Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

11月のBGM

2009-11-30 | 音楽
2009年11月に聴いていた愛すべき音楽たち。

①A Long Vacation from Ladies/various
大瀧詠一の名作「A Long Vacation」を女性アーティストがカヴァーするというトリビュート盤。プロデュースは井上鑑。世代的に井上鑑のアレンジのカッコよさはまさにツボなだけに、これはなかなか楽しい。大貫妙子の「君は天然色」という取り合わせに「えっ?」、今井美樹の「カナリア諸島にて」に納得。金子マリの「Velvet Motel」は演奏も素晴らしい。オリジナルを聴いていたのは高校時代。これ程ハマったアルバムはなかったかも。それでも当時歌詞を聴き取れないところがあった。今回これを聴いて「あ、こういう歌詞だったんだ」と気づかされたりもする。「雨のウェンズデイ」は大好きな曲だった。尾崎亜美のちょっと投げやりな歌い方が妙に合っている。オリジナルで”散歩しない?”って台詞を担当した太田裕美がその「FUN×4」を歌っているのも楽しい。いちばん不満なのはつじあやのの「恋するカレン」。あんな切ないラブソングを、あっけらかんと歌われるもんで・・・やや怒りを覚えました。そして、出勤中に「さらばシベリア鉄道」を口ずさんでいるのは僕。カラオケに行こうよ。
A LONG VACATION from Ladies(初回限定盤)(DVD付)

②Cryptogram/井上鑑
井上鑑のセカンドアルバム、祝CD化!。高校時代にお気に入りだったアルバム一つ。イギリス録音らしいダークな雰囲気があの頃は訳が分からず聴いていたけど、今聴くとそのかっこよさがよくわかる。レコードのB面1曲目だった「Kick It Out !」は大学時代にサークルの先輩が演奏してたっけ。ライブ音源のおまけがちょっと嬉しい。
CRYPTOGRAM

③Original Sin/Pandora's Box
最近はアンドリュー・ロイド・ウェーバーとお仕事しているジム・スタインマン。彼の劇的な音楽はボニー・タイラーやミートローフの歌で大好きだった。Pandora's Boxは彼のプロジェクトの一つで、後に映画「シャドー」の主題歌となるOriginal Sin、セリーヌ・ディオンがカヴァーするAll Comin' Back To Me Nowが収められている。椎名恵もカヴァーしたGood Girl's Go To Heaven (Bad Girls Go Anywhere)の原曲も聴ける。これは隠れた名盤。
Original Sin

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イングロリアス・バスターズ

2009-11-28 | 映画(あ行)

■「イングロリアス・バスターズ/Inglorious Busterds」(2009年・アメリカ)

監督=クエンティン・タランティーノ
主演=ブラッド・ピット ダイアン・クルーガー クリストフ・ヴァルツ メラニー・ロラン

 タランティーノの新作はいつも封切られて早い時期に劇場に足を運んでいる。今回は映画好きの仲間と2日目に劇場へ。ブラッド・ピット主演とくれば期待も高まる。僕はバイオレンス描写はちょいと苦手(でもタランティーノのファンなんですが・・・おかしい?)。でもタランティーノのことだから、きっとナチを痛快に笑い飛ばしてくれるさ!と思っていた。きっといつものようにかっちょいい音楽が次々に流れて・・・。その期待はやや裏切られることになるのだが。

 ナチの要人が集うプロパガンダ映画上映会。そこを襲撃してナチをやっつけるという作戦に連合国のイカれた精鋭がやって来る。バスターズと呼ばれた彼らはナチス兵を残忍な手口で抹殺する集団。その手口・・・うええええええ!。隣の席で観ていた友達はバイオレンス映画を劇場で鑑賞するのは初めて。バットが振り下ろされたり、ナイフが鍵十字刻む場面では、「あっ」「ひっ」「!!」「××!」「●△※□っ!」・・・と小さな叫び声をおあげになる。僕も「パルプ・フィクション」を観たときに、「人の死を笑いものにするなんてぇ!」と思ったもんです。やっぱりタランティーノのこういう面は苦手だ。うん。「キル・ビル」のときはやり過ぎだったからむしろ笑えたのだが、今回はねぇ。ホロコーストのネタもあり適度にシリアスなもんだから、笑えない分だけ僕には重い。そしてタランティーノ映画のお約束と言えば、無駄に長いおしゃべり。地下の酒場で正体を見破られるスリリングな場面は、危機に陥る先は読めているのに会話が異常に長い。旧作でもこういう場面があったが、そこには監督の趣味や偏った主張が見えて興味深い(例えば「キル・ビル vol.2」のアメコミ論や「レザボア・ドッグス」のマドンナ論)ものだった。だが、今回は睡魔に負けそうになった。

