よき友三つあり。
一つには、物くるる友。
二つには医師(くすし)。
三つには、知恵ある友。
(徒然草 第百十七段)
と兼好法師もよく言ったもんだ。
多少ゴーマンをかますと、くるる物ってのは、このモノ余りの時代、欲しいモノを欲しいタイミングでもらいたいもんだよな~と秘かに思う。
その 欲しいモノ、珍しくステキなモノをくるる友の一人。
ご近所の犬友のおばちゃまというかマダム。悠々自適の未亡人なんだけど、もんのすごく料理が上手い。
どういうわけかワタシを気に入ってくれて、時々飲みに行く。ワタシの知っているバルやおいしめの居酒屋などいたくお気に召して、「また連れてってね、隊長」と隊長呼ばわりされているのですが。
彼女が季節折々にくれるおいしいものってのがありがたい。
秋になると銚子で水揚げされた中から厳選して一夜干しにした秋刀魚なんてホントにおいしい。
庭にできた柚のママレードもおいしかったが、「局ちゃんに連れてってもらったイタリアンのリモンチェッロの真似してうちで仕込んでみたの」という柚チェッロも美味しかった。そう、マダムも飲んべなんである。
そして、「これ、日本酒に最高よ」といただいたのが。
自家製のからすみ 真空パック保存。
ワタクシの好物、①②を争う。
大根の薄切りの上にちょっとあぶってのっけて日本酒と なんて本来の食べ方ももちろんンマイ。ちょっと華やか系の十四代なんぞと合わせたら最高であった。
そして更に
「もっと美味しい食べ方見つけたの これをすりおろすのよ~ それも粗くじゃダメなの、すごく細かくね。ワタシそのためにフランスのチーズおろしを買ったの。ちょうど良かったわ」とのことでいただいたのが
からすみすりおろし。たまに日本料理の附きだしの上とか、イタリアンのクリームソース系のパスタの上なんかに申し訳程度に載ってるが、これを白いご飯にどっさりかける。
当然ながら美味しいことこの上ない。
オット
「お前な。こんなうますぎるモン食わせんな」と痛風の心配をしておったが・・・
かと言ってマダムは贅沢モンばかりじゃなくてセブンのお惣菜にも造詣が深いのである。
「局ちゃん、すみれのチャーハン食べたことある? 冷凍になってるのね。あれ、すごく美味しいから食べてごらんなさいよ」
とすすめてくれた。
確かにンマイ バランスのとれた味だし、レンジでチンしてもさらりと出来上がる。ホントセブンの食べものは一般的によくできてる。
「美味しかったですよ。でもちょっと味が濃いめかな」
「でしょ、ワタシはレタスを入れて炒めなおすの、ちょうどよくなるわよ。食感もよくなるし」
「ああ、レタスね、ワタシは薄焼き卵を焼いて上に載せました」
「それもいいわね。今度やってみよ」
とセブンの冷食で盛り上がりもできるのであった。