実家に帰った二つ目の目的は、娘の振袖の用意をするためである。
再来年に成人式を控えた娘のところにはどこで調べるのか呉服屋からのダイレクトメールが何通も舞い込む。一応見てから捨てているが、全国チェーンのYやSなどの着物は、パンフレットを見るたびに悲しくなってくる。好きな人には失礼だけど、私はどうも趣味じゃない。とくにSのディスニープリンセス振袖 着物と帯で100万くらいのお値段なんだけど・・・ くれるといっても娘には着せたくない。
呉服業界も売れなくて大変なんだろうけど あんまりあざとい商売はして欲しくない。もっと古典的な柄や色で美しいものを作ればいいのに。それがいいという若い子たちも多いと思うのに。
娘とそういうパンフを見ながら 「振袖どうする? 私のがあるんだけど見に行く? 昔の物の方が私は好きだけど」と言ったら見に行きたいとのこと。
母に頼んでおいて 私が着た振袖類を出してもらっておいた。着物と帯と何組かを広げると座敷が華やかに彩られる。着物っていいなあ・・・
これは OOの時の着物、これは××の時に着た着物。。。 その時着付けてくれた人や、それを着た私を見て嬉しそうにしていた亡くなった祖父母の顔。着付けがきつくて苦しかったことや晴れがましかったこと。着物にまつわる思い出というのは はっきり色づいて蘇るのはどうしてだろう?
そして 家の娘が選んだのは、なんと50年近く前に母が結婚式に着たという振袖だった。写真は私が適当に彼女に着物だけ洋服の上から着付け、帯をペイントソフトで落書きしたものだが、それを着て嬉しくてポーズを決めているアホ娘である。
着物は縮緬地に友禅模様で松竹梅が描かれ、金糸や刺繍がふんだんに使われている豪華なものだった。当時、京都で母の父が娘の結婚式のために染めさせたものらしい。長襦袢は真紅の綸子で絞りが入っているといった凝ったもの。帯は全通の丸帯で、ものすごい厚みのあるもの。つづれの上に裏表に刺繍がびっしりしてあり、これじゃ結ぶのが怖いよ~というより、私の着付けの技術じゃ無理(今時の経験の少ない美容師でもおそらく無理)というような代物であった。
大事にとってはあったらしいが、さすがに薄い染みが数箇所とんでいるし、裄も短いので、着物の方は、洗い張りに出して、仕立て直すことにした。帯も丸帯を表裏をひっぺがして二本にできるかどうか呉服屋に相談してみることにした。多少お金もかかるだろうが、新品を買うよりははるかに安上がりであろう。(あ~助かった)
それにしても、着物というのはなんて不思議な衣服だろうか。半世紀も前のものが祖母から孫娘に受け継ぐことができるなんて・・・
着物も帯もデザイン的には全然古臭くない。むしろ 松の葉の重なりの構図や色使いはとても斬新である。
着るものに、とてもとてもこだわる娘も とても満足そうだった。
日曜日の午後 女三代で 細雪ごっこをして 東京の我が家に車で帰った。
再来年に成人式を控えた娘のところにはどこで調べるのか呉服屋からのダイレクトメールが何通も舞い込む。一応見てから捨てているが、全国チェーンのYやSなどの着物は、パンフレットを見るたびに悲しくなってくる。好きな人には失礼だけど、私はどうも趣味じゃない。とくにSのディスニープリンセス振袖 着物と帯で100万くらいのお値段なんだけど・・・ くれるといっても娘には着せたくない。
呉服業界も売れなくて大変なんだろうけど あんまりあざとい商売はして欲しくない。もっと古典的な柄や色で美しいものを作ればいいのに。それがいいという若い子たちも多いと思うのに。
娘とそういうパンフを見ながら 「振袖どうする? 私のがあるんだけど見に行く? 昔の物の方が私は好きだけど」と言ったら見に行きたいとのこと。
母に頼んでおいて 私が着た振袖類を出してもらっておいた。着物と帯と何組かを広げると座敷が華やかに彩られる。着物っていいなあ・・・
これは OOの時の着物、これは××の時に着た着物。。。 その時着付けてくれた人や、それを着た私を見て嬉しそうにしていた亡くなった祖父母の顔。着付けがきつくて苦しかったことや晴れがましかったこと。着物にまつわる思い出というのは はっきり色づいて蘇るのはどうしてだろう?
そして 家の娘が選んだのは、なんと50年近く前に母が結婚式に着たという振袖だった。写真は私が適当に彼女に着物だけ洋服の上から着付け、帯をペイントソフトで落書きしたものだが、それを着て嬉しくてポーズを決めているアホ娘である。
着物は縮緬地に友禅模様で松竹梅が描かれ、金糸や刺繍がふんだんに使われている豪華なものだった。当時、京都で母の父が娘の結婚式のために染めさせたものらしい。長襦袢は真紅の綸子で絞りが入っているといった凝ったもの。帯は全通の丸帯で、ものすごい厚みのあるもの。つづれの上に裏表に刺繍がびっしりしてあり、これじゃ結ぶのが怖いよ~というより、私の着付けの技術じゃ無理(今時の経験の少ない美容師でもおそらく無理)というような代物であった。
大事にとってはあったらしいが、さすがに薄い染みが数箇所とんでいるし、裄も短いので、着物の方は、洗い張りに出して、仕立て直すことにした。帯も丸帯を表裏をひっぺがして二本にできるかどうか呉服屋に相談してみることにした。多少お金もかかるだろうが、新品を買うよりははるかに安上がりであろう。(あ~助かった)
それにしても、着物というのはなんて不思議な衣服だろうか。半世紀も前のものが祖母から孫娘に受け継ぐことができるなんて・・・
着物も帯もデザイン的には全然古臭くない。むしろ 松の葉の重なりの構図や色使いはとても斬新である。
着るものに、とてもとてもこだわる娘も とても満足そうだった。
日曜日の午後 女三代で 細雪ごっこをして 東京の我が家に車で帰った。