ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

泥道、坂道、疲労困憊!だが、・・・・

2015-09-27 09:36:30 | ランニング

 さて、レースだ。雨は上がった。なんたって晴れ男だから、きっと止むって信じて傘だって持っていかなかった。おっと、初ハーフの長井はどしゃぶりだったっけ、都合の悪いことは忘れる、忘れろ!曇り空で陽ざしにさらされることもなく足下から上は快調そのもの。でも、3kmごとの計時地点は芝生公演のど真ん中、午前中のレースでもう泥沼状態!大袈裟だけど。周回の遊歩道から入ってこのぐちゃぐちゃ道を行き帰り200mほど走る。最初と最後だけならともかく、これがなんと7回!ひぇ~~~!最初の頃は、少しでも芝が残っている部分を探し探し走っていたけど、4周回あたりからは、コーンの中にはそんな安全地帯は見つからず、それでも、比較的ぬかるんでいなそうな地面を飛び飛びに忍者よろしく走り抜けた。最後の2周回となるとそんな集中心も失われ、どうでもなれ、泥道の真ん中を尻までハネを上げながら突っ切った。これは疲れた。足を運ぶリズムも崩れるし、跳んだりすれば足に負担も大きい。ここでの消耗は最後の2周回にきいた、きいた。

 もう一つの難敵が坂道だ。えっ、坂道?って公園の遊歩道だろ、どうして坂道?コースは2つの公園にまたがっていて、それをつなぐのが200mほどの橋になっている。高低差はせいぜい10mから20mってとこ。まっ、坂なんて言えるような代物じゃない。が、ここを7周回、しかもここは往復通るからなんと14回も上り下りしたわけだ。短くても傾斜は緩くても、ここまで繰り返せば、坂道トレーニングだよ。歩幅を小さく手をしっかり後ろに振って力走したものの、やはり7周回目には、ほとんど足が上がらなくなってしまった。レース後ちらほら聞こえてきたランナーの声からすると、この二つの難敵には誰もがそうとう苦しめられたようだった。

 平坦で簡単なコースと思いきや、意外な難コースで、記録の方は2時間切りを果たせなかった。なのに、60歳~69歳の年代別で7位と入賞まであと一人だったから、皆さん記録は伸びなかったってことなんだろう。

 実はこの記録、幸運に支えられている。最初から最後まで最高のライバルを得られたからだ。スタートから、かなり走れそうな女性ランナーがいて、この人には負けたくないな、でもダメかな?なんてちらっと思ったりしていたが、なんと力はほぼ互角、最初はこちらが追い抜いてかなり差を付けたと思って油断していたら、いつの間にか背後にピタリ。時折スパートをかけては、前に出ようとする。なんの、抜かれてなるものか、こっちも負けずにペースをあげる。こういうの、デッドヒートって言うんだろ、ただトップとか上位争いじゃなく、100番台だってのが、ちと残念!でも当人たちには、ここが一番の勝負ところ、必死で駆け引きを繰り返す。言葉を交わすわけでもなければ、顔を見交わすわけでもない。ただ足音を聞き、チラリとそのオレンジ色のウエアを横目にとらえるだけ。

 4周回、5周回と進むにつれて、お互いはっきり意識し始めているのが分かってきた。まだ負けない、まだ頑張れる。この競り合いが、心を支えてくれたのは間違いない。そして、いよいよ最後の周回!このまま競いあって行ければ、なんとか2時間切れる。自分を励ます意味も込めてライバルに声をかけた。「あと1周回、頑張りましよう!」。「そうですね」と応えるや否や、彼女は一気に前に出た。い、いかん!あ、足が進まない!ついて行こうと焦れば焦るほど足に鈍り、その差は広がって行く。そして、坂道、ああ、ここでついに追走を諦めた。最後の折り返し、戻ってきた彼女に、頑張れ!と笑顔を送ったら、にこやかに手を振り返してくれた。それは、お互い健闘を讃え合うエールの交換だった。

 こんな心の通い合いが生まれるなんて、無心に走り続けるマラソン大会だからこそだなと、大いに気を良くしたレース後だった。おっと、負けるもんか、なんて勝負へのこだわりは無心とは言えないか。それと、相手がおっさんだったら、・・・・・

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