そんなに早く生まれ変わるの?という人に 2014・9・2
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課外授業のとき、カシはヨガナンダ師に尋ねた。
”先生、私の運命はどうなっていますか?”
すると思いがけない言葉、”お前は近いうちに死ぬよ” という
抗しがたい力でこの言葉がヨガナンダ師の唇をついて出てきた。
カシは ヨガナンダ師の学校の12歳の生徒だった。
応えるべきでない言葉を返した尊敬する先生に、カシはさぞかし動揺したであろう。
学校に戻ると、
”先生、もし、私が死んだらどうか生まれ変わったときに私を見つけ出して
魂の道案内役をしてください”
と泣きながら 師に、懇願するのだった。
さて、夏休みにはいって、ヨガナンダ師は小旅行で学校を留守にすることになった。
カシを一緒につれていけないのが気になったのだが、カシに、出発前に
念入りに注意を与える。
誰が誘っても、学校を離れないこと。~
すると留守中にカシの父親がやってきた。
そして、母親に会いに、4日間カルカッタに帰るよう、息子に命じた。
カシはヨガナンダ師の忠告を守り、首を縦に振らなかったため、父親は警察
に連絡してカシを連れて行くとまで、言いだした。
これを聴いて ’自分の行動が学校に迷惑をかけることになってはいけない’と、
憂慮したカシは、父親の言うとおりにカルカッタに向かって、学校を出た。
それから2,3日後、ヨガナンダ師は学校に戻った。
カシの父親が来て、カシをカルカッタへ連れて帰ったいきさつを聞き、
すぐ汽車でカルカッタへ向かった。
そこから著書(*1)を引用する:
”駅に着くと、そこから馬車に乗った。 ところが、馬車がガンジス河の
ハウラ橋を渡ったとき、カシの父親と親類たちが喪服を着て歩いているのに
ばったり出会った。
私は大声で馬車を止めさせると、急いで飛び降り、
父親の前にはだかって、彼を睨みつけた
’あなたは人殺しだ!’ 私は無謀にもこう叫んだ。
’あなたは私の大事な子供を殺してしまった!’
父親はすでに、息子を無理やりカルカッタは連れ戻したことを後悔していた。
カシは、家に帰ったほんの、2,3日の間に食べた悪い食べ物がもとでコレラ
にかかり、死んでしまったのである。
カシに対する愛情と、彼を再び見つけてやると誓った約束が、日夜私の
脳裏を離れなかった。
どこへ行っても彼の顔が目の前に浮かんできた。”(引用終わり)
しかし、幽界に逝ったカシをどのように探すのか?
何百万と浮遊している魂の群集の中から カシの発信する波動をどのように
キャッチできるのか・・・
著書に戻ると:
”私は、カシがすぐに生まれ変わってくると直感していた。
そして、私がこうして絶えず、カシに呼びかけていれば、彼の魂は必ず
応えてくるに違いないと思った。
私はまた、もし、カシが私に合図を送ってくれば、どんなにかすかな信号
でも必ず自分の指や腕や脊髄の神経に感ずると確信していた。”(引用終わり)
そこでヨガナンダ師はある ヨガの技法を使った。
眉間の間にある第三の眼と呼ばれる霊眼から波動を出す
ことによって、カシの魂に発信を試みてその行方を探った。
ヨガナンダ師は、そのことを、こう記している:
”私はこのヨガの方法を、カシの死後、6か月間、始終変わらぬ熱意を
もって、実行した。 ある朝、2,3人の友達と連れ立って、
カルカッタのボウバザール地区の人ごみの中を歩きながら、
私は例によって、両手をアンテナのように掲げた。
すると、初めて応答があった。
私は嬉しさにぞくぞくしながら、指先から手のひらにちょろちょろと
流れるように、伝わってくる電気のような感じを一心に感じ取った。
すると、その流れは変じて、私の意識の底から湧いてくる一つの明確な
思想となったー
’私はカシです。私はカシです。私のところへ来てください。’”(引用終わり)
こうしてヨガナンダ師は指先を伝わって来る電気のような感覚を頼りに
カシの声のする方へ向かったのだ。
時々、立ち止まって、通行人の行きかう路地の真ん中で両手を掲げて
アンテナのようにぐるぐる体を回して、その、方向を確認しながら・・・
多くの人達が好奇心と怪訝(けげん)そうな様子でヨガナンダ師の奇妙な
行動を注視した。
そしてついに、小さな路地に入って行った。
”わかった”とヨガナンダ師は叫ぶ。
”カシの魂は、この路地に沿ったどこかの家の母親の胎内に宿っているのだ。”
ヨガナンダ師の言葉に戻ると:
”私の掲げた手のひらに伝わってくる波動はますます強くはっきりしてきた。
私は磁石に吸い寄せられるように、路地の右側に引っ張られていった。
そしてある一軒の家の門まで来ると、驚いたことに私の足は
釘づけにされたように動かなくなってしまった。
私は高鳴る胸を押さえてドアをノックした。”(引用終わり)
そして出てきたその家の主人にこう尋ねるのだ。
”失礼ですが、御宅ではあと、6か月ぐらいでお子さんが
生まれる予定ではないでしょうか?”
すると、主人は訝しげに、
”はい、そうですが、どうしてそのようなことを知っているのですか?”と
聞いた。
そこで、
”あなたは、色の白い男の子を授かりますよ”
とヨガナンダ師は答えて、カシとそのいきさつについて主人に語った。
さらに、
”その子どもは大きな顔立ちで、額の上に巻き毛があります。
とても霊的素質の豊かなお子さんです。”
と付け加えた。
数か月後、ヨガナンダ師はその子供を訪ねる。
すると、その子はカシと名付けられて、まさに、ヨガナンダ師の知っている
カシの幼いころに、よく似ていたという。
ヨガナンダ師によくなついた。
こうして、10歳を過ぎた、カシの生まれ変わりのこの坊やは
ある日、ヨガナンダ師に手紙を書いた。
”ゆくゆくは自分もぜひ、脱俗の道を進みたい”と。
そして、その熱意にこたえて、ヨガナンダ師はそのカシと名付けられた
自分の生徒だったカシの生まれかわりの少年を、ヒマラヤの聖者のもとに送った。
こうして、生まれ変わったカシは念願どおり、ヨガナンダ師に見出されて、
聖者のもとで霊の指導を受けた~と著書に記されている。
生まれかわりはこんなに早くなされるのかという疑問もあるかもしれない。
しかし、亡くなって数年たたないうちにもう一度 胎内に宿ることは
可能なのだろう。
この物語がそれを語っているような気がする。