Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

2023年3月のプレイリスト

2023-03-31 | 今日のBGM


◆2023年3月のプレイリスト◆

3月に聴いていた愛すべき31曲


1 The Continental Way(Casiopea)

キーボードが活躍するカシオペア楽曲が好き。

2 空色デイズ(中川翔子)

セルフカバーがリリース。実はカラオケ十八番。

3 六弦の怪物〜クロイツェルより(布袋寅泰)

アニメ「クラシカロイド」より。ベートーヴェン×ハードロック🎸⚡️

4 平和組曲(ゴダイゴ)

クラシックの「威風堂々」にラブ&ピースな歌詞を乗せた大作。中坊の頃に初めて聴いて気に入ったのは、後にプログレにハマる前兆だったのかもw

5 Peach(Prince)

心地よいロックンロール🎸

6 For The Moment(Every Little Thing)

ELTは随所に洋楽かぶれの匂いがする。

7 Fashion(David Bowie)

Beep Beep ♪

8 Wonderful Oppotunity(B'z)

シンパイナイモンダイナイ ナイナイ ザッツライフ イッツオールライト ちょっと気持ちを軽くする呪文w

9 Drunk On Love(Basia)

カッコよくてオシャレな音楽、と言われたらまずこれを思い浮かべる。

10 Separate Ways(Journey)

TBS系のWBC中継で毎回使われている。リプレイ場面やCM前でスティーブ・ペリーのハイトーンを聴くとアガる⤴️


11 ミヨちゃん(畑中葉子)

平尾昌晃作品を歌うアルバムより。

ドリフターズのカバー。

12 Don't Look Back In Anger(湯川潮音)

ロック名曲のアコースティックカバーアルバムより。

13 愛のレンタル(私立恵比寿中学)

君は僕と踊ればいい♪ずっと僕と踊ればいい♪

14 おはようユニバース(MISIA)

パワフルな歌声が元気をくれる。

15 別れても好きな人(JUJU)

JUJUが歌うとすっごく切ない響きがあるね。

16 MORE(SHOW-YA)

ロック名曲カバーアルバムより。

17 Rosier(LUNA SEA)

90年代日本ロックを代表する名曲。

18 愛は勝つ(KAN)

がん治療のためツアー中止を発表。心配ないからね、の歌声を聴いて心配する私。

19 Young Guns(Wham !)

久々に聴くとカッコいいやんw

20 一番に教えたい(原田知世)

なんでもないことなのに一番にあなたに教えたい♪

それは相手を大切に思う気持ち。


21 This Game(鈴木このみ)

アニメ「ノーゲーム・ノーライフ」よりピアノの効いたロックがカッコいい。

22 I Love You(小林香織)

オフコースの分厚いコーラスをサックスの多重奏でカバー。

23 大河よ共に泣いてくれ(Poppin' Party)

バンドリのカバー集より。ポピパがフランシュシュを!声優バンドだからみんな歌えるいい選曲。

24 お引越し(Crazy Ken Band)

長男の引越し荷造りのお手伝い。ふぅ。

25 When The Moonlight Up The Night(柳ジョージ&レイニーウッド)

中坊の頃からこんなの聴いてるんだもんな。マセガキなオレ。

26 Master Blaster (Jammin') (Stevie Wonder)

リズムがクセになる🥁

27 Normandia(細野晴臣)

細野さんのCM曲を集めたアルバムより。坂本龍一ぽい印象の曲。楽譜が載ってた雑誌どこに行ったかな。

28 STAY CLOSE(高橋幸宏&スティーブ・ジャンセン)

単調なシンセのリフなのにノセられちゃうのは、

二人のドラマーによる作品だからか。

29 TIBETAN DANCE(坂本龍一)

後にEPOが歌詞をつけてカバーしたオリエンタルな楽曲。

30 ハルノヒ(あいみょん)

どんな未来がこちらを覗いてるかな♪大切を増やしていこう♪


31 桜花爛漫(KEYTALK)

年度の節目。いろいろ生活が変わりそうだけど、

一日一日を大切にしていきたい。











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武士道シックスティーン

2023-03-29 | 映画(は行)

■「武士道シックスティーン」(2010年・日本)

