映画と本の『たんぽぽ館』

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ダーティハリー4

2010年02月07日 | クリント・イーストウッド
復讐にかける女・災いをを呼ぶ男

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ダーティハリー4 [DVD]

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ふう、やっとダーティハリー4にたどり着きました。
これは「3」からは7年ぶりなんですね。
うん、この間ずっと見てきましたが、「アルカトラズからの脱出」以外はあまりぱっとしないですね・・・。
ここらでもう一押し、という感じで、ダーティハリーに戻ったのでしょうか。
しかもこれは、イーストウッド自ら制作・監督。
ダーティハリーでの監督は初めてなんですね。
はい、力が入ってます。


相変わらずサンフランシスコ警察で、法律スレスレ荒っぽい手段のキャラハン刑事は、
警察上層部からも、裁判所からも毛嫌いされている・・・。
そんな彼が、ほとんど追い払われるように、北カリフォルニア沿岸の町サンパウロに事件の捜査に行きます。

ストーリー本筋の合間にも、まるで行きがけの駄賃のようにハリーの行く先々で事件があり、何とも乱暴にハリーが解決していきます。
相変わらず、災いを呼ぶ男なのですよねー。


さて、その本筋は、男の股間と頭を撃ち抜くという連続殺人事件。
これは始めから私たちには犯人がわかっています。
以前に姉妹で暴行を受けた女性ジェニファー(ソンドラ・ロック)の復讐。
悪を行っても、裁判では無罪。
正義はいったいどこにあるのか。
これは、ダーティハリー全編を通してのテーマでもありますね。
このジェニファーとハリーの出会い、ほのかな情事はなかなかムードがありまして。
そうそう。それから夜、無人の遊園地。
メリーゴーランドでの追うもの、追われるもののスリル。
そしてラスト、彼女の危機一髪のところに怒りに燃えたハリーの登場。
う~ん、かっこいいですね。
ダーティハリーを知り尽くしている、イーストウッド監督ならではの名シーンがたっぷりという気がします。
ソンドラ・ロックは今まで見た作品の中で一番よかったかも。
コメディ路線は、やや食傷気味ですもんね。
自立した気の強い女性、と言った役どころは終始一貫しているかな?
でも、ここの彼女はとてもよかったですね本当に。
ということで、ダーティハリーこれまでの中で私は一番好きかもしれません。
でもあえて苦言を呈するとすれば、悪人とはいえ、あんなに簡単に命をうばっていいのか・・・と。
まあ、その本人が命を軽んじるヤツだったのですけれどね・・・
感情では痛快ながらも、やはり引っかかりはある。
そんなところだねえ。


1983年/アメリカ/117分
制作・監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル