昨日の雨の所為で、まだイネの葉には滴が残っていたが、昼からは晴れ間も覗くという予報なので、思い切って稲刈りを始めた。
一年ぶりバインダー始動、やっぱりなぁ、エンジン上手く掛からない。ついつい始動のコイルを回し過ぎ、燃焼室をガソリンだらけにしてしまった。ほんと、ヘタなんだよ、機械とのお付き合い!こうなると、点火プラグのガソリンが乾くまでぜったいに掛からない。仕方なく待つことしばし、いつまでもガソリンが漏れ出すので、業を煮やし頭髪用のドライヤーを持ち出して乾燥作業。風を当ててガソリンを飛ばし、ようやくエンジンスタート。
初日の今日は、堰の水で作っている小さな田んぼ2枚。一枚はお隣さんのコシヒカリ、その下が我が家の黒米だ。まずは、上の田に機械を入れ、刈り取り開始!と思ったら、さっそく、結束不良!そうだろう、そんなことは折り込み済みだ。持参した工具を持ち出し結束部位から絡まった紐を取り除く。昨年使ってそのまま装着してあった紐が不具合の原因かもしれないので、これも新しいものに取り替えて、いよいよ、本格始動!快調な滑り出しだ。
これなら、午前中にここの2枚を終わらせ、家の前の大きな田に移れそうだ、とほくそ笑んだのも束の間、ガギッ!と異音を発して、バイダーの刈り取り部分が動かなくなった。これまで聞いたこともないような凄まじい音、未経験の突発事態発生だ。すぐにエンジンを止め、刈ったイネのかき上げ部分をのぞき込む。なんと、チェーンが外れかき上げのプラスチック羽がカバーに挟まっていた。
カバーを外してチェーンを歯車に掛ければいいわけかな?不測の事態に不安はあったが、たくさんのネジを外してカバーを取り除くと、なんとギヤの周囲は泥とゴミと油でびっちり!これじゃチェーンだって外れるわ。動かす前に機械屋さんに事前点検してもらっとけば良かった。ああ、なまじ経費をけちったお陰で、・・・・ドライバーでゴミをこそぎ落とし、ついでにチェーンも点検、ありゃりゃ、プラスチック羽が一枚、ぽろりと落下した。ヤ、ヤバッ!見れば、羽をチェーンに固定していた変形のワッシャがとれ、なんと固定用のピンもひん曲がってるじゃないか。チェーンが外れた拍子にピンに力が加わったのか、それともこのピンの不具合からチェーンが外れたのか、どっちがどっちともわからないが、ともかく、これは素人の出る幕じゃない。慌てて機械屋さんに電話した。
さすが、プロ、状況を即座に把握、まずはギヤをゆるめてチェーンをかけ、張り具合を微妙に調整した後、曲がったピンをまっすぐに伸ばした。ワッシャをかぶせて、折れてどこかに消し飛んだ止めピンの代わりに針金を代用して固定し、修理完了、さすが!よっしゃ、これで、と、カバーを戻しかけて気付いた。別の羽の固定ピンの先端が折れてしまっている。あれあれ、これは危ない。今のところどうやら持っているが、いつ外れるともわからない。こればっかりは修理が効かない。チェーンそのものを交換するしかないと言う。しかし、メーカーに注文できるのは、連休明けだ。
弱った!ほとほと弱った!運を天に任せて、作業を続けるしかないか。それでダメになったら、そのときは、誰かに機械を借りる。だが、それにしても危うい。羽は、折れたピンの先端にかろうじてへばり付いてるだけなのだ。なんとか応急措置でも補強できないか?針金でぐるっと丸ってしまったらどうだろう?これは僕の提案。素人らしい乱暴な発想だ。かなりの速度で回転するわけだから、それくらいじゃ固定できない、とプロ。でも、まあやらないよりは、ということで、プロの手さばきで針金できつくバインドしてくれた。
恐る恐る、エンジンを掛け、刈り方を始める。どうやら修繕部分も応急措置部分もなんとか持ちこたえているようだ。もう、これで行くしかない。壊れたらそのときのこと、刈れるだけ刈ってしまおう、と、作業を本格再始動した。
動いてみれば、小さな田だ、たわいないほど簡単に刈り取り終了。トラブルとそのリカバーのため、大きく時間をロスしたから、本日はこの2枚で止めることにして、杭掛けを済ませた。夕刻、どうにか終了。直したピンがどうなっているのか、見ることはできないが、ともかく今日一日は頑張ってくれた機械をねぎらい感謝しつつ、本日作業完了!いろいろあるんだよ、稲刈りってヤツには。
明日も頼むぜ!バインダー爺さん!