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さて 秋の景色の中、邦楽の会の前哨戦としてのお茶会。お客様にゆったりなごやかな雰囲気でお茶を召し上がっていただきたい、私たち 水屋 お運び連もテキパキかつなごやかに事をすすめていたのである。
ところが・・・
今回は昼の部と夕方の部と二回にわけての展開 それぞれお客様は40~45人くらいずつという予定だった。
お菓子は余裕をみて5種類で計100個くらい用意してあった。
水屋連はそれを 懐紙の上に並べ楊枝を添えてお盆にいくつか彩りを考えて置いて、ワタシはそれをお運びしてお客様にお取り回ししていただいていた。お運びが一段落するとワタシもお菓子の用意なども手伝っていた。
お菓子準備中
ところが 昼の部のお茶会がそろそろ終わるという時間
お菓子準備係だった Aさん Eさんが
「あら~~ どうしてかしら? 黒文字(楊枝)が足りないわよっ!」
私たちがお菓子一つ一つに添えていた楊枝(矢印の小袋)が あとお菓子が50個ほど残っている状態で残り10数個くらいになっていたのである。
「あら ホントだ これじゃ夕方の分が足りないわ!」
私たちはどこかに隠れているのではないかとお菓子が入っていた紙袋の中や 空いた紙箱の中 下に落としたかと思って机の下などもはいずって探しまくった。
しかし何所捜してもそれ以上の楊枝の袋はない。水屋の様子を見に来たFさんに
「楊枝が足りないのよ~ 夕方の部始まるまでにどうにかしなきゃ」と訴えた
「もう一度よく捜して! なかったら たねやさんに持ってきていただかなきゃ」とあせりつつも指示を出してまた広間に戻っていった。
「困ったわね~」そりゃ~お茶会の席で手づかみで生菓子を食べていただくわけにはいかないではないか。
「いざとなったらコンビニに行く? でも爪楊枝くらいしか売ってないわよね」
「爪楊枝じゃ体裁悪いわよね~」
「まったく たねやさんもどうしてこんなことになるのかしら?」
とたねやさんを疑っていた。
ところが 一番冷静沈着なEさん・・・
「ね、もしかしたら・・・ この楊枝の袋の中 まとめて入っているんじゃないかしら?」
はっとして顔を見合わせる水屋連
早速袋を破ってみたら ちゃんと黒文字が3本ずつ入っていた。
そりゃ~ それを一人一人に出せば足りなくなるはずである。
前回書いた でたらめ銘といい 再度たねやさんごめんなさい である。
「しまったわね~~」 と あせりつつ 紙袋から出して黒文字を数えてみたら 36本 これでは午後の部は足りない。最低でも50本は用意しておかないと心元ないではないか・・・
お茶会でお菓子を食べたあとは 懐紙に黒文字を包み持ち帰るのが普通である。
それならば 帰るお客様は余分の黒文字も持っているはず・・・・
「こうなったら仲間内つかまえて回収するしかないわね」
トホホであるが それしかないではないか・・・
師匠の舞いの高弟子さんたちやお茶関係のエライ方などにはそんなこと頼めないが、着物の会などの仲間なら快く応じてくれるであろう。
お運び業務が終わったワタシはさりげなく玄関付近で気の置けない人を呼び止めて
「ねえ 申し訳ないんだけど 黒文字の袋返してくれる? 」と頼み フトコロや袂やバッグの中から黒文字を回収するという業務にあたったのである。
校門でマジメな生徒を待ち構えてカツ揚げする着物姿のスケバンのような図であろう。迫力ないけど・・・
舞台友Nにも当然頼んだが
「まったく局は 何かやらかすね~」とあきれられてしまった。 ワタシのせいだけじゃないんだよ~~~
そして回収した黒文字は 使用済みのものと一緒になっているのもあったので 裏方で洗って乾かしてという過程をへて夕方の部に備えられた。
真剣に 45、46、47・・・ と黒文字を数えるAさん。 その数が50本を越えたとき
「これなら大丈夫よ~~~!!」と手を取り合って喜んだ私たちであった。
楊枝でこんなに気をもんだり安心したことは初めてである・・・
余ったお菓子をお持たせにしていただいたのでウチでゆっくりいただく。
これは 菊ちとせ 秋らしい華やかなお菓子だった。
“菊の香もほのかにやどる綿帽子”
秋におこなう着世綿は、菊の夜露をふくんだ綿で体を拭き、長生きを願うもの。いつまでも健やかにと、願いを込め菊に綿をかぶせます。
たねやのHPを見たら ちゃんと句まで添えられていた。お運びするにもちゃんと勉強しておいてこれくらい答えられないといけないってことね。そして楊枝の数の確認は必須。
