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天主教愛国協会は教皇許可のない司教聖別を行う予定

2006年11月30日 | カトリック・ニュースなど

アヴェ・マリア!


 中国共産党(中共)管理下の天主教愛国協会は、今日11月30日に教皇許可のない司教聖別を行う予定だそうだ。もしこれが行われれば、このような司教聖別は今年に入って3人目。


 カトリック教愛国協会の劉柏年・副主席(Anthony Liu Bainian, vice chairman of the Chinese Catholic Patriotic Association)が語るところによると、
10月21日に行われた江蘇省(Jiangsu province)の徐州教区(Diocese of Xuzhou)新司教の選出選挙で、同地区9人の司祭と9名の修道女と信徒らが満場一致で王仁雷神父(Father John Wang Renlei)を選び、王仁雷神父は愛国協会の司教評議会(中共宗教事務局 Bishops' Conference)に受け入れられた、とのことだ。


 聖座はこの司教聖別について11月21日に初めて知らされた、とのことである。


 王仁雷神父は、1970年6月5日生まれ。上海の神学校で勉強(1989-1992)の後、1996年に叙階され、その後、北京の国立神学校で1999年まで学んだ。


 カトリック教愛国協会は今年4月と5月にも雲南省昆明と安徽省両地区で司教聖別をし馬英林(Joseph Ma Yinglin, 41)と劉新紅(Joseph Liu Xinhong, 41)とが司教となった。ローマ教皇・ベネディクト16世は当時、中共側が信教の自由を違反したと強い抗議声明を発表した。


【参考資料】
CHINA 'Open' Church Prepares To Ordain Third Bishop Without Papal Mandate This Year
    
http://www.ucanews.com/html/ucan/f_dishpatch.asp?ucalang=English_../news_report/english/2006/11/w5/tue/CH01505Rg.txt



【コメント】
 2000年に教皇許可のない司教聖別が行われ、破門がなされたが、そのすぐ後にバチカンはその破門を取り消し、彼らを承認した。


 今年(2006年)の雲南省や安徽省での司教聖別には、その一度破門され承認を受けた司教も聖別の儀式をしに来た。ベネディクト十六世は、ヨハネ・パウロ二世よりも強い言葉で抗議をしたが、本当に「破門」されたのかどうか疑わしいとされている。
 ローマのグレゴリオ大学の教会法学部長マイケル・ヒルバート神父(イエズス会)は、ベネディクト十六世が「遺憾に思った」という発言をした本当の問題点は、教会法に基づく制裁ではなく、中国で信教の自由が阻害されていることを排斥したものだ、という。
「今日の状況からみて、司教が破門されたのかは誰にも言えない。誰にも分からない。」と言っている。


http://www.ucanews.com/html/ucan/f_dishpatch.asp?ucalang=English_../news_report/english/2006/05/w3/fri/ZY00359KA.txt


 しかも、今年4月に中共によって司教になった馬英林は、筋金入りの共産主義者だ。彼はまた、中国天主教愛国会副主席、中国天主教主教団秘書長、河北省天主教神哲学院常務副院長、云南省天主教愛国会主席、教務委員会主任、昆明教区主教,并為十届全国人大代表、中国宗教界和平委員会委員でもある。


 バチカンにとって問題の核心は、残念なことに、カトリック信仰というよりは政治問題と信教の自由になってしまっているのではないか? 中共による別の教会成立も、教皇様の裁治権の否定も、本当の「破門」か分からないとされているのだから。教会法のこの自動破門条項は、毛沢東時代の中共による愛国協会に対する対応として新しく作られたものだったのだが、それは今は全く機能していないようだ。


 現代の唯一の「大罪」は、ルフェーブル大司教様がしたように聖伝のカトリック信仰を守ろうとすることになってしまっているようだ。

 

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