「メサイア・コード 上・下」 マイクル・コーディ/内田昌之訳 ハヤカワ文庫
この本はなぜが買ってからすぐに手がつけられないまま、しばらく本棚に眠っていました。
翻訳モノなので、若干後回しにしているうちに忘れられていた・・・のですがこのたび、無事発掘。
もっと早く読めばよかったのに・・・、と思ってしまうくらい、楽しめる作品でした。
イエス・キリストの遺伝子の謎・・・。
これは例の、ダヴィンチ・コード以後のはやりもの・・・?と思ったのですが、1998年の作で、ダヴィンチ・コード以前にかかれたものでした!
人の遺伝子をすべて解読する装置を開発したトム・カーター。
このようなことは、神を冒涜するものだとし、彼を狙う秘密組織ブラザー・フッド。
ブラザーフッドは、代々受け継がれている秘密、第二の救世主が現代に現れていることを知るのですが、それが誰なのか、見つけ出せずにいる。
皮肉なことに、彼らの敵、トム・カーターの遺伝子の研究とデータを活用しなければならない。
トムはブラザー・フッドによりもたらされた現存したキリストの歯から、遺伝子を取り出し解析に成功。
それはやはり普通のヒトとは異なる部分がある。
そのころ、彼の最愛の娘ホリーが脳腫瘍に犯され、治療法もなく余命わずかということになっている。
トムは何とかこのキリストの遺伝子を用いて、ホリーに遺伝子治療を試みようとするのだが・・・・。
また、執拗にトムの命を付けねらうブラサー・フッドの刺客、マリア。
トムに差し迫る危機は避けられるのか。
そしてまた、ブラザー・フットが捜し求める新たな救世主の意外な正体は・・・!?
ホリーの生死の行方は・・・?!
・・・ということで、ドキドキ・ハラハラに加えて、遺伝子の解析という医学と情報技術の最先端の興味、一気読みの物語です。
先日読んだ「聖なる遺骨」とよく似た部分もあります。
実際のキリストの遺伝子を入手し、そこから本人の生前の容姿をコンピューターグラフィックにあらわす。
また、その遺伝子には病気を治癒する力が潜んでいる。というもの。
そこが、やはり、神は神、と、信じたいところなのでしょうね。
実際現在は遺伝子を解析し、この本に近いかなりのことまで実現できているといいます。
後は、本物のキリストの遺伝子を見つけるだけ。
・・・これができれば苦労しません。
2000年近く人々は血眼でそれを捜しているのですから・・・。
まあ、伝説めいたものはありますが・・・真偽のほどを確かめるすべもありません。
だからこそ、今後も、また、いろいろな想像の物語が期待できるので、わからないままのほうがよさそうですね。
類した本で、「イエスのビデオ」(同じくハヤカワ文庫)というのがありまして、これも、超おススメです!
満足度 ★★★★