古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

おおげさがきらい      池波正太郎

2022-11-06 06:35:45 | 本の紹介

講談社文庫   2003年

 

まだ単行本等の本に未収録の初期のエッセイ中心に収めた本。

 

やはり、この本をゆっくりと読んで、心に残ったのは、喫茶店

 

「スワニイ」の主人と題されたエッセイだろう。その若い店主の

 

風変りぶりがこれまた、まだ若い30代の池波氏によって、イキ

 

イキと活写されていく。

 

新国劇との関りや、六回目のノミネートでようやく受賞できた

 

こと。直木賞に落ち続けたことに関しては、さして気にしてい

 

なかったが、六回目がだめだったら、もうだめだろうな、と

 

思っていたという。

 

ぼくはこの人の痔の持病が気になっていて、人間、いわゆる、

 

作家というものは、ひとつくらい痛いところがあった方がいい

 

という見解に、なるほど、鋭い見かただな、と思った。

 

装丁にはおそらく、「ミイ子」と写った写真が使われている。

 

猫好きに悪い人はいないはずだ。

 

         (読了日  2022年10・19 0:20)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 黒い御飯       永井龍男 | トップ | 悲食記(抄)昭和19年の日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本の紹介」カテゴリの最新記事