局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

連休中に読んだ本

2024-05-15 21:19:13 | 読む
何度も書いたかもだけど、読書は好きだが 読みたい本を買い続けると暴力的に増えるので 数年前に段ボール何箱も処分してからはもっぱら図書館からか、弟(実家が雑本屋敷になっている)の蔵書を借りることにしている。
軽く読めそうな本ばかりだけど 案外心に刺さった本 備忘録です。




家族でコンビニ経営を35年間されているご夫婦の奥様の書いた本です。
「365日24時間 気の休まらない仕事」現役オーナーが告白する、コンビニ経営 その光と影 ===お客様は何さまですか

実はこのブログでお互いコメントやリアクションをしている方の一人にセブンイレブンのオーナーの方がいらっしゃる。
こちらの筆者はファミマなんですが、同じオーナーでいらっしゃるというので興味を持ちました。 これは弟が買った実家にあった本です。

大変なお仕事だろうな~と予想はしていたもののホントに大変なんですね。
私はタクシーの運転手さんとコンビニオーナーさんはどんなお客がくるかわからない点で怖いだろうな~と思っていたが、タクシーはまだホントにヤバそうな人は断れるだろうが、深夜のコンビニでワンオペの時にヤバそうな人が入ってきたら怖いだろうなあ 
実際筆者も何度も怖い思いはされているようだ。
そして最近のコンビニの多彩な役割も大変そうですね。ワタシはあのレジの前に立つたびに内心(こりゃ~あたしには出来ない仕事だ)と思ってしまう。
また昨今の人手不足でシフトを組むのも綱渡りみたいな状況や、ファミマ本部からの色んな理不尽ともいえる締め付けもあるようで、その辺の事情を知るとますます大変さが知れてしまう。
しかし、利用する側から見れば、夜にあの灯りがあるとやっぱりホッとするし、オットなど長時間仕事でとりあえず何かお腹に入れたい時などは重宝しているらしい。
大変だけど人には感謝されるお仕事と思います。



この本は図書館でリクエストして400番目くらいで読むまでに一年弱かかったもの。内館さんの老人シリーズは人気があるんですね。
今、ちょうどNHKBSでドラマにもなって放映されてますね。

説教じみた昔の自慢話を周りに振りまき、一度は退任した社長であった職場にまた舞い戻り、家族や社員から迷惑扱いされた85歳の主人公。
しかし同じ世代の友人たちと「老人が活躍するサロン」を立ち上げる話。

最初は老人特有の「過去自慢」「病気自慢」「孫自慢」全開で(ああ、こうはなりたくないなあ)と思いながら読みつつも「若鮎サロン」を作って同世代の老人の生きがいの場にしようという展開になったところで主人公的には救われるが世の中こううまくはいかないよな~とは思った。
その証拠に 行き場のないやるせなさや生きがいのないわびしさ故か 色んな所でいちゃもんつけて怒鳴ったり優しくない年よりが多いんだもの。
この主人公たちはお金もあるし、家族も優しいし恵まれてる方ですからね。

ところで昨日、ジミントーの石破さんが小泉元首相だの山﨑拓元幹事長だのの集会に出たというニュースを見て この小説のタイトルがすぐに浮かんだのは余分な話ですかね?
しかし、久しぶりに見た山拓さんの髪型はどうなってんだ? どんぐりの帽子みたいなものを被って黒い粉をふりかけたみたいだった って書くのも余分な話だな すんません。




いや~ この話も強烈でした。 これは図書館の棚からおもしろそうと思って手にとったもの。

かつて「レディコミの女王」と呼ばれた漫画家のSNSにハリウッドスター、マーク・ラファロからのメッセージが届く(もちろん詐欺)最初は嘘だと思うがビデオ通話で本人が現れて、毎日甘い言葉をかけられて信じてしまう。そして奥さんと別れて君と一緒になりたいという言葉を信じて、次から次へと乞われるままに送金し続けてしまう。
被害総額7500万! ひょえ~~~

次から次へと大金の送金を頼まれ、貯金を崩し、友人や子供たちから借金し、税金も住宅ローンも払えなくなっていく彼女の経緯を読むと、他人事ながら胸が苦しくなってしまった。
「バカだね」というのは簡単だけどその一言ですませるには、あまりにも筆者の純情部分、前夫(DV)にも搾取されて、離婚して仕事に邁進しても、どこか寂しさと人恋しさを抱えて老後を迎える時に降ってわいたロマンスにすがってしまった女心は哀しくて切ない。
ここまで赤裸々に自分の失敗や甘さをさらけ出して記せるって正直な人なんだろうなあとも思う。
騙した奴ら、どうせロクでもない人たちだろうからいい死に方しないように呪いを送ってあげましたからね。
それと筆者さん 少しはこの本の印税で少しでも損失を取り戻してくれますように陰ながら応援いたしております。


三冊 さまざまだけど 今の時代をそれぞれ体現してるような本だったなって思った。


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日本酒特集

2024-02-11 21:03:00 | 読む
久しぶりにこの雑誌を買った

なんと!私の友人の店が載っている


その上、大好きな渋谷の居酒屋の大将のおすすめ日本酒も特集されている


奥能登の宗玄も紹介されてますね
祈 復興!


日本酒の紹介も小さい蔵のこだわりのものから、コンビニでも扱ってる昭和からある大手の酒も
それぞれの個性を長所として取り上げているから気持ちよく読める


このレシピ帖も価値あり
見るからに美味しそう



紹介された日本酒103本の中で味わったことがあるのが結構あった。
これもワイン仲間(とりあえず醸造酒だから日本酒も飲む)と師匠のおかげです。

ホントに最近の日本酒はオヤジっぽさが抜けて好みのものが多くなりましたね。
高騰著しい輸入ワインに比べるとお値打ちだしね。

ここまで若い人たちが注目し始めるちょいと前から美味しいモンや売り出したら即売り切れる酒を特別仕入れルートで飲ませてもらえたり酒蔵も案内してもらえるのは幸せなことです。
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コロナ籠りの日々の中で

2024-01-24 14:21:19 | 読む
さて、ワタシのコロナ症状ですが、昨日より喉の痛みは治まって来ました。
時々咳き込むが、前にも言った通りに一昨年孫からもらったRSウイルスの時よりは全然マシです。声はまだ八代亜紀(昨日NHKの歌番組で舟歌を聴いてつくづく惜しい人を亡くしたと思った)ですが、だんだんと出るようになってきた。
味覚は正常、食欲はイマイチだけど口当たりが良いゼリーとか花梨シロップ飲んだりしているので痩せやしないのが残念、さすがに酒類は飲みたくないのではからずも休肝週になったのは怪我の功名・・・ ですかね。
結局発熱はなかったです。これでぶり返さなければ週末母の所へ行くつもり(それまで生きててくれ~)

暇ですので本読んだり TV見たりして過ごしてますが、ちょうど予約してた本が届いたのが




こちらにコメントをいただく広島のお友達緩和ケア薬剤師さんのご主人の著作です。薬剤師さんも監修しておられます。

この局面でこの著書を読んだのはタイムリーというかなんというか・・・
色々考えさせられましたよ。
少々長いですがカバーの文言を書き写しますと

平均寿命は延び「ピンピンコロリ」を理想の死に方とする人が多いなかで、現実は「ヨロヨロ・ドタリ」そしてその後は「死ぬまで・・・」さまざまな人の介助を受ける日々が続くケースが多いものです。
誰もが死ぬのは一度きり。どこで、どのように過ごし、最期の時をむかえるか
今「死ぬ時」をめぐる大転換が起きています。
広島で、在宅療養支援診療所として24時間往診・訪問診療に対応し、革新的な取り組みをおこなってきた医師が、「最期は家で死にたい」と在宅緩和ケアを依頼してきた患者との「出会い」から「看取り」までの数々のストーリーを紹介。
「医療と関わりたくない」「好きなものを食べて死にたい」など、さまざまな希望を、叶えたり叶えられなかったりしながら亡くなって行った人たちと、その家族、30のケースから、最期の迎え方を考え、学びます。


今の世の中、確かに「死ぬ」場所は自宅より病院や看取りしてくれる介護施設などの方がはるかに多いと思う。
個人的にも義母や両親の場合も、お互い納得していて、暮らせる施設が快適であればそれはそれで良かったのですがね・・・
コロナ禍ってものでその目論見がひっくり返っちゃいましたからね。
子供や孫やひ孫に会えずに、施設内でも感染防止で個々の部屋に閉じ込められた数か月で認知機能は衰えた母と同じ年寄りが全国に多くいたでしょうね。
そして、会えないままに病状が悪化して入院、そのまま亡くなる人たちもずいぶんおられたでしょうね。

