死者の安らぐ世界はきっとある
* * * * * * * *
14歳の少女、スーザン・サーモン。
普通に幸せな女の子でしたが、ある時突然、何物かによって殺されてしまう。
彼女は、この世と天国との合間の世界にしばしとどまって、
彼女を失った家族たちをひたすら見守り続けます。
この映画は、浮かばれない霊が何かをする・・・というホラー系のストーリーではないのですね。
言ってみれば、
このように事故や事件に巻き込まれ、不幸にも亡くなってしまった人の家族へ向けた
癒しのストーリーなのでしょう。
スーザンは自分が死んでしまったことよりも、
彼女を亡くして憂い悲しみ、お互いのいたわりや信頼さえ失って
ばらばらになってしまう家族のことが気がかりなのです。
しかし、そんなこともいつしか時が解決する・・・・。
静謐な合間の世界は、様々に姿を変えます。
時に夢のように美しくおだやか。
“この世”ではない世界。
・・・そして“天国”。
たとえ“事件”がきちんとした解決の形をとらないとしても、
死者の行くべき世界はちゃんとある。
きっとある。
そこは穏やかで、満たされた世界なのだろう。
きっと。
・・・そういうふうに思えば、
残された者も、少しは生き続けている自分に罪悪感を抱かないですむのかも。
この、スージー役のシアーシャ・ローナン。
薄青い瞳が何ともいえず印象的でした。
まさに、あちらの世界から、こちらの世界を眺めている、そんな目なんですよね。
ああ、そういえば「つぐない」にでていた彼女も、
密かに姉の情事をじっと見つめていましたっけ。
何かそういう不思議な力を感じる瞳なんです。
この先も楽しみですね。
父親役が、マーク・ウォールバーグ。
「極大射程」などで、アクション俳優のイメージがあったのですが、ここでの彼もステキです。
娘を目に入れても痛くないというふうに愛していたことがとてもよく伝わります。
巨大なボトルの中の船が実際の海に浮かんでいるシーンは、
現実シーンともリンクし、すばらしいイマジネーションでした。
ボトルに閉じ込められた船は、
死んだまま閉じ込められているスージーを暗示していたのかもしれません。
2009年/アメリカ/135分
監督:ピーター・ジャクソン
出演:マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ、シアーシャ・ローナン
映画『ラブリーボーン』予告編
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14歳の少女、スーザン・サーモン。
普通に幸せな女の子でしたが、ある時突然、何物かによって殺されてしまう。
彼女は、この世と天国との合間の世界にしばしとどまって、
彼女を失った家族たちをひたすら見守り続けます。
この映画は、浮かばれない霊が何かをする・・・というホラー系のストーリーではないのですね。
言ってみれば、
このように事故や事件に巻き込まれ、不幸にも亡くなってしまった人の家族へ向けた
癒しのストーリーなのでしょう。
スーザンは自分が死んでしまったことよりも、
彼女を亡くして憂い悲しみ、お互いのいたわりや信頼さえ失って
ばらばらになってしまう家族のことが気がかりなのです。
しかし、そんなこともいつしか時が解決する・・・・。
静謐な合間の世界は、様々に姿を変えます。
時に夢のように美しくおだやか。
“この世”ではない世界。
・・・そして“天国”。
たとえ“事件”がきちんとした解決の形をとらないとしても、
死者の行くべき世界はちゃんとある。
きっとある。
そこは穏やかで、満たされた世界なのだろう。
きっと。
・・・そういうふうに思えば、
残された者も、少しは生き続けている自分に罪悪感を抱かないですむのかも。
この、スージー役のシアーシャ・ローナン。
薄青い瞳が何ともいえず印象的でした。
まさに、あちらの世界から、こちらの世界を眺めている、そんな目なんですよね。
ああ、そういえば「つぐない」にでていた彼女も、
密かに姉の情事をじっと見つめていましたっけ。
何かそういう不思議な力を感じる瞳なんです。
この先も楽しみですね。
父親役が、マーク・ウォールバーグ。
「極大射程」などで、アクション俳優のイメージがあったのですが、ここでの彼もステキです。
娘を目に入れても痛くないというふうに愛していたことがとてもよく伝わります。
巨大なボトルの中の船が実際の海に浮かんでいるシーンは、
現実シーンともリンクし、すばらしいイマジネーションでした。
ボトルに閉じ込められた船は、
死んだまま閉じ込められているスージーを暗示していたのかもしれません。
2009年/アメリカ/135分
監督:ピーター・ジャクソン
出演:マーク・ウォールバーグ、レイチェル・ワイズ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ、シアーシャ・ローナン
映画『ラブリーボーン』予告編