5日未明頃から7日にかけ積算雨量が60mmを越えたから「良いお湿り」だったのだ。雨水頼みの三日月池は干あがる前に辛うじてお湿りに恵まれただろう。ただ依然として取水機能の復旧には至っていないので送水量は減少する一方で、心配しても役には立たないので粛々と災の河原の砂礫掘りを続けるのみである。
3月に入ると周囲の山の裸木の色が変わって白っぽい枯れ木肌色から霜焼けの指の色みたいな暗赤色に色が変わっている。近くの小枝を眺めれば芽は膨らんできており外皮も淡く色づいてきた。この集合体が裸木をうっすらと染めているのだ。一方、日当たりの良い地上部を見れば早春の草花が開花して来た。一般的には梅や桜が両横綱だろうけれど孤爺的には野草の方が勝る。その中でもとりわけご執心なのがオオイヌノフグリの花の絨毯だ。名前が名前だから連呼は出来ないが「押し」であるのは間違いない。久しぶりにしゃがみこんでオオイヌノフグリを見つめたのだが、まあオイラノフグリは見つめる事は無い・・・。
周囲を見渡せばオオイヌノフグリだけでなくハコベやホトケノザなども開花して来た。昼近くまで災の河原の砂礫掘りを続けていた孤爺としては一服の清涼剤で、しばし撮影しながら遊んだのである。正月4日から続いている災の河原の砂礫掘りはようやく取水升傘型フイルターを確認できるところまで来たこの日、「自分を誉めてあげたい!」とも「ご褒美を!」とも思うけれど、遊興飲食娯楽などに癒される事は無い孤爺としては早春の妖精だけが癒される対象かも・・・。当フイールドにギフチョウは生息していないが、そろそろツマキチョウが飛翔する頃だしヒキガエルも産卵が始まる。朝も春も時の刻みで確実にやって来るけれど孤爺に春は巡っては来ぬ。まあ、人生の黄昏時、「誰そ、彼は⁉」なんて事態は赤い糸を手繰って降りて来る阿弥陀様くらいかあ。