映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

スーサイド・ショップ

2016年01月31日 | 映画(さ行)
ビターな大人のアニメ



* * * * * * * * * *

フランスのベストセラー「ようこそ、自殺用品店へ」をアニメ化した作品。
ものすごくブラックです。



世の中全体が絶望に満ちた、都会。
自殺者が跡を絶ちません。
あまりにも自殺者が多いので
「公共の場で自殺」した者に、違反切符が切られてしまうくらい。
(そのツケは遺族が払わねばならないとか。)
そんな街の裏通りに、トゥヴァシュ家が営む「自殺用品店」があります。
首吊り用の縄や毒薬、ピストルなどを扱っている・・・。
この家族は父ミシマ、母ルクレス、姉マリリンと弟ヴァンサンの4人。
皆陰気で憂鬱な顔。

そしてある日、末っ子のアランが誕生。
ところが、この子は妙に明るくて元気がいい!! 
この家にはそぐわず、家族からも困った子と思われています。
そんな中でもアランはすくすくとポジティブに明るく成長。
彼は家族ばかりでなく世間の陰気さをなんとかしようと、
仲間たちとともに立ち上がります!!



はじめの方は実際遠慮無く自殺者のオンパレード。
彼らの売る「自殺用品」も決してインチキではなく、確実に成果を収めます。
ひゃー、ほんとにここまでやるんだ・・・と、見ている方が慌ててしまうくらいに。

特にミシマが「ハラキリ」のための日本刀を
お客にお勧めするシーンなどはかなりヤバイ。
日本では使えそうで決して使えないギャグだと思う・・・。
しかし、マリリンがウスモノをまとい、一人ダンスするシーンなどはちょっといいですね。
若干肉付きがよすぎるのですが、それがまた魅力になっている。
よく見れば確かに美人。
かなり個性的な。
テーマからしてももちろんですが、
決して子どもには見せられないアニメなんですね。



というわけで、ブラックさ満載ではありますが、結構面白かった。
しかし、皆が笑い、愛って美しい・・・というラストが
一番つまらなく感じてしまいました。
かなり毒されてしまったようです。



スーサイド・ショップ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
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「スーサイド・ショップ」
2012年/フランス・ベルギー・カナダ/79分
監督:パトリス・ルコント
ブラックユーモア度★★★★★
満足度★★★.5