とは言え、在宅で「死」を迎えるって簡単じゃないと思います。自分自身の意思があってのことで、死ぬまでの期間、家族や地域のヘルプも必要だし、痛み苦しみを軽減してくれる医療の力も当然必要ですよね。
なのでワタシはこの本から死ぬって場所「家」で迎えるか否かという事と同時に「どのような最期 どこまで医療に頼って延命してもらうかの意思表明の大事さ」を感じたんですね。



これもコロナ休養中に読んだ本だが、これも著者は医師、彼も「余分な延命」「行き過ぎた癌の外科治療」の悲惨な様子をよく記していらっしゃる。
よく全身チューブに繋がれて、身動きもとれずに苦しいのにただ生かされてる・・ そんな状態で「それでも死にたくないのか?」と思うけど、それを回避するには頭がクリアのうちに、周りの家族か信頼できる人に意思を表明しておくことって大事だと思うよ・・・

昨年亡くなったワタシのゴルフ&飲み友のHちゃんも癌になる前からその辺の死生観がしっかりした人だった。極端すぎるほど医者嫌いで、色んな予防接種もせず癌になっても何もしないと言い切っていた。結局ご主人も同じ病気になってそれを看取るためと子供への相続対策で自分の方が長生きしなきゃとオペと抗がん剤治療を選んでそれをなしとげたのはスゴイことだと思う。
しかし、ご主人を看取ってからは抗がん剤も緩やかなのにして、美味しい食事と酒を食べられるだけ食べて、ゴルフも死ぬ1月前までやって、最後のゴルフラウンドのあと「局ちゃん あたし幸せだよ。ありがとね」と言って誰もが「きれいすぎる」と言った死に顔で逝ったのは見事としか言いようがない。
ただその彼女も近くの緩和ケア医師にお世話になりながらも「入院してその部屋で何日も一人で過ごすのは嫌なのよ」と言ってたのが、亡くなる前日まで自分の家でムスコの作った夕食を食べてから意識不明、運ばれた病院で一日過ごして亡くなる・・・ というそれまたあっぱれな最期だった。

なかなかこうは行かないが、お手本というか死ぬ時まで美しくあった憧れの友人だったなあ と今更思い出す。

話はまた本に戻りますが、緩和ケア医&薬剤師の高橋ご夫妻、さらっと24時間体制でとおっしゃっているけど、それがどんなに大変なことかとお察し申し上げます。
自分の身うちでも認知症や老人特有の我儘さ聞く耳を持たない頑迷さを持っているであろう患者さんたちと向き合うのも大変でしょうね。
お二人を存じ上げているからこそ、それでもあんなに優しく穏やかでいらっしゃる様子に頭が下がります。

余分ですが、暇つぶしTV視聴



このアニメの一気見(by hulu) おもろいわ~、これ。

あとTverで新しく始まったドラマを見てこれから何見ようかと判断中
「セクシー田中さん」と「昨日何食べた?2」ロスが「正直不動産2」←イケメン祭り と「婚活1000本ノック」←意外な伏兵 によって癒され、日曜劇場の「さよならマエストロ」が好きだった「リバーサルオーケストラ」の劣化版じゃん!と怒る。指揮も田中圭の方がずっとうまかったし芦田まなちゃんの役があまりにも性格悪すぎて気の毒・・・

まあこれだけ時間を持て余してられるのは多分この週まででしょうね
つけが回ってくるな~ 多分

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水族館と読んだ本とジェンダーギャップとかとりとめもなく

2023-06-26 14:13:00 | 読む
さて、ビール工場見学のあとは







同じ沿線の水族館まで行った。
私は水族館って類は好きだ。室内だから季節に関係なく快適に過ごせるし、泳いでいるものって自由で気持ちよさそうじゃないですか?
旅行先でもあればなるべく訪れるが、こちらは来たことがなかったように思う。
都内なのにね。灯台下暗しってとこだったのか?






魚群は美しいですね。












こちらの売りのトンネル水槽の通路では、ちょうど生き物トークが始まり、潜水のお姉さんが餌やりなどしていた。
デカいマンタやウミガメなどに自らの手から餌やっていたが、噛まれたりしないのだろうか?
ある程度は好きじゃなきゃできない仕事なんじゃなかろうか?



その後目につく魚や











その後目につく魚やタコやくらげなど見たり写真に撮ったり、水槽の前で下ネタ含むくだらない話で盛り上がりつつも(空いてたからね~)








アシカショーなどもしっかり見た。
帰宅した後に、オットにこの写真を見せたら
「まあ なんていうか楽しそうだな、お前もおじさんたちも・・・」と言われた。
この爺たちはいわゆる女子供むけと思われるものでも「見るべきものは見つ」精神でバカにせずに楽しむ姿勢を持っていることが良いんですよね。
歳とっても好奇心を保つことはいいことだと思うよ。



この日も相当歩いて、帰宅後に来たline。




この爺たちとの付き合いも40年越え。お互い仕事やら子育てやら転勤やらで疎遠になったこともあるが、気づけばここ数年は頻繁に会って、お互いの家族とも仲がいい。ムスメなどは鳥爺2のことを Aちゃんと呼んで自分の友人扱いしているくらいである。
男女間の友情はあるかなきか?の議論は昔からされがちだけど、私の中ではごく普通に平坦に「ありますけどね」と言えます。

そして無理やりこじつけみたいになるけど、最近読了した本がありましてね。



戦国末期の石見銀山を舞台にした話。天才山師の喜兵衛に拾われた少女ウメの一生の話。
自らも夜目が効き、山に生きる才能、喜兵衛から授けられた知識もあり、少女時代は坑道で働くが、やがて初潮を迎えた時から、山に穢れを持ち込むと坑道で働くことを拒否され、ライバルの山師の手下の者に犯され蹂躙され、それでも、幼馴染の銀堀と一緒になって子をなす。しかし銀堀は長生きできず夫は早世。それからウメは周りの女たちと同様に、次の男と生きる道をたどる・・・・

この時代、この背景の女性の生き方がなんともはがゆい。
作者の流麗と言いたい文章が良いので、余計切ない。

最近、世界経済フォーラムが世界各国の男女平等度合いを数値化した「ジェンダーギャップ指数の2023年版」が日本が国別ランキングで146か国中125位でG7の中じゃ最低だったらしいですね。

へ~ そうなんだ~・・・・ と他人事みたいに思ってられるのは、今現在の私の周りには「威張ったり権力をふりかざしたりするオトコ」が居ないし、ムスメや嫁の世代じゃ「いや~ オンナ、強いわ~」って案件が多いからだと思う。

なのでどっちかと言えば ジェンダーから来るギャップというより、地域と世代間から来るギャップをより多く感じるんですよね。
なんだかんだ言って 現在の東京の私達以下の年代の層はその手の「女だから」とか「奥さんなのに」とかの視線や決めつけや縛り付けの呪縛からは自由になってるもんね。子育ては男女でやるものという認識が当たり前になり、介護も女性だけにおっつけられるって事がなくなってきたと思う。
そりゃ~ 私たちの若い頃、母たちの年代ではあったし、田舎なんかじゃ今もあるんだろうけどもね。
だんだん、この中央の価値観ってものが普通になっていくんじゃないでしょうかね?

