映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

MARS(マース)ただ、君を愛してる

2018年03月03日 | 映画(ま行)

何も言えね~

* * * * * * * * * *

コミック「MARS」がテレビドラマ化されたものを更に映画化したもの。
テレビドラマの方は見ていなかったのですが、
窪田正孝さん出演なので、見てみましたが・・・。

高校でスター的存在ながら怒ると手がつけられない凶暴性を持つ零(藤ヶ谷太輔)と、
目立たず引っ込み思案なキラが恋に落ちます。
そこへ零の中学時代の同級生霧島(窪田正孝)が転入してきます。
霧島は零の“負”の部分にひたすら惹かれていて、
零をダメにしてしまうキラを憎むようになるのです・・・。

窪田正孝さんの病的・変質的演技はともかくとして、
何やら全体的にのめり込めませんでした。



えーと、テレビドラマ版を見ていないせいだと思うのですが、
なぜにこんなにも違う零とキラが恋をするようになったのか、
そこがわからない。
本当は幾つかのエピソードがあったのでしょうね。
でも本作を見る限り、そこの説明はほんの出会いのシーンにあるだけで、
私には全然納得できませんでした。


「え~、長く付き合ってるのにセックスレスなの?」と、キラの友人が驚くシーンが初めの方にあって、
この子たちは大学生なのか?と思ったのですが、
いや、高校生なのでした。
(制服ではなく、私服の学校なんですね。)
しかし、高校生の「付き合う」という意味はセックスがあって当然なのか・・・。
スミマセン、今時のJKの感覚に全くついていけないオバサンなのでした・・・。


キラは義父に性的虐待を受けたというトラウマを抱えています。
・・・そうか本作の違和感は、こうした重い背景に比して、
タッチがロマコメ風ということに起因しているのかもしれません。
そうしたことに対して零は
「お前は俺が守る。守るものがあると強くなれる」
とかなんとか、いうのですが、
おいおい、親がかりの高校生が何を言うのか・・・と、笑えてしまいました。
どう見てもこいつは、キラとやったとたんにすぐに飽きて、別の女を作りそうに見えるし。



最後にはナイフで刺された零を抱えてキラが泣き叫ぶシーンがありますが、
私は、わめいてないで、早く救急車呼びなよ~・・・と思ってしまった。
ここまで入り込めない作品も珍しい。 
あ、でも原作は惣領冬実さんですか。
コミックの独特の雰囲気は想像がつきますけれど・・・。
映画で耐えられる作品ではない・・・。

 

MARS~ただ、君を愛してる~ [DVD]
藤ヶ谷太輔,窪田正孝
バップ


<WOWOW視聴にて>
「MARS(マース)ただ、君を愛してる」
2016年/日本/98分
監督:耶雲哉治
原作:惣領冬実
出演:藤ヶ谷太輔、窪田正孝、飯豊まりえ、山崎紘菜、稲葉友
満足度★☆☆☆☆