監督=古厩智之
主演=成海璃子 北乃きい 石黒英雄 荒井萌

 最初に言っておく。僕はインドア派でスポーツは苦手。「武士道シックスティーン」で描かれる剣道は、高校時代に体育の選択でやったことがあるけど、防具をつけたら普段以上に機敏に動けず。動きが悪いだけでなくスキだらけで、打ち込まれることばかり。楽しくない授業であったことばかりが思い出される。そんな僕だが、誉田哲也の原作「武士道シックスティーン」を昨年読んでみた。以前に読んだあさのあつこの「バッテリー」でも、スポーツ青春小説は面白いよなぁ・・・と感じたが、剣道小説を面白いと感じられるのか半信半疑だった。いやはや、面白かった。ページをめくっていくたびに、対照的な香織と早苗が剣を交えて距離を縮めていく様子が楽しくて、楽しくて。剣道やってる人が面の向こうで何を思っているのか、防具越しに見える世界の描写の巧みさ、スポーツに真剣になる理由、そして父と娘の関係にじーんときた(最後はこの年齢だからだろうが)。

 その映画化である。キャストは宮本武蔵に憧れ勝つことこそがすべての香織に成海璃子。お気楽不動心の今ドキ女子高生早苗に北乃きい。原作から受けたイメージそのまま。納得のキャスティングと感じた。冒頭、香織が格下だと思っていた相手に負ける場面。ここがどう表現されるのだろう。ここが上手くないと先が思いやられるぞ・・・。早苗の動きはすごくぎこちなくビビってる感じ。香織が感じた"追えば逃げる。逃げれば寄ってくる。"という雰囲気には今ひとつかな・・・?そして香織がメンを喰らう直前。"真っ直ぐくる。剣先がありえない大きさに膨張する。"と表現された文章を、映像は香織の視線で捉えた。おっ上手いじゃん、これ。冒頭数分間は映画をそのまま楽しめるかの要だけど、なかなかいいじゃない!。

 ただ原作を気に入った立場からすれば、残念に思うところも多い。例えば、香織と父親の関係は大きく改変されて、直に剣道の教えを受けている間柄となっている。原作では香織の荒っぽい流儀は幼い頃から通った桐谷道場で身についたもので、父親は兄が剣道を辞める決心をさせた岡選手を育てた人物。香織にとっては兄の仇を刺客として差し向けた存在で、むしろ憎むべき存在であった。2時間の尺に収めるためには、人物の紹介ばかりに時間を割けない。その上でのやむを得ない改変なのだろうが、その分ラストの父娘の会話がどうも合点がいかない。父親が竹刀の手入れをしてあげる小説のエピソードが好きだっただけにやや残念。早苗の両親の唐突な復縁は、のほほーんと演じる古村比呂と、板尾創路の自由に生きている雰囲気がとても素敵だ。その父親に剣道を続ける理由を「好きだからじゃないのか。嫌いなら辞めちまえ。」と諭される場面は印象的な場面・・・あ、自分が親世代なもんだからどうしても親の役柄に感情移入しがちw

 それでも全体的には原作のテイストを崩さずに、香織と早苗の成長を描いている点では感動できる素敵な映画だ。「折れる心」を知ることでまた一歩成長する香織も、そんな香織の叱咤に耐えながら周囲に認められるまでに成長する早苗。一見正反対なのに、認めあえる間柄って素敵だ。好きであることが何ごとにおいても続けていけること。続けていれば、また会える。好きなことでつながっている人間関係って素敵だし何よりも強いものだと、再び感じさせてくれる映画だった。難を言えば日本舞踊をやっていたから独特な足運びをする、という早苗をもうちょっとカッコよく描いて欲しかったかな。



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007/死ぬのは奴らだ

2023-03-28 | 映画(た行)

◼️「007/死ぬ奴らだ/Live And Let Die」(1973年・イギリス)

監督=ガイ・ハミルトン
主演=ロジャー・ムーア ヤフェット・コットー ジェーン・シーモア

ロジャー・ムーアが演じたボンドは、ショーン・コネリーと違って、キザで、ユーモアがあって、スマートでスタイリッシュ。"ジェームズ・ボンドこそ目指すべき男子"めいた刷り込みをされて育ってしまった僕が、最も多感な時期に新作が公開されて観ているのがロジャー・ムーアなので、これが大人のカッコよさだと学習してしまった。皮肉まじりに粋な受け応えをカッコいいと感じたのは弊害だったかもしれない(汗)。

