最初に言い訳しておきますと ワタクシ スポーツ観戦はあまりしません。好きじゃないわけじゃないんだけどもっと他に好きなものがあるってだけだと思う。ワールドカップとか世界大会規模になると結構見ますが・・・
で、日本のプロ野球に関しては推し球団もあるわけじゃないのでホントに無知であります。日本シリーズしか見ない。
ですので以下の記事の内容は 野球に関して基本知識がない人が、たまたまこの本を読んで 内容に感動して書いたものとして受け取っていただくと幸いです。
な~んて 言い訳しますが まずオットとの会話を聞いてくださいね。
何年か前に 日ハムファイターズの新球場ができ 「今日 初試合!」 みたいなニュースをオットと朝ごはん食べながら小耳にはさんだ時
「ねーねー 広島ってあんだけカープファンが多いのにさ 二つも球場作るの? なんで日ハムって広島いくの?」 とオットに問うて
「おまえな~ 日ハムが広島に行くわけねーだろ! 北広島市ってのは北海道なんだよ!」って呆れられたのであった。
そうなんだ そういやワタクシ 地理もあんまり興味ないんだよな、方向音痴だし。
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しかし この本(例によって図書館で借りた)は そんなワタクシにとってもホントに面白く 色々考えさせられた本だった。
元々 東京をホームグランドとしていた日ハムファイターズは2004年に本拠地を札幌ドームに移した。しかし札幌ドームはもともとサッカーワールドカップのために札幌市によって造られたものであって 野球に適していない部分もあり 規制もあって融通が効かないところもあった。
そこで 野球のためのボールフィールドを札幌ドーム以外に造ろう それは天然芝のグランドであり それを北の大地でかなえるためには開閉式の天井もなければならない。建築費は500~600億。球場だけでなく来場者が色々楽しめるための一大施設にするという計画。
その夢を最初に描き提案した男たち二人。 それをすすめようとする札幌にいる球団側幹部 一方親会社の日本ハムのお偉いの方々は その高額の予算に不安になり(なんたって元は一袋何百円単位の肉類販売の会社ですから)ある幹部は最初からはっきり反対する。
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一方新球場の建築予定地を巡って 受け入れ側の問題もあり日ハム側 行政側でも大変な調整の必要が生じるのですよね。
札幌ドームから出て行ってしまうのに焦る札幌市長をはじめとする役所の人々 札幌市内に北大の一部や札幌オリンピックで開発された公園の一部やら候補地は上がるが 地元の反対も多く 意見は統一できない。
しかし北広島市の行政は、元々総合運動場を作るつもりの土地に誘致する意志は決まっていて熱心に誘致している。
ただ札幌市は言わずと知れた大都市でインフラも整備されているが、北広島市は人口6万人ほどの小さな市である。観客を呼び寄せるには札幌の方が楽。その辺りも開場してからの問題もある。
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こういう 公務員のみなさんの仕事の話って好きなんですよね。
志の輔落語でいえば「大河への道」 篠田節子さんの小説では「夏の災厄」
前者は伊能忠敬が大河ドラマにならないかと画策し 後者は蚊が媒介する謎のウイルスによるパンデミック下で右往左往しながらそれと闘う公務員のみなさんの話。普段はルーチンワークを地味にこなしつつも いざって時にそれまで培った経験値やコミュ能力を駆使して一つ一つをゴールまで積み上げて行くという古き良き日本人的な働き方を見るのはじわじわ感動するものがあるんですよね。
北広島市の誘致に尽力された方は 自分も甲子園球児だった過去も持っていることから 地元にボールフィールドを という夢をかなえるべく 高校卒のたたき上げで地道に仕事をやってきた基礎力発揮で奔走する。
日ハム側で中心になって動いた二人はお互いの個性を生かしつつ アメリカの球場の調査や親会社の説得や受け入れ地との話し合いなど あらゆる方向で活躍する。
色んな立場の人たちが 「新しいボールフィールドを」という夢に向かって走り出し それをどのような経緯で具現化したのかという話でした。
そういえば 2022年の秋 今は亡きゴルフ友のHちゃんを含めた女子8人で北海道にゴルフ旅行に行ったのでしたが・・・
思い返せばこの頃この球場の建設の真っ最中で 空港からホテル ゴルフ場の移動は 闘病中のHちゃんがなるべく楽なようにとマイクロバスをオーダーして移動したのだったが その時の運転手さんも 「あそこに新しい球場ができるんですよ」「だから色んな施設もできてねえ」「あそこいらに家もたくさん建ってねえ」 なんてことを言ってたのを 今思い出した。
球場ができることで 地域の再開発まで付いてきたわけですね。
ホントにすごいもんが出来たんだな。
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↑ サイトよりお借りしました
本を読み 現在のドームの様子 地元や旅行者の方々の高評価をネットで見て ワタシもそのうち行きたいもんだと思い 夢を実現した人たちの心意気に感じ クラーク博士の言葉からの「アンビシャス」という題名に心打たれたんですけどね。
ああ・・・ 最後に余分な事を言っちゃうけどね。この本って「女性」がただ一人も出てこないのよ。
ワタシはいわゆるフェミの人じゃありませんよ しかしプロ野球とか地方行政とかってのは まだまだ男の世界なんすなあ って事も感じてしまってその点は少々寂しさを感じた。
女性にも夢を追わせておくれよ。