オトコは東京湾をのぞむ、高層マンションの高層階に一人住んでいるのである。
暮れて行く都会の景色が目の下に広がる。
オトコの部屋には余分なモノがなく、厳選されたスタイリッシュなものだけが置かれている。
この日のテーマはアルザス会
フランスの北の方、ドイツの国境に近い地方のワインと食事
ゲストは私を含めて7人
オトコは一人チューボーで立ち働き、ちょうどいいタイミングでコース料理を作り、運び、それに合うワインも注いでくれる。
まずアルザスの泡と
桜海老のタルトフランベ
リースリングと
焼きナスムース
ピノには
タンとグリーンペッパーのテリーヌ。
スティルトン
マウステールチーズ
このチーズのクセが繊細な赤にマッチして
ゲヴェルツには
ワンスプーン ボワグラ
「フォアグラは一口でパクッといって、グビッと流し飲んでねー」とオトコ
ゲヴェルツのちょっと絡み付くような甘味と華やかな香りがフォアグラの脂肪と焦げの香ばしさと渾然一体となって喉を滑り落ちていく快感
自然派の白には
サーモンのシュールート和え生臭のないサーモンのまったりとした食感を、シュークルートの酸味が
ひきしめる。これもベストマッチ
ベッコフ(リースリングの煮込み)
ガトーショコラ
スイーツまで作るオトコ
「ボクね、ほんとはスイーツ得意なんだ」
君はいったい何者なんだ!!
アルザス特有のなで肩のボトルが7、8本並ぶ頃には、酔っぱらいの出来上がり。
思えば、私がワインに興味を持ったきっかけがアルザスのリースリングだった。
当時、博多で一番ワインが揃ってるってフレンチで、グランソムリエさんに勧められて飲んだのがこの銘柄。
もともと酸味が好きなので、こんなにワインって美味しいんだ!と感動したのが最初。
あれから幾年…酒量は増えたが体重とΓGTPは増えないのは幸いである。(油断大敵だが)
歌う人も(笑)
夜は更けて…
お開きの前には
「次は何にする?イタリアンもいいよ。北と南で料理とワイン揃えるよ。どっちがいい?」
ホントに君はナニモノ?
本業は出来るサラリーマン
料理は趣味の範疇ってのが驚き
独身ですよ、世の中の独身女性たちよ、ほっとくのはもったいないねぇ
この会の第一回めは帰り道の地下鉄で爆睡してしまい、都内の南東から北西まで移動して、終電を乗り継いで帰宅に一時間半かかったが、この日は無事に帰宅(笑)