トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

菌糸

2010-02-28 | 小父のお隣さん

Photo_6  「エーッ!」と思わずにはおれなかった。立ち木の樹皮に菌糸が回っていたからだ。良く見ても粘菌ではなさそうだから強い菌糸なのだろう。直射光の届かない林内とは言え、吹きさらしの環境なのだから。

 中心部に枝の跡が見られたから枯れ枝から菌糸を伸ばしたようにも見えるが、やわらかそうな菌糸は綺麗に展開していた。しばし見とれてしまう森の美術作品だ。


一政散惨

2010-02-28 | 勢子、雨毒に侵されて呻く

Photo_2 『散る怒連元祖消えても民に種』

 『大挙して陸前クラゲ里帰り』

 『日は没し偽員ボー視の荒れ世かな』

 『瑞穂国成りて久しき見ず火国』

 『鳩山の小沢凍りて口渇く』


日照確保

2010-02-27 | 今日は真面目に

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 今日も日照確保のための支障木の除伐だ。常緑の広葉樹で上部で樹冠を広げているから、一本切り倒すと林内はパッと明るくなる。

 と言えば簡単だが、枝を広げているため周囲の木と絡んで倒れてくれないのが普通だ。掛かり木になると更に危険が増大するから避けたいのは山々だけど、現実はそれでは進展しないのだ。

 今日も二本除伐して、採光の程度は良好になったが、未処理の枝は残ってしまった。チェーンソーと枝切りの手鋸 作業で両の二の腕が筋肉痛だ。天気予報は下り坂だから週末は休養日にしようか…。腕は痛いのに気は急くのが悩ましい。                                     2010/02/24   


心象

2010-02-27 | 小父のお隣さん

 『散紅葉霜と相席年の明け』

 『敷き紅葉霜にまみれて縮みたり』

 『立春の日も射してこぬ照樹林』

 『枯れ寄れば野辺の送りか葉は回る』

 『竹失せてコクランは消え山萌える』


雨の日の骨休み

2010-02-26 | 旅行記

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 週末は雨の予報だったから腕の痛みを我慢して、ようやく今日は温泉三昧だ。雨天は混みあうと湯船の中で話が出たが朝のうちだけで、日中は貸切状態だった。気分もあるのだろうが腕の痛みも気にならなくなった。

 しかし昼にお蕎麦を食べたら入湯意欲減退、看板までいないで帰宅してしまった。湯はいい湯なのだが風雨の沢筋を眺めていたら飽きてしまった。

『竹騒ぐ雨音激し湯の部屋に汗ぬぐいつつ風見やる昼』

『沢音に川原覘けばからし菜は花穂立ち上げ風に耐えおり』

『一人湯で湯煙昇る追い見ればガラスに当たり下りけるなり』

『竹林の風に揺すらる様見れば原爆の皮膚さがるに似たり』


判るかな

2010-02-26 | 小父のお隣さん

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 騙す心算は毛頭ないだろうに「わかるかね!」と言われたように、コノマチョウが近くに着地した。

 着地地点を見届けたから発見できたが、そうでなければ飛び立つまで気がつかないほど枯葉に紛れている。触覚を確認しなければ蝶とは思いもしない風情である。

 本当に見れば見るほど枯れ葉そっくりなのだ。部分的に黒い個体も散見するが、同種なのか近似種なのか小生は知らない。でも薄暗い林内では良く見かける蝶の種類だ。

 孟宗竹の切り口から樹液が溢れて発酵しているところには多くの個体が集まっているのを見かける。薄暗い林内だから花の種類は多くないが蜜も吸いにいくのだろうな。  2010/02/24


寒の山仕事

2010-02-26 | 今日は真面目に

 『切り株にタオル敷き座し生姜湯』

 『魔法瓶開けて一木眺めおる』

 『裸木を倒してなぞる株の歳』

 『竹伐れば寒蔓しかと引き止める』

 『かじかんだ指温めつつ刈り刃砥ぐ』


メタリックカラー

2010-02-25 | 小父のお隣さん

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 倒したシイの木の枝葉の処理をしようと近寄った時、キラッと光が目に飛び込んできた。発光点をみたら、それはメタリックカラーの蝶だった。

 夏の終わり頃にはウラギンシジミ(2)やアオタテハモドキ(3)のような金属光沢を持つ蝶を見たことはあるが、早春に目に止まるのは初めてだった。

 花の色もそうなのだが青系の色は写真では掴みにくい。実視より印象の薄い色合いで記録されてしまう。画像処理の泣き所なのだろうか。

 さて名前だが、ルリシジミの類かムラサキシジミの類か、まあどうでもいいか。この手はいっぱいあるようだし…。ムラサキシジミだった。6~10月まで年2~4回発生とのことだが越冬した個体だろうか。

 それはともかく、今日も目の保養をさせてもらった。           2010/02/24


哀しき口笛

2010-02-25 | 温故痴新

 七重八重花はさけども山吹のみのひとつだになきぞかなしき  兼明親王

 七重八重ハナは垂れても鼻元に汁ひとつ無き舐めて始末す

 わが園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも    大伴旅人

 我が物に梅の花散るひさかたの采女と逝きの流れ来たかも


今日のサプライズ

2010-02-24 | 小父のお隣さん

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 今日も正体不明、謎の物体を二つも見つけてしまった。幹と接しているところは樹皮と同化しているようにも見えるし、本体は木質系のようだ。二箇所ともヒサカキの幹だった。

