長男、次男が まだ保育園、小学生だった頃、春、秋等の休日、よく家族で周辺の低山を歩き回っていたものだが、次男が小学生になった頃からは、一時期、每年、夏に、尾瀬や八ヶ岳、白馬等北アルプス等に出掛けるようになっていた。時間的余裕も、精神的余裕も、経済的余裕も無い自営業を続けていた時代ではあったが、せめて子供達の夏休みの思い出になれば・・との思いが有って、忙中敢えて閑を作り、強引にスケジュールに入れ、山へ向かっていたような気がする。息子達が巣立ってからも、夫婦で、ちょこっと山歩きを続けてはいたが、完全に仕事をやめてからは、後期高齢者、時間が有っても、気力体力減退、あの山もこの山も遠い思い出の山となってしまい、今となっては あの時、あの山へ、思い切って行ってて本当に良かった等とつくづく思うようになっている。以前、そんな山の思い出を備忘録としてブログにも書き込んだり、古い写真は、デジブックにしたりして懐かしんでいたが、デジブックが終了してしまったこともあり、改めて、少しづつ思い出しながら、過去の記事を、コピペ、リメイクしていこうと思っているところだ。
古い写真から蘇る思い出の山旅・その1
「九重山」(再)
深田久弥氏の「日本百名山」のひとつにも選ばれている九重山(くじゅうさん)。九重山は、九州本土の最高峰、標高 1,791mの中岳以下、1,700m以上10座、1,000m以上10座の総称だが、その九重連山の内の平治岳(ひいじだけ)、大船山(たいせんざん)を訪ねたのは、今から6年前、2015年5月29日だった。
平治岳から大船山一帯は、この時期、ミヤマキリシマの群落が山肌をピンクに染め上げることで 知られており、夫婦共々、是非とも訪れてみたいと思っていた山域で、長年、機会をうかがっていたものだが、長期休暇が取れない職業柄、なかなか実現しなかった。ただ、「その内いつか・・」等と言ってられない年齢になり、なんとか週末、2泊3日を充て、敢行したものだった。
九重山周辺のミヤマキリシマの見頃は、6月初旬とされていたが、恐らくその時期は、大変な混雑が予想され、静かな山旅優先派として、やや早目に訪れたのだったが、やはりまだ、満開という状態ではなかった。しかも その年は、開花前から 近年大繁殖しているというシャクトリムシによる被害で立ち枯れしたミヤマキリシマが各所に多く見られ、イメージしていた程の見事な絶景を堪能出来たとは言い難いところは有ったが、終日 絶好の天気に恵まれ、またまた、素晴らしい山旅で有ったことは間違いないと思っている。
コース・歩程等
吉部駐車場→大船林道ゲート→登山道(新道)→大船林道→大船山4号集材路→平治岳北登山口→ヒイジの尾→平治岳山頂→平治岳南峰→大戸越→北大船山山頂→段原→大船山山頂→段原→坊ガツル→大船林道→4号集材路入口→登山道(新道)→大船林道ゲート→吉部駐車場 (標準歩行時間=約7時間40分)
前泊した湯布院の宿を、午前4時15分に出発。新車同然のレンタカーで、気分良く、水分峠から 快適なやまなみハイウエーを、景色を堪能しながら約1時間走り、吉部(よしぶ)駐車場(標高 940m)に到着。
手前に、1日 1,000円の有料駐車場が有り、その直ぐ奥に 1日 300円の有料駐車場が有る。早い時間帯到着のため、見渡しても、2つの駐車場で、まだ4~5台程度しか駐車しておらず、1日 300円の駐車場の方に駐車。管理人等不在で、料金は テーブルの上に用意されている容器に投入。仮設トイレも設置されている。
午前5時45分に、吉部駐車場を出発。車道を1~2分歩くと、右方向に入る「暮雨の滝・坊ガツル方面 登山口」が有るが直進し、大船林道ゲートを通過。
大船林道ゲートから直ぐ、右方向に入る「平治岳・坊ガツル方面登山口」(大船林道をショートカットする登山道)が有り、ここからスタートとなる。