全7作品のうち、個人的にいちばん好きなのは「死ぬのは奴らだ」である。だっていちいちカッコいいんだもの。例えば、バスルームで毒ヘビが迫ってくる場面。手にしたシェービングフォームのスプレーに葉巻で火をつけて対応し、何もなかったようにそのフォームを使って髭を剃る。これが大人の余裕かぁ、と少年は感激してしまった。うちの親父殿はこのシーンのボンドが着ているのにそっくりなバスローブを買ってきてご満悦だった(変な親子ですみません😅)。

観ていて引き込まれる場面はどんな映画にもあるけれど、「死ぬのは奴らだ」は観客の巻き込み方が巧くて、一緒に盛り上がってしまう場面が多い。ニューオリンズで葬式の列が諜報員を殺害して連れ去る場面、蛇でいけにえを殺害するブゥードゥーの儀式。冒頭でそれを示しておいて、再び劇中で登場するから先の場面で危険が及ぶのがどうなるのかハラハラする。しかもそこには高らかに鳴るトランペットの音色の後で踊り出す葬列や、「アボボボボボーッ」って謎の言葉や高速で十字を切るような動きが、お子ちゃまだった僕と妹たちにはツボで、「死ぬのは奴らだ」を家で観るとついつい一緒に声出して観てしまう(変な兄妹ですみません😅)。

ロジャー・ムーア時代のボンド映画は、時代を反映した作品が多いのも特徴。「死ぬのは奴らだ」が製作された70年代前半は、いわゆるブラックスプロイテーション映画が盛り上がっていた時期でもあり、悪役が初めて黒人となった。ヤフェット・コットーが演じたこの悪役が憎たらしい一方で、占い師に頼る変なこだわりが面白い。名前を名乗るのがジェームズ・ボンドのお約束の見せ場のはずなのに、最後まで言わせずに
(内海賢二の声で)
「名前なんか墓に刻みゃいいんだ」
と言い放つカッコよさ(吹替版育ちですみません😅)。

もちろん、ポール・マッカートニーの主題歌も最高(この曲聴くと「アメリカン・ハッスル」を思い出す人も多いかも)。

そして最後に。1999年まで僕のナンバーワンボンドガールに君臨していたのは、本作のソリティア役ジェーン・シーモア。ボンドガール総選挙めいた企画があると、必ず一票を入れてしまう。大人になって改めて観ると、だんだんオンナの表情に変わっていくのがたまらない♡。





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パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

2023-03-26 | 映画(は行)

◼️「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド/Pirates of the Caribbean: At World's End」(2007年・アメリカ)

監督=ゴア・ヴァービンスキー
主演=ジョニー・デップ オーランド・ブルーム キーラ・ナイトレイ ビル・ナイ

女友達に
👩🏻「キーラ好きなら観ておけば」
と言われて3作目まで観た。第1作が好きになれず、第2作はハリウッド大作なのに話がわからん自分はおかしいのだろうか?と悩んでしまった私💧。Filmarksで皆さまのレビュー読んで、「?」と思ったのは自分だけでないと知って胸をなでおろすw。いろいろ詰め込みすぎでしょ。破綻してるとは言わないけれど、上映時間も含めて観客に優しくないのは確か。

さてその続きとなる第3作。ジャック・スパロウがいない方が話が進むと思ったのは間違いじゃなかった。冒頭、チョウ・ユンファ兄貴のアジトを訪れてからの展開なかなか面白いじゃない。しかもキーラたんの活躍がどんどん正面に出てきて、ファンとしては嬉しい限り😆。やっぱりスパロウが出てくると話がこじれてくるけれど、結果として海賊たちをまとめることに貢献できたのはよし。

巨大な渦巻きを挟んで対峙する2隻が戦う場面は見どころ。大砲撃ちまくるだけでも迫力あるのに、甲板での大群衆チャンバラ、マストにつながるロープを使った空中戦までアイディア満載で楽しい。

だけど、ずーっと引っ張ってきたカリプソの件はミスリードを挟みつつ唐突に本筋から撤退。え?😧それでいいの?「シン・ウルトラマン」の長澤まさみ級に巨大化するシーンとか必要?それでもタコ野郎が愛した人の名を叫ぶ最期は、男として気持ちを汲んであげます。

タコ野郎が素顔に戻る場面、キーラたんがみんなを煽って盛り立てる場面が好き。でも他の個性的な海賊さんたちの活躍がもっと観たかったかな。そして最後までオーランド君とキーラたんが目立つ話だった。3作目でのスパロウは影が薄くて、狂言回しにすらなってない。ジョニデは好きな役者なんだけどな。
キーラたん、よかったです。それで満足しておきます。

