映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ライアー・ライアー

2007年09月14日 | 映画(ら行)

(DVD)

時々は、肩の凝らないお気楽なものが見たくなります。
そういうのはわざわざ劇場で見ることはあまりないので、これこそ、レンタル向きですよね。
ということで、コメディーとくればこの人、ジム・キャリー。
ジム・キャリー演じるフレッチャーは、弁護士。
ライアーは「うそつき」の意味ですが、彼の職業「弁護士(ロウヤー)」と掛けてあるわけです。
口八丁・手八丁。
多少の事実無視、誇張は承知の上で、被告人の弁護。
一応有能とされています。
彼の生活もそんな調子で、どこまでが冗談なのか本気なのか分からないほど。
妻とは離婚しているけれども、その妻と一緒に暮らす一人息子マックスはかわいがっていて、好かれたい、尊敬されたいと思っている。
けれども、いつも仕事が忙しく、なかなか合う時間が取れない、というのも実情。

マックスの誕生日、約束していたのにフレッチャーは誕生会に行くことができませんでした。
マックスはケーキのろうそくを吹き消すときに「パパが一日うそがつけなくなるように・・・」とお祈りしてしまいました。
さて大変。
ここからがストーリーとしての面白いところですが、なぜかその願いがかなって、それから24時間、フレッチャーは事実と自分が本当に思っていることしか話せなくなってしまうのです。
上司におべんちゃらもいえないし、あろうことか本人に向かって、悪口まで言ってしまう。
このあたりの、ジムキャリーの表情のおかしいこと!!
そんなことはいいたくない、けれども口が勝手に動いて言ってしまう。
そのもどかしい百面相に、思わず吹き出してしまいます。
ジム・キャリーって、黙ってればハンサムなのに、まるで顔がゴムでできてるみたいに変幻自在。
あきれてしまうほどに・・・・。

さて、なんとその日は大きな裁判が一つあって、なんとしても勝ちたいところなのだけれど、もともと相当無理ないんちきくさい弁護の作戦。
「本当のこと」しかいえない、今の自分ではとても無理・・・・。
苦悩する(苦悩していてもおかしい!)フレッチャー。
さて、守備はいかに・・・・と。

とにかく終わった裁判の後、今度は妻が再婚を決めた男と、よその地へマックスを連れて行ってしまうという危機。
なんと、すでに離陸のため動き出した飛行機を追いかけ、とめてしまうという大立ち回り!
飛行機の窓から、必死の顔した男がこちらを向いて何か叫んでたら、それはおどろきますよね~。
まことに楽しい作品でした。

それにしても、特にアメリカでは父子関係というか絆というか、日本のそれよりすごく重要視している気がします。
父親は子供から尊敬されなければならない。
子供から絶対的信頼を得ていて、正義と勇気を示す見本でなければならない・・・、何かそんな使命感でがんじがらめではないかと思えるほど・・・・。
やはり今もそうなのでしょうか。
日本では、もうそんなことをすっかり放棄してしまったかのようにも思いますが。

1997年/アメリカ/86分
監督:トム・シャドヤック
出演:ジム・キャリー、モーラ・ティアニー、ジャスティン・クーパー、ケリー・エルウェス