前日29日、昼までの24時間雨量が190mmを記録した。この雨量となると水源地への影響は必至だけれど、雨が上がった午後、はやる心と杞憂があるものの気持ちを押さえて水見回りに出かけなかった。世間的には増水時の水見回りで用水路にしても河川にしても行方不明者は出るし、大方が高齢者なのだ。ここは「俺はまだ壮年、若い!」として荒くなった鼻息を押さえる。ついでに腰痛常習部の腰も押さえた。
30日は晴天で気温も25℃まで上昇するとの予報だ。作業内容を考えると「嫌だなあ…」当たり前なのだがそうも問屋が卸さない。現場についてまず行わねばならないのは取水升が砂泥で埋没したのを復旧させねばならない。透水壁から流路を整えフイルター上部の砂泥は携帯スコップで掬い流した。フイルターを外し取水升内の取水口パイプに手を当てれば陰圧が発生しているから断水は免れた。しかしながら三日前にも24時間雨量が70mm記録されていたから取水升内の砂泥は取水パイプ近くまで溜まっている。これは用意した金笊で掬い取ったのだが購入しただけの金笊では強度的に難があるから細いステンレス線で骨に網を括り止めて強度を上げた物である。こうしないと笊が歪んで使い難い。
ついでに以前から考えていた沈殿砂泥の自動排出機能を付加した。まあ、何のことは無いエルボに余りのパイプを取水升底近くまで達する様に差し込んだだけである。これを一昨年の集中豪雨被害で撤退した部農会の取水口に装着してバルブを開放すれば自動で底の砂泥を排出してくれる理屈である。実際の実力は取水升底面積全体に吸引力が及ぶべくも無かったのだが、携帯スコップで底の砂泥層を崩しさえすれば容易に排出してくれたのだ。これで温暖期はともかく冬場の砂泥排出に肘まで水の中に入れなくて済む。
てなもんや三度笠で我ながらまだ耄碌していない部分は健在だった。始祖は源氏の末裔で落人、太郎左衛門で雅な水飲み百姓を営々と続けてきた家系であるからして水に呑まれる訳にはいかん。しかしなあ、自転車操業・水商売に追われる日常からして「既に水に呑まれておる」と言える現実もあり、生物生産緑地の手入が後回しになりがちなのは情けない・・・。まっ、手が後ろに回されないだけ「良し」とすべきなのだろう。