 されど僕がこの映画をまったく楽しめなかったかというとさにあらず。僕が期待した映画への愛情は、随所に感じられた。オープニングは、映画「アラモ」の主題曲でマカロニウエスタン風に始まる。そう、この映画も基本的にはお得意の”復讐劇”なのだ。ブラッド・ピットのバスターズは、「ナチは悪いヤツ=殺して当然」という論理であるのだが、やはりメラニー・ロラン扮するユダヤ娘の復讐劇がこの映画の要だ。クライマックスの炎上する映画館。そこでは殺戮が行われるが史実無視の問答無用な展開はさておき、銀幕でナチを見下して笑い続ける演出の凄さはきっと映画史に残る最高の復讐シーンだろう。元ネタを読みとるまでは至らなかったが、映画館で紹介される男優にエミール・ヤニングス(ディートリッヒの「嘆きの天使」が代表作)がいたり、ドイツの女優・映画監督レニ・リーフェンシュタール(ナチスドイツ時代のベルリンオリンピック記録映画「民族の祭典」を監督)の映画が上映されていたり、ディティールにもタランティーノの映画に対する思い入れが感じられる。音楽についてはデビッド・ボウイのPutting Out The Fire(「キャット・ピープル」の主題歌だったね♪)が流れる中、メラニー・ロランが化粧をする場面、とんでもなくかっこいい。ユダヤハンターのナチ将校を演じたクリストフ・ヴァルツが生き生きと悪役を演じていて、映画賞を受けたという評価にも頷ける。2時間半は飽きなかったけれど、ブラピ目当てで観る映画ではありませぬ。鍵十字を刻むラストシーン、見てるだけで痛かった!。もう!タラちゃん勘弁してっ!

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映画授業

2009-11-15 | その他のつぶやき
えー、突然ですが。
3年ぶりに「映画授業」が復活することになりました。
またやらせてもらえる幸せをかみしめておりまする。

この授業の目的は、ヴァーチャル社会見学。
映画を通じて学生たちの視野を広げるのが最大の目的。
決して道楽でやってるんじゃありませんよ。

これまでのラインナップはこちらを。

今年は時間的に余裕があるので、2時間超の映画もオッケーと恵まれてます。
もちろんこれまで通りにハリウッドのエンターテイメントは一切なし。
製作国や舞台、扱うテーマに徹底的にこだわってます。
これまで映画を通じて異国の現実や社会問題を知ることができました。
これはそんな映画に対する恩返し。

第1回はこれまでもそうでしたが、学生の持つエンタメ的な映画のイメージを覆すことから始めます。
今回セレクトしたのは、マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」。
いきなりドキュメンタリー!?しかもやや一方的な視点とも言われているのに・・・。
そう思う方々もいらっしゃるでしょうが、学生たちは自分の意見をちゃんとレポートに書いておりました。反論、異論、賛否は分かれました。日頃就職作文は苦手としている彼らが、この授業で書いてくるレポートはけっこう面白いものがあるんです。
頭に残ったイメージと感想が頼りです。引用するものは全くない。

学生の感想はこのシリーズ終了後に、ご紹介します。
さっ、次は何を見せよう。選ぶのがいちばん楽しかったりするんですが。

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大怪獣ガメラ

2009-11-03 | 映画(た行)

■「大怪獣ガメラ」(1965年・日本)
監督=湯浅憲明
主演=船越英二 姿美千子 霧立はるみ 山下洵一郎

 記念すべき「ガメラ」シリーズの第1作。第1作だからもっと徹底した悪として描かれるのかと思っていた。シリーズを通じて描かれる子供の味方というところは変わらない。冒頭エスキモーの村で巨大亀の伝説を聞く調査隊。沈んだ大陸に棲んでいた”悪魔”として語られていたガメラ。北極で起こった核爆発で長い眠りから目覚める。「ゴジラ」が反核のスタンスで貫かれていたのに対して、「ガメラ」では核をめぐる部分は意外とあっさりしている。日本に上陸したガメラに核ミサイルを撃とうとするところすらあるもの。そうしたエネルギーを喰って蓄えることができるという設定。そうだったのかぁ・・・。子供の頃から見ているけれど覚えてなかったなぁ。思えば巨大な銀幕で初めて映画というものを見たのは「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」(68)だった気がする。大分文化会館大ホールでの子供向けの映画上映会。親にソノシート付きの紙芝居(「ガメラ対ギャオス」)を買ってもらったりもしたなぁ。僕らは特撮映画で大きくなった。

 ガメラの特徴を少しずつ紹介するように物語が進行するところがいい。亀だからひっくり返せば死ぬだろうという作戦に対して、体からジェット噴射して飛び去る展開はなかなかだ。万策尽きて、「Z計画」と呼ばれる火星行きロケットにガメラを載せて、地球から宇宙に飛ばしてしまうというラストにはやや呆気にとられた。自らドーム型の檻に向かって行ってしまうガメラ。平成ガメラの第1作で福岡ドームを襲うのはこの場面へのオマージュなんだろか?。

 平成ガメラはやたらとリアルな描写が魅力だった。それに比べれば確かにチープさはあるけれど、さすがに第1作だけあって重厚感がある。だんだんと軽いお子様映画になっていく前だけにここでしか味わえない魅力だ。

