自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

気合・笑い・ふれ愛・癒し

2013年11月15日 | 介護と自然治癒力

北欧のタクティールケアとは? 平成25年11月15日

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                      part1) 老化防止と口の機能

 

 母が元気な理由はいろいろあるのだろうが、若いころから 健脚自慢で、今でも、

階段の上り下りにそれほど労をいとわないのも、その要因の一つかもしれない。

人間の下半身には体全体の筋肉の三分の二がついているという。

それらは 脳幹と繋がっているので、この筋肉を使うことは、脳幹の機能を

刺激することにつながる。

 

脳幹が機能しないとき、それは脳死になる。

脳死とは、自律神経のコントロールがなくなり、呼吸、血圧、体温、神経

などの機能が停止することでもある。

だから、歩くことが大切~と、よく聞く助言である。

 

人の体は "家"に似ていると人は言う。

使わない筋肉が増え、年とともに、感情の波が低く感動や、

考える事が少なくなると、精神機能・肉体機能が弱ってくるのは、

空き家が 誰にも使われていないということだけで、

活気もなく、傷みやすくなるのと似ているようだ。

 

特に高齢者の場合、近藤医師によると、

”一か月寝たきりでいると、ほとんどの人が歩けなくなります。”

ということだ。

 

それが ”廃用症候群” の引き金として、体全身の機能低下につながる場合がある。

 

一番の楽しみは ”おいしいものを食べる事” と母は言う。

たまには外食で美味しいものをいただいている。

いつも、注文した料理を綺麗に残すことなく”美味しい”といただけるのは 

傍からみていても幸せだなあと感じる。

 

五感の感覚機能のうち、制御するのが一番難しいと言われる”口と舌”機能だが、反面、

老化防止に果たす役割は大きいようだ。 

”しゃべって、笑って、食べて 口を動かすほど元気になる” ということらしい

 

同医師はさらにこう続けて述べている:

”噛むときに動く筋肉は脳の神経と繋がっているので、脳の活性化にも、一役買います。

さらに唾液が湧いてくることで消化酵素の分泌も即されます。”

と、口を動かすことの効果を挙げている。

 

近藤医師の知り合いの口腔ケアの専門家の意見を引用すれば

自分の歯が多かったり、入れ歯がぴったりしていて、きちんと食べ物をかめる高齢者は

ぼけにくい。

寝たきりになって、流動食になると、精神機能はガクンと落ちる”

ということである。

 

”気合いだ・気合だ・気合だ!”元気な気合で、お元気で有名な方がいる。

大声で気合をかけることが”脳のブレーキをはずす”役目をしていると、

近藤医師は述べている。

 

大笑いの効果も絶大だ。

施設で奉仕している友人が、笑いの体操という時間を担当している。

”元気・元気・アハハ!”

”楽しい、嬉しい・アハハ!”掛け声をかけながら、笑いあうというものだが

最初は なじまなかったお年寄りも、今では多くの方が、参加して楽しいセッション

になっていると聞いた。

 

楽しくない と思っていても、感情がやる気についていったり、形から入ることで、

何となく、楽しい波動に乗ることができるから不思議だ。

インドのヨガでも”笑いの効用”を取り入れて大きな声で高らかに笑う修行をする

人達もいるほどだから、大声のみならず、大きな声で高らかに笑うことは

陰気くささを払う効果があるのだろう。

 

生理学的に言えば、笑いは副作用のない良薬ともいえる。

心拍数や呼吸数が増え、血行が良くなり、横隔膜が大きく上下して、

腹筋、背筋の運動になる。

さらに、胃腸を刺激して、便通を整える。

深呼吸効果などで自律神経とホルモンのバランスが整い、血糖値や血圧の安定に

働くのだからいいことづくめと言える。

                                             

笑いとともに、大きな声で歌をうたうことも上記と同様の効果をあげるらしい。

歌にはリズムがある。

そのリズムも 人の生理作用に大きな影響を与えていると言われる。

心臓の鼓動の数から換算すると、16拍子が生命と関係深いリズムといえるらしい。

そういえば、インド古典音楽でも、基本のティーンタールと呼ばれる、

基本的拍数は16拍子であった。

 

