Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

大脱出

2018-01-14 | 映画(た行)

■「大脱出/Escape Plan」(2013年・アメリカ)

監督=ミカエル・ハフストローム
主演=シルベスター・スタローン アーノルド・シュワルツェネッガー ジム・カヴィーゼル ヴィンセント・ドノフリオ

ちょっと旧作から。
シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー二枚看板での初共演は刑務所もの。
脱獄アクション、人間ドラマ、女囚ものなど、様々な映画が製作されてきたジャンルだが、
本作はこれまでにない様々な工夫が凝らされていて、
単なる筋肉を見せつける映画になってないのが面白い。

主人公のスタローンは、
刑務所の警備の不備を実際に自分が脱獄して示すというプロフェッショナル。
刑務所もの映画の主人公は概ね犯罪者なので、この設定だけでもなかなか珍しい趣向。
ある日、CIAから依頼されたという仕事は、
民間軍事会社が管理する場所も秘密の刑務所から脱獄するものだった。
ところがこれには陰謀が。
彼は囚人のひとりシュワちゃんと協力して、脱獄を実行に移す・・・。

かつてキリストを演じたジム・カヴィーゼルが極悪な刑務所長、
屈強な看守が元サッカー選手ヴィニー・ジョーンズ、
医師に「ジュラシックパーク」のサム・ニールと、キャストも一癖あって面白い。
従来の刑務所ものでは、悪役は大抵マッドな刑務所長だけというのが相場。
今回は民間軍事会社としたことで、ちょっと社会派の要素もプラス。
イスラム教徒の囚人が協力者になる展開もこのご時世だけにナイス。
ひと昔前なら異教徒、異民族を敵視する映画ばっかり撮ってたハリウッド。
敵視描写がいかにもありそうなアクション映画で、こうした変化が見られるのはいいことだ。

それにしても情けないのは、
刑務所の立地に関するストーリー上で重要な部分が日本版の予告編で堂々とネタバレされていること。
映画配給会社は、全然重要だと思ってないんだろう。
映画観る目がないよねぇ。
もしあなたがこれからこの映画を観ようと思うなら、決して予告編を見てはいけない。
それどころか、宣伝文句すら既にネタバレ・・・ダメダメじゃん。



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オリエント急行殺人事件

2018-01-08 | 映画(あ行)

■「オリエント急行殺人事件/Murder On The Orient Express」(2017年・アメリカ)

監督=ケネス・ブラナー
主演=ケネス・ブラナー ペネロペ・クルス ジョニー・デップ ミシェル・ファイファー ウィレム・デフォー

僕と母と妹は、アガサ・クリスティ作品と聞くと黙っていられないミステリ映画好き。
わが家が楽しんできた
ピーター・ユスティノフやデビッド・スーシェが演じたポアロを、
ケネス・ブラナーが!と聞いたら、僕もじっとしてられまへんでした。
1974年映画化のシドニー・ルメット版も大好きだし。

今回の映画化もオールスターキャストが楽しい。
憎たらしいジョニデも、
デンチ大おばさまの公爵夫人も、
頭良さそうなデイジー・リドリー、
大健闘ペネロペちゃん、
いかにもうさん臭いウィレム・デフォーも、
貫禄のミシェル・ファイファーも、とにかくキャスティングの勝利。
限られた舞台だけに、見せ方にも工夫があって特に後半は飽きさせない。
ケネス・ブラナーのポアロは髭が大げさなのか、最後まで慣れなかったWW

ラストは灰色の脳細胞が人情に厚いところを強調してて、
ここに泣かされたというご意見も多いみたい。
結末を知って観ているのもあるけれど、74年版よりも理路整然とした印象が残って、
謎解きの驚きは控えめ(個人の感想です)。
まぁ、そこは優等生なシェークスピア俳優のケネス・ブラナーらしいと言えばらしいのかも。
ラスト、
「ポアロ様をエジプトへお連れしないといけません!」
とお迎えがやって来る。
次回は「ナイルに死す」ってことよね!(嬉)

映画『オリエント急行殺人事件』予告編



コメント (2)
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tak's Movie Awards 2017

2018-01-01 | tak's Movie Awards


本年もよろしくお願いします。
中学3年の冬に友達と年間ベストを選出して以来、毎年続けている私的映画賞でございます。鑑賞本数も年々減る中、昨年は映画生活史上最低の鑑賞本数でしたが、今年はそれなりに回復。なお、あくまで私takが2017年に観たオールタイムの映画が対象ですので、公開年と一致はしません。あしからず。

tak's Movie Awards 2017

作品賞=「ブレードランナー2049」(ドゥニ・ヴィルヌーブ/2017)
アニメーション作品賞=「この世界の片隅に」(片渕須直/2016)
【ベスト10】
「裏切りのサーカス」
「カフェ・ソサエティ」
「グランドフィナーレ」
「この世界の片隅に」
「ラ・ラ・ランド」
「20センチュリーウーマン」
「ハクソー・リッジ」
「ブレードランナー2049」
「ベイビードライバー」
「PK」

監督賞=ジャック・タチ「ぼくの伯父さん」
【今年の10人】
ウディ・アレン「カフェ・ソサエティ」
片渕須直「この世界の片隅に」
ジャック・タチ「ぼくの伯父さん」
デイミアン・チャゼル「ラ・ラ・ランド」
ドゥニ・ヴェルヌーヴ「ブレードランナー2049」
トム・フォード「シングルマン」「ノクターナル・アニマルズ」
パオロ・ソレンティーノ「グランドフィナーレ」
フランソワ・トリュフォー「トリュフォーの思春期」
メル・ギブソン「ハクソーリッジ」
ラージクマール・ヒラーニ「PK」

主演男優賞=ライアン・ゴズリング「ブレードランナー2049」「ラ・ラ・ランド」
【今年の10人】
アーミール・カーン「PK」
アンドリュー・ガーフィールド「ハクソー・リッジ」
ゲイリー・オールドマン「裏切りのサーカス」
コリン・ファース「シングルマン」
ジェシー・アイゼンバーグ「カフェ・ソサエティ」
トム・ハンクス「ブリッジ・オブ・スパイ」
ハンフリー・ボガード「アフリカの女王」
マイケル・ケイン「グランドフィナーレ」
ライアン・ゴズリング「ブレードランナー2049」「ラ・ラ・ランド」
ロバート・デ・ニーロ「ヒート」

主演女優賞=アネット・ベニング「20センチュリーウーマン」
【今年の10人】
アヌーク・エーメ「男と女」
アネット・べニング「20センチュリーウーマン」
イザベル・ユペール「エル」
エイミー・アダムズ「ノクターナル・アニマルズ」
エマ・ストーン「ラ・ラ・ランド」
エマニュエル・べアール「美しき運命の傷痕」
キャサリン・ヘップバーン「アフリカの女王」
キャリー・マリガン「わたしを離さないで」
クリステン・スチュアート「カフェ・ソサエティ」
リリー・ジェームズ「ベイビードライバー」

助演男優賞=ケビン・スペイシー「ベイビードライバー」
【今年の10人】
アンドリュー・ガーフィールド「わたしを離さないで」
クリストフ・ヴァルツ「おとなのけんか」「007/スペクター」
ケビン・スペイシー「ベイビードライバー」
コリン・ファース「裏切りのサーカス」
ジョン・ハム「ベイビードライバー」
スティーブ・カレル「カフェ・ソサエティ」
ハーベイ・カイテル「グランドフィナーレ」
ハリソン・フォード「ブレードランナー
2049」
ポール・ダノ「グランドフィナーレ」
マーク・ライランス「ブリッジ・オブ・スパイ」「ダンケルク」

助演女優賞=アリシア・ヴィカンダー「エクス・マキナ」
【今年の10人】
アナ・デ・アルマス「ブレードランナー2049」
アリシア・ヴィカンダー「エクス・マキナ」
エル・ファニング「20センチュリーウーマン」
キーラ・ナイトレイ「わたしを離さないで」
キャロル・ブーケ「美しき運命の傷痕」
シャーロット・ランプリング「わたしを離さないで」
ジャンヌ・モロー「ぼくを葬る」
ナスターシャ・キンスキー「ホテル・ニューハンプシャー」
マリー・ジラン「美しき運命の傷痕」
レア・セドゥ「007/スペクター」

音楽賞=「ベイビードライバー」

作品賞は文句なし。オリジナルへの思い入れがあるからこその期待と不安に対して、スタッフ、キャストが示した見事な続編。映画愛の賜物。「この世界の片隅に」は語り継ぐべき傑作。

監督賞は劇場鑑賞できたクラシックから。煙草の規制がますます厳しくなる中、この映画の主人公のトレドマークであるパイプさえもが、好ましくないと言われているんだそうです。なーんかさみしいですね。

主演男優賞は「ブレードランナー」をこうも切なく演じられてしまったら、ゴズリングでしょ。ただ「ラ・ラ・ランド」の彼はどちらかと言うと好みじゃないっす。主演女優賞はイザベル・ユペールとリリー・ジェームズと迷ったけど、年齢を重ねた女性のカッコよさをいちばん感じたのはアネット姐さん。

助演男優賞は今年いろいろ騒がれたお一人。銀幕の中じゃいい仕事してるんだけどね。助演女優賞は実は「ブレードランナー」とのAI美女対決でした(笑)。そして音楽賞は文句なし!この高揚感は他の映画じゃ味わえない。

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コメント (2)
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