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聖ピオ十世会創立者の伝記 12.3.10.童貞女なる聖母マリアの名誉のために

2008年09月08日 | ルフェーブル大司教の伝記

童貞女なる聖母マリアの名誉のために

 元来、聖母マリアに関する概要は独立した文書であり、他のいろいろな称号の中でもすべての聖寵の仲介者という称号を聖母マリアに付与していた。

 準備委員会の会議間にリエナール枢機卿はこの称号に抗議したが、それにもかかわらずこの称号は維持された。

 1963年の総会と総会の間に、神学者カール・ラーナー (Karl Rahner) は、この文書が「エキュメニカルな観点から見る時、想像も出来ないほどの悪い結果をもたらす」と考えた。同僚のグリルマイアー (Grillmeier)、ゼンメルロート(Otto Semmelroth) 及びラッツィンガー (Ratzinger) も同じ意見だった。

Karl Rahner and Jospeh Ratzinger during Vatican II 第二バチカン公会議中のカール・ラーナーとヨゼフ・ラッツィンガー


 第二総会が始まるやいなや、マリアに関する概要を、教会に関する概要の中の一つの単純な章として短縮するという意見が出た。そこで「過度なマリア信心」に対する言及がなされた。

 10月 27日には、マリアの下僕の会 (Servite, Ordo Servorum Mariae) であると同時にチェトゥスの初期会員の一人であるグロティ司教 (Grotti) は、これらの論議に対して次のように論駁する資料を配付した。「エキュメニズムとは、真理を告白することなののか? 或いは隠すことなのか?」と彼は自問した。

エキュメニズム

 彼はルフェーブル大司教の筆の下でダカールにおいて言っていたことと同じ議論を発展させて、次のように言った。

「真理を隠すことは、私たちが傷つく。何故なら私たちが偽善者のように振る舞うことだからだ。
また真理を隠すことは、私たちから離れて行った者たちをも傷つける。何故ならそうすることによって彼らが弱々しく、真理によって傷つきうるものであると見せるものであるからだ。」

 残念なことには、惜しくも 1963年 10月 29日の投票で、賛成 1,114と反対 1,097 によって、ぬくぬくとしているところを好む人々とエキュメニズム推進者たちの勝利 --- 本当のことを言うと少しの差によるものにすぎなかった --- となった。

 1964年の夏の間、チェトゥスはパウロ六世に対する嘆願書のなかで、聖母マリアは教会の母であることを宣言してほしいと願った。

何故なら、母親としての愛徳により、聖母は聖子が、教会という御自分の神秘体に対して願う全ての善を、聖母マリアはすべて望まれ、そうすることによって、最初から最後まで教会を生むことになるからです。
 そして、まさにその愛徳によって、同じ童貞女なる聖母マリアは、全世界の(普遍の)教会と各信者構成員とのために、また天主が救おうと望まれる全ての人々のためにさえ、絶えず執り成してくださるからです。」

 この美しい神学は軽蔑されただけでなく、第三総会で提示された文章では、前総会が終わる時パウロ六世自身がその望みを表明したにもかかわらず、「教会の母」という称号は削除されており、チェトゥスの義憤を引き起こすほどだった。

 チェトゥスの会員であるカスタン・ラコマ司教 (Castan Lacoma) は 80人の教父を代表してこの称号を再挿入することを要求した。

 このような抗議をものともせずに、神学委員会も投票もその称号を回復させなかった。総会最後の日である 1964年 11月 21日、パウロ六世は脇を通って「教会の母 (Mater Ecclesiae)」という称号の下で、聖母マリアを呼び求めることを、自発教令 --- motu proprio --- を発表する必要があった。

 チェトゥスは、聖母の特権の一つのこのような勝利に、大多数の教父たちとともに喝採を送った。それと同時に、その中に、教皇が公会議と独立した自分の首位権を、喜ばしくも新しく断言するだろうと言うことを見た。

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第12章 公会議の嵐に直面して
I. 中央準備委員会委員

II. 革命が始まる

III. 教父たちの国際グループ(Coetus Internationalis Patrum)

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