自分の最期は自分で決めたい・・・?
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ハッピーエンドといえばついラブストーリーを想像しますが、
本作、なんと人生のハッピーエンドについて。
つまり「死」についてのハッピーエンドです。
ヨヘスケルとレバーナはイスラエルの老人ホームで暮らしています。
ヨヘスケルは、ユニークなアイデアの発明が趣味。
ある時、望まぬ延命治療に苦しむ親友の依頼で、
自らスイッチを押し、苦しまずに最期を迎えることができる装置を作り、
その友のために実行します。
秘密裏に行ったはずだったのですが、うわさが広まり、
安楽死を望む人の依頼が殺到してしまうのです。
そんな中、最愛の妻レバーナに認知症の徴候が現れ、次第に進行していきます。
友や隣人のためなら自殺装置を作動させもする。
けれどそれが妻なら・・・?
確かに、現代の医療は本人の意志にかかわらず、
ただひたすら延命措置をほどこします。
ただ苦痛が長引くだけと知っていても・・・。
こんな重いテーマでありながらも本作のあっけらかんとしたコミカルさに救われます。
家族の立場から言えば、どんな状況でもとにかく生きていてほしい、
そういう気持ちがあるでしょう。
でも明らかに苦痛ばかりの毎日だとしたら・・・。
治癒の見込みが無いとしたら、
最期くらい自分の意志で選ぶ自由があっていいのでは・・・?
本作はそのようなことに一石を投じているわけです。
ただし、現在でも安楽死が認められている国があるそうで・・・。
代表的なのがスイス。
オランダ・ベルギー・ルクセンブルグ、そしてアメリカの幾つかの州。
でもそれはそれでやはり怖い気もします。
自分なら本当にそういう選択ができるかな?
ところで認知症のレバーナのケースは
同じに考えるべきではないと私は思うのですが・・・。
確かに自分が自分でなくなってしまうのは恐ろしい。
破壊された人格のままで生きていくのは悲しく辛い。
だけれど、そんな中でもできることや楽しめることはあるのではないでしょうか。
本作のラストにはちょっと納得が行きません。
・・・所詮、本当の大変さを知らないものの考えでしょうか・・・?
「ハッピーエンドの選び方」
2014年/イスラエル・ドイツ/93分
監督・脚本/シャロン・マイモン、タル・グラニット
出演:ゼーブ・リバシュ、レバーナ・フィンケルシュタイン、アリサ・ローゼン、イラン・ダール、ラファウェル・タボール
問題提起度★★★★☆
満足度★★★☆☆