映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ハンサム★スーツ

2010年02月22日 | 映画(は行)
小さな幸せは身の回りに満ちている



             * * * * * * * *

定食屋を営む琢郎(塚地武雅)。
心優しく働き者。
彼の作るおいしい料理に近所にもファンがたくさん。
しかーし、ただ一つの欠点(?)はブサイクであること。

これまで女性にもてたことは一度もないのはもちろん、気持ち悪がられる始末。
惨めな人生・・・と、彼は思っている。
そんなとき、「ハンサム★スーツ」を試着しないかと声をかけられる。
それは誰でも着るだけでピカピカのハンサムに変身出来るスーツ。
琢郎はこのスーツを着て、モデル業界に突入。
たちまち大人気となるが・・・。


いやあ、私はこの映画、正直言って見くびっていました。
まあたまに、ちょっと面白いものを見ようかな・・・と、そのくらいの気持ちだったのですが。
おかしくって、ちょっと切ない感動作でした。
期待以上のオススメ作。


ある日かわいい娘が店のバイトにくるのです。

まもなくかわいいその子に琢郎は愛の告白。
けれどもその子は逃げるようにバイトをやめてしまう。
自分がブサイクだから彼女は逃げたんだ・・・。
そう思い込む琢郎ですが、本当はそうじゃないようなんですよね・・・。
彼女の気持ちは最後に意外な形で明らかにされますよ。
この仕掛けもとてもいいです!


次にバイトに来たのは、今度はブサイクな娘。
けれども明るく働き者で気が利いて、一緒にいるとなんだかほっとする。

その彼女が“幸せそうな人を見つける”と言うゲームを始めます。
妊娠している女の人。
アイスクリームをおいしそうに食べてる男子。
エロ本を手に入れたオジサン・・・。
ほんの小さな幸せは身の回りにも満ちているのです。
それはブサイクもハンサムも関係がない。
このシーンが大好きでした。
そもそも、この映画の冒頭。
小さな定食屋で腕をふるい、おいしそうな品を差し出す琢郎。
賑やかな常連たちや、彼の良さを解っている友人。
そうしたシーンがあって、これはもう、始めから答えがでているようなものなのです。
彼が求めているものは始めからここにある。
彼がこの答えに気づくまでに、こんな回り道が必要だったということなんです。

塚地武雅のブサイクさも、なんだかいいなあ・・・と、説得力がありますね!(失礼!)

このハンサムスーツの仕様がまたいいんですよ。
これを着て掃除機で空気を抜くとぴったり吸い付いて・・・って、
布団圧縮機じゃあるまいし・・。
でも、変なメカより、説得力あります・・・。
お湯には弱いので、取扱注意。
うーん、実際にあったら着てみたいかも・・・。
そんな思いはやっぱりありますねー。


2008年/日本/115分
監督:英 勉
脚本:鈴木おさむ
出演:谷原章介、塚地武雅、北川景子、佐田真由美


ハンサム★スーツ スペシャル・エディション 初回限定チェンジング仕様 [DVD]

角川エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る