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初音ミクオーケストラ

2009-11-02 | 音楽
 今年のGWにポップンポールさんのブログと合同企画で「自分で弾きたいYMO10選」って記事を書いた。80年代青春組のシンセサイザー弾きにはYMOは憧れのグループ。大学時代に同じ音系サークルのキーボード弾きを集めて演奏したこともある。DTM経験者だったらYMOの1曲くらい打ち込んだことはあるだろう。そんな僕の創作意欲をちょいと刺激してくれるものを見つけた。

初音ミクオーケストラだ。
HMO - Hatsune Miku Orchestra

You Tubeで聴いて「こりゃ手に入れねば!」と思い、早速購入。

忙しい日々の中で片隅に置いていた気持ちだけど、音楽活動やらDTMに復帰したいなぁとは常々思っていた。CDのクレジットには各曲で使用したシンセサイザーの機種も記載されていて、キーボード弾きの心をくすぐってくれる。そして選曲がなかなか。ポップンポールさんとの記事で選曲したものが数多く登場するのがうれしい。特に「過激な淑女」!。


Hatsune Miku OrchestraHatsune Miku Orchestra
HMOとかの中の人。(PAw Lab.)

曲名リスト
1. プロパガンダ
2. 東風
3. 以心電信
4. ビハインド・ザ・マスク
5. 中国女
6. 音楽
7. 希望の河
8. キュー
9. 手掛かり(KEY)
10. 過激な淑女
11. ロータス・ラヴ
12. 君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-
13. ナイス・エイジ
14. テクノポリス
15. ライディーン

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アレンジは今世紀風になっているものもあるが、テクノポリスやライディーン、それに東風はYMOのライブヴァージョンのアレンジ。これは自分での演奏したものなので、聴いててわくわくする。このアルバムは単なるカヴァーにとどまらない。YMOに対するアツいリスペクトが感じられるのだ。聴いていて愛情を感じずにはいられない。音楽の歌詞に「待ってる/一緒に歌うとき」って出てくる。21世紀になって、機械であるコンピュータが僕らYMOファンと一緒に音楽を奏でる幸せ。それを感じずにはいられない。それにヴォーカロイドを扱う若者をどっか冷ややかな視線で見ていた40代のオッチャンたちも、これで理解を示す人だって出てくるだろう。挑戦してみたくなっちゃいます。

通勤中のiPhoneで東風を聴く。イントロが流れ始めると定期を持ってる右手の指が動いちゃうんだよぉ。
♪ラーシラレミシラー

【初音ミク】君に胸キュン


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セクシー・ぷりん 癖になりそう

2009-11-01 | 映画(さ行)

■「セクシー・ぷりん 癖になりそう」(1981年・日本)
監督=加藤彰
主演=畑中葉子 風間舞子 林ゆたか 横山エミー

WOWOWで先日にっかつロマンポルノ数本が放送された。いやぁ、なーんか気になっちゃってですねぇ・・・。僕らは高校時代がちょうど美保純、山本奈津子、小田かおるの時代。毎月買っていた「ロードショー」にもロマンポルノを紹介するページが2ページばかしありまして、妄想を膨らませていたものです(「ロードショー」付録のカレンダーに美保純が登場したのには驚いたもんです)。今回放送された中には、畑中葉子主演第4作「セクシー・ぷりん 癖になりそう」が!。

泥棒志願の主人公加奈子チャンは、ある泥棒稼業の男性に弟子入りを申し出るが、あっさり断られる。加奈子は何故か警察官になって復讐しようとする。ある事件で彼に再会、弟子入りを認められる。物語は対立するふたつの泥棒グループの争いと、男と女のドラマを交えて進んでいく。原作は「戦国自衛隊」の半村良。もちろんロマンポルノ向けにアレンジはしてあるのでしょうが、安岡力也扮する泥棒仲間と金庫破りの横山エミーのビミョーな関係がなんとも言えずいい。

何せ上映時間も短いし、放送版はR指定版でカットされているようなので筋がわかりずらいところが多かった(筋に関係ないところがカットされているとも思われるが)。でもやっぱり見どころは畑中葉子ののびのびしたヤンキー娘の役柄。奔放で無鉄砲。なぜか草野球チームの監督やってるという不思議なキャラクター。ヒット曲を出してた頃の清楚な雰囲気と違って、実に楽しそうに演じている。金庫破りに入る場面では、「キャッツアイ」ばりに水色のレオタード姿で登場。他の主演作が観たくなりました。レンタル店にあるかなぁ・・。

射撃訓練の場面で、警察学校の教官が「第一ボタンを外すと腕が伸ばしやすくなるゾ」と言いながら胸を覗き込もうとする場面は、なかなか面白かった。残念なのは、元警察官という経験がその後のストーリーに生かされていないところかな。監督の加藤彰はテレビドラマの「失楽園」(川島なおみ主演)の監督も手がけていた方だとか。




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