そして最もジェンダーギャップの部門で順位が低いのが「政治」らしいが、これはあたりまえですよ。
今の国政でも地方政治でも 失礼ながら団塊以上の「威張るジジイ」たちが上の方に未だに跳梁跋扈しているんだから、これを避けたい女性たちは足を踏み入れないと思いますよ。彼女たちは賢いだけだよ。
だれが 森元とか石原長男あたりとかと働きたいと思うかいな。
彼らがあの世に行かれるか引退されれば、ホントに世の中をどうにかしたいって思う女性の政治家も多くなるとワタシは確信しております。
現にこの前の地方選では地元の区は、既存の人たちが結構落ちて、新人女性議員が誕生しているのよね。
そう世の中悲観することもないと思う。

なんだかとりとめがなくなったけど、これで終わります。
ビール工場から水族館から話がそれまくった。






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遭難者を探す仕事

2023-05-26 18:59:44 | 読む
オットが珍しく
「この本読んでみて」と一冊の本を渡してくれた。





世の中には色々な職種、色々なプロがいらっしゃるわけで、今までワタシが知らなかった「国際山岳看護師」という資格を持つのが、この本の著者である。救命救急の場より、病院外で看護師としての経験や知識を役にたたせるために、その資格を取得した著者。山岳医療についての知識・技術・判断力というのは「山という環境因子を考慮し、傷病者にとって適切な処置などを判断できるか」ということで、山という時には厳しい環境の中で、傷病者に適切な処置をできうる難しい資格なんだと思う。

この著書は山での遭難者、行方不明者の捜索に関して、その家族との間に立って、「どこで遭難したのか?」「なぜ遭難したのか?」生死に限らず今どこにいるのか? などを突き止めた事例が書かれている。

たとえば



実線で書かれた予定ルートを外れた単独登山をしていた60代の女性は実際は点線のルートをたどって遭難して、沢の中で遺体となって発見された。
なぜルートを間違ったといえば、コンパスやGPSを持たずに、春に仲間が撮ったルート写真をめやすに登山していて、夏草の茂った状態で景色が違ったことから迷ってしまったらしい。

その他の遭難者も、風で剥きが変わった道案内の看板を信じて進んでしまったとか、もちろん天候の変化や転倒などもで、山というのは簡単に遭難しうる環境らしい。



このように、そのささいな事をきっかけに遭難してしまい行方不明になった人を、主に家族からの依頼で探す捜索団体としての活動は、家族からの聞き取りや、本人のSNSなどから、プロファイリングして、行動を推理して探す。山岳の探偵みたいな仕事らしい。
もちろん実際に捜索するのは山のプロ中のプロたちだけど、時にはプロ意識から離れて、初心者がやるような失敗も想定して捜索したりしなければならないらしい。

実は、オットがこの本を持ってきたのは、この本の事例の中でオットの知り合いが書かれていたからなんですよ。
コロナ禍が始まるちょっと前の年、オットの知り合いの同業者が、登山したまま行方不明になってしまったというのを聞いた。
そしてそれがもう2か月も前との話で、
「それじゃもう助からないかもしれないねえ」「でも遺体も見つからなければ家族もあきらめきれないだろうにね」などと話したのであった。

その時、「お前も一度会ったことあるだろ、ほれ、東京駅で、新幹線のホームで・・・」
オットと一緒にいた時に東海道新幹線のホームで会った彼。長身でおだやかそうな人で、「奥様ですか?」と言われて私も挨拶したのだった。確かサックスだかなんかの楽器を手にしていた。
あとで「〇〇さんは多趣味なんだよな~」とオットが言ってたのを思い出した。
そうか・・・ あの時の彼か・・・

結局、彼の捜索は5か月以上かかり、偶然登山ガイドの方が大腿骨を普段は枯れている水の通り道で見つけたことで、その上流でリュックなどの遺留品がドローンによって発見されて、その他の御遺体も見つけることができたという。
この彼の捜索途中で、遭難してから一週間近くも生き延びられた人が救助されたり、行方不明のままで見つからなかった、他のご遺体も発見することができたらしい。

同じ山で遭難したふたりを家族の元に帰してから、自分は最後に家に帰ることを、Wさんは選んだのだろうか・・・
責任感が強く、他人のため働くことに喜びを感じていたというWさんの人柄がしのばれた。


と、彼の項は結んであった。
たった一度会った人ではあるが、その運命と残された家族の心情を思い、秘かに目がしらが熱くなった。

(オット曰く)病的な方向音痴と言われるワタシ、確かにゴルフ場でも次のホールは?って迷いそうになるし、地図は読めない。
山小屋などで、知らない人の後に泊まったりするのも苦手なのもわかってるので、山に行こうなどとはこの先の人生でも思わないだろうが、この本を読んでますます「絶対山には登るまい。私が登山するなど周りへの迷惑そのものであろう」と思った。ワタシが遭難したら当たり前すぎると自他共に認めるであろう。

そりゃ~登山が趣味の方々は、山のすばらしさに魅せられているんでしょうが、くれぐれもご家族やご友人を悲しませないようにしてくださいな。あと山岳保険ってのは入っておいた方がいいみたいよ。捜索費用って高いらしいので。
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フグを食べつつ介護話

2023-02-27 20:51:37 | 読む
昨日は、舞台友Nの主催する浅〇 フグ屋での同窓会だった。
毎年恒例で15年以上、一昨年のコロナで見送りになった時以来ずっと続いている。
今回も20人弱の参加者で楽しく過ごせた。



この前にぶりの刺身
ふぐの霜降り
北寄貝しょうゆ煮などあったが、話が盛り上がりすぎていて撮るのを忘れてしまった。

綺麗に引かれたふぐ刺しはやっぱり美味しい。



私はこれが好き 白子焼。





昼間っからビールにヒレ酒
私の周りのテーブルは「介護話」で盛り上がった。
学校の教諭しながら両親の介護してる女子 介護認定やら介護スケジュールを決めるのに奔走中の女子 退職して母親を見送った男子 父親を看取り母親介護中の男性医師 など

対象の両親たちは、若い頃は参観日や行事の時に「〇〇くん(ちゃん)のパパorママ」として認識していたお互いにとっても親しみのある人々。そしてもちろん同級生の親なので年も似通っていて他人事で聴いてられないところもあるんですね。



と、言いながらも〆の雑炊は美味しかった。



この年でこの色を着こなすのはさすがだ・・・ 建築士Nちゃん



話したりなくてスカイツリーが見えるホテルでお茶を。
コロナ前は二次会はカラオケ大会だったなあ・・・ あんなに屈託なく遊べた時代とまた自分たちも世の中も変わった気がする。
ステージは変わったかもしれないが、この繋がりは大切にしたいと思いますけどね。



京都に帰るキョージュ わざわざ出て来たんかいな?
彼がこっちの大学を早期退職して転職、20年ぶりに奥様と同居することになった時、彼女が自分が期待したほど嬉しがってくれないなどとこぼすから結構キツイアドバイス?をしたのですね。
「あちらは一緒に住めてあ~嬉しい!なんて思ってないと思うよ・・・ これからは少し甘えさせてもらいたい?? 何言ってんの?? 」などと。
そうしたら「局ちゃんのあのアドバイスがほんっと役に立ってるよ~」とまた言われたw
彼もまたステージが変わった人、ほどほどに頑張ってね。

今回、メンバーの親たちの介護と見送り話が多かったが、やっぱりその中での苦労話はコロナ禍が絡んだことと親たちが認知症になったのが大変だったって事だった。程度の差こそあれ、みんななるんですかね・・・・

ワタシは行き帰りの道中で読もうと持参していた本がなんとタイムリーだったことか。

これは相互フォローしてくださってる読書家のミケマルさんが以前ブログの中で紹介してくださっていたので図書館に予約リクエストしていたのだったが、今頃届いたのである。



認知症になって、それが進んで行く老女が一人称で語る。
同居しているオットのことは自分より進んだ病人と認識しつつも、その面倒をみてくれる訪問看護師さんやデイサービスの職員の女性には嫉妬心を持ったり、世話してくれる息子やそのお嫁さんには感謝してみたり物を盗られたと疑ったり。
今まで出来たことが出来なくなったり、自分が何をしようとしていたかも失念したり、周りの誰一人も信じられなくなったり・・・
「アルジャーノンに花束を」の世界が誰にをも起こるかもしれないという恐怖。

あ~ こうなる前にふっと蝋燭の火が消えるように死ねたらどんなにいいかしらね~ などと思いかねない怖い本だった。

実際、進むところまで進んで自分がどういう状態かもわからなくなった父は、今はかなりご機嫌で周りに感謝している。
そうなる過程の不機嫌で周りに当たり散らしていた時期はあった。
今、その過程にいるのが母で、母もこの本の主人公みたいに、真面目で働きもので家族のために尽くして来た人だった。
それなのにコロナ禍もあって 施設に閉じ込められて、自分があれだけ心砕いたムスコもムスメからもほったらかされて・・・
それに自分の存在価値も見いだせないで・・・

と こんな感じに思っていたのだろうなあ って感情移入しても怖い本だった。

しかし、あとがきの中の

地域包括センターの職員の男性が、私にこう言った。

認知症はね、大好きな人を攻撃してしまう病なんですよ。すべて病がさせることなのです。

この言葉が今の私を動かしている。


という一節に救われたような気がする。
ご自分の家族は全員見送り、義両親の介護経験のある筆者の一言は胸に来た。
母がワタシを敵認定するのも仕方ないんですね。
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ドラマと原作と

2023-02-24 22:21:29 | 読む

大奥

【あらすじ】江戸幕府3代将軍・徳川家光の時代、「赤面(あかづら)疱瘡(ほうそう)」と呼ばれる奇妙な病が日本中に広がっていった。この病は“若い男子にのみ”感染し、感染す...