印度の病院では、印度の古典音楽を使ってのセラピーも行われている。

リズム や 音階 を使い分けて 人の生理作用に働きかけている。

再び、口の機能 に戻ると、食べ物の入り口という役目がある。

ゆっくり噛んで、楽しく、おしゃべりをしながら、食べれば、癒しにもつながる。

 

心が和やかになり、自律神経に善い効果をもたらし、新陳代謝も活発化する。

楽しく、美味しく、食べることは、”五感のすべてを心地よく刺激し、内臓の

働きを高める最高のインナーストレッチです”と 医学的にも、効果を認められている。

 

part 2) タクティールケアーと温もり

 

以上の口(舌)の効用、食べる、笑う、話す、のほかに、近藤医師は、触れ合いの

効用を述べている。

”手当でストレスを癒す”というタイトルをつけて、自著の中で、

”一日20分間、認知症の人に、触れてあげると、暴言や暴力癖がなおる率が高くなる 

と述べている。

 

ここでいう、手当や触れ合いというのは、文字通り、体への手を当てる”ことを

指している。 

 

”幼いころ、熱が出たり、おなかが痛くて泣いていると、母親がどれどれと

おでこやお腹に手を当ててくれた。

その手のぬくもりに安心して、コトッと寝てしまった。”

と近藤医師は 自らの思い出を挙げている。

 

このような思い出は誰にでもあるだろう。

”痛いの痛いの飛んで行け!”痛いところをさすってもらい、ふーっと息を

吹きかけてもらうと、ほんとうに痛みがなくなるような気がしたものだ。

 

近藤医師は こうした ”手当” について、

”医療がどれだけ進歩しても、何物にも代えがたい、癒しの原点と言い、

病院でもお医者さんが何気に

”すぐラクになりますよ”と言って 患者の体にやさしく触れただけで、

傷みが消えたという話があると付け加えている。

 

手当することに、温もりのやさしさや、愛情、が伝わりやすく、

不安が和らぐ効果があることは医師も認めるところだが、実際 東洋療法的に言えば、

気の流れが手当によって、大きく影響受けていることも見逃せない。

 

近藤医師は北欧で行われている認知症のケアーを紹介している。

タクティールケアー と呼ばれ、日本語では緩和ケア療法 となっているようだ。

 

次のように説明している:

”1960年代にスウェーデンの看護婦が、未熟児をそっとなでると、

体温が安定し、体重が増えることに気が付いて始めました。

タクティール とは、ラテン語の ’触れる’という意味の’タクティリス’に由来し、

’皮膚を通したコミュニケーション’に重点を置いています。

背中や手足をなでるように、触れることで信頼の絆を深め、ストレスや

不安をなだめる療法です”

 

その療法は手当と同じであるが指圧やマッサージと違うところは、両手の平を

患者さんの局所に、そっと当てて、包み込むようにゆったりと、時計回りの

大きな円を描く要領で行われる。

 

日本で2009年、浜松医科大学で、認知症の高齢者を対象に 

6週間、このタクティールケアを施して その結果をまとめた。

すると、

”Ⅰ日に20分ずつ ケアを受けたグループはケアを受けていないグループに比べて、

暴言や暴力などの攻撃性が弱まりました。

また、ケアを受けた群のほうが、記憶などの認知機能が衰えなかった”報告された。

 

こうした好結果を踏まえたうえで 近藤医師はこんな提言をしている:

 

”日本人はボディタッチが苦手。・・略・・せめて、気心の知れた人とは、もう少し

’手当’の機会を増やしましょう。

例えば、パートナーや家族と’タッチウィーク’を決めて、しょっちゅう、

手をつなぐ、肩を組む、通りすがりにボディタッチをする、腰に手を添えるなど、

気軽に触れ合って見てください。”

 

難しい理論は必要ないという。やさしい気持ちでいたわりの心で

”ご苦労様”と相手の背中をポンポンと叩くだけでも、近藤医師の言う スキンシップになる。

 