え?次作は大好きなペネロペたん?
み、観ようかな😅





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(本)噂のストリッパー

2023-03-25 | 映画(ま行)

◼️「(本)噂のストリッパー」(1982年・日本)

監督=森田芳光
主演=宮脇康之 岡本かおり 三崎奈美 太田あや子

70年代に名子役として人気があった宮脇康之。「ケンちゃん」シリーズは子供の頃に見ていて、家には「ケーキ屋ケンちゃん」の主題歌が収められたオムニバスのLPレコードがあった。ドラマの記憶はおぼろげだけど、主題歌は歌えるレベルで覚えているw。

そんなケンちゃんがにっかつロマンポルノに主演した作品で、森田芳光が監督・脚本、助監督は那須博之。高校生の頃「ロードショー」誌に載った紹介記事で、存在は知っていたけれど今回が初鑑賞。2023年3月でサービス終了となるGyao!で配信を見つけた。

ステージで流される昭和歌謡の数々に時代を感じる。オープニングタイトルでは平山美紀の「真夏の出来事」。ヒロイン岡本かおり演ずるグロリアの登場する舞台では、アン・ルイスの「リンダ」が彼女のテーマソングとして繰り返し流れる。竹内まりや作詞作曲、山下達郎のコーラスが美しいこの曲。近頃のシティポップス再評価で巷で聴くことも多いだけに、こんな場面で使われているのか…😟とビックリ。

周りの踊り子さんたちの「はい、いらっしゃーい!」って明るいキャラとは違って、岡本かおり演ずるグロリアはやや控えめ。しかしプロに徹したいのとお金の為もあり、映画のクライマックスでは"まな板ショー"までするようになる。ケンちゃんはその虜になっていく。

配達バイトで知り合った女性といい仲になるケンちゃん。「蛍の光」を1日の終わりに聴きたがる不思議なキャラの女性だ。ところがグロリアが地方巡業から浦安劇場に戻ったのを知って、「恋人が戻ってきたから別れよう」と言い出す。彼はもはやストーカーではないか😰。

ケンちゃんの声かけを無言でかわすグロリアの冷たさ。ラストはちょっと切ない。ロマンポルノとしての見せ場と青春映画ぽさが同居する。

※タイトルは「まるほん」と読む。





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大怪獣決闘ガメラ対バルゴン

2023-03-24 | 映画(た行)

◼️「大怪獣決闘ガメラ対バルゴン」(1966年・日本)

監督=田中重雄
主演=本郷功次郎 江波杏子 夏木章 藤山浩二

シリーズ第2作たる本作。前作で宇宙に葬ったはずのガメラが再び地球に現れる。後の作品ではガメラは子供の味方で映画の作風もお子ちゃま向きだが、本作ではまだ人類にとって脅威の存在。そこにパプアニューギニアの伝説の怪獣バルゴンが現れる。神戸、大阪、滋賀を舞台にバトルが描かれる。

映画冒頭こそガメラが黒部ダムを襲うのだが、その後は予想外にガメラの出番が少ない。むしろ人間ドラマが重視されていて、欲に目が眩んだ人間の醜さが終盤まで貫かれている大人の映画だ。第3作「ガメラ対ギャオス」と同様に、次々に作戦を決行するのが面白く飽きさせない。バルゴンはダイヤモンドの光に導かれるという村の伝説に従って、苦手な水辺におびき寄せる作戦が失敗。発案した主人公と村の娘を叱責する政治家。こういう場面にも人間の汚さが滲む。

巨大なオパールだと思われていたものがバルゴンの卵だったのだが、この成長の謎を解き明かしたのが、悪役に水虫治療をしていた船医。これを演じているのが藤岡琢也で、ドラマ「渡鬼」と全くイメージが変わらないから驚く😂。気丈な村の娘を演ずるのは江波杏子。

怪獣のバトルにもきちんと攻防があって面白い。ガメラがバルゴンの吐く冷気で凍ってしまう危機を乗り越えて、クライマックスで復活するのに、ええ歳したおいさんも気持ちが盛り上がってしまう。お約束の流血シーンもだくだくと流れる迫力。第2作までがこういうシリアス路線で、3作目で「ガメラは子供の味方」という設定が前面に出たことがよーくわかった。