大奥 - NHK

 


このドラマ、見ていらっしゃる方も多いと思いますが、ワタシは久々にドハマりしてます。
NHKの本気を感じる。
これ、原作が好きで昔映画化された時も見に行ったのだが

大奥 - 局の道楽日記

ひきこもるの嫌いじゃない・・なんておととい書いたばかりだけど昨日はおひとり様で映画に行ってしまった。映画はなるべくオットと二人で見ることにしているのだけど、これ...

goo blog

 


↑ この時も結構褒めてはいますね。

しかし、比べて見るとキャスティングは今回のドラマの方が秀逸だと思うんですよね。


(NHKサイトよりお借りしました)
富永さんが将軍吉宗として出て来た時には 「あ~ そう来たか!」と思った。
あの異次元のスタイルといわゆる女の子っぽい可愛さを排除したかっこよさが女の将軍というファンタジーになんとはまることでしょう。相対する水野祐之進が中島裕翔君ね。映画の時の役は二宮くんだったがファンの方には悪いが、「美男」を売りに男性が少ない世を渡ってきたという設定なんだから誰でも納得する美男としたら中島くんであろう。

ついでに言えば 三代将軍家光(堀田真由)の相手役の万里小路有功役の福士蒼汰君もいう事無しだったと思う。
映画では堺雅人氏だったが一時は僧として世俗を捨てて清らかな「美丈夫」としての役回りとしては、当時からちょっとトウがたってた気がしたのよね~
ドラマでのこの二人の純愛なのにそれだけを貫けない、ある意味悲恋の描写には涙を誘われたましたよ。
春日局役の斉藤由貴さんもすごみがあってうまかったな~


その後 五代将軍綱吉の時代になるとガラっと雰囲気は変わった。
仲里依紗ちゃんが父親の桂昌院の思惑で子作りに専念する。仲里依紗の色っぽさ、NHKがここまでやるか?って感じの寝屋での描写。子供を失くした時の悲嘆ぶり。桂昌院から自由になって、本当に好きだった右衛門佐の元に行く時に打掛を捨てておもむく時の顔の輝き・・・ この女優さんってのもスゴイですね。
また彼女が本当に愛した右衛門佐役の山本耕史氏 の曲者やらせたらハマるって感じが今度もバッチリであった。
そういえば、綱吉の回でのワタシの推しは右衛門佐の部屋子役の秋本ですね。あの眼鏡かけた子。「舞い上がれ」でもくるみちゃんと別れたDr役で出ていた(これは役的にはイマイチでしたが)今回もあのダサい眼鏡で隠されちゃったけど、ホントに綺麗な顔立ちで綺麗な骨格なんだよな~ 出自もスゴイんだけどな(表に出してないところがまた好感が持てる)彼はこの先もっとブレイクするであろう と予言しておきます。



こうしてドラマによって「大奥熱」が再燃してしまったので、お嫁ちゃんに借りた原作を読むことにした。オットが出稼ぎしていていなかった天皇誕生日はこれに耽溺して幸せを感じた。
ワタシはお嫁ちゃんに「ポーの一族」を貸したりもしている。漫画貸し借りする嫁姑。

なんといってもよしながふみ氏の原作がスゴイんですね。

赤面疱瘡といった男だけしかかからないという業病で男の人口が減り、大奥も女性を将軍として立てなければならなくなったという設定がまずすごく、それを実際の歴史とうまくからめながら、腑に落ちるストーリーになっている。

この先のドラマは吉宗のところまでらしいけど、なんとシーズン2がこの秋に予定されてるんですってね ♪

シーズン2は「医療編 & 幕末編」で平賀源内や蘭学を学んだ医師たちによる赤面疱瘡の撲滅から大政奉還までが描かれるそうな・・・

この原作が書かれたのは10年以上前なのに 赤面疱瘡っていうのがコロナを彷彿させることに改めてびっくりしちゃうのですね。
赤面は野生の熊に襲われた子供が罹患して世の中に広まり、それがウイルス性ということ。
蘭学から教えられた予防策の隔離や石鹸での手洗いが感染をある程度防げたこと。
弱毒化した赤面に感染した子供や熊からウイルスを熊痘として男子にほどこすことで流行を抑えこめたこと。
その際に副反応として100名に1名ほど死亡というリスクもあるが死亡率が80%に及ぶ強毒性の疱瘡にかかるより人々が熊痘を受けることを望んだこと・・・など

まるでここ三年の世界の、日本の世相を予言したようじゃないですか・・・・

言い忘れたけど、ドラマの中の大奥の設えや衣装もスゴイのよ。実際はあんなに派手だったのかな?って疑問も生じるが、美しい。ワタシは右衛門佐が桂昌院に初めて会った時に送った袈裟を見て息を飲みました。
しつこいようだがNHKの本気を感じた。

ドラマはあと3回? 漫画は13巻まで読んだからあと6巻で終わっちゃう。ロスが来そうで怖いです。






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一冊の本から繋がったりする

2022-09-03 22:17:07 | 読む
ノースライト (新潮文庫) | 横山 秀夫 |本 | 通販 | Amazon



何故 二冊あるかというと、図書館で借りて読んで、これは手元に置いとこうと思って買ったから。
何年か前、書棚からあふれた本を段ボール13箱ブックオフに売ってから、本の購入はこのスタイルにしている。

主人公は子持ちで離婚した一級建築士なんだけど、彼が施主に「自分が建てたい家を建てるように」という条件で家を建てたが、その後施主一家はそこに住んだ形跡もないまま蒸発、そこにブルーノ・タウトのデザインした椅子が残されていたというミステリー。

私が興味をひかれたのは、建築士の仕事、そのプライドと自分の作品に対する思いが書かれていたものが、ワタシの一番近しい親友の建築士の女性たちに共通しているのか? それを知りたかった。
またB・タウトという偉大な建築家がナチスから逃れて日本にいたという歴史上の事実。
そして彼が住んでいたのが群馬で、まだその当時彼と愛人が住んでいた家が残っていること。
そして、彼が働いていたところに、先日その美術展に行って感銘を受けた 上野リチさんもいたこと。

ウイーンから来たかわいいを堪能す - 局の道楽日記

雨模様だった先週土曜日の朝、ワタシは親友A&Nちゃんと私という同窓生リケジョトリオのlineで話していた。GWも経たので少々久しぶりであった。Nちゃんは一週間ほどご主人の...

goo blog

 


この経緯もあって、リケジョトリオlineに紹介しましたよ。

局 ノースライト url添付 読んだ?
  一級建築士が主人公 ブルーノ・タウトとグンマーも絡む話
  面白かったからさ
  お二方にぜひ読んで感想聞きたし
  迦葉山に彼が住んでた家があるんだってね。
  行ってみたくなった

親友A ありがとー 知らなかった。
    熱海にタウトが設計した家が残ってて、昔見学した覚えがあるよ。
    タウトは高崎にも住んでいて、その家もだいぶ前だけど見学した。高崎の名士、井上工業がパトロンだったはず
    早速帰ったらAmazon ポチるね

局  そそ 熱海の日向邸の地下だかが唯一の現存物件なんだって
   井上って今の井上工業なのか
   銀座で売ってた当時の家具はタウトと井上の名前を組み合わせたロゴが着いてたとか

親友A そうなんだよ 意外だよね
    秋にでも建築探訪三人でしようよ

局  うんうんっす

Nちゃん 未読だった あたしも読んでみるね
     横山秀夫ってグンマーなのかね?
    前に日航ジャンボ機墜落の話も書いてたよね
    64とか半落ちも面白かった

局 グンマー人かどうか知らんけど J新聞(地元紙)の記者だったらしいよ
  お二方、もし何だったら、あたしの本貸しますよ


Nちゃん いや、早く読みたいんであたしもポチるわ

っとのこと。
二人の感想も楽しみだ

そして、今日はリチさんの作品を思い出して、タイルに描いてみた。





これはコースターにするつもり。

何か見たり読んだりしたことが、次々とつながることがありますね。
この秋はタウトが「きてる」みたいな気配。
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弁当芸術家の本に魅せられる

