トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

給餌用種苗魚を入れる

2019-11-30 | 水辺環境の保全
 上の池は江戸時代の終わりに隣り沢から隧道を通らせ送水して開田されたのだそうだが昭和40年代には放棄田となった。それでも用水は来ていて溜池は残ったものの、棚田だった部分はヤナギ林になったり増水時のV字侵食で見る影もないほど荒れてしまっていた。そこをに土嚢を盛り堤や畔、流路を設えながらようやく現在の景観が出来たのだった。

 沢は水系としては里を流れるY川の支川に当たるけれど、そそぐまでの傾斜がきつく毎分20リットル程度の給水ではY川までは水切れ状態で、増水しても潜流してしまう環境では魚の往来は望めない事情もあり、池にいた魚類は泥鰌とメダカだけだった。それでも湛水部が拡大し水域が豊かになるとカワセミの飛来もあり繁殖期にはオスからメスへメダカのプレゼントなども見られるようになった。
 これに触発され餌となる小魚が欲しかったのだが網や釣りで確保した母川のシロハヤやアブラハヤは何回か投入したけれど定着しなかった。思い切ってタモロコも投入してみたものの繁殖には至らず、次の候補はモツゴで、これなら環境としても間違いないだろうと皮算用だ。

 今期、春以降、餌釣りでモツゴを調達しに幾つかの水域を回ったのだが必要な数が無い。生まれ育った地ではない市内の釣り情報を検索すると「モツゴ釣り」を楽しんだ投稿があるものの場所の明示はなく参考にもならなかった。Y川がそそぐT川ならフナなど容易に調達可能だけれど大きくなりすぎるきらいがあるし、フナではヤゴなどの水生生物にも悪影響が出るだろう。ここはやはりモツゴしか候補が無かったのである。
 
 ようやく凍結前にしてモツゴを15匹ほど入手でき、小生のストックしておいた4匹と合わせた19匹を上の池に放流できた。アオサギやコサギも採餌に来ているから産卵繁殖につながるかどうかは未知数だけれど、なんとか生めや増やせよにつながってほしい。
 放流前に撮影したのだが、久しぶりのケータイのカメラ。画像をとりこもうとしたもののどうしても表示されない。ケータイには画像を保存するエリアが複数あり、どういう加減かPCに移せなくなっている。せっかくの1枚なのに「まあ、ふい」の法則が出てきた。古いケータイだし、「3Gは使えなくなります」なんて通知も来ている。さてどーする・・・。

ヘキサ・スフェリコンの製作 5 「とんだ一旦ブルー」

2019-11-29 | 何よりの楽しみ
 重さを増やし慣性力を高めるとスリップして運動エネルギーをロスしてしまい、その反省で内側を刳り抜き軽くしたのが結果を出した。見た目も芸術的で匠の巧みな集大成に見える。一方で凹んで沈んだ悔しさもあって「これで完了」としたプロジェクトも燻っていたのだった。
 アインシュタインや岡本太郎も「かくありや」と思える「ビビビ!」が降臨したのは深夜のトイレの後だった。「手間をかけずに簡便に」が達成されないままなので拘る事でもないことは理解できても影が背中を突っつく。その結果「軽い材を使えば良い」のだとようやく解に至った気分で、この案こそ「買い」であろうと確信できたのだ。

 そこで思い至ったのは過日、マリオネットの胴体に使用した桐板の残りを引っ張り出したのだが厚さが20ミリと薄い。やむなく2枚合わせの圧着で厚みを確保したけれど、今度はこの厚みから円柱の外径が決まってしまった。接着して作れた円柱は二体、芯穴を開け芯金に通して外周を削る。切削は容易でも古材なので木目によってはささくれや小さなむしれが発生し肌がきれいにならない部分も出てきた。
 それには目をつぶり半割にしクランプを使い接着、接着が安定するのももどかしく転がしてみたら2体ともうまく転がってくれるではないか。それに気を良くし軽いのが判り拠点の道具小屋で乾燥させていたヤナギの倒木。見た目も軽さも桐と見間違う材質だった。これで幾つか量産した。

 桐材と柳材の重さは約70gでヒノキ材140gの半分になった。ヒノキ材も円筒仕立てで重さを減らしたらほぼ90g、100gていどの重さならOKと言う事だろう。
 これでようやくヘキサ・スフェリコンの開眼供養が出来たというものだったのだが、これで終わらないのが小生の業である。「転がるように作るには軽くする」のが良いのはオロイドやスフェリコンで実証済みの結論なのだが「実用性だけではつまらん」と背中をまた突っつかれたのだった。

