11月公演の、反省会(維新の松井流に言うと)まっ、打ち上げの飲み会さ。久しぶりk会合で大いに盛り上がって、普段片隅でジッとしてる俺も珍しくはしゃいじまったんだが、機嫌良さそう、って思ったのか、これまで話に来なかった若手が寄って来た。
嬉しかったねぇ、えっ、若い娘が傍に来たから?うっ、まぁ、それもある、が、って、鼻の下でれっと下げてんじゃねえよ、その時の話題だぜ、言いたいのは。彼女、高校演劇部の卒業生、何本か一緒に芝居を作ったことがある。そのうちの1本が『壁20XX』。これ、凶悪な伝染性の病気が広がって、街全体を壁で囲って感染源の侵入を防ぐって話しなのさ。規律を乱す世の中の厄介者、迷惑な乱暴者とか老い先短い高齢者は壁外に放逐されちまう、まぁ、近未来のディストピアストーリーだ。
「これって、コロナ禍を先取りしてましたよね」って彼女の一言、効いたぜ。おおっ、それそれ!10数年前だからな、あれ作ったの。ウィルスによる隔離、感染者の差別、トリアージ命の選別、高齢者放置、ほらね、この1年、ざらに目にしたことばかりだろ。先の時代を読みっ取ったって意味では、我ながらなかなかのもんだったって胸張っちまうぜ。
今回の『COVID FOR TWO』でも、幾つか時代の先取りあったんだ。まず、新型株の流行とその名称、さすがに途中すっ飛ばしてオミクロンに行くとは思わなかった。その手前、クサイで勝負した。クサイは臭いに通じるって駄洒落気もあってね。
瓦版売りが新型株の出現を伝える読み上げ口上、これけっこういい線行ってるって思うんで、ちょいとつまみ食いしておこうか。
A 世の中ねじり上げつつあるコロナ株。こいつがなんとも移り気だぜ。ころっころと変わりやがる。
B よっ、変異株!
A コロナ変異、あるは、あるはアルファ(α)に始まり、べたに続いてベータ(β)株、我慢だ我慢のガンマ株(γ)。それでも出た出たデルタ株(δ)。知らぬが仏のイプシロン(ε)。ゼータ(ζ)もイータ(η)って知ってたかい?知(θ)ったかぶりもイオタ(ι)し、キュウリ大好きカッパ(κ)も顔見せラ、ムダ(λ)にするなミュー(μ)と鳴く。ニュー(ν)フェースも登場し、これで納めと思いの外の強敵は、その名も強力、臭いぃぃ(ξ)の一言!
ってね、この次がオミクロンだったんだぜ、うーん、惜しい!!
この芝居の決め手の一つが新型防護服。あまりの感染力にマスクでは追いつかず、上半身覆うことが義務付けられたって設定だ。いくら何でも、そこまでは行かんだろって躊躇いつつも、ええい、面白けりゃありだぜ!でデザインして舞台に上げた。このアイディアが、今日の新聞に出てたんだ。
「提灯型透明仕切り」!菜の花座の新型防護服と比べてくれよ。
基本アイディア同じで、新聞の提灯型からさらに一歩先に行ってるだろ。そうさ、先取りしたぜ。
さらに、この女性たち、マスク顔が当たり前になって、マスクが外せなくなってるんだ。これは若者たちの「顔パンツ」の意識、その報道をちよい先回りした。
まぁ、時代の先を読んだって威張れるほど先端的じゃないが、見たお客さんたちが、「ああ、これ菜の花座がやってたよね」って思い出してくれりゃそれでいい。「ふーん、菜の花座、やるじゃないか!」ってことになればしめたもんだ。
そんな、来て満足、見てお得、感をちりばめる菜の花座の舞台、もっともっとご贔屓にしていただきたいもんだぜぇ!
あっ、そうそう、ラストのコントは、食料配布だって生活保護だって気楽に受けて、逞しく生き抜こうぜってメッセージね。これもお役立ち情報じゃないかい?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます