三日目はシュトゥットガルトを後にして フュッセンのノイシュバンシュタイン城に向かった。
こちらはバイエルン国王であったルードヴィヒⅡ世が建てた城である。
ルードヴィヒⅡ世に関しては生涯独身、謎の死、などで有名であるが、若い頃の191cmの長身(ダルビッシュと同じよね と本Oさん解説)のイケ面が、遊蕩の末ぶくぶくになった晩年の肖像など興味深い人物像である。
彼の生きた時代、この城の建てられた年を見ると たかだか江戸末期から明治になるかならないかの時代なんだな と 気づいた。
そういわれれて見れば、いかにも中世風をなぞってはいるが前の日に見たハイデルベルグや翌々日に見たバンベルクなど 本当の中世の建物に比べるとなんとなく軽いというか近代的というか、やっぱりディズニーランドのシンデレラ城のモデルとなったり、それを真似した街道沿いラブホっぽい雰囲気がか~すかに漂うのは私の言いすぎかしら?
でも、まじめに政治もしないで、権力意識だけ持って、国の税金を自分の遊興と趣味に費やすというのもチャマテイストが漂ってあまり好感のもてない王様である(私的にはですよ)
とは言うもの、雪の背景の中、山道を登っていく私の頭上にぼんやりと見えてきた城はやはり偉容であった。
馬車ものんびりと山道を登り降りしていた。
城の内部も案内付きで見る事ができたが、順番待ちのため入り口前の広場で一緒になったのが中国人のツアー客だった。はるばるドイツまで来れるのだからお金持ちなんだろうが、あたりをはばからないおしゃべりと笑い声と、周りの迷惑を考えずに雪だまを投げあったりのうるさいこと。ヨーロッパの風景の中で異常に目立っていた。
内部はルードヴィヒⅡ世の愛したワーグナーの歌劇の場面の豪華な壁画が描かれ、彼の寝室のベッドなど何人もの彫刻家が長い期間を費やして彫ったというレリーフで飾られたものなど見る事ができた。
どれも美しかったがやはり彼の偏執的な趣味の欠片が感じられる気がした。
その後またバスにのり、ミュンヘンに。
アウトバーンは噂にたがわずすっとばしている車が多かった。殆どがドイツ車。これだけ日本車を見ない所は初めてである。さすがベンツのふるさとですね。
途中までは順調に来たが、この日の泊る都市、ミュンヘンに入ると渋滞にはまってしまった。
この日もミュンヘンのクリスマス市を見るということでチェックインした後にバスでマリエン広場に。
この日は本Oさんと話し合い、屋台ばかりじゃなくてレストランかビヤホールに行こうと言うことにしていたが、ヒトラーが演説したことなどで有名なホーフブロイハウスなどは一杯、他のレストランも予約でいっぱい。ウロウロしたあげくにイタリアンで食べた。
まあまあの味だったが ピルスナー&レモンなんちゃらというレモン味のビールは美味だった。
そしてこの後、この旅の最大お間抜け事件があったのである。
この日はバスのお迎えもあったのだが、私達は敢えて公共の乗り物に乗ってみようとしていた。マリエン広場から地下鉄(Uバーン)に乗って帰ろうとした。
この経路も色々エピソードがあった。
簡単に言うと、U4と言う路線に乗らなければならないのだが、もうその駅からは終電になっており(8時半なのに)U7路線で一駅乗って次の駅からU4に乗り換えなければならなかったのではる。それを知らず(正確にはそれを記してある掲示板の意味がわからず)にホームで おかしいねえと立ちすくむ 本Oさんと局は 親切なドイツ人夫婦 (片言の英語で一生懸命説明してくれて、自分たちは途中まで行くから付いて来いと言って案内してくれた人たち)に教えてもらい無事に目的の駅につくことができた。
この時に限らず この旅で接したドイツ人は殆ど親切でおせっかい?と思われるくらい世話焼きの人が多かったように思う。
そんなこんなで ようやく自分たちの泊るホテルのある駅にたどりついた。
地上に出たら 私達のホテル シェOトンの看板が見えた。
疲れていたし、やっと着いたという安堵感もあり、嬉々として回転扉を開けてロビーに入る二人・・・・
しかし・・・
「ねえ、さっきこんな所通ったっけ?」
ロビーは広く とても華やかである。さっき出てきたロビーはもっとこぢんまりしていたような・・・
「違う入り口から入ったのかしらね?」
それにしても さっきのフロントよりもデスクも大きく豪華なような・・・・
「ねえねえ ロールスロイスなんて飾ってあるわよ、絶対なかったよね、こんなの・・・・」
「うん もしかして? ここって違うホテルなんじゃないの・・・・?」
もう一度ホテルの名前を確かめると シェOトン グランデ
「ねえ 私達のホテルって シェOトン パークだったよね グランデじゃなくて 笑」
「そう言えばそうだよ ここ違うのよ 笑」
拍子抜けと共に またもや自分たちのお間抜けに気づき笑いがこみ上げてきた私たち。
フロントにパークホテルの場所を聞くと 幾分呆れたように 道を渡ってあっちだよ と教えてくれた。
どうせだからとロビーのトイレだけ借りてきた(笑)
しかし、気づかず入っていく私達って・・・・