映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

スティング

2010年06月02日 | 映画(さ行)
これぞ映画の楽しみ
<何度見てもすごい50本より>



             * * * * * * * *

「明日に向かって撃て」のジョージ・ヒル・ロイと
お馴染みの主演二人が再び組んだ大ヒット作。
これは以前に見ていまして、さすがに最後の大逆転シーンは覚えていたのですが、
それでも十分に楽しめました。


1930年代シカゴ。
詐欺師のフッカー(ロバート・レッドフォード)は
いつものように相棒とちょっとした詐欺で、思いもよらない大金を手にしました。
ところがそれはニューヨークの大物ギャング、ロネガンのものだったため、
報復として相棒が殺されてしまい、彼も追われる身となってしまいました。
フッカーは、こちらもその世界では名高い詐欺師ゴンドーフの助けを借りて、
一世一代の大ばくちを打ち、ロネガンから大金をせしめてやろうと画策します。
さてその守備は・・・。



二転三転するストーリー展開。
小気味のいいテンポ。
軽やかなお馴染みのピアノ曲。
いやさすがに名作です。
最後は失敗して大悲劇・・・という風に見せかけて、大逆転。
結局観客の私たちもだまされるのですが、この小気味良さがなんともいえません。


これくらいの時代のアメリカは好きですね。
適度に近代的で、しかしまだどこか鄙びている。
まだコンピュータのない時代。
コンピュータとケータイで、私たちはますます忙しく
人とのつながりが希薄になっていく気がします。
なんだか変ですね。
そうならないためのもののはずなのに・・・。
だから、こういう時代がなんだか懐かしく、好ましく見えてしまうのでしょうか。



このストーリーの競馬のトリックは、
この当時を舞台としたからこそ成り立つんですね。
実況中継はラジオです。
でも、今でもあのように大がかりなニセの場を作ることができれば、
やれないことはないでしょうか。
そこまでする見返りがあるかどうか、というのが問題ですね。

考えてみるとあのラストはああでないと、
ただ大金をだまし取られただけ、というのではまたロネガンの報復があるだけです。
あの終わり方でないとだめなんですね。

実によく出来たストーリーです。

スティング [DVD]
ポール・ニューマン,ロバート・レッドフォード,ロバート・ショウ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン


1973年/アメリカ/129分
監督;ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ、チャールズ・ダーニング、レイ・ウォルストン