 一方、柿の枝を剪定した場所にバッタが刺さっていた。「百舌のはやにえ」と言うけど、早春にやるのかどうか秋の行動とばかり思っていたのだ。まだ生きていたから「変な止まり方をするものだ」と不審に思って顔を近づけて判ったのだが…。

 落葉掻きをしていたらキノコが転がり出てきた。落ち葉に埋もれて気がつかなかったのだが、三箇所ほど発生した場所があった。帰宅して調べてみたら「カラムラサキハツ」のようだ。食毒不明だが「辛い」のだそうだ。今度みつけたらかじって確認しよう。

 「サプライズ」と言うにはささやかであるが、多少の驚きと感動が伴ったのだし普段の場所だからこんなものだろう。来週には一周年を迎える「肋骨完全乖離骨折」なんてサプライズではないだけ喜ばしいのだ。でも、これはハプニングと言うべきか…。


天上大風邪

2010-02-24 | 小人閑居して憮然

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『派遣村季節行事となりにけり』

スクリュウも打ち消し合いて日本丸』

『蝙蝠が祠となりぬ永田町』

『ここかしこ億で蠢き春となり』

『堂内は駄目ト金等の虚宣場』


光量調節

2010-02-23 | 今日は真面目に

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 侵入竹除伐もいささか飽きて雑木林の光量調節をはじめて二日目。ようやく林床に光りが届き始めた。常緑樹が多いので冬でも光が届かない。夏場は落葉樹の大木が葉を茂らすからもっと暗くなったのだ。ようやく樹冠が開いてくれた。

 写真では緩斜面にしか見えないがスキー場なら遠慮する傾斜だ。樹齢は更新して若木の森にしたいのだが、大きな木はどれも高く伸び太い枝を広げているから切り倒しても倒れてくれない環境にある。木に登って枝を切り落としてから幹を倒す、なんて芸当はもう恐くてできないのだ。

 いきおい中規模の常緑樹を除伐することになるが、必ず掛かり木となってはかどらなかった。それでも二日間で一面だけは見違えるようになったが、まだ細かい枝葉の処理はこれからだ。

 林床に堆積している枯葉を除いてみると、下は結合力の弱い砂利層で僅かに腐食質があるだけだ。葉の分解も土の生成も遅れた表層だった。時期的には遅きに失した感もあるが、軽く落ち葉掻きをして今シーズンの植生の変化は観察せねばなるまい。

 歩いても崩れない表層になるにはどれくらいかかるのだろう。下草や生物の営みと太陽光だけが頼みだ。姿を消していた植物が現れてくれるだろうか。保証は無いけど出現したらご褒美そのものだ。時は慈悲と無慈悲を内包しているなあ。


渚の早春賦

2010-02-23 | 合混で闘作すれば

 左褄でも わが身のうしお

   好いた殿御にゃ 砂に描く ハア コリャコリャ     弥生姐さん

 満ちるの待つも 時間は知らぬ

   待つは帰ろの 心地かな ハア コリャコリャ      淡木

 昨日逢うたが 今日もう寂し

   一刻千愁 寄せる波 ハア コリャコリャ       さざれ石

 春でも無いのに のたつく波に

   胸の高鳴り 気の塞ぎ ハア コリャコリャ      実習生

 ガラガラドンは 三匹通る

   跡を追うても 波が消す ハア コリャコリャ      トロル

 春未だき襟裳岬の流氷は溶けず流れず昆布養う   とろろ

 浅蜊っ子寄せては返す渚かな             つづら


フグリだなんて

2010-02-22 | 感じるままの回り道

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 山桜の枝先を覘いて、何気に足元に視線を落としたら目に入った一輪。「もしや!」と思って秘密の場所まで足をのばしたら満開だったのだ。足元一面に畳2枚ほど青い花のカーペットだった。若い頃ほど胸が妖しくならないが、それでも好きな春の花だ。青いご飯茶碗は今でも胸が妖しくときめく。

 ツユクサもそうだが青系の花は写真に撮ると似ても似つかない発色になってしまう。写真では実物の美しさは届かない。

 春は黄系の花色が目立つ中で青系は異色とも言えそうだが、名前も「オオイヌノフグリ」では異色中の異色だろう。安易に口に出来ない発音だけど、フグリと言っても伝わらなくなったのが昨今だ。

 しかし命名した学者は誰だか知らないが「ママコノシリヌグイ」同様、発想の貧弱さを感じる。今風に言えば「品格がない」となるのだろうか。

 アゲハの食草にと移植したカラスザンショウは冬だから葉を落としているが、葉のついていたところは猿面そのものだ。それぞれ似ているようで全く同じでないところが面白い。

 今日も暇をこいてしまった。


杉足るは

2010-02-22 | 性向有毒の翁なれば

Photo『間引きした寒木にみる成れの果て』

『記憶にも記録にも無し山仕事』

『月は天尿意兆して身は震る』

『湯ではなく汗ばむ大寒水欲しや』

『過ぎたるは遺憾なりとて事を締め』