ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

これだっ!冷凍干し柿!

2020-04-18 11:11:10 | 食べ物

 苗木植えて、5、6年、実着いたものねぇ、柿。嬉しいねぇ、秋の楽しみ増えた。

 まだ、幼木なのに、いいのか?こんなに頑張っちゃって。背丈2メートル弱、華奢な枝をしならせて、200個近くって、無理しなくっていいから。もちろん、摘果もずいぶんしたさ。ごめん、お前カット!死んでもらう。非情なまでに幼果を摘んだ。それでも、たわわな実り!凄い、ありがとう!

 焼酎でさわして、毎日せっせと食べて数十個。家族、知り合い配ってさらに数十個。残り100個以上は干し柿にした。

 食べきれっこないから、と、神さんは途中で皮むき作業放棄。好きじゃないから、干し柿に向ける目も冷ややかだ。なんの、負けてはならぬ、これしきの量。あの干し柿のねっとり濃厚な甘みと舌ざわり、それでいて上品な和菓子の風合い、いっくらあったって食べ飽きるなんて、そんなぁ。干し柿見くびるなよ。黙々と一人作業を続け、軒下にすだれ干し終了。

 まだ、早いだろ?って頃から食べ始め、毎日1個は欠かさぬハイペース。吊るした柿、着実に減って行くのだが、それにつれて乾燥の方も容赦なく進む。とろとろの柿クリームから、しっかり柿ゼリーになり、ついには、歯を食いしばる柿餅へと変遷していく。さすがに、ここまでやり過ごすと、熱烈愛好家といえども、手が伸びにくくなる。せっかくの実り、そのまま放置、なんて残念至極、悔いを残しつつカチカチになった柿は廃棄処分となっていた。それが口惜しさに赤ワイン漬けなんてのも試してみたが、柿の素直な甘みがひねくれ赤ワインの渋みと意気投合するはずもなく、これまた、そのまま放ったらかし。今も人目を忍んで片隅に居座っている。

 なんとかならんか!もったいないではないか。蕩けるほどの美味が寄る年波に打ち負かされててしわしわカチカチの出涸らしのように萎びていく。美味しさを保っているうちに、加工する、例えば柿羊羹とか、柿ジャムとか、柿ドレッシングとか・・・悪くはないが、それはもはや干し柿ではないよ。わびさびにも通じるあの色と形、その控えめな外観を裏切るオレンジの艶めかしさ!これをどこまでも残しておきたいのだ。

 そうか、冷凍したらどうだろう?柿人生の盛りを急速冷凍で保つ。これなら、カビにも犯されず、老いの萎縮にも立ち向かえる。そろそろ食べごろを過ごす頃、思い切って残り数十個を小分けで袋に詰め冷凍庫に押し込んだ。

 それから6カ月。

 どうだい、この渋い色合いは。貯蔵の間の傷みはまったくない。ただ、酸化はやや進んだようで、色の黝ずみは否めない。が、しかし、食べてみれば、期待はまったく裏切られなかった。完全に解凍してから食べるのもよいが、凍ったままをざっくりかじるのも悪くない。と、言うより、その方が、和風シャーベットのようで、冷たい口触りと斬新な歯ごたえとが新しいスイーツになっている。うん、これはいい。冷凍状態のまま食べられるのがとても良い。解凍してしまって、味が風化するのを心配する必要がない。

 決まりだな。今年はもっともっと柿を剥く。柿を干す。切羽詰まるまて置かずにさっさと冷凍、これで行こう。氷菓干し柿!なんか気の利いた名称を付けてやらねばね。

コメント
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