ふらんす日記 パリ編を書こう書こうと思っておりましたが、局家に一昨日事件が勃発して、それどころでなかったのであります。
少しでも期待して覗いてくださったみなさま もうちょっとお待ち遊ばせ。
そして今日のタイトル べんこし は 弁護士での打ち間違いではありませぬ そして食事前後のミナサマは閲覧注意とあらかじめ申し上げておきます
話は一昨日にさかのぼる
この日の夜、ワタシは代々木の某ポ☆トガル料理店に居た。
ワタシの友人が主宰し、ワタシも習っているタイルの教室がこの秋で2周年を迎えてそのささやかなお祝いを縁のある処でということで開かれたのである。
前にも書いたがポル好きの人はどことなくおっとりしていて和む人たちが多い。そしてこういう所で絵を描こうという人たちは他にもフラメンコギターをしていたり、版画を描いていたりで、一緒に話していて刺激も受ける方たちばかりである。
ワタシも末席でって感じで(実際は大きな顔してますがw)楽しい宴会に参加させてもらった。
そしてこのレストラン・・・!
とにかく美味しいのである。何食べても期待を裏切られない、いえ期待以上の味で楽しませてくれる。
この日はですね、
サラダ三種 ニンジンのオレンジ風味 きくらげとパクチー 豆のサラダ
ワタシもここのサラダを食べてウチで味の再現を試みるんだけど どうしても越えられないプロの味である。ホントおいしい 一味違う
白の微炭酸ワイン これが料理にあうんです
タコのてんぷら
温野菜をアンチョビソースで和えたものと豆腐を麺状にして乾燥させてから戻したもののサラダ(豆腐麺も自家製)
ワインを替えて
鶏モモのハム マルメロジャム添え 鶏ハムはワタシでもできる味だったけどジャム添えってのは新鮮だった。マルメロジャムも自家製だそうだ。皮剥くのに3時間かかったとシェフ曰く・・・
秀逸だった鯛のリゾット めっちゃくちゃおいしかった
チョコレートのデザート これを一口でぱくっといってからコーヒー飲んでくださいと指示あり。これもおいしかった~~
と、十二分に満足、満腹、ここでお開きになってウチに帰ってその日が無事に終了すれば、幸せな一日で話が終わったのである。
ところが・・・好事魔多しってホントだね。
ちょうどよく酔っぱらってウチに帰ったワタシ。この日はオットは職場泊、ウチにはムスメが両側に犬を従えてソファでDVDなどを見ていたのである。
ムスメと話しながら私はピアスをはずそうとした。したら手元が狂って片っ方がコロコロ転がっていってしまったのである。
あれまっ 悲しいかな乱視に老眼も入ってきつつある今日この頃、暗がりで小さなものを探すのは非常に難しいお年頃である。
ムスメに「ピアス落としちゃった。あなたキリがいいところになったら見つけてくれる?」と頼んだのである。
ムスメはめんどくさそうに、それでも 「どんなの~~?」と言ったので、ワタシは残った片方をつまんで娘の目の前で
「ほら、これの片方よ」とそのアメジストがフックの先についているピアスをムスメの鼻先に持って行ってブラブラさせたのである。
そしたら、そしたらである。いつもは動作ももっさり機敏に動くことがなくなっている老犬が、その時急に立ち上がり、ワタシが指先で軽くつまんでいたピアスに向かって突進して、あろうことかパクッとそれを口に入れたのである。
いつもはこんなにモッサリしてるのに
起こったことが信じられずに その後我にかえってあせって 「あら~ ポロちゃんがピアス食べちゃった!」とワタシが言うとあせったムスメは犬の口を開かせてそれを取ろうとする。今考えれば、薬もチーズの中に入れて食べさせても嫌いな味だと上手に吐き出すヤツのことである。そのままにしておけば吐き出したかもしれないのに、ワタシもムスメもよほどあせったのが刺激になったのか、我が愛犬はピアスをそのまんま飲みこんでしまったのである。
「ひ~~~~ どうしよう???」 家の犬たちはいたずらはするがあまり異物を飲みこんだことはない。それなのによりによって金属が曲げられてひっかかりそうなピアスである。
ワタシはいっぺんに酔いが覚めてしまった。
昼間だったらすぐ獣医だが、あいにくもう日付もかわるころである。
しばらく様子を見たが、愛犬はけろっとして何も変化はなかった。
とりあえず明日の朝一で獣医に連れて行こうとワタシとムスメはやすんだが、心配で殆どその夜は眠れなかった。
そして次の日(昨日)朝何事もなく元気なポロにほっとして、一応餌をやってみた。いつもと同じ量を食欲旺盛で食べて、その後吐き出しもしないのでひとまずほっとする。しかしその後いつもの量のウンチをしないのでまた心配になり、獣医にそのまま連れていったのである。
あいにくいつもの赤ひげ獣医は休みであった。
ネットで調べて評判も良さそうな設備の整ったところに連れて行った。
若くてイマイチ頼りがいのなさそうな先生だったが、感じは良かった。
話を聞いてまずはレントゲンですねとレントゲン撮影。診察室のパソコンですぐさまその画像が見られるようになっている。
ピアスはちょうど胃の下あたりに見えた。やっぱり飲みこんでお腹の中に入っていたのである。
「う~ん 入ってますねえ」と先生
「胃は通り越したんですね。でもこれだと小腸か大腸かわからないんですよね。このままうんちと一緒に出れば問題はないのですが、出ないとなると最悪の場合は開腹手術になりますねえ・・・」
「開腹ですか・・・ でもこの子もうすぐ15歳だからなるべく手術は避けたいんですよね」
