当地、今日も 曇天、
最高気温28度前後、湿度90%、ムシムシ、ムシムシ、
梅雨明けは もう少し先になりそうだ。
じっと座っていても汗ばんできて、なんとも陰鬱、
キョウヨウ無し、キョウイク無し、
やおら、図書館から借りていた 平岩弓枝著 長編時代小説 御宿かわせみシリーズ第21弾目の作品 「犬張子の謎」(文春文庫)に手を伸ばし、読み終えた。
平岩弓枝著 御宿かわせみ(二十一) 「犬張子の謎」
本書には 表題作「犬張子の謎」の他、「独楽と羽子板」、「柿の木の下」、「鯉魚の仇討」、「十軒店人形市」、「愛宕まいり」、「蓮の花」、「富貴蘭の殺人」の 連作短編8篇が収録されている。
「独楽と羽子板」
その年の正月、年の変わり目に「かわせみ」に宿泊していたのは、藤沢の池田屋の隠居仁右衛門(63歳)と女房お芳(45歳)の老夫婦1組だけだった。その頃江戸では 夫婦者の掏摸による被害が続出。るい、お吉、嘉助は気になり、同心源三郎等も 夫婦に疑いをもってしまうが 東吾がふとしたことから謎を解く。仁右衛門と 「かわせみ」もお得意だった元木綿物の行商人久七、その女房おあんに繋がりがあったとは・・・・、
「全く八丁堀の面目は丸潰れですよ」苦り切って出ていく源三郎を見送ったお吉、「若先生のお顔が潰れなくてようございました」
「柿の木の下」
節分の日、東吾、るい、お吉は 深川木場の川並鳶の筏(いかだ)初乗り見物に出かけたが、富岡八幡境内で大きな柿の木の下で合掌する女お光を見掛ける。一方で材木商岩代屋の勘左が女の悲鳴が原因で転落死。
なにか有る・・・、東吾が気になり、長助、同心源三郎等と 探索、謎解き開始。永代の元締め侠客文吾兵衛の倅、小文吾は お光の兄勇次とは幼馴染だった・・、
宗太郎「(見送りに)行って下さるのは結構ですが 小文吾のお株を取らないで下さい」、東吾「なんだと・・・」、小文吾は お光が好きだったようですよ」
「犬張子の謎」(表題の作品)
「かわせみ」のるい、お吉と 岡っ引きの長助は 猿若町の「青柳」で食事した後、東吾と待ち合わせの船宿に向かう途中、犬張子を買い求めたが、その夕方犬張子を作った職人文治郎が 犬張子を取り戻しに「かわせみ」へやってきた。何故?、その文治郎が殺され、娘おさきが殺され、孫徳太郎は?、菱垣屋助左衛門、次左衛門、本家分家の争い?に巻き込まれ・・、謎が解けていく。
犬張子の頭の部分に巻きつけてあったこより・・、「あなたこんなものが・・・」、るいから渡されたこよりを 東吾が少しづつ広げた。
「鯉魚の仇討」
るいは 源三郎の妻女お千絵に誘われて お吉、長助を伴って 柳橋の料亭中村楼へ、遊魚斎楽水の書画会に出掛けたが 突然 遊魚斎楽水が倒れた。その後 身を隠すようになり、殺されてしまう。なにかある。東吾、長助、源三郎が真相究明、謎解きに奔走する。中村楼の主人長兵衛門?、内儀おさだ?、娘おしの、
実は、羽州秋田新田佐竹藩の若党新之助の女房おくわ(百姓)の亡父善兵衛の作品?、下働きだった永吉が・・・。
「おい、いくら包んだんだ。三両が、五両か」、心配そうな東吾に るいは明るく微笑した。「殿方は お金のことなんかおっしゃるものではありません。いい絵はどんな人が描いたっていい絵に違いないのですもの」
「十軒店人形店」
「かわせみ」に、狸穴の松浦方斎の使いでおとせと正吉母子がやってきた。飯倉町の岡っ引き仙五郎の初孫の祝いに鯉の吹き流しを買いに出てきたということで、東吾も付き合って十軒店町に出掛けたが 子供を攫おうとした女を見掛ける。東吾も「源七鯉」で 鐘馗を描いた旗を買って祝いにしたが、正吉や、畝家、麻生家、あっちこっちからリクエストが有り、思わぬ出費となる。子供を攫おうとした女お今の亭主、安東重兵衛が「かわせみ」にやってきた。実は・・・。18年前、生後10ヶ月の重吉を・・・。そして、源七、源太 親子は・・・、
「俺は 帰っていくあの親子をみていたら よけいなことは なんにもいいたくなくなっちまったのさ」・・・、「それより この紙入れをどうにかしてくれないか」空っぽの財布を東吾はるいの膝に投げた。
「愛宕まいり」
るいとお吉は 岡っ引き長助と愛宕権現に参詣したが そこで出会った材木商甲州屋の大番頭喜兵衛を、長助から引き合わされる。甲州屋の先々代の血を引いている喜兵衛だが、奉公人と同じ扱いをされており、先代清太郎が亡くなり 当主となるべきところ、50両の手当でやめさせられ、一時的に「かわせみ」に逗留することになり、るいは 女長兵衛ぶる。そこで放火事件発生。喜兵衛と 似たような境遇の手代松之助が・・、
そして 江戸に秋風が立つ頃、再び 喜兵衛は「かわせみ」のみんなに見送られ、甲州に旅立った。
「蓮の花」
初夏、岡っ引き長助はヘボ将棋仲間と上野不忍池へ蓮の花見に出掛け、大和屋の隠居治郎八(65歳)から30年前に「女房を殺した」と聞かされる。女房お房(53歳)は 現に病身ながら生きている?。不審に思い 東吾に相談、探索を開始。ところが治郎八が卒中で急死。真相は混沌としてくる。柏屋友三郎とお房は従姉妹だった?、宝蓮寺の蓮池?
実際のところ 治郎八の犯行は 30年間分からなかった。・・(中略)・・・、東吾「宗太郎が言ったよ、人間、死期を悟ると 過去の罪障が気になるもんだと・・・」
「富貴蘭の殺人」
長助が「かわせみ」にやってきて、旗本河田伊織の屋敷に奉公していた按摩の「友の市」の娘お戸美が 鉢植えの富貴蘭を枯らしてしまい首をくくって死んだと 東吾に告げた。同心源三郎も不審を抱き 東吾等とともに 真相究明、探索に乗り出す。江戸時代 幕府は 盲人を 「鍼療治」と「琴三味線師匠」に区分し 特定の官位(四階、16官、73小刻)を与えていたという。按摩のお戸美は 四階の最高位だった松ヶ岡検校を通して旗本河田家に奉公に出ていた。
(四階=座頭、勾当、別当、検校)、
富貴蘭を育てたのは柳島村の弥助とか、
「お戸美は自殺する分け無い」となると・・・、
河田伊織?、内儀お三津?、若党栄太郎?、その顛末は?
「上役の何某と富貴蘭に凝っている幕閣の諸侯にはなんのおとがめもありません。まあ そういうものだとは心得ていますが・・・」「かわせみ」へ報告に来た源三郎の口調はもうひとつ冴えなかった。
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