そういえば、夫の学生時代のESS活動仲間が俳優・歌手になった。

”慰めも 涙もいらないよ…温もりがほしいだ~け~人は皆、一人では

生きていけないものだから~

と 唄って、一躍、有名になった。

歌詞の中で、”温もりが欲しいだけ” というフレーズがキーワードだと思う。

誰でも ”悲しみに出会うたび” 欲しくなる 温もりは 暖かさと安心が生み出す

”癒し”の代名詞なのかもしれない。 

 

話しが色々な方面にとんでしまったが、介護する方も、される方も、あるいは、

これから 遅かれ早かれそういう年代を迎える方達も、有意義な日々を送るために、

”刺激(五感)を程よく刺激する生活、体と心と頭を働かせ続ける事” そして、

触れ合いのある温かいぬくもり”を大事にしながら、

それぞれの立場で 思いやり合いながら生活することが大切なことなのだろう。

 

筋肉は 高齢になったから衰えるのではなく、使わないから弱くなるので

あることも最近言われてきている。

脳神経細胞も、常にリフレッシュを心掛け、感動する生活を続けていくのなら、

いつまでも現役でいられるということ。

この二つを念頭に、高齢者に対してそれぞれ できるところから初めたい。

誰にでも老いは必ず来る。

私たち一人ひとりが、生涯のゴール(人生目的)を定めておきたい。

年を重ねるごとに、希望を持って、着実な一歩を遅々な歩みでいいから、

ゴールに向かって、進んでいくことが、年齢を忘れる、一つの秘訣でもあると思う。

 

 

 参考文献) ”医者に殺されない47の心得” 近藤誠著 2013、 株)アスコム

 

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3 コメント

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温もり。。 (ミルクティー)
2013-11-15 12:10:43
数か月まえから5年生と中学生になる子供に意識してスキンシップを多くするようにしていたのですが、スキンシップを多くしている日と、していなかった日とでは、子供たちの心の状態が全く違うように感じます。
スキンシップを多く出来た時は、心が穏やかな事がとても良く伝わって、そんな姿を見ている私も心が温っていました。
せめて家族や身近なお年寄りの方など・・・
あらためてスキンシップの大切さを考える事ができました。





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ミルクティーさんへ (出目子)
2013-11-18 07:15:13
そうですか!

実はうちの2匹の出目金と流金一年前に同じ
大きさのを購入。 
出目ちゃんが可愛くてついつい、
餌やりで頭をなでてやっていましたところ、あれよあれよと
大きくなってなんと!赤流金の少なくても2倍の大きさに
なりました。 
生きている生物すべてにもしかしたら、触れ合いの温かさは成長ホルモンを促したり、自然の力を発揮させて、愛情として通じるんでしょうねえ・・・・・・・
返信する
出目子さんへ (ミルクティー)
2013-11-18 11:31:45
そうなんですね!
今、思い出したのですが、夏に購入した植物2つのうち一つが元気がなく中々育たずにいて・・・
もう片方は、すぐに芽が伸び元気いっぱいなぶんとても心配をしていたのですが、最近になり急に芽がぐんぐん伸び始め今ではとっても元気にしています。
元気にな~れ!と良く葉っぱをなでなでしていたのが植物に
も伝わったのでしょうか・・・。
それに、もう一つ、家の前で子供がとってきた1㎝程のカタツムリを2匹育てていたのですが、今思えば多分メスの方を誤って殻を割ってしまい苦しんでいた様子に見え、その日以降もう1匹のカタツムリは毎日寄り添い、私も良く、殻を撫でた
りしていたのですが、その後数カ月か経って元気になるど
ころか、1ミリほどの小さな可愛い赤ちゃんを沢山産んでい
たのにはびっくりしました。
出目さんのお話を伺い、様々な出来事を思い出し、
生きている生物すべてにふれあいの温かさ。そしてその
大きな力は本当につながっているのでは・・・・と感じられる
事ができました。




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