映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

愛という名の疑惑

2010年09月30日 | 映画(あ行)
女の微笑みの裏にあるもの

愛という名の疑惑 [DVD]
リチャード・ギア
ワーナー・ホーム・ビデオ


             * * * * * * * *

ちょっぴりクラシカルなサスペンスの見本みたいな作品です。
精神分析医アイザック(リチャード・ギア)は
患者の姉ヘザー(キム・ベイシンガー)と恋に落ちます。
魅惑的なその女性は、しかし夫がいる。
また、彼女には病的酩酊症という症状がある。
それはつまり、ほんの少量のアルコールにでも過剰に反応し、
暴力的になり、また、後になってもそのことは全く記憶に残らないというのです。
ある時彼女は夫を殺してしまうのですが、
この病のため、ということで無罪となる。
ところが、これにて一件落着とはならないんですねえ・・・。


女は怖い。
女ながらそう思ってしまいました。
すべてが仕組まれたことなんですね。
事実を知り愛を失ったアイザックは、
そればかりでなく自らの立場さえも危うくなってきます。
まさに“愛”に目がくらんで何もみえなくなってしまっていた。
くわばらくわばら・・・。

若いリチャード・ギアを堪能して、その上ユマ・サーマンもステキ。
でもやはりこの作品で特筆すべきは
キム・ベイシンガーですね。
やや謎めいて、魅惑的。
男を誘惑するその裏側。
その豹変。
実に見事です。
また、灯台の使い方がとてもいい。
始めは二人のロマンチックな場。
後には、始めの時には全く考えられなかった二人の気持ちが逆転した後の場。
スリルたっぷりです。

1992年/アメリカ/125分
監督:フィル・ジョアノー
原作・脚本:ウェズリー・ストリック
出演:リチャード・ギア、キム・ベイシンガー、ユマ・サーマン、エリック・ロバーツ