映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

そんな彼なら捨てちゃえば?

2010年09月21日 | 映画(さ行)
彼は君のことなんか何とも思ってない



          * * * * * * * *

豪華な女性キャストのラブコメ。
気になる作品ではありながら、これまで見なかったのはこの題名のせいなのです。
「そんな彼なら捨てちゃえば?」。
そもそも捨てるとか何とか、
相手は人なのだから、お互いの気持ちのありようで別れるなら別れればいい。
でも一方的に『捨てる』という言い方が、どうも私には気に入らない。
モノじゃないんだから。

原題は、”He’s Just Not That into You”
この作品は様々な男女の恋愛模様が描かれる群像劇ですが、
中心的存在が、ジジ。
彼女は一度デートした相手が「電話するよ」といったことをまともに受けて、
ひたすら電話が来るのを待ち続けている。
また、会いたさのあまり、彼が時折立ち寄るというバーに行ってみたりもする。
そんな彼女にある男性が忠告するのです。

「それは何か事情があって電話できないわけじゃない。
ただ、君に興味がないだけだよ。」

何でもかんでも自分のいい方に解釈してしまう女心には、痛烈な一言でした!! 
…ということで、その一言が題名なんですね。
本当は。
まあ確かに、そのままでは邦題にしづらいのですが、
それにしても「そんな彼なら捨てちゃえば」は、ひどい題名だと思います。



それにしても会った男性すべてに、あそこまで物欲しげなそぶりでは、
敬遠されて当たり前だと思うのですけれど…。
まあ、彼女はすべての愚かな女性の代表という役なわけですよね…。
仕方ないか。
その他、同棲7年目なのに結婚する気がない恋人を持つベス。
結婚しているけれども、夫の浮気が発覚し、悩むジャニーン。
結局、人の数だけ恋愛の数もあるということですね。
結婚は必ずしも愛の落ち着く場所というわけでもなくて。
この作品、男の本音が語られているといいながら、
そこはやはり女性好みの結末に帰着していきます。



特に、結婚する気がないのなら別れましょう、と
7年の同棲を打ち切ったベスのストーリーは、
終盤うるっとさせられました。
すごいぞ、ベン・アフレック!



ということで、ラブコメとしては割とできのいい作品なのですが、
返す返すも残念なのはこの邦題なのでした。

2009年/アメリカ/130分
監督:ケン・クワビス
出演:ベン・アフレック、ジェニファー・アニストン、ドリュー・バリモア、ジェニファー・コネリー、ケビン・コノリー、スカーレット・ヨハンソン