映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「ペンギンと暮らす」 小川 糸

2010年06月27日 | 本(エッセイ)
ライフスタイル 自分流

ペンギンと暮らす (幻冬舎文庫)
小川 糸
幻冬舎


            * * * * * * * *

このエッセイの著者は「食堂かたつむり」の著者ですね。
ペンギンと暮らす・・・?
巻頭ですぐに種明かしがありますが、
小川氏、以前からペンギンと暮らしてみたいと思っていたそうなのです。

鳥なのに空を飛ぶことができず、けれど泳ぎは上手でなんか不器用。
ぽってりとしたおなかも愛らしい。
けれど、東京でペンギンと暮らすのは無理。
そこで、同居人の夫をペンギンだと思うことにしたのである。

・・・と。

つまり、このエッセイは小川氏とご主人の日常生活を描いているわけです。
エッセイといいますか・・・、
つまりブログ「糸通信」を文庫化したものだそうで。
はい、読んでいるうちに気づきましたが、この日記形式は確かにブログでした。


小川氏らしく、その日食べたおいしいものなどの話が中心になっています。
それは特に豪華なグルメというものではないのですね。
「食堂かたつむり」を読んでわかるように、
それはロハスでありエコでありグリーンである・・・。
化学調味料を避けて本当に素材の持ち味を生かした、素朴な一品。
だからといって素っ気なくはありません。
そこには素材を引き立てようとする「思い」と、
「料理の腕」もあるので、
読んでいるだけでも、わあ、おいしそう、食べてみたい・・・という気持ちにさせられます。


このような主義は、あまりガチガチになってしまうと、本人も周りも辛いのです。
でも、この本はそうした生活をあえて人にまで勧めているというわけでもないので、
ぎりぎりセーフというところでしょう。
あくまでも自分のライフスタイルの記録。
そこがやはりブログだなあと感じるところ。

夏の暑さが嫌いという小川さん。
夏は北海道にいらっしゃるといいのに。
クーラーなどなくても、寝苦しい夜など一夏に数えるほどもありませんよ~。

満足度★★★☆☆