先々週末のこと、(毎日忙しすぎて記事アップ間に合わず)アメリカ某都市在住で国際結婚をしている従兄弟の娘をアテンドした。
ボストンの大学で美術を学び、研究のために日本に短期留学する学費が支給されたらしい。
「局ちゃん、ボク驚いちゃったよ。子供たちが一人で色々頑張ってくれてるんだ」と、子供たちがみんな優秀らしいが、あくまでも従兄弟は言っちゃ悪いがお坊っちゃまがそのままお殿様になったキャラである。
暴君でなくて好きに計らえ的なお殿様だからいいけど、のんびりしていてせっかちなワタシには情報供給が遅すぎる。
ギリギリになるまで娘ちゃんの予定を知らせてこなくて、こちらもやきもき。
しかも「はな(仮名)は殆ど日本語しゃべれないんだよね 今思えば家庭内で日本語も使っておけばよかったなあ」とも。
げっ 初対面の従兄弟の子(日本語しゃべれず)を一人で一日アテンドかよ~ しかも美術系 どこへ連れてけばいいんだ?
しかしこういう時に力強い味方はムスメである。ムスメも美術系だし、都合の良いことになぜか友達は優秀かつ語学堪能な子がそろっている。
ってことで、ダンス仲間の帰国子女のYちゃんもお昼ごちそうするから半日よろしくってことでつきあってくれることになった。
原宿で待ち合わせ やはり若い娘同士楽しそう
はなちゃんは 同年代の日本人の若い子でもあまり知られてなさそうな、日本の伝統工芸に興味を持ち、その研究と体験をするために関東から北陸、中国地方を移動するんだそうな。
まずはランチねってことで
表参道のしゃぶしゃぶの店へ ここはカウンターにおひとり様用の鍋が置けるスペースがしつらえてあって一人しゃぶしゃぶやすき焼きが食べられる。
はなちゃんは箸使いも美しく、楽しそうにしゃぶしゃぶを食べていた。
十穀米とか春雨とかの通訳に悩むYちゃんであった
話ながらわかったのだが、現地の大学では授業だかサークルだかかはわからないが、茶の湯も経験できたとのこと。
ハーフで英語しかしゃべれないはなちゃんの口から「わび」とか「さび」とかという単語がでてきたので一同びっくりしたのであった。
その後は こちらのイベントへ
紙の専門商社によるペーパーショー
様々な表情を見せる紙たち。美しさと機能と可能性。
従兄弟に言わせると、兄弟中で一番シャイで無口だと言うはなちゃんが、展示物に目を凝らして、顔を紅潮させて、見終わってから
perfect! と。喜んでくれたようで良かったと思った。
その後竹下通りへ
表参道には良く行くが、ここの喧噪には足を踏み入れたくないワタシには久しぶりの空間。
驚いたのは観光客(しかも外人率)の多さ。通りを歩くにも困難な人混み、アジアの市場感のある店構えの中を実に楽しそうに歩いたり写真をとったり店をひやかしたりしている。
従兄弟の家はカナダに近いところの森と湖の多い地方とのこと。
日本の建物はみんなくっついて建っていておもしろい と はなちゃん。
ここで感心したのは、はなちゃんの気配りであった。比較的大きなリュックを背負っていたのだが、狭いところではお腹側に回し、周りを見て、人に譲るところはちゃんと譲りながら店に入ったりしている。
さきほどの食事での箸使いの綺麗さ、ご馳走した時の御礼の確かさ。
日本人の若い子よりよほどしっかりしてるんじゃないか と ムスメも言っていたほどであった。
さすがお殿様のムスメである。
夕方から用事があるというムスメとYちゃんと原宿駅で別れて
「日本の神社やお寺をたくさん見たい」というはなちゃんのリクエストにこたえて
明治神宮に行った。
ちょうど盆栽展などもやっていて一生懸命撮るはなちゃん。
鳥居や手水を取るところ 絵馬をかけるところ おみくじ・・・
「あれは何?」というはなちゃんに説明するのに多少四苦八苦しつつ、line翻訳に助けを借りながら お参りの作法の説明もどうにかこなした。
ここでも驚いたのはガイジン率の高さであった。一目でわかる白人、黒人系の方も多いが、日本人かな?と思うと中国語、韓国語も飛び交っていて、参拝の人たちは明らかにガイジンの方が多かった。
いつからこうなったのであろう? 観光でお金が落ちるのはいいかもしれないけど、あまり彼らに迎合することなく伝統は伝統で守って欲しいなとも思ったりもする。
この日はムスメと友達の助けを借りながらも 日本料理(しゃぶしゃぶ) 彼女の興味の対象のイベント 竹下通りの喧噪 神社と 東京の色々な顔をコンパクトに見せてあげられた。
はなちゃんがスーツケースを預けている表参道駅まで戻りながら、これから日本でのスケジュールを聞くと、ほぼ一人でJRを使って移動、それもグーグル先生を頼りながらの移動である。
日本語もあまりしゃべれない若い娘の一人旅というと心配だけど、浮ついたところがなくて堅実でしっかり周りを観察している様子の彼女を見て、この子は大丈夫じゃないかなと確信。
その後お殿様とラインしてはなちゃんが元気に研修を続けている様子が伝わってきた。
彼女の片方のルーツである国でたくさん楽しく学んで行って欲しい。