萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:ある橋@神奈川

2014-09-05 22:00:00 | 写真:山岳点景
知られざる場所



山岳点景:ある橋@神奈川

神奈川某所の吊橋です、
そんなに長くもなく揺れもせず、だけど行先なんかアレなカンジします。

橋桁も湿度のためかコンナ↓不思議な植物が繁茂していたり、



ちゃんとコレ↑調べていないんですけど、たぶん苔や黴の一種なのかなと。

で、見かけた蛙も茶色で↓なんだか珍しかったです。

第11回旅行記総合ブログトーナメント



Aesculapius「Chiron 智者の杜 act.13」読み直したら校了です、当初の3倍ほど加筆してあります。
その続き「Chiron14」冒頭UPしました、やっぱり3倍ほど加筆します、
リクエスト小説「side story第XX話 白露」も読み直します。
第9話「黎明 act.1」このあと読み直したら2011.09.20に日付戻して時系列にします。

読み直しばかりですが取り急ぎ、笑



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第XX話 白露― side story「陽はまた昇る」

2014-09-05 09:45:04 | dead of night 陽はまた昇る
いつか、隣で
第78話+XX日後



第XX話 白露― side story「陽はまた昇る」

時雨だ、

やわらかな雨音が微睡ます、やさしい音は子守唄になる。
はたりはたり、屋根ゆるくノックする雫どこか懐かしい、そんな意識が不思議だ。
だって雨音は胎内にある音と似ているらしい、こんな自分でも懐かしむことが不思議になる。

―母さんのこと懐かしいなんて想ったことないのに、

胎児をくるむ羊水の音は雨の音、それを懐かしむなんて母恋しいと同じだろうに?
けれど自分には母恋しがるほど幸せな記憶はない、それでも今の幸せに英二は瞳を開いた。

「…懐かしいのはここだ、」

ひとりごと微笑んだ視界は天窓の雲間が青い。
まだ雨音やわらかに降ってくる、でも直に止んで晴れるだろう。
そんな観天望気に寝返りうって小窓が明るい、まだ午前の空色に今日の予定を考えだす。

―出掛けようかな、雨上がりの写真とか撮りたいだろうし、

連れて行ったら喜んでくれるかな?
そうだと良いなと願いたい人は今なにしているだろう、見つけたくて起きあがった体からブランケット落ちた。

「掛けてくれたんだ、」

薄掛けのコットンやわらかで嬉しくなる。
眠っている間に掛けてもらいながら目が覚めなかった、それだけ深い眠りに安らいだ。
こんなふうに寛げる居場所はここしかない、この幸せくれる隣を見つけたくて立ちあがり窓見下ろした。

「きれいだな、」

素直な声こぼれた窓、雫の光きらめく庭がやさしい。
紅色、朱色、退紅、萌黄に渋いグリーン、もう色づきだした庭木立は秋を呼ぶ。
すこし標高あがれば紅葉もっと深まっている、そんな今日の庭に微笑んでブランケット軽くたたみ梯子階段を降りた。

とん、とん、とん、

分厚い木板が受けとめる素足どこか温もり優しい。
簡素な梯子階段、けれど縁の滑り止め細工も繊細に巧みでいる。
こんなふうに温かい作り手の願いは今もここで息づく、その温もり継いだ声が笑いかけた。

「おはよう英二…今日2度めのおはようだね?」

クラシカルな机の向こう黒目がちの瞳が笑ってくれる。
栗色やわらかなデスクは分厚い本とノート開かれて、この勉強家に嬉しくて微笑んだ。

「おはよう周太、また寝ちゃってごめんな?ブランケットありがとう、」
「ごめんなんて言わないで、疲れてるんだから寝るのあたりまえでしょ…床で寝ちゃって体痛くない?」

訊きながら机の上そっと閉じてくれる、なにか支度してくれるつもりだろう。
そう解かるのも嬉しくて椅子の背から抱きしめ笑いかけた。

「どこも痛くないしよく眠れたよ、落っこちる心配ないし平らだし、」

笑って頬よせてふれる体温がほっとする。
こうして温もり抱きしめられた、それがただ幸せな懐そっぽ向かれた。

「ばか、落っこちるとか言わないで、」

やっぱり今それ禁句なんだ?

