではある。地球人を精神的に追い詰めてグレンダイザーにヘイトが向くようにしむけるベガ星連合の作戦はあの「ダークナイト」を思い出させるが、その描写も意外とあっさり。主人公が守ろうとしたものから裏切られる展開は永井豪作品では印象深いものがあるだけに、オールドファンにはこの程度か?甘い!と思っちゃうところだろう。

そうした逆境に向き合うクライマックスで、兜甲児がデュークを信じぬいた場面はなかなか感動的だった。僕がそう感じたのは、小学生の頃に見た「グレンダイザー」で、兜甲児がデュークに語りかけるある場面が強烈に心に残っていたからだ。
兜甲児(CV 石丸博也)「大介さん、"人"っていう字を知ってるかい?」
人と人は支え合うもの。それを兜甲児は、漢字の「人」で説明したのだ。宇宙人が漢字知らねえだろ!🤣と子供心に思ったけれど、好きな場面で強く印象に残っている。これ「3年B組金八先生」で人の字が語られる神回の10年前だぞ。

旧シリーズで心に残っていた人の字スピリットだけは、最終回の兜甲児に生きていた気がした。こんなこと考えたのは僕くらいだと思うのだけれど。




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ビートルジュース ビートルジュース

2024-10-06 | 映画(は行)


◼️「ビートルジュース ビートルジュース/Beetlejuice Beetlejuice」(2024年・アメリカ)

監督=ティム・バートン
主演=マイケル・キートン ウィノナ・ライダー ジェナ・オルテガ モニカ・ベルッチ

ティム・バートン監督作を初めて観たのは「ビートルジュース」だった。レンタルビデオ店のきゃわゆいバイト女子に「これっ!どうですか?♡」と勧められた思い出の映画w。その続編がまさか30ウン年経って製作されるとは。近ごろティムはディズニー資本で万人向け作品を撮っていたから、きっと鬱憤が溜まっていたに違いない。だから出世作「ビートルジュース」の続編は、やりたいことをやれるわがままを満喫しているように思える。血しぶきが飛ぶ毒気に満ちたバートン映画なんてどれくらい久しぶりだよ🩸

ダニー・エルフマンの暗いけど変な躍動感のある音楽が来るぞぉと思っていたら、意外にもWBのロゴにドナ・サマーのMacArther Parkが重なる。な、何っ!?音楽好きには本作の凝った選曲はたまらん魅力。「ヴァニラスカイ」でも印象的だったシガーロスのSvefn-g-englarは怪しげな彼氏の部屋で流れていて、ダニー・デヴィートがヘッドフォンで聴いてるのはビージーズのTragedy(哀愁のトラジディ)。前作で使われたDay-O(バナナボート)は合唱曲にアレンジされて葬儀の場面に登場。リチャード・マークスの名曲Right Here Waitingはクスッと笑わせてくれる。

そしてオープニングにチラッと流れたMacArther Parkはオリジナルの男性ヴォーカル版(初代ダンブルドア校長のリチャード・ハリス!)で再び流れ、突然ミュージカルと化してしまう。死後の世界のあの世行き列車がSoul Trainって!🤣🤣🤣。エンドクレジットのMacArther Parkはドナ・サマーのディスコアレンジ🕺✨
きゃほー♪楽しいー♪
観てから数日ドナ・サマーばっかり聴いてたディスコ世代の私ww(ドナ・サマーの時代は小学生だったくせに💧)

サンドワームのストップモーションアニメ、モニカ・ベルッチのホチキス止め、ウィレム・デフォーの怪演と好き放題やってる一方で、ストーリーは「ビッグフィッシュ」などで見られる親子の関係修復劇になっているのはティムらしいとも言える。ともあれ、ウィノナ・ライダーとマイケル・キートンの出演は嬉しい。サイキック少女のその後は、年齢相応の役柄で好印象。「ウェンズデー」のジェナ・オルテガが好演。彼女あってのこの作品でもある。

それにしてもタイトルがいい👍。3回繰り返すと悪霊が復活しちゃうから、2回にとどめているってことよね!。いやもう3回言わせようとしてるでしょw





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