2021-12-17 23:26:46 | 読む
ちょっと時間が経ってしまったが、先週土曜日
ワタシは渋谷の喧騒の中 人混みをかきわけながら

https://mitsui-shopping-park.com/urban/miyashita/store/1568498.html

こちらの書店を目指していた




広島のお友達⑦パパさんのお仲間のnancyさんの本の出版イベントにいくためにであった

その名も「弁当美術館」




この表紙のヴィーナスの誕生もお弁当なんですよ。
そして帯に注目 「美術館が学芸員が惚れた!」「前衛弁当は、まさに現代アート!」

いや~ ワタシもこの本を読んで惚れましたわ。





(写真はサイトからお借りしました)

弁当の絵的センスもさることながら、ページ下部の作者のキャプションがまたとっても読みであり。
作り方から元ネタの絵や映画や音楽や人物などの説明やちょっとした小話などの文章のセンスもすごい!
QRコードもついているのでそれを見ると作者のインスタグラムも見られて、作り方とか弁当の絵が動画になっていたりを見られるのも楽しい。

話は金曜日のイベント当日に戻るが、⑦パパさんの友人で と名乗るとすぐに「ああ 局さん」とわかっていただき、nancyさんと「食べる人」オットさんのお二人にお会いでき、色々お話できてしまった。



サインもいただきました。

作る人と食べる人 ご夫婦の信頼と愛がなければこの本はできなかったであろう。またオットさんも芸術家。その作品のnancyさんのバロックパールの指輪を見てまた物欲が湧いてしまった。ああいう一点ものの工芸品には弱いんですよね。

また、この日は蒸しパンへオブラートアートをするというワークショップも企画されていて、ワタシも参加したかったけど、午前中には「孫のお守」というミッションをこなしていたのでできずだったが、親切なnancyさん、ワークショップで使ったキットをくださったのであった。

セブンイレブンの蒸しパン2個に



秘伝の書と



オブラートと竹炭パウダーと細筆つき

やってみましたよ



一作目 ムンクの叫び ちょっと筆が粗いね



二作目 バンクシー 風船と少女

面白かったです。でも結構時間もかかるし作る時は散らかるんですよ。
もっともっと複雑なプロセスをたどる前衛弁当作りの苦労がしのばれたのであった。

私のお弁当作りと言えば、ムスコが幼稚園に入園した年からはじまり、小学校時代は給食だが塾弁が2年間、その後中高6年間と大学の1年まで作った。ムスメは同じく幼稚園入園から小中高は私立だったのでその15年間はず~っと作った。
ついでに「俺も~」と便乗したオットにも職場の飯が激マズという環境の間は作ったので、朝の弁当作りは三つという時期もあった。(あの頃は米の消費量も多かったなあ 今は2㎏買ってもなかなか減らない)

振り返ればその頃のお弁当は90%義務感から出来ていましたな。弁当作って三人違う時間に朝ごはんを出して、雨の日は娘を駅まで車で送り、その後自分の支度して仕事に行く朝は戦争みたいなもんだった。
その頃の弁当は栄養には注意していたが、色目はほとんど茶色のグラデーション、時々緑。

そういう生活の基本的な繰り返しの中で、作者のようにそれを自分でも楽しみ、芸術作品まで高めて人をも魅了するってなかなかできないことだと思った。








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長かったが一挙に読めた本

2021-01-15 21:25:06 | 読む
重さ1kgくらいあったのではないか?のこの本


明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で3人の男と<結婚>、7人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして2番目の夫でダダイストの辻潤、3番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。
サイトより

近代史苦手な私立理系、と言い訳しますが、甘粕事件という関東大震災のどさくさで、大杉栄とその内縁の妻の伊藤野枝が虐殺されたというのは記憶のすみにとどまっていた。
この本は、伊藤野枝氏の生涯を書いた本。

村山由佳著 
村山さんの作品はもちろん何冊か読んだことがあった。初期の頃の年下の美少年と美しい従妹との恋愛話はライトノヴェル風。
またいわゆる毒親っぽい母親との葛藤を書いた作品。
最近のねちっこいエロ描写満載の作品(出てくる男が観念的っちゅうかめんどくさそうなのばっかり)
まあ、この辺の作品はあまり趣味ではなく失礼ながら暇つぶし読書の対象だったのですが・・・

この本はすごかった。凶器になりそうな重量を持つ650頁あまりの作品。

伊藤 野枝(いとう のえ、1895年1月21日 - 1923年9月16日)は、日本の婦人解放運動家、無政府主義者、作家、翻訳家、編集者。戸籍名では伊藤ノヱ。 雑誌『青鞜』で活躍するも、のち受け継いだ編集を放棄してこれを休刊。不倫を堂々と行い、結婚制度を否定する論文を書き、戸籍上の夫である辻潤を捨てて大杉栄の妻、愛人と四角関係を演じた。世評にわがまま、奔放と言われた反面、現代的自我の精神を50年以上先取りして、人工妊娠中絶(堕胎)、売買春(廃娼)、貞操など、今日でも問題となっている課題を題材とし、多くの評論、小説や翻訳を発表した。甘粕事件で憲兵に殺害された。



激しい生き方をした女性だったようだ。時代を先取りしたフェミと言おうか、フェミだけじゃなくて原始社会主義者って言うべきか?

そして彼女のパートナー大杉栄

大杉 栄(おおすぎ さかえ、大杉榮、1885年(明治18年)1月17日 - 1923年(大正12年)9月16日)は、思想家、作家、ジャーナリスト、社会運動家。 明治・大正期における日本の代表的なアナキストである。大逆事件の後にマルクス主義者の中で優勢になったアナ系 の大立者であったために危険視され、関東大震災直後、憲兵隊司令部で殺害される。


自由恋愛論者で、居候中に堺利彦の義妹堀保子 を強引に犯して結婚する 。当時、保子は深尾韶と婚約していたが、これは破棄された。だが、栄は保子と入籍せず、神近市子に続き、伊藤野枝とも愛人関係となって、野枝は長女魔子 を身ごもった。女性達からは常に経済的援助を受けていたが、野枝(とその子供)に愛情が移ったのを嫉妬した市子によって刺された日蔭茶屋事件(日影茶屋事件)では大杉は瀕死の重傷を負った。

その後、保子と離別、市子は入獄したので、野枝と家庭を持つが、依然として入籍はせず、次女エマ 、三女エマ 、四女ルイズ 、長男ネストル をもうけた。次女エマ以外は大杉・伊藤の死後、伊藤の実家に引き取られて、戸籍を届ける時に改名されたものである。


この人、政治的な思想はともかく女性の側から見るととんでもない男ですよ。「何事にも自由であるべき」ということで結婚していながら恋愛も自由。戸籍上の奥さんと同時に神近という女性記者とつきあい、更に伊藤野枝とも同時進行し、金銭の援助を神近に要求するという男。キレた神近に殺されそうになる。




生田斗真か? ってほどのイケメンじゃないですか・・・
この外見と拘束されるたびに外国語を習得する頭脳、なんだかんだ言っても秀でた出自と学歴。吃音は激しかったらしいが、それも愛嬌に魅せる弁舌と行動力。
この上なく危険だがモテるだろうな・・・

彼と野枝を拘束して虐殺したのが甘粕正彦、彼も毀誉褒貶が激しく、最後は青酸カリを用いた服毒自殺をしたらしい。この人は身長150cmくらいしかなかったらしいのね。
栄&野枝カップル それに6歳の甥までを虐殺し、むしろに包んで古井戸に投げ込んだという背景にはモテない男の嫉妬ってのを感じるってのは卑近すぎる感想だろうか?