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大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス

2023-03-22 | 映画(た行)

◼️「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」(1967年・日本)

監督=湯浅憲明
主演=本郷功次郎 上田吉二郎 笠原玲子 阿部尚之

「大怪獣空中戦」と題された本作でガメラが戦うのは、平成ガメラにも登場する唯一の怪獣ギャオス。今観ると造形も操演もチープに感じるところもあるけれど、光線を吐き身体が光るデザインはストーリーにも大きく絡んでいて効果的だ。

"ガメラ=お子ちゃま向け"という図式にきちんと沿っているものの、「宇宙怪獣バイラス」のようにストーリーも子供向けになっている訳ではない。富士山に向かう火山帯の噴火、高速道路建設をめぐる道路公団の焦り、補償金目当ての工事反対地元民、板挟みになる工事現場の責任者、と大人向けのドラマ部分が実にしっかりしている。しかも人間のエゴや醜さが描かれる脚本。これに現場責任者と村長の娘の色恋沙汰でも加えれば、エンターテイメントとしては完璧w。

ガメラが来て悪い怪獣を退治してくれました…という話ではなくて、人間があの手この手でギャオスを倒そうと懸命になるのもいい。それが少年の発想からアイディアを捻り出しているのが面白い。

加えてガメラとギャオスのバトルも、それぞれの得意を活かした攻防がきちんとある。ギャオスの光線で深傷を負い、例によって青い血を流したガメラだが、クライマックスでは空中戦を展開。さらに海中に引きずり込もうとする場面には、いい歳した大人も見入ってしまう。

幼い頃、「ガメラ対ギャオス」のソノシート(ペラペラのレコード)付き紙芝居の玩具が家にありまして。ストーリーは、子供に伝わる部分だけダイジェストにしたものでした。ギャオスをおびき寄せる液体を入れたプールがグルグル回る場面、ガメラの背中に乗せられた少年が甲羅の尖った部分にしがみつく場面、ギャオスの足に噛みついて海に引きずり込もうとする場面。今回配信で改めて観て、紙芝居の絵柄を思い出した(懐)。





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イエスタデイ

2023-03-20 | 映画(あ行)

◼️「イエスタデイ/Yesterday」(1979年・カナダ=アメリカ)

監督=ラリー・ケント
主演=ヴィンセント・ヴァン・パタン クレア・ピンパール エディ・アルバート

モントリオールの大学に留学してきた大学生(ヴィンセント・ヴァン・パタン)とフランス系娘(クレア・ピンパール)のラブストーリー。二人が愛を育む中、ベトナム戦争という時代背景が二人を引き裂いてしまう。彼の子供を妊娠していることを告げられないまま、彼は戦地へ…。

ベタと言えばかなりベタなラブストーリーだが、感動的なラストが待っている。元テニス選手のヴァン・パタンは、当時日本の映画雑誌でちょくちょく見かけた記憶あるなぁ。

この映画の主題歌を歌ったのは、「ドンキホーテ」などのディスコヒットで知られるハンガリーのグループ、ニュートンファミリー。映画で使用されてるSmile Againはしっとりとしたバラード曲。いい曲ですぞ。



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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

2023-03-18 | 映画(あ行)

◼️「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス/Everything Everywhere All At Once」(2022年・アメリカ)

監督=ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート
主演=ミシェル・ヨー キー・ホイ・クァン ジェニファー・ジェーソン・リー ステファニー・スー

映画館で鑑賞したのだが、途中退場する人が目立つ。きっと理由は人それぞれなんだろう。マルチバースという概念が理解できない、見た目が変わらないからどの世界のウェイモンドが喋っているのかわからない、ポリコレ映画がどうも好きじゃない、ハイスピードな展開についていけない、ところどころに出てくるお下品な描写が好きじゃない…などなど。ともかく期待とは違う映画だったんでしょう。こんなに人が出ていくのを見たのは「ムーランルージュ」以来かも。

映画製作に人種やジェンダーへの配慮が必要とされる今の時代だからこそ、キャスティングやストーリーに注目が集まったという見方は確かにできる。でもそんな今の時代だからこそ撮ることができた映画でもある。アカデミー作品賞の品格とか論ずるつもりはないけど、これだけぶっ飛んでふざけた企画が受け入れられたのは正直痛快に思っている。

