池の二枚貝の健康状態が思わしくない。3月初めに確認した個体、ドブ貝3、マツカサ貝13だった。7月に入って4枚が砂底から姿を現し殻を開いてしまった。マシジミも開き切って貝殻になってしまったのが目立つ。理由や原因が分かるなら対処の仕様もあるけれど、水温はまだ25℃前後を推移しているし特別に高温であるはずも無い。マシジミは大きいサイズだから寿命と言う判断が出来るけれど、同じ二枚貝のお陀仏を見ていると共通の要因も疑う。
給餌も怠りなく実施していたが、河川の珪藻付着状態が定期的な増水で成長が無く、今期は与えていないのは事実なのだが、それだけが理由とも思えぬ。
そこで禿げ頭を傾け溝の浅くなった脳味噌を動かして得られた対策は「上の池に疎開させる事」である。カワニナはいるが二枚貝は皆無の池であるけれど、むざむざ庭の池で衰弱させるよりは「夏場の保養池」として環境確認はしておきたい。水温は確実に低下し安定するのは間違いないけれど止水域なので緑藻類がどう影響を及ぼすか、ここは賭けみたいなものである。
そのため貝用の生簀を用意しなければならないのだが、それは庭でさらし物になっているタナゴ稚魚の避難器を転用した。これの上縁に補強を兼ねた蓋を取り付け池の中に打ち込んだ2本の柱で水中にぶら下げる構想だ。
着底させないのは泥土の層が厚く、着底させると泥を被って窒息しそうな環境に思えたからでもある。胴長を装着し池中央まで入ることになるが、窃盗される可能性もある。どちらにしても賭けなのだけれど、残りの二枚貝が越冬まじかまで生息してくれれば環境的には避暑地として成り立つだろう。
上蓋の加工
稚魚避難容器 ➡
合体させ完成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/60/be/8900af0e57f36db0aea0086413cc9895_s.jpg)
さて、肝心の避暑体を集めなくてはならない。3月5日の越冬体確認時はドブ貝3、マツカサ貝13であった。既にドブ貝4の亡殻を確認しているから残りはマツカサ貝13のはずだ。感電が恐ろしいからウオータークリーナーのプラグを抜いてから池に入った。底砂ごとふるいにかけて取り出そうと考えたものの水を大きく汚してしまう。暑い時期の水質悪化は避けたいから四つ這いの手探りで確保したのは合計14個で、すべてマツカサ貝であった。春の確認で漏れたのが2個あったことになる。
環境テストも含めた避暑なのでドブ貝も必要なのだが、購入するしか手立てがないので入手できるなら用意したい。引っ越し先で砂泥中に放流せず水底に降ろさない生簀の砂層で生活させるけれど、全損のリスクもあるかもしれないが水温は絶対適温なので、どうなるやら。
ここ数年、盛夏の高温状態が半端なく、水温が30℃近くまで上がり続くのが普通になってきた。池の上にネットを貼ったり池の周りの石にシャワーを浴びせたりと、少しでも間接的ながら水温の上昇を抑えるよう努めてみたが、所詮は焼け石に水で、水温上昇で失った貝は多いのだった。
池の新規入居のタナゴは魚体が小さく、今期は産卵管も出なかった。夏を迎えた今日この頃の魚影は倍のサイズになったように見える。これなら来季の産卵可能性も見込まれるし母貝の肥培に努めたいのは当然の成り行きなのだ。