また、この長い長い物語は、この二人だけでなく、青鞜社の平塚らいてうや、野枝の二番目のオットの辻潤、栄のアナキスト仲間たちも描かれていて厚みを増している。
平塚らいてうは心中未遂などで世間を騒がせた後で、5歳年下の男との恋愛で、それから若い愛人が「若い燕」と言われるようになったとか・・・
智恵子抄のモデルの高村光太郎夫人や、有島武郎と美人記者との心中。
これらのエピソードも見ていると、大正時代っていうのは今より人々が激しく生きてた時代だったのではないかと思われる。

この本に刺激を受けて寂聴さんの「美は乱調にあり」はアマゾンでポチった。




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年末年始読書と犬の話

2021-01-05 17:43:10 | 読む
ボッチ時間が長かったお正月期間、たくさん本が読めました。



まず「昭和の犬」
姫野さんの作品は飄々としたユーモアと粘着質でない毒が仕込んであって、ワタシにとってとても面白く読める作品であります。

ただ、この人が自分の少女時代を描いたものは読んでいて胸が苦しくなる。
両親との関係を直視できない・・・ と言うか 本当にかわいそうすぎるから。
いわゆる「毒親」なんですね。著書の中には 謎の毒親 という作品もあるくらいである。何気ない一言に浴びせられた罵倒、身に覚えのない行為への叱責、愛情のかけらもない無視、意味不明の身体接触。少女の頃から家庭で受けつづけた謎の仕打ち

昭和の犬 という作品は、彼女の記憶が始まった幼少時から 50代くらいまでの親御さんとの関係も描かれているから当然その辺の親との関係のことも書いてある。

この本を読んでいるとムスメの子供である孫Ⅲつい比較してしまう。
ムスメに抱かれ話しかけられたり何かを食べさせてもらったり、ムコと遊び、近所の人やみ知らぬ大人たちとに笑顔をもらって 大半が楽しそうに笑っている写真と動画 誰からもかわいがられることを信じて手を差し伸べる無邪気な笑顔。
いつまでもそんなことが続くわけじゃないが、親が庇護してあげられるうちはその笑顔がキープできるようであってほしいじゃないか。
なぜ筆者は 父が壊れる(切れて怒鳴りまくる)ことをいつだって恐れ、母からは人格すべてを否定されることを言われ続けなければならなかったのだろうか

感受性にあふれて当然賢かったであろうし、スラッとした体型と彫りの深い容貌は、お洒落すれば大変な美人と思うのだけど、何故か自己評価が低そうにうかがわれる。
幼少時の彼女のために憤ってしまうワタシである。
物語は同時代に生きてきたワタシとしては要所要所の共通の記憶があって興味深かったし、時に自虐的なユーモアにあふれて笑える部分もあるんだけど、読後があまり後味がよろしくなかった。これ、直木賞の作品でしたよね。

そして「近所の犬」
これは時には幼少時の話も入るが、筆者が主に両親から独立してからの(定期的に介護はされていたらしいが)話なので、昭和の犬よりは苦しくならない。
自分じゃ飼えない環境なので、近所の家の飼い犬をみて楽しむ「借飼」を書いた本。
自分は犬は好きだが犬からは好かれない、さらに人見知りである。と言っておきながら、案外飼い主さんに声をかけたり、メールアドレスまで交換して、その犬が近所を通るとなると連絡してもらって飛び出していく・・・ そこまで犬好きがなせる業らしい。

ワタシが読みながら悶絶するほど笑ったエピソードは、黒ラブのラニと飼い主の爺さんの話。
ぶっきらぼうで、愛想のない爺さんなんだけど、明大卒でエロ本を出していた元出版社経営という過去を持ち、進駐軍の仕事もしていたころ、外人からアメリカに来ねえか?と誘われた時の話。
「よっぽど行こうかなと思ったさね。若いじぶんだったからね」
「行ってみればよかったのに」
「そうだな。行って見りゃよかったな。あのときアメリカに行ってたら・・・」
このあとにつづけたフレーズがふるっている。
「・・・今じゃ立派なグランドファーザーよ」


おかしくありませんか? このせりふを歌舞伎役者が寄り目をつくって見得を切るふうに言ったんだって。
想像するとおかしすぎる・・・

ワタシも先代犬Pちゃん、今犬のGちゃんと合わせると、かれこれ20年以上も家の周りを散歩しているから、いわゆる犬知り合いってのもいるわけです。
あんまり距離を縮めるとご近所なだけにめんどくさいから立ち話の輪とかにはあまり長居しないようにしてはいるけど、どうしても犬同士が相性があったりで、親しくなったり、飼い主さんが印象深かったりする人もいる。

その中のSさん。多分70代後半のお爺ちゃん。だいたい奥様と半々くらいで散歩されていて、奥様とはたまにランチなどする、犬知り合いの中では親しい方なんだけど。
その爺さんが、すこぶるカッコいいのである。姿勢もよく、半分白い髪もふさふさ。そしてそのファッションがすごい。
白いシャツにデニム、そのシャツの袖のめくりかたのさりげないけどちょうどいい分量。そうかと思うと、迷彩コートにカーゴパンツなんかもさらっと着こなした姿も艶なり。また、たまにまだお仕事もしているらしく、そのお出かけの時の端正なファッション。多分マッキントッシュのゴム引きコートに茶色のズボン。それに辛子色のシャツなんてのぞかせちゃって、それがものすごく似合うのだ。
とにかくどんなジャンルでもハズレがないのである。
会うのが楽しみの飼い主さんの一人。

奥様の方とお話するようになって「ご主人さま、ホントにおしゃれですね~」とほめたら
「まあね、それが仕事だからね」とおっしゃる。よくよく聞いたら、誰もが知ってるメンズブランドの創立メンバーの人だった。wikiにも載ってたよでビックリ。
最近ユニクロからワークマンにシフトしつつあるオットに「あ~たも 〇〇さん見習ってたまにはおしゃれしたらどうなの?」とハッパをかけたが、「へ~~~ん」というやる気なさ。ただ、出自を教えたら「なるほどな~ さすがだな~」とそのセンスには敬意を払っている様子である。

あと、最近会って良かったな~ と思える犬は、2年ぶりくらいで会った我が愛犬と同じ種類の子である。
二年前まで何度か会って、そちらのワンコと飼い主さんがうちの子をとても気に入ってくれて、会うといつも「可愛い顔してますね~」とべた褒めしてくれていたのだが、最後に会った時に、その子が後ろ半身に補助車つけていたこと。
驚いたワタシに「ヘルニアになって歩けなくなっちゃってね。一時は大変だったんだよ。この車をつけて歩けるようになってまだ助かったんだよね」と飼い主さん。40代半ばくらいで、髪の毛を後ろで一本に結んでいる、自由業っぽいおだやかなお兄さんおじさん。
「ダックスはヘルニアになりやすいんだよね・・・オタクも気を付けてね」とその時に言われた。
それからしばらく会えなかったのだが、年末にちょっと離れたところまで散歩したらばったり会ったのである。
向こうも覚えていてくれたと見えて「ああ Gちゃんでしたね。相変わらず可愛いなあ」 あっちの犬も嬉しそうに車をひきずってGちゃんにすりすりしてくる。
「名前まで憶えていてくれたんですね、あれ?こちらのワンちゃんのお名前なんだっけ?」人と犬の名前をすぐに忘れるワタシ
「ジョ〇ンニです」
「あ~ 銀河鉄道でしたね」
「そうそう、そちらは大天使さんでしたね」
という会話がなされたのである。

ジョバ◯ニが元気に生きてて、大事にケアされてるのがわかって嬉しかったよ。

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予約本と買った本

2020-10-16 13:07:06 | 読む
年を取ってからなぜか体育会系方向に行きつつあるワタクシですが、幼少時から読書だけは生活に欠かせない趣味というより習慣だった。
就寝前には本がなくては寝付けず(2,3ページで寝ちゃうこともあるが)夜中に目覚めたらまたページをめくらないと再度寝られないので必ず枕元には本を置く。
朝になったらそれを持ってリヴィングに向かう。
TVを見るのも本を広げてながら見している。

別に御大層なものじゃなくて、ごく軽く読み飛ばせるものでいいんですけどね。

そのペースで読むと数がいるので供給源としてはここ数年は図書館なんですね。
読みたい本をどんどん買ってしまうと狭い家が本であふれる。
弟が住んでる無駄に広い実家ですら、どこの部屋にも本が山になってて「これどーすんのよ、あたしの泊まる部屋には本のタワー作るな」といつも争いの元になる。
10年ほど前に我が家のデカい本棚とともに、周辺の本を段ボール13箱ほど処分してからなるべく本は買わずにすませようと心に誓ったのであった。

この春、近所の図書館はコロナ禍で3か月ほど閉館になった。あの時は困ったね。
家からも出られないし、所在なさに思わずHuluを契約してしまったくらいであった。

最近の図書館はよくできてて、サイトに登録しておくと、借りてる本の期間延長が出来たり、所蔵本の検索ができたり、予約ができたりする。
予約したい本って、自分じゃ買わなくてもいいけど読んでみたいという話題の作家とか作品になるから予約しても回ってくるのは半年後とか一年後とか、忘れた頃になることも多いんだけど、気長に待ってりゃ「予約本が用意できましたよ」ってなメールが来るのである。
ありがとう、〇〇区図書館!