 「銘木や木目の美しさをだした一品」が脳裏にチラついている。この二重螺旋のリングワンデリングとも言える状況は何時もの事なのだ。古材だが秋田杉の端材がある。これで作ってみる事にした。結果は古材過ぎて変色していたし木目だけしか魅力はない一品になってしまった。どちらのタイプも古色蒼然が良いと言えば良いか、負け惜しみ・・・。

 この作品を削り出す過程で陥りやすい事が明らかになった。製図して外径と幅の寸法を決定し削りだす時に間違う。一体に二つの外形寸法がありこれを混同して失敗してしまった。まず基準となる円の直径とその円に内接する正六角形から採寸する円柱の直径と高さ(幅)があって、この二つの直径を見誤り易いのだった。今回も円筒に仕立てた一体を「幅が広すぎた」と誤認して寸法を詰めてしまい、あえなく廃棄の憂き目。円柱体なら幅が不足したら直径を減ずれば良いが、円筒形では無理である。細心の注意を払い加工した逸材をみすみすゴミ袋に投げ込む羽目になる。ヘキサ・スフェリコンの製作での失敗はほとんどが幅の勘違いだった。

 次に作るかどうかわからないのに直径と幅の一覧表を作ってもなあと少ない頭髪がまた抜けていく。古材の表面が切削により荒れるのに等しい。ハア・・・。切れない刃先が脱落の一因でもあるが切れない頭脳が抜け毛の一因であることは間違いない!。

        左、桐板接着材・右、ヤナギ材      秋田杉の古材、円筒基盤タイプとムクタイプ

I💜かつら

2019-11-28 | 今日は真面目に
 思春期には学生帽の跡が鉢巻のようにくっきりと頭髪に形を残していたものの男盛りになると頭頂部から寂しくなってきた。「なんでそうなるのっ!」て言ってみたところで回復する訳もなく「若禿げじゃ…光って参ろう・・・」とばかり気にもせず諦めて現在に至った。ゆえに表題のかつらはかつらでも「かつら」ではない。だから「・・・か、つらつら考えず」が正しいのでバイアスはかけてはいけない。
 原っぱ部に植えた「かつら」の育ちが悪い。理由ははっきりしていて瓦などの産業廃棄物が地下にある処分地だったからで、植え付けた表土は浅い。それでも場所ごとに良し悪しの差が大きいようで場所によってはコナラ・クヌギなど成木になっている樹もある。

 植え付け場所が不適切だったうえに威野志士様の蹂躙に見舞われる事甚だしく、今期は三本のうちの一本は根上がりさせられてしまった。それも一番成長の悪かった樹である。これを長引かせればいじけて後々健全な生育が期待できない。植え替えしてリセットで痛めるよりはと幹元に客土を施した。一輪車山盛りの山土を二車づつ敷いた。
 土まんじゅうを作るようにすると返って樹を傷めるから幹根は薄くし周囲にドーナツ状の客土である。このままでは一夜にして蹂躙、ほじくり返されるのがお約束だから、今回も忌避剤として顆粒の土壌害虫殺虫剤をキャップ一杯づつ散布しておいた。水域の樹木には使えない手法だけれど原っぱ部の3本程度なら環境影響は出ないだろう。まあ、小生の「I♡ かつら」気遣いである。
 小生の年若き頃、ラジオドラマ「愛染かつら」だったか「君の名は」だったか、放送時間の銭湯はがら空きになったという話があった。近頃の電波にはごまんと番組があっても金太郎飴ばかりになった。SNSなどフロワー数百万なんて言われても中身は何もない。こういう中身に群がるとは、「総白痴化」を申したような気骨あるマスコミ人もいない。広く浅くが時代の弔辞・・・。

 かつらを植えたのは樹種見本樹としてなのだが、ハート形の葉も好きだし、何より雨後に立ち込める微香を嗅ぎたいという事もある、そこまで葉が茂るのと命脈が尽きるのと天秤状態でもあるけれど、その時はその時で、所詮育樹とはそういうものであろう。

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11月定例会

2019-11-27 | 月例会
2019/11/16 (土)9:30~12:30

会員 7名
活動 林内整備(あらかじめ除伐した倒木の処理集積)