こんなふう叱られてしまうのは多分ニュースでも見たのだろう。
これが毎度いつも困らされる、それでも叱られるたび幸せで笑いかけた。

「大丈夫だよ周太、ちゃんとザイルでしっかりセルフビレイしてるから、ね?」
「あたりまえです、でもあぶないでしょばか、」

即答で「ばか」って言われるトーンやっぱり拗ねている。
こうして拗ねて怒ってくれるたび申し訳なくて、けれど嬉しい本音に笑った。

「周太、そんなに拗ねて怒ってくれるなんて俺のことそんなに好き?」

お願い、Yesって言ってよ?
そう願って抱きしめ頬よせて、けれど長い睫の横顔そっぽ向いた。

「ばか、あんなせまい高いところでビバークとかしんぱいにきまってるでしょ心配すぎておこってるの、ばかえいじへんたいばか」
「怒ってくれるくらい心配なんてさ、それだけ俺のこと好きで必要だからだよ?ね、周太、」

怒られて嬉しくて頬よせて、ふれる肌なめらかに温かい。
だけどまた逆へそっぽ向かれて、薄紅あわい首すじの人は椅子から立ちあがった。

「10時ですお茶のじかんですしたくするからあっちいって、」

ほら、やっぱり自分のために支度してくれる。
こうして拗ねて怒っても約束ずっと護ってくれる、そんな幸せへ綺麗に笑いかけた。

「うん、あっち行って支度手伝うね、周太?」



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雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚202

2014-09-05 00:20:00 | 雑談寓話
雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚202

「同性の愛人をもつかもしれないお父さんがいる子供って、なにを想うかな?」

って問いかけを花サンにしてその後、帰りは二人で逢うことが増えた。
仕事あがったらいつものコーヒー屋で読書or勉強して、もう片方が来るのを待っている。

From:花サン
本文:コーヒー屋で本読んでます、ラズベリーラテとかいうの甘いよー(顔文字笑顔)

Re :30分かけて飲んで?笑

なんてカンジにメールやりとりして、
それから呑みorゴハン軽くして帰る、それが習慣みたいになった。

で、御曹司クンは相変わらずメールくれていた、

From:御曹司クン
本文:おつかれ、今おまえがエレベーター乗るとこ見かけた、
   声かけたいのに今は怖い、笑顔で拒否されたらもう立ち直れない、

で、返信だけはしていた、

Re :仕事真面目にしな、残業代泥棒、笑

Re2:年棒制だもんね(顔文字怒り顔)

こんな感じのヤリトリは続いていて、
もう気づくかもしれないけど花サンと同席中なとき着信が多かった、

「あ、トモさんの携帯メールじゃない?」
「だね、笑」
「チェックしたほうがいいよ?プロジェクトの質問かもしれないし、」
「ありがとね、笑」

っていう会話して携帯チェックするわけで、
だから想像つくかもしれないけど流れはこんな↓感じになる、

「返信とか遠慮しないでしてね、笑顔」
「ありがとね、でもホッタラカシでいいかな、笑」
「あ、また彼なんでしょー?ちゃんと返信してあげなよ、無視とか可哀想だよ?相手限定で寂しがりみたいだし、」

なんてカンジにお見通し毎度され、で、一行返信をしていたんだけど、
そんな仕事後ゴハンor呑みの会話は御曹司クンのことメインだった、

「ホント彼はトモさんに構って貰いたがるね、私にはソンナにメール来なかったよ?笑」
「花サンはレスポンス気分屋なときあるから?笑」
「あー、痛いトコ突いてきた、でもメールって返信急がないモンじゃない?」
「ホントに急ぎなら電話かけてくるし?笑」
「そう!それにトモさんにはレス速いほうだよ?」
「そういうの御曹司クンに言った事あるだろ?笑」
「あ、もしかしてソレが原因かな??私もレスちゃんとしてたらマメにメールくれたのかな、」

ってカンジに御曹司クン話が多かったのは、花サンのリハビリっだったんだろう。

フツーに話して笑う、

ってコトしていると「フツー」じゃいられないことも普通になってくる、いわゆる「慣れ」の利用。
フツーに出来ないほど痛いコトも、フツーに笑ってるうちに慣習化して日常になる。
そういう慣れは「フツー」になることへの訓練みたいなモンだった、