しかし、予約者数半端ないねの〇〇区

例えば

美しき愚かものたちのタブロー 原田マハ 予約日2019/12/07は 今日現在106人待ち

傲慢と善良 辻村深月 予約日2020/01/18 169人待ち

夏物語 川上未映子 予約日2020/02/15 250人待ち

そして最近の待ち人数の最高記録更新したのは

半沢直樹 アルルカンと道化師 池井戸潤 予約日2020/10/08 なんと345人待ち ひえ~

ドラマが終わったくらいのタイミングで出版されたからね、狙ってましたね講談社・・・

本は複数用意があるだろうが、345人目っていつくるんだ? 買えよって話ですがね。
それにしても〇〇区図書館予約でこれだけの人数がいるってことは全国どれだけのヒトが本を買わずに借りようとしているかってことを考えると作家さん、書店さんに気の毒ではありますね。

だから(と言い訳する)ワタシも借りた本の中から、これは手元に置きたい とか もう一度読んでも楽しそう とか オットにも読んで欲しい なんて本は買うんだよね。20冊に1冊くらいだけど。

最近買ったのが↓



内容紹介はamazonのサイトより↓
恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。

これ読んでから思わず犬散歩時に草むらにシロイヌナズナを探しちゃったわよ。

「舟を編む」 とか 「仏果を得ず」 とか三浦しをん氏がある種求道者を描いた作品はワタシの趣味ど真ん中であることが多い。
今回は植物学の研究者がヒロイン。
ワタシも大学は理系だったので普段の実習や卒論研究の時にはこの手の実験みたいなものははやった(させられた が正しい。ワタシは研究者のセンスはなかったな)ので、手技や研究室の雰囲気などで親しみもあった。ちょうど時期的に話題になっていたPCRの手法なども詳しくてその点でも興味深かった。
オットも読んだが、彼は1985年に抄読会でPCRのことが担当になってそれがさっぱりわからずに難儀したことを思い出したそうだ。

ヒロインの本村紗英ちゃんは 今時のオナゴとしては相当の変わり者で、恋よりも植物 研究のためだけに生きようって子である。
人生の中で、こんなにも自分の好きなもの、没頭できるものに出会えたのは幸せなのかもしれない。彼女の植物研究に没頭する姿は健気で崇高ささえ感じられる。
ただ一方で卑近なこと考えると こういうのがムスメだったら親としてどうなの? たとえ優秀で自慢のムスメとしても、ちっとは身の回りをかまって、男の子の一人や二人と恋愛でもして、できれば結婚して優秀なDNA残しなさいよ くらい(親じゃなくても)思うかもな・・・



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ながら読書の相乗効果

2020-08-26 15:43:03 | 読む
我が家は2014年にスライド式のどでかい本棚を処分するにあたって、本を段ボール14箱分片づけたことがあった。
book offに取りに来てもらったのだが、その選別と引き取りに来てくれるまで居間に置かれた段ボールのうっとうしさもあって結構大変な作業だった。
実家の両親も弟もやたら本好きなので、実家のほとんどの部屋や廊下に本棚があり、それでも弟が買い続けていて、ヤツの部屋にはタケノコのごとく本のタワーがあちこちに積もっていて、いったいこれからどうするんだ? いずれは重みで床が抜けるんじゃないだろうか?と言うような様相になっている。

それで増え続ける本の空間への侵食と処分時の手間を考えると、この先よっぽどのことがないと本は買うまいと誓ったのである。
とは言うもののいつでも読める本が手元にないと落ち着かない質、じゃ、どうするか? 図書館の活用なんですね。
大きな幹線道路を渡るのがちょっとやっかいだが、チャリで10分弱のところに区立図書館がある。
そこは比較的新しい館なので蔵書はそんなに汚くはない。蔵書になければ区内の図書館から取り寄せもしてくれる。
そこで一度に7,8冊借りて、読み切れない時は二週間の期限を一週間延長するというサイクルにするとどうにか読む本に不自由はしないのである。
話題になったり書評を読んだりして読みたくなった本があれば、ネットでリクエストしておけばいつかは読める(たまに順番が200番なんてこともあるが気長に待てばいつか読める)

その中でこれはもう一回読みたい とか 手元に置きたい とかのものがあれば購入することにしたらかなり本の侵食は抑えられているのである。

コロナ禍で今まで自由にできていた観劇、美術館、音楽会に行けなくなった中、読書の傾向もそれに関係あるものが増えてきた。
飢餓感というか代替えでもいいからすがりたいというか・・・

その中で偶然見つけたのが



宝塚の話。実際(こうなんだろうなあ)と思わされる劇団の雰囲気。伝説の男役トップの引退公演とそのトップさんにあこがれる新人公演でトップに抜擢された研3のジェンヌの葛藤。かつて事故で舞台で亡くなった大劇場にさまよう元トップの幽霊(ファントム)の話。
昨夜読み始めて、とまらなくなって夜のうちに読了。この作者の宝塚シリーズは他にあるので早く借りに行かねば。

あんまりさらっと読んじゃったのでもったいないので



このDVD(私の宝塚観劇歴ベスト3の作品)を流しながら二度目を読もうとしているところ。

私はジェンヌ追っかけじゃなくて作品が好きなので、あまり整合性がなかったりお涙頂戴すぎたりするのは見たあと、脚本家の先生たちにももうちょっと新しい血が欲しいと思ってるファンですが、
コロナ禍の今年、作品に文句を言ったりSS席で寝落ちしたりした過去の自分を叱りたい。
いくら注意をしていてもコロナはうつるし、陽性者が出るたびに公演が中止になっている今、ジェンヌたちはどれだけ心折れてるんだろうと思う。この本を読んでからはよけいやきもきしてしまう。

あと こちら



恩田陸さんの作品は 夜のピクニックがどうも波長が合わなかったので図書館でかなりのスペースをとっているにもかかわらず、手に取ってみなかったのだが、浜松国際ピアノコンクールのドキュメンタリーを見て、それが舞台となっている作品ということで興味を持ち、読んでみた。そして泣いた。頭の中に塵くんや 亜矢ちゃんや アナトール君のメロディとそれに熱狂する聴衆の拍手が響く気がした。

これも一気に読んだが、二度目に読んだときは、youtubeで、作品中のピアノ曲を色んな演奏家のものを呼び出して、こんな感じの演奏かな~ などと聞きながら読んだ。ホント今時ってこういうことがすぐにできるのは便利である。

そして こちらは音楽ではないが



これは10年前の国立近代美術館で催された上村松園展の図録が役に立つ。


本が正確に松園さんの作品の描かれた年代を追ってくれるので、この図録でその絵を探して鑑賞しながら読むと また楽しいのである。

読書 と 舞台 
読書 と 音楽
読書 と 絵画 

これらの影響は 足し算でなく掛け算 まさに相乗効果。
コロナと酷暑にこんなことで対抗。(ゴルフは行くけど それは別腹) 









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快復を願いつつ

2020-01-24 13:28:18 | 読む
先日、珍しく購入した本。
(もう、家も実家も暴力的な量の本の山なので、どうしても手元に置きたいの以外は読みたかったら図書館でと決めている)



日経に月一くらいで連載されていて、楽しみに読んでいたもの。
連載時のタイトルは「フェアウェーの記憶」だった。

世界の名門ゴルフコースを実体験して、そのコースの形状、そこにまつわる歴史、感想、そこから生じる人生観まで、短いながら書かれている。
宮本卓さんの写真もすばらしいの。
時々、(げっ、こんなバンカーに落としたらオダブツ)とゾッとするような所も見受けられる。

とにかく、初心者に毛が生えたくらいのオバハンゴルファーの私にも(なるほどねー、やっぱり奥の深い競技なんだねー)など、共感したり教えられたりの本であった。

基本、同じくらいに始めたオバハンゴルファー仲間は6人居て、その順列組合せでプレイしているが、その中で、オットがやらないオバハンが私を含め2人。あとの4人はご主人の方が相当のフリークで、日本中のゴルフ場を二人で楽しんだり、この本に出ている海外の名門でも経験したのとのある人、2人ほど。

私のように、オットがやらないとなかなかそこまでのゼータクは望めないので、話を聞くだけで仮想体験しているのでまっいいか…である。

で、話は戻って、一昨日届いて読み始めた矢先に、この方のくも膜下出血の報道がありショックを受けた。
夫人の篠ひろこさんのコメントも「予断を許せず」とのこと。
快復されて後遺症が残らなければいいけど。

