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トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**今日の替え歌「所業無常」

2022-06-16 | 温故痴新
          見渡せば人も住処も消え失せり
                    侵略地帯の初夏の憂暮れ
           見渡せば花も紅葉もなかりけり
                    浦の苫屋の秋の夕暮れ       藤原定家


          身を潜め窺い見ればミサイルで
                    郷の住居は跡形も無し
           高き屋に上りて見れば煙立つ
                    民のかまどはにぎはひにけり    仁徳天皇

          
          もののふの装備つくろふ壕の上
                    火炎たばしる夏の麦原
           もののふの矢並つくろふ籠の上
                    霰たばしる那須の篠原       源実朝


          山の辺に描くいくすじの巡航弾
                    かすめる果ては阿鼻と叫喚
           山の端も消えていくへの夕霞
                    かすめるはては雨になりぬる    伏見院

**今日の蓮荷

2022-05-23 | 温故痴新
             知床の氷は解けてなお寒し
                         初運航の船影も消ゆ
              みづうみの氷は解けてなお寒し
                         三日月の影波にうつろふ   島木赤彦


             岩走る垂水の下の磯浪の
                         荒れたる中に迷い入るかも
              石ばしる垂水の上のさわらびの
                         萌え出づる春になりにけるかも   志賀皇子

**今日の蓮荷

2022-05-22 | 温故痴新
             知床の小舎の床の白骸布
                        みな声も無く花を手向けん
              東海の小島の磯の白砂に
                        われ泣きぬれて蟹とたはむる   石川啄木


             鎮魂は千代に八千代にさざれ石の
                        いわほとなりて苔のむすまで
              わが君は千代に八千代にさざれ石の
                        いわほとなりて苔のむすまで   詠み人知らず

**今日の蓮荷

2022-05-21 | 温故痴新
             二人行けど行き過ぎがたき黄泉路行き
                         いかにか君が独り越ゆらむ
              二人行けど行き過ぎがたき秋山を
                         いかにか君がひとり越ゆらむ   大伯皇女


             旅人の宿る磯沖浪立てば
                         ひしと守れよ胸に海神
              旅人の宿りせむ野に霜降らば
                         わが子羽ぐくめ天の鶴群   遣唐使母

**今日の蓮荷

2022-05-20 | 温故痴新
             管理者さん興味なさそな空の雲
                         海の浪すら放りただよふ
              白鳥はかなしからずや空の青海の青にも染まずただよふ   若山牧水


             無念ゆえ思い溢る知り人の
                         言問う姿面影秘そめ
              夕さればもの思い溢る見し人の言問う姿面影にして   笠女郎

**今日の蓮荷

2022-05-19 | 温故痴新
             見渡せば波頭泡浪こきまぜて
                         知床の海荒事の海
              見渡せば柳桜をこきまぜて
                         都ぞ春の錦なりける   素性


             風吹かし怒涛分かるる白波で
                         またもつれなき君はわたつみ
              風吹けば峰にわかるる白雲の
                         たえてつれなき君が心か   壬生忠岑

**今日の蓮荷

2022-05-17 | 温故痴新
             浪の色はうつりにけりなあれよあれ
                         皆の身悲嘆ながめせし間に
              花の色はうつりにけりないたづらに
                         わが身世にふるながめせし間に   小野小町


             すべもせず潮に投げ出す観光船
                         ずさんおごりのあなあな悔し
              その子二十櫛にながるる黒髪の
                         おごりの春のうつくしきかな   与謝野晶子

**今日の蓮荷

2022-05-16 | 温故痴新
             オホーツク乗り出でて見れば真白にぞ
                         海の高波雪の山並み
              田児の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ
                         不尽の高嶺に雪は降りける   山辺赤人


             東の海に白波の起つ見えて
                         帰り急げど船傾ぶきぬ
              東の野に炎の立つ見えて
                         かへり見すれば月傾きぬ   柿本人麻呂

**今日の蓮荷

2022-05-15 | 温故痴新
             心なき身にもあはれは知られけり
                         知床起つ浪船もろともの
              心なき身にもあはれは知られけり
                         鴫立つ沢の秋の夕暮れ   西行


             間もおかず浪の荒ぶる春の日に
                         危とも思わず船を出す闇
              ひさかたの光のどけき春の日に
                         しづ心なく花の散るらむ   紀友則

*今日の一苦

2022-05-14 | 温故痴新
            でたらめに命放らるもろに海

             朝顔に釣瓶とられてもらい水   千代尼

*今日の一苦

2022-05-13 | 温故痴新
            水底を見て来たロボット無人潜

             水底を見て来た貌の小鴨哉   丈草

*今日の一苦

2022-05-12 | 温故痴新
            通報さえ出来ぬ船なり蝦夷の春

             鏡一つうれぬ日はなし江戸の春   其角

*今日の一苦

2022-05-11 | 温故痴新
             楽しみもやがて土壇場泥の船

              おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉   芭蕉

*今日の一苦

2022-05-10 | 温故痴新
            ちちははを共にこいしき海と陸

             ちちははのしきりにこひし雉の声   芭蕉

*今日の一苦

2022-05-09 | 温故痴新
            滝の音しぶき涙と散る浪間

             ほろほろと山吹ちるか滝の音   芭蕉