しかし こういう失敗はあとで笑いのネタになって結構思い出になるのよね。
さて 秋の景色の中、邦楽の会の前哨戦としてのお茶会。お客様にゆったりなごやかな雰囲気でお茶を召し上がっていただきたい、私たち 水屋 お運び連もテキパキかつなごやかに事をすすめていたのである。
ところが・・・
今回は昼の部と夕方の部と二回にわけての展開 それぞれお客様は40~45人くらいずつという予定だった。
お菓子は余裕をみて5種類で計100個くらい用意してあった。
水屋連はそれを 懐紙の上に並べ楊枝を添えてお盆にいくつか彩りを考えて置いて、ワタシはそれをお運びしてお客様にお取り回ししていただいていた。お運びが一段落するとワタシもお菓子の用意なども手伝っていた。
お菓子準備中
ところが 昼の部のお茶会がそろそろ終わるという時間
お菓子準備係だった Aさん Eさんが
「あら~~ どうしてかしら? 黒文字(楊枝)が足りないわよっ!」
私たちがお菓子一つ一つに添えていた楊枝(矢印の小袋)が あとお菓子が50個ほど残っている状態で残り10数個くらいになっていたのである。
「あら ホントだ これじゃ夕方の分が足りないわ!」
私たちはどこかに隠れているのではないかとお菓子が入っていた紙袋の中や 空いた紙箱の中 下に落としたかと思って机の下などもはいずって探しまくった。
しかし何所捜してもそれ以上の楊枝の袋はない。水屋の様子を見に来たFさんに
「楊枝が足りないのよ~ 夕方の部始まるまでにどうにかしなきゃ」と訴えた
「もう一度よく捜して! なかったら たねやさんに持ってきていただかなきゃ」とあせりつつも指示を出してまた広間に戻っていった。
「困ったわね~」そりゃ~お茶会の席で手づかみで生菓子を食べていただくわけにはいかないではないか。
「いざとなったらコンビニに行く? でも爪楊枝くらいしか売ってないわよね」
「爪楊枝じゃ体裁悪いわよね~」
「まったく たねやさんもどうしてこんなことになるのかしら?」
とたねやさんを疑っていた。
ところが 一番冷静沈着なEさん・・・
「ね、もしかしたら・・・ この楊枝の袋の中 まとめて入っているんじゃないかしら?」
はっとして顔を見合わせる水屋連
早速袋を破ってみたら ちゃんと黒文字が3本ずつ入っていた。
そりゃ~ それを一人一人に出せば足りなくなるはずである。
前回書いた でたらめ銘といい 再度たねやさんごめんなさい である。
「しまったわね~~」 と あせりつつ 紙袋から出して黒文字を数えてみたら 36本 これでは午後の部は足りない。最低でも50本は用意しておかないと心元ないではないか・・・
お茶会でお菓子を食べたあとは 懐紙に黒文字を包み持ち帰るのが普通である。
それならば 帰るお客様は余分の黒文字も持っているはず・・・・
「こうなったら仲間内つかまえて回収するしかないわね」
トホホであるが それしかないではないか・・・
師匠の舞いの高弟子さんたちやお茶関係のエライ方などにはそんなこと頼めないが、着物の会などの仲間なら快く応じてくれるであろう。
お運び業務が終わったワタシはさりげなく玄関付近で気の置けない人を呼び止めて
「ねえ 申し訳ないんだけど 黒文字の袋返してくれる? 」と頼み フトコロや袂やバッグの中から黒文字を回収するという業務にあたったのである。
校門でマジメな生徒を待ち構えてカツ揚げする着物姿のスケバンのような図であろう。迫力ないけど・・・
舞台友Nにも当然頼んだが
「まったく局は 何かやらかすね~」とあきれられてしまった。 ワタシのせいだけじゃないんだよ~~~
そして回収した黒文字は 使用済みのものと一緒になっているのもあったので 裏方で洗って乾かしてという過程をへて夕方の部に備えられた。
真剣に 45、46、47・・・ と黒文字を数えるAさん。 その数が50本を越えたとき
「これなら大丈夫よ~~~!!」と手を取り合って喜んだ私たちであった。
楊枝でこんなに気をもんだり安心したことは初めてである・・・
余ったお菓子をお持たせにしていただいたのでウチでゆっくりいただく。
これは 菊ちとせ 秋らしい華やかなお菓子だった。
“菊の香もほのかにやどる綿帽子”
秋におこなう着世綿は、菊の夜露をふくんだ綿で体を拭き、長生きを願うもの。いつまでも健やかにと、願いを込め菊に綿をかぶせます。
たねやのHPを見たら ちゃんと句まで添えられていた。お運びするにもちゃんと勉強しておいてこれくらい答えられないといけないってことね。そして楊枝の数の確認は必須。
しかし こういう失敗はあとで笑いのネタになって結構思い出になるのよね。