だって、あのポンポさんも言ってたじゃん。
「泣かせる映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がカッコいいでしょ?」
そう。エブエブはまさにそれなんだ。

石が語り合う場面なんて、それまで激しかった映像の動きがピタリとやんで、いい事言ってるし、癒しすら感じる。全てを吸い込む虚無の象徴黒いベーグルと、冒頭で領収書に書かれた黒丸が韻を踏んでるようだ。ソーセージ指の世界とかふざけてるにも程があるけれど、ラストで打ち解け合う二人とソーセージ指世界の二人の関係が重なるのは見事だ。僕らは実生活で、嫌なヤツだけど状況が違えば実はいいヤツなのかもしれないな、と思うことがある。この場面ってそれを示してくれている。

あの時この道を選んでいれば…みたいな話を映像でこれでもかと見せつける。そういう未練がましい描写は、日頃の僕なら毛嫌いするところ。ラで始まる陰気臭いミュージカル映画が大嫌いなのもそれが一つの理由だし。でもエブエブのそんな描写は、不思議と受け入れてしまった。

それは、あんな細切れの映像なのに登場人物の人柄がすごくにじんでくるからだ。トニー・レオン気取りかよ?とツッコミ入れたくなるキー・ホイ・クァンのスーツ姿を笑いながらジーンとしている自分がいる。蛇足だけど、クァンはウォン・カーウェイ監督の「2046」の助監督を別名で務めたという情報もある。そこでトニー・レオンを見ていたのかぁ…と思うと、映画ファンの妄想が、現実世界までマルチバース的につながってきたw。

80年代育ちが歓喜しちゃうのが、キー・ホイ・クァンがウエストポーチを振り回すアクション場面。アクションもさることながら、腰につけたもので活躍するって、まさに「グーニーズ」じゃん!🤣そして華麗なカンフーアクションを見せるミシェル・ヨー。80年代育ちとって、彼女はカンフースターのミシェル・キングを名乗ってた人だもんね。「獣拳戦隊ゲキレンジャー」の5人の拳聖(マスター)の一人、ミシェル・ペングの元ネタでもある。あーっ、どんどんマルチバース的につながっていくww。それは演じる役者のこれまでのキャリアが活かされていることでもある。キャリア上にある過去の出演作から学んだことが、マルチバースから得意技をロードするみたいにつながっている。それは経験という名のマルチバース。

自分に足りない何かを学びながら、人はいくつになっても成長できる。映画ではマルチバースにいる自分の得意技だったけど、クライマックスには近くにいる親しい人から学んだことが成功をもたらす。このラストにほっこり。あまりのカオスな展開とお下劣な描写に、ええんか?と思いながらも、そんなほっこりした気持ちになるなんて。観る前には想像できなかったな。


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パタリロ!スターダスト計画

2023-03-16 | 映画(は行)

◼️「パタリロ !スターダスト計画」(1983年・日本)

監督=西沢信孝
声の出演=白石冬美 曽我部和恭 藤田淑子

劇場公開当時、シブがき隊の映画と同時上映だった「パタリロ!スターダスト計画」。配信サービスで見つけたので、懐かしくって久々に鑑賞。あの先駆的なBLギャグ漫画をテレビアニメにしてること自体がすごい、今思うと。
👆シブがき隊映画のキャッチコピー、
 意味がわからんw

世界各地で繰り返されるダイヤモンド強奪事件に巻き込まれた常春の国マリネラ。事件がダイヤモンド輸出機構の陰謀と突き止めたわれらがパタリロとMI6のバンコラン少佐が、地球規模の危機と宿命の復讐劇に立ち向かう。お馴染みのクックロビン音頭、最高♪

毎度繰り返されるパタリロの茶々とギャグは、ストーリーの進行を妨げそうなギリギリの線。翻弄されるバンコラン達の反応も含めて、これがなんとも快感なんよねぇ。殿下を演ずる白石冬美は「機動戦士ガンダム」のミライさん以上の名演だし、改めて見ると背景の薔薇盛りすぎww

組織の殺し屋美少年ビョルンとアンドレセンの元ネタは、イタリア映画「ベニスに死す」(ドラマ「半分、青い」で秋風先生が「タジオ!」って言うのもこれが元ネタ)。現代の技術とテイストでアニメ化したら面白いだろうなぁ、もちろん深夜枠で!原作自体が今のテレ東アニメ深夜枠以上の自由さで描かれているんだもん、楽しくないはずがないさ。





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