問題児の多い中学校のリアルな日常

* * * * * * * *
生い立ちも出身国も様々な24人の生徒が集まる
パリ20区にある中学校のクラス。
彼らの担任であり国語教師であるフランソワの授業を通して、
彼らの一年を描いていきます。
まずこの教師役のフランソワは、この作品の原作者であり、実際に教師でもあった方。
さすが教師役が身についていますね。
そして子供たちは、実際パリ20区フランソワーズ・ドルト中学校の子供たちで、
撮影前週一回7ヶ月のワークショップを行い、
通い続けた子の中から選ばれたとのこと。
実際ドキュメンタリーのように感じられるリアルさで、私たちを圧倒します。



人種も、元々の言語もバラバラ・・・というので、
まとまりの無いことは想像が付きますが、
この授業風景は、やはり日本の学校ではほとんど考えられない雰囲気ですね。
なにしろ、子供たちはみな自己主張のかたまり。
思ったことは遠慮無く口にする。
だから授業は活気があるけれども、時には感情のすれ違いも生じる。
日本の子供たちなら、たぶん遠慮して口にしないようなことも・・・。
日本人は目立つことを嫌う傾向があるのだけれど、
彼らはこの様な雑多な人種、個性の中で生きて行くには、
ただおとなしくしていたのではダメなんだろうなあ。
これはもう、それぞれの国の長―い歴史と風土の中で培われてきたことなので、
致し方ない面もあります。
ああ、そういえば先日読んだ米原万里さんの本の中で、
彼女はつまり帰国子女だったわけですが、
日本の学校でヨーロッパの学校と同じように振る舞ったら、
ものすごく嫌な奴と思われてしまったというくだりがありました。
グローバルな未来のために、
私たちはもっと自己主張を身につけなければなりませんねえ。
英語よりはディベートの授業を多くした方がいいのでは?
おっと、だいぶ話がそれました。
この全く手の焼ける子供たちに対して、
フランソワはとても良くがんばっていると思います。
何とか彼らと対等に話をして、良い方向に導きたいと思う。
けれど、時には忍耐にも限度がありキレてしまう。
笑顔の子供たちは天使だけれど、
ほんの些細な言葉の行き違いで悪魔に豹変。
全く教師は因果な職業です。
教員たちの話し合いの場も、結構多く描写されています。
フランソワの悩みはまた教員みんなの悩みでもある。

このストーリーはどこにでもある学校の1クラス、1年を切り取ったものなんですね。
だから、みなで力を合わせて何かに挑戦したり、勝ったり負けたりはなし。
それどころか、退学する子まで出てしまう。
決して甘い作り事で飾られてはいません。
でも、一年たって気がついてみれば、
何となくまとまっていい感じになっていたりする。
子供の成長ってそういうものなのかも知れませんね。
一朝一夕で答えが出るものではない。
やや長い目で見ることも必要だ。
そうは思っていても、目の前の些末なことにはやはりいらいらさせられる。
う~ん、そういうところがやっぱりリアル。

・・・私はちょっぴりフランソワ先生の私生活も見てみたかったです!!
第61回カンヌ国際映画祭 パルムドール(最高賞)受賞
2008年/フランス/128分
監督:ローラン・カンテ
出演:フランソワ・ベゴドー

* * * * * * * *
生い立ちも出身国も様々な24人の生徒が集まる
パリ20区にある中学校のクラス。
彼らの担任であり国語教師であるフランソワの授業を通して、
彼らの一年を描いていきます。
まずこの教師役のフランソワは、この作品の原作者であり、実際に教師でもあった方。
さすが教師役が身についていますね。
そして子供たちは、実際パリ20区フランソワーズ・ドルト中学校の子供たちで、
撮影前週一回7ヶ月のワークショップを行い、
通い続けた子の中から選ばれたとのこと。
実際ドキュメンタリーのように感じられるリアルさで、私たちを圧倒します。



人種も、元々の言語もバラバラ・・・というので、
まとまりの無いことは想像が付きますが、
この授業風景は、やはり日本の学校ではほとんど考えられない雰囲気ですね。
なにしろ、子供たちはみな自己主張のかたまり。
思ったことは遠慮無く口にする。
だから授業は活気があるけれども、時には感情のすれ違いも生じる。
日本の子供たちなら、たぶん遠慮して口にしないようなことも・・・。
日本人は目立つことを嫌う傾向があるのだけれど、
彼らはこの様な雑多な人種、個性の中で生きて行くには、
ただおとなしくしていたのではダメなんだろうなあ。
これはもう、それぞれの国の長―い歴史と風土の中で培われてきたことなので、
致し方ない面もあります。
ああ、そういえば先日読んだ米原万里さんの本の中で、
彼女はつまり帰国子女だったわけですが、
日本の学校でヨーロッパの学校と同じように振る舞ったら、
ものすごく嫌な奴と思われてしまったというくだりがありました。
グローバルな未来のために、
私たちはもっと自己主張を身につけなければなりませんねえ。
英語よりはディベートの授業を多くした方がいいのでは?
おっと、だいぶ話がそれました。
この全く手の焼ける子供たちに対して、
フランソワはとても良くがんばっていると思います。
何とか彼らと対等に話をして、良い方向に導きたいと思う。
けれど、時には忍耐にも限度がありキレてしまう。
笑顔の子供たちは天使だけれど、
ほんの些細な言葉の行き違いで悪魔に豹変。
全く教師は因果な職業です。
教員たちの話し合いの場も、結構多く描写されています。
フランソワの悩みはまた教員みんなの悩みでもある。

このストーリーはどこにでもある学校の1クラス、1年を切り取ったものなんですね。
だから、みなで力を合わせて何かに挑戦したり、勝ったり負けたりはなし。
それどころか、退学する子まで出てしまう。
決して甘い作り事で飾られてはいません。
でも、一年たって気がついてみれば、
何となくまとまっていい感じになっていたりする。
子供の成長ってそういうものなのかも知れませんね。
一朝一夕で答えが出るものではない。
やや長い目で見ることも必要だ。
そうは思っていても、目の前の些末なことにはやはりいらいらさせられる。
う~ん、そういうところがやっぱりリアル。

・・・私はちょっぴりフランソワ先生の私生活も見てみたかったです!!
第61回カンヌ国際映画祭 パルムドール(最高賞)受賞
2008年/フランス/128分
監督:ローラン・カンテ
出演:フランソワ・ベゴドー