で、そんな時たまに訊いていた、

「花サン、手は無事?笑」
「うん、無事、笑」

こんな会話とゴハン一緒しながら「フツー」に笑って、
こんな傷み抱えていても花サンは職場で「フツー」にしていた、

「今日ね、仕事のコトで彼に声かけたらビックリ顔されたよ?」
「びっくりされるなんて、ご飯粒でも着けてた?笑」
「そうそうーって違うってば、もーホントSだよね、笑」

ってカンジに毎晩なにかしら「今日の御曹司クン」話が出て、
ソレダケいつも見て・話にしたがる花サンの本音はやっぱり「好き」でいる、
好き、だからこそ「フツー」にしたいのは多分ほんとのトコ受け入れ難かったんろう、

御曹司クン=ゲイ寄りバイセクシャル=「フツー」じゃない

そういう図式がどうしてもあって、
それを毎日いつも職場で顔見るたび向きあわされて、ソレが色んな感情を抱えこんだ、

あのひと私を好きって言った、でも女で一番好きなだけでホントに一緒にいたい相手じゃない、
あのひと男だけど男の方が本命に大好きで、だったら私が女じゃなかったら何番目の好きになるんだろう?

ソンナこと花サンはどっか思っていて、だから自分と毎晩いつも話したかったんだと思う。
もしかしたら御曹司クンに直接「本命は誰」か確かめていて、だから毎日いつも確認していたかったのかもしれない、

あのひとがドンナにいちばん好きでも、このひとは好きにならない。

たぶんソレ確かめたかったのもホントだろう、
このまま自分が御曹司クンに振り向かなければ「いちばん」は御曹司クンの手に入らない、
それなら「好き」って言ってくれた私に振り向くしかなくなる、そうしたら今度こそ「いちばん」になれる?

そういう期待することは多分こんな立場になったら誰も同じかもしれない、
こういう期待するからこそ「フツー」にしたかったんだと思う、

ゲイでバイセクシャルの彼、だけど「フツー」の人間、だから恋愛もフツーに幸せになれる。

そんな「フツー」あたりまえが欲しかったんだと思う、

で、そういう彼女を支えたいって自分は想っていた、
だから毎晩いつもコーヒーやゴハンや呑み一緒して、彼女が帰るべき時間まで話して笑って、
金曜夜たまに帰り難くなってしまうこともあって、そんなときはウチに泊って朝まで一緒にいた、

「トモさんの部屋ってなんか落着く、本いっぱいで厭きないしゴハン美味しいし、笑」

なんてご機嫌で花サンは笑って、
そんな花サンをご家族は見守っていたからウチへの泊りも普通にOKしてくれていた、

「トモさんは信頼度すごい高いからねー、ちゃんと手土産は買ってけ言われるから、はい、笑顔」

ってカンジに朝のパンとかケーキとか和菓子なんか買ってくれて、
貸した部屋着で寛ぎながら甘いもの食べながら一緒に勉強したり、借りてきた映画とか見たり、
半分くらい眠りながら話して夜更かしして、作ってあげた朝ごはん食べて花サンは元気に帰ってた、

「いつもごめんね、今度ご馳走するから行きたいお店考えておいて、」
「すっごい高いトコでも良い?笑」
「給料解ってるんだから予算は考えてねー笑」

なんてワケで偶にご馳走してもらってた、笑

で、そういう時間にも御曹司クンからメール来ることは同じで、
花サンが風呂入ってる時とかに返信ちょっとしていたんだけど、歯医者からも時折メール着ていた、

From:歯医者
本文:こんばんわ、今読み終わりました。
   職人の世界とか初めて読んだけど、ちょっと自分と繋がるもの感じて面白かったです。
   またおススメ教えてくれますか?

Re :植木職人と宮大工とかどうですか?2編一冊の文庫です、

Re2:どっちも木ですね、それ読んでみます。

こんなカンジに相変わらずやりとりしていて、
そしたら或る夜また花サンとゴハンしているとき歯医者からメールが着た、


第3回 ひとりごとブログトーナメント

眠いです、が、昨日バナー押して頂いたので短いですがUPします、

第Aesculapius「Chiron13」草稿UPしました、3倍くらいになる予定です。
第78話「灯僥2」+「P.S 雪郷山籠」+Aesculapius「Chiron12」校了しています。
第9話「黎明1」2011.09.20掲載「黎明、木洩日の翳」加筆校正Ver、読み直したら校了したら2011.09.20に日付変えて時系列にします。

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取り急ぎ、笑



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