■「大脱出/Escape Plan」(2013年・アメリカ)
監督=ミカエル・ハフストローム
主演=シルベスター・スタローン アーノルド・シュワルツェネッガー ジム・カヴィーゼル ヴィンセント・ドノフリオ
ちょっと旧作から。
シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー二枚看板での初共演は刑務所もの。
脱獄アクション、人間ドラマ、女囚ものなど、様々な映画が製作されてきたジャンルだが、
本作はこれまでにない様々な工夫が凝らされていて、
単なる筋肉を見せつける映画になってないのが面白い。
主人公のスタローンは、
刑務所の警備の不備を実際に自分が脱獄して示すというプロフェッショナル。
刑務所もの映画の主人公は概ね犯罪者なので、この設定だけでもなかなか珍しい趣向。
ある日、CIAから依頼されたという仕事は、
民間軍事会社が管理する場所も秘密の刑務所から脱獄するものだった。
ところがこれには陰謀が。
彼は囚人のひとりシュワちゃんと協力して、脱獄を実行に移す・・・。
かつてキリストを演じたジム・カヴィーゼルが極悪な刑務所長、
屈強な看守が元サッカー選手ヴィニー・ジョーンズ、
医師に「ジュラシックパーク」のサム・ニールと、キャストも一癖あって面白い。
従来の刑務所ものでは、悪役は大抵マッドな刑務所長だけというのが相場。
今回は民間軍事会社としたことで、ちょっと社会派の要素もプラス。
イスラム教徒の囚人が協力者になる展開もこのご時世だけにナイス。
ひと昔前なら異教徒、異民族を敵視する映画ばっかり撮ってたハリウッド。
敵視描写がいかにもありそうなアクション映画で、こうした変化が見られるのはいいことだ。
それにしても情けないのは、
刑務所の立地に関するストーリー上で重要な部分が日本版の予告編で堂々とネタバレされていること。
映画配給会社は、全然重要だと思ってないんだろう。
映画観る目がないよねぇ。
もしあなたがこれからこの映画を観ようと思うなら、決して予告編を見てはいけない。
それどころか、宣伝文句すら既にネタバレ・・・ダメダメじゃん。