予報通りの南岸低気圧による山間部は雪で当地は雨模様なものの当然フイールドはお休み。「雨降りお憑きさん」確定だったから予定は「エッ!品」に決めていた。
前夜に冷凍していた「濃縮甘酒チャイ風味」を冷蔵庫内で解凍して準備OK、とは言え油粘土様の固さでは材料の混合がうまくいくはずも無く、まずは湯煎しながら水を加えつつ緩くしたのだった。
この液体に強力粉、ドライイースト、塩を加えて生地を作る。試みでは粘土状の濃縮甘酒に強力粉100g程度を加えた量で作るはずだったのだが生地が緩くて強力粉を加えながら生地の固さを調整した結果、最終的に強力粉は150gほどになっただろう。計量しつつ加えれば正確なのは判りきってはいるけれど、強力粉の量より生地の固さが肝心な処と理解しているから配合量は頓着しない。もとよりプレッツエルを作るのに甘酒の濃縮体を混合するレシピなど存在してないのである。
今回の着目は「プレッツエルの食感がモッチリしている」と言う一文からで、濃縮甘酒のクラッカーがあまりにもネッチリし過ぎた食感だったからこれを生かす方途として選んだのだった。
しかし、成形した生地を重曹液で湯掻く理由が分からず、湯掻いてみたけれど効果も良くわからなかった。生地が出来て一旦は伝統通りの成形をしてみたけれど伸ばしている途中で生地の色合いから連想させるものがある。湯掻く直前になって伝統の形は取り止め新しい時代のプレッツエルに挑戦したのだ。
ネットでプレッツエルのレシピを比較してみれば棒状の物あり、チップ状のものあり、パンに見えるものもお菓子に見えるものもあって、何をもって「プレッツエル」と言うのか分からなくなった。
朱里エイコの「愛は旅人」に「どこまでがあなたで どこからが私か ふたりともわからなくなる云々」の一節があるが、このネット上のプレッツエルの形状も似たようなもので小生の作品も外れてはいないだろう。
吾輩渾身の6個の物体は少年時代の野糞の様でもあり検便用に新聞紙に出した物体の様でもあったが紛れもなく伝統スイーツなのである。これはプレッツエル成形の豊かさを発展させた代物であって決して揶揄したり卑下したりしたわけでは無く、そうなら初めから作らない。
他人には参考にならないレシピだけれど
甘酒濃縮体(粘土状) 250g
強力粉 150g
ドライイースト 6g
塩 4g
湯掻き用として
水 500CC
重曹 10g
出来た生地は6等分して細く伸ばし形を作ったが思い直し再度丸めて完成形としたのだ。
焼き上げは予熱220度15分にしたのだが、クラッカーを作った時もそうだったように焦げやすい性質の様で13分で終了させた。焦げやすい性状から200度20分程度が適しているのではなかったかとも思われたけれど「一期一会」のものであり二度目の作りは無いレシピのパンであるがゆえに、まあ、どうでも良いか…。
大きさは1カップ程度なのだがその容量ほどの甘酒が入った勘定になる。食べてみればモッチリして美味しい。やや甘味が不足した感もあったけれど基準のレシピには20gの砂糖が入っていたものの濃縮甘酒と言う事で砂糖は省いたのだが気持ちだけでも入れるべきだったような味わい…。まあまあ、クラッカー仕立てより食べやすく美味しかった。このパンで3回食を喰い凌げるのだ。今日も食事にありつけることに深謝。
入る形も出る形も同様な事は「生命活動の連鎖、生命は永遠なり」を彷彿とさせた。識即是喰 喰即是識・・・。
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