亡くなられた前妻さんも現在の奥さまも本当に美女でらっしゃる。女性好きかもしれないが、それ以前に女性に好かれちゃうから仕方ないんだろうなぁ。まあ平成から令和の価値観からすると外れるかもだが、昭和にはこういう破天荒な部分(不倫やふたまたも含め)のある男の生き方ってのも許容されていたのであろう。
どっちがいいのか悪いのかは別として。
とはいえ、才能に恵まれ、あらゆる方面でそれを発揮する生き方をしてきたんだからモテないわけないでしょうね。
こういう方は、元気に快復しないと、ご本人も回りも辛いと思うなぁ。



この連載も楽しみに読んでますがどうなるのであろうか?
快復してくれることを願います。
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むかつく本の方が感想は書きやすい不思議

2016-03-12 01:44:28 | 読む
実家往復の電車中の時間+ちょいと遊ぶ気力がなくて引きこもり時間 で 読書の時間が増えた。

で、最近読んだ本



はぁ 久々にむかつき と言うか 胸におさめてられないのでブログアップしてみようと。

背景のモデルとなったのは1990年におこったルワンダの内戦時、政府軍による虐殺である。
その時その地に赴いていた修道女の話。

  貧困と動乱の大地・アフリカ。日本人修道女・鳥飼春菜はアフリカのとある最貧国の修道院に赴任する。この国では多数派ながら貧困にあえぐフツ族と、かつて特権的地位を得ていたツチ族が微妙なバランスの中で共存していた。そして修道院内部もフツ、ツチ、その混血、外国人と多種多様な人種で構成されていた。
現職大統領の不自然死は、この国をフツによるツチと、ツチとの関係が疑われたフツへの部族虐殺の惨劇へと導く。巧妙にツチへの虐殺を教唆する国営放送。民兵とは名ばかりの、強奪を目的とする集団の横行。教会の存在はまったく無力であった。
逃れてきたツチの難民の受け入れを拒む修道院長。神学校に乱入した民兵は、生徒も難民も修道女さえも惨殺した。そして教会にも軍隊と暴徒が殺到した。その先頭には、アフリカの呪術師のいでたちをした現地人牧師の姿があった。春菜は混乱の渦中で、修道院の庭師に陵辱される……。
100日間で100万人が虐殺されたという大混乱の中、春菜は信仰も、人間への信頼もすべてを失う。隣国へ脱出した春菜は日本人画商・田中一誠に助けられ、帰国する。しかし、春菜はあの庭師の子を身ごもっていた。修道院を去った春菜は田中の援助で、一人で子供を産む決心をする。
 田中へのほのかな愛。しかし、田中には自分が起した事故で失明させた妻がいた……。
 飽食と見せかけの繁栄の中、日本人が見失った生きることの悲しみと喜びの原点を描く、曽野文学、不滅の金字塔。ファン待望の長編小説。アマゾン解説より


上巻はおもに内戦というかフツ族によるツチ族への虐殺の話。アフリカの貧国を背景に、もともと日本の道徳律がとてもじゃないけど基準にならない世界なんだけど、どんなひどいことが行われたかがこれでもかと描写される。その中に聖職者の身勝手とか裏切りとかも書かれる。
食欲が落ちそうな描写もあるけど、ここはまだガマンして読めた。

問題は下巻。日本人の修道女は、その混乱の中で、修道院の庭師にレイプされてしまう。その後白人のスールとともに隣国に逃れてそこで出会った日本人画商に助けられてからの話。

この画商の一誠ってオトコがほんっとにむかつくたってないんですね。
曽野文学に出てきがちな男性って 高身長 高学歴 高所得(おそらく)の教養人 で、ちょっと浮世離れしている。男性的魅力もあるけど決してガツガツしてない。でも自分の魅力は十分承知。ついでに心に傷持ってる ってパターンが多い気がする。
(こういう点、故 渡辺○一先生が好んで描くところの、オトコから見て都合のいいオンナの類型に似ている。
どっちも 「いねーよ、こんなの」って点で。

帰国した修道女 春菜は身体の異変に気付く。運悪くレイプされた時に妊娠してしまっていたわけですね。修道女が妊娠、それも相手は自分を暴力的に犯したオトコ、しかも黒人。修道院に暮らしている彼女にとってそれがどんな運命をもたらすかって言わずもがなですね。

いくらカトリックが堕胎を禁じていてもこればっかりは仕方ないと思える、彼女もいったんは堕胎を決意する。
しかし、その決心をくつがえさせたのは一誠。それも「あなたは運命を受け入れる人だ」とかなんとか。
一応ね、修道院を出てきた彼女に自分の会社の保養所を世話したり、翻訳の仕事を頼んだり、当面のお金を渡したりはするわけね、有能な秘書(♀)を通じて。

しかし春菜の自分への思慕を知っていながら敢えて会ったり電話に出ようとしない。

嫌な感じ。

春菜は自分の母親や姉に妊娠したことは話すが詳しい話はしない。母は「どんな子供でもあなたの子供ならうれしい」と言うけど、真実を知ったら、そんな過酷な運命を娘に選択させるように誘導した一誠を恨むと思うよ。自分は高みの見物してって感じで。

そう、彼はいつも高みの見物。自分のせいで失明した妻という絶対守らなければならない存在を盾に春菜を近づけることはしない。

なぜそうなったかイマイチよくわからないのだけど、突如赤坂の料亭で二人で食事することになる。

その時の一誠の上から説教もムカついたのでした。

憎むべきオトコの子供を愛せないかもしれないという春菜に 愛せなければ愛するふりをすればいい。とアドバイス。その方が普通に愛すべきものを愛するより人間として崇高なんだとか(意訳)
そして、最悪なパターンで妊娠しちゃった修道女であった彼女にも性の喜びみたいなモンを経験できるといいね、ボクは妻がいるからその資格ないんだなぁ みたいな(意訳)
実はボクね、君に逢うのこれで最後にするつもりだったけど、青年になった頃のお腹の子も見たいし、その頃の君にも興味あるから20年たったらまたこの料亭で逢おうね!(意訳)

ホントに許せん、この男は!
許せますか?特にムスメを持ってる女性のミナサマ! 


あ~ 書いてちょっとすっきりした。

あっでもこの本のラストの情景は美しいよ。偶然街に出て秋葉原で山手線に乗って目黒に向っている春菜が並行して走っている京浜東北線の中に一誠とその盲目の妻を見つけるのね。電車は数駅、追いついたり追いつかれたりしながら殆ど一緒にホームに入る。見つめ合う二人。
そしてその電車がやがて違う方向へと行ってしまう事を承知している読者としては、ちょっと固唾を飲んでその行方を見守る。
そのまま涙を流しながら離れて行く電車の中何もできなかった春菜。情感あふれるラストシーンだと思った。

    ☆ ☆ ☆


また別のムカツキ話だが、関連あるのでもう一つ さきほどyahooニュースを読んでいたら、こんな記事を見つけた。

  AFP=時事】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は11日、南スーダン軍が民兵への報酬として、女性へのレイプを許していると述べ、南スーダンを「世界で最も恐ろしい人権状況の一つ」と評した。

【AFP記者コラム】「レイプキャンプ」の衝撃、南スーダン内戦

 OHCHRは、新たに発表した報告書で「評価チームが受け取った情報によると、(政府軍の)スーダン人民解放軍(SPLA)と合同で戦闘に参加している武装民兵たちは『できることは何をやってもよいし何を手に入れてもよい』という取り決めの下で、暴力行為を繰り返している」と述べた。

「それゆえ若者たちの多くが、報酬として畜牛を襲い、私有財産を盗み、女性や少女たちをレイプしたり拉致したりした」と報告書は付け加えた。

 また、OHCHRは報告書の中で、反政府勢力を支持していると疑われた民間人らが、子どもたちを含めて、生きたまま火を付けられたり、コンテナの中で窒息死させられたり、木から吊るされたり、バラバラに切り刻まれたりしていると述べた。

 ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は、残忍なレイプが「恐怖を与える道具、そして戦争の武器として」組織的に用いられていると指摘し、南スーダンは「世界で最も恐ろしい人権状況の一つ」だと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News


先ほど紹介した本の上巻で描かれている事が、今現在地球上で行われている。
痛ましすぎて言葉もないが、それもまた事実らしい。

それでムカついたのは 国連が先日日本に文句つけてきましたよね。夫婦別姓を認めろ、従軍慰安婦問題をとにかく認めて謝り続けろ、直前に削られたらしいが女性天皇認めないのは女性差別などとに皇室問題まで口を挟んできたこと。
こんな内政干渉してるより、もっと急いでやんなきゃいけない女性差別以上の要件ってあるのじゃないですかね?

言いやすい所にだけ文句つけるんじゃねーっての。ホント日本って人がいいよね。




コメント (2)
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