樹林帯の中、緩く歩きやすい登山道。右側からは 暮雨の滝(くらさめのたき)の音も聞こえてくる。約40分程で、再び大船林道に出合う。
大船林道を 10分程歩くと 左方に 大船山4号集材路が分岐しており そちらへ左折する。
ゴルフ場の芝のような感触
大船山4号集材路を10分程歩く、平治岳北登山口が有る。
この付近の登山道は、滑りやすい黒土で、ぬかるみも覚悟せよ との情報も有り、
ここで スパッツ装着。
午前7時、平治岳北登山口を出発。檜等の樹林帯の中、本格的急登が、始まる。
登り始めて約30分、登山道は、大きな岩石で、垂直に立ち塞がっている。
平治岳北登山道の案内では、ハシゴが掛かっているとされる箇所だが、
ハシゴは取りはずされており、弱弱しいロープが 上から垂れ下がっているだけ。
足を掛ける場所は無く、とても、ロープ、腕力だけで、よじ登ることは 無理、危険。
一瞬、たじろいでいると、登山道途中で言葉を交わした、福岡の男性が追いついてきて、
対処方法を相談検討。左手を伸ばして、木の根っこをつかみ、
上体を岩石に這わせながら、少しづつ上がり、右手を岩石の上部の縁に掛けて、
身体を持ち上げ、先に上がった者が その手を持って引き上げることで、
なんとかクリア。やや時間が掛かってしまったが関門通過。
ヒイジの尾。突然、見晴しが良くなり、平治岳が目の前に現れた。
何度も訪れているという、その福岡の男性とは旅は道連れ、
話をしながら 段原まで、前後して歩くこととなった。
悠然 三俣山
8時40分 平治岳山頂(標高 1,642.8m)に 到着。
たっぷり 休憩。
道連れの男性に 無理やり勧められ シャッターを押してもらった写真
珍しい 山頂、ツーショット写真
9時15分 平治岳南峰を通過、大戸越(うとんごし)へは
下り専用コースを下る。
眼下に 坊ガツルの全景。
三俣山、中岳、久住山、星生山、硫黄山・・・。
大戸越(うとんごし)
11時10分 北大船山山頂(標高 1,706m)、
今回のルートで、最もミヤマキリシマが咲き揃っていた。
やはり 吉部駐車場から 同じコースを辿ってきた 地元大分の男性とも
大戸越あたりから前後するようになり、大船山山頂、坊ガツルまで、
話をしながら歩いた。
北大船山から 大船山を望む
11時15分 段原(だんばる)
11時45分 大船山(たいせんざん)山頂(標高 1,786.2m)、
360度大展望を満喫しながら 昼食。
大船山山頂から 坊ガツル、三俣山を 望む、
大船山山頂から 北大船山を望む
大船山山頂直下の御池(おんいけ)、
南西方向には やや霞んで 阿蘇の山並みが 眺められ
北東方向には くっきり 由布岳のシルエット。
12時20分 大船山山頂を出発、
およそ20分で段原に戻り、坊ガツルへ下った。
13時50分 坊ガツル到着。
キャンプ場、法華院温泉山荘(ほっけいんおんせんさんそう)等、周辺逍遥。
14時45分 坊ガツルを後にし、吉部に向かった。
大船林道を歩き、大船山4号集材路入口からは、往路を戻る。
16時20分、無事 吉部駐車場に帰着。
やまなみハイウエーで、湯布院に戻り、湯布院ICから、大分自動車道に入り
ほぼ予定通り、18時過ぎに、大分駅前に到着、レンタカーを返し、
長年念願だった「平治岳・大船山・坊ガツル」山旅が、終わったのだった。
大分・別府・湯布院・九重山を巡った旅は
生まれて初めての九州旅行だったが、
多分 最初で最後になるはず、
「九重山」も遠い思い出の山となってしまっている。
昭文社「山と高原地図56 阿蘇・九重」を参照
「坊がつる讃歌」(YouTubeから共有)
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