映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「Anniversary 50 カッパ・ノベルス創刊50周年記念作品」光文社カッパノベルス

2010年02月16日 | 本(ミステリ)
お祭りてんこ盛り

             * * * * * * * *

Anniversary50 (アニバーサリーごじゅう) (カッパ・ノベルス)
綾辻 行人,有栖川 有栖,大沢 在昌,島田 荘司,田中 芳樹,道尾 秀介,宮部 みゆき,森村 誠一,横山 秀夫
光文社

このアイテムの詳細を見る



ご存じカッパ・ノベルス。
なんと創刊50周年ということで、これはそのままずばりの記念作です。
ミステリ短編集ですが、その執筆陣が

綾辻行人
 有栖川有栖
  大沢在昌
   島田荘司
    田中芳樹
     道尾秀介
      宮部みゆき
       森村誠一
        横山秀夫

という豪華さ。
そしてすべて書き下ろし!!
これはもう、ミステリファンなら読まないではいられませんね。

あ、今気がつきましたが、これはアイウエオ順か・・・。
なーんだ。
しかしなるほど、それが一番無難。
ぴったりこの順番で掲載されています。
それぞれがそれぞれの持ち味をそのまま生かした、バラエティ豊かな作品群。


たとえば、はじめの綾辻行人は「深泥丘奇談」シリーズです。
これは普段はホラー系のストーリーなのですが、
この作品はこの本を意識してミステリ風味に描かれている。
50のパーツに切断され焼かれた死体の謎・・・。

次の有栖川有栖「雪と金婚式」。
いつもの火村准教授と有栖が登場します。
雪なのにちょっぴりハート・ウォーミングなストーリー。

島田荘司「進々堂世界一周シェフィールド、イギリス」。
御手洗潔登場です。
島田氏が最近よくテーマにする、知的障害者を絡めたストーリー。
重量挙げに挑む知的障害のある青年が登場します。
彼を見つめる御手洗の視線がやさしい。


・・・とここまで書いて思うのですが、
実はこの本一週間ほど前に読んでほったらかしにしてあり、
ようやく記事を書き始めまして、
するとすっかり内容を忘れてしまっている!!
ラストまで思い出せたのは島田荘司作品くらい・・・。
(これは全く個人的好みによるものです・・・。)
それぞれ秀作ではありつつも、特別ってほどじゃない。
実はそういうことかも・・・。
スミマセン・・・。

つまりこれはアニバーサリー50というお祭りの露店みたいなもんですね。
賑やかで目を引くけれど、
一つ一つ冷静に見れば特別品質のいい物が並んでいるというわけではない。
しかしお祭りなので、これはこれでその雰囲気は楽しめる、と。
というところで、ご勘弁を・・・・・。
あ、質が悪いというわけではないですよ。
すべて一定品質には達していると思います!!


満足★★★★☆