「そうですよね。確かに麻酔のリスクは高くなりますから・・・ あと一日様子を見ましょう。うんちが出たら調べてください。もし出なかったら造影剤を飲ませて腸のどの位置にあるか明日調べましょう」
「そうですか 先生。はっきり伺いますが、こういったケースで自然に出る場合とダメな場合の確率ってどのくらいなんでしょうか?」
「う~ん 半々ってところですね。ただね、形状がひっかかりやすい物ってのが心配ですね。犬の場合食べたものが胃から腸に移行するのは2時間くらいなんですよ。それを思うと今の位置にあるってことはやはりちょっとどこかでひっかかったかひっかかってるって事なのかもしれないです」
「仮にこのままにしておくとどうなるんですか?」
「腸閉塞になったり 嘔吐したりになりますねえ・・・」
ガ~~~ン
「どうぞお大事に。もし出なかったら明日の朝ご飯を食べさせずに連れて着てください」という先生と助手さんの言葉をうつろに聞いて 初診料+レントゲンなどの費用8000円くらいを払って(赤ひげ獣医だと5000円超えることはまずないのだが、まあそんなにぼったくりって程じゃないと思う)ウチに帰ったのである。
その日は仕事もあったが、キャンセル。ポロちゃんの一挙手一投足を見つめて過ごした。
その後おやつの後に一度うんちをしたが、残念ながら出てこなかった。
前の日寝てないのと食欲もないのとでご飯を食べる気も作る気もならなかったが、いつもより早くオットが帰ってきてしまった。
その時オットには初めて事の経緯を話した。
「まだ出ないのよ~ このままにしといたら開腹だってよ。ワタシの責任でポロちゃんにつらい目に合わせると思うとかわいそうでかわいそうで」とワタシは泣かんばかりであった。
「そんな心配しなくても大丈夫だよ。2・5cmのピアスだろ 多分出てくるって」
「だってもう1日経つんだよ。まだってことはどこかで引っ掛かってるんじゃないの?」
「それよりお前さ、俺たちの食べるもんもまだないんだろ。くよくよしても仕方ないからなんか食べにいこうぜ」
とオットはワタシを連れ出し、お気に入りの蕎麦屋へ向かったのである。
蕎麦をすすりながら
「あのくらいなら出るよ。爺さん婆さんも部分入れ歯とかよく飲みこむんだけどたいていは出てくるぞ。」
「ホントに? 出てこなかったらどうなるの?」
「あのくらいじゃ腸閉塞になんてならないって。問題なのは腸に食い込んでやぶれて腹膜炎になったら困るってだけだよ。そんな今くよくよしても仕方ないだろ」
と 食事中にもかかわらず犬のウンチの心配をする中年夫婦であった。
「今頃、ウンチしてるかもしれないね。今日一日ポロちゃんのウンチを調べてそれもあって食事作る気が失せたのよ」
「お前な、じぶんちの飼い犬のウンチなんて知れてるだろうが。こっちなんてな、昔はポリープを内視鏡でとったあとはそれが便に出てくるかどうかってのを調べたんだぞ!」
「げっ それはしたくない作業だね」
「ベンコシって言うんだぞ それ以上詳しくは言わないけどさ」
べ・・ベンコシ・・・・ (想像したくない)
しつこく言うが蕎麦を食べながらの会話である。
とここまで長くてすみません。
そしてウチに帰って・・・
前の日泊り仕事だったオットはワタシより早く寝室に上がってしまった。
そしてムスメが帰ってきた。ムスメも心配だったらしく、その日は何度もメールがあったし、獣医での件とまだ出てこないということを話したらがっかりしていた。
そしてしばらく経って、ポロがむっくり起き上ってシートのある自分のトイレに向かった。そしてウンチ体制に入っている。
「あっ結構大量だよ 今度は出るかも」
手に汗にぎってウンチする犬を眺める母娘・・・!
そしてこころなしかすっきりした顔で戻ってきた愛犬。
ウンチに飛びつくワタシ。
ちなみにですね。どうやって便の中身を調べたかと言うと、透明なビニール袋を三枚重ねにしてそれでウンチを掴み、しっかり袋の口をしばって内容物を揉み揉みしたのである。(愛がなきゃできないよね)
そしてその日三度目のウンチ揉み揉みで、ワタシの指先に当たる堅い金属の感触!
「あった!!」 その時の喜びと安堵感!
更に調べると(ウンチをかきわけて)フック部分とアメジスト部分とちゃんとピアスの全容が認められた。
「あったの?」とムスメ
「あったよ 完全に出たよ!」と万歳する母。(ウンチを片手にもったまま)
こうして ほぼ丸一日経って、ピアス飲みこみ事件は大事に至らずに終わったのであった。
今朝からポロちゃんは食欲もあり、元気である。
寒くなるとぴったりくっついて寝る二匹
もちろんもうすぐ15歳という高齢犬、脂肪腫はあるし、何か病気になったり老衰になったりの覚悟はあるが、ワタシ自身の不注意で彼に辛い思いをさせてしまうかと思うとすまない思いと心配でホントに今回はまいった。
もちろん私が悪いが、そこをまるで責めなかったオットにもムスメにも感謝している。
が・・・
「出たよ~~」とオットに報告に行ったワタシ(さすがにウンチ袋は捨てたあと)
「良かったな これでゆっくり眠れるな。 しかしお前バカだな」このタイミングでバカと言われても怒る気にはならないが・・・
その後ムスメは
「ママが必死にウンチ袋持って喜んでるところFBにアップしたらイイネが40個ついたよ」
知らないうちに写真にとられてたらしい。
やっぱりウチの家族って油断ならないわっ!
ふらんす日記は明日から再開します(多分・・・ 事がなきゃ)