 落葉期に入ったけれどまだ樹下には日陰がある。林床への日当たりも確認できると言うもので、小生があらかじめ弱小木や込み入った部分の間伐を行っておいた。それを人数のある例会日に片付けてもらうことにしたのだった。いつもは倒木の至近に処理集積してしまうのだけれど、三々五々集積されると刈り払い時の妨げになること甚だしく、そこで今回は下のくぼ地に集積してもらった。
 見た目もすっきりして来季の刈り払いもストレスなく行える環境が出来た。

 除伐したのはコナラやクヌギが主だったので「ホダ木に使いたい」との希望もあり適径木は所要サイズで拠点まで運んだ。菌駒を打って伏せるまで作業に一日がかりか、年が明けてからになるだろうが「もったいない」が先だったとすると先は無いかも・・・。
 こういうことを「先の先」と言うのかと思った。

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ヘキサ・スフェリコンの製作 4 捲土重来

2019-11-26 | 何よりの楽しみ
 「新しい試み 3」では生来のいい加減さが表目に出て、しかも慣性力が助けになるどころか支障の物理法則だった。これでは熟睡できず就寝時のマウスピースを作ってもらった。これで歯ぎしりが消失するだろう。

 慣性力を減じるには軽くすればよい。軽い材は手元にないので、先のモデルは円柱から作ったが今回は円筒から作ってみる事にした。これで重量を減らせる。円筒だとペットボトルでも塩ビ管でも作れるはずだけれど接着面が少なく強度と正確な接着が成立しない。ホームセンターで木材の円筒を探したのだが40φほどで小さすぎる。仕方がないからお手紙書いた・・・でなくて自分で作ることにした。材は3寸角の柱の端材で、これだと80φの円筒を作れるはずだ。
 肉厚は15mm程度としたのだが、あくまで「こんなもんで良いだろう」の成り行きで、要は接着できる面積があれば良いのだった。厚ければ重くなるし薄ければ強度が下がる。兼ね合いに経験値は無い!。

 「円に内接する正六角形」を製図し、この正六角形内にある長方形が求める円筒の直径と幅になるのだが、これで直径に対する切り出し幅を確認したのだが、どこでどう転んだのか寸法を誤ってしまった。円筒を削り出し2分割して断面の対角線同士を合わせ接着した。これで十分な精度が出たはずなのにうまく転がらない。接着面に正六角形が出来ているか寸法を図ったら空間になっている辺の長さが長い。軽くなったのに転がり難かったのは横幅が小さかったためだ。「極めて良い案」と得心していたのにこのざまで、匠への道は厳しかった。
 青島幸雄主演の「負けてたまるか!」ではないけれど悔しいから二つ目は製図を優先し加工したパーツは図面の上で合わせて粗相のないようにしてみた。

 それで横幅は正確にできても切断面が平面上に位置するとは限らない。微妙なヘタレだって可能性としては大きいのだった。接着面の強度はクリアーできても「平面上にある」とは断定できないし接着した後で確認するすべは無い。そこで初心に帰り正六角形の基盤を挟むことにした。これで位置も決るし幅の間違いもせずに済む。
 基盤の材は最初のモデルはアクリル板だったのでホームセンターへ調達に行ったら意外と高い。そこで思案していたらシルエットを切り抜いた下敷きの残りが使えそうだったので用いたら、これで十分だった。たわむ下敷きだが2分割した円柱に接着すると必要な強度を保ってくれた。

 瞬間接着剤で接着し必要な強度が出るまでの30分が長かった。昼食もそこそこに転がしてみたら、これが一番うまく転がったのである。これでヘキサ・スフェリコンの「新しい試み」は完結かと思ったのだったが・・・はあ!。

                  2分割 ➡     最終形は基盤に落ち着く。うまくいった。
 

木身、死に給う事なかれ

2019-11-25 | 水辺環境の保全
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 ステージの腐食が進み危険なので撤去したのだが根太代わりの丸太材の芯はしっかり残っていた。捨てるつもりだったものの水際
線の守りに使えそうなので二つ池に運んだ。そうなると護岸作業をしなければならなくなって、結局は我とわが身に鞭打つ事になる。
 どちらにしろ猪に掘り崩されたエコトーンは高さが減って幅が広がり、一方の水域は浅瀬が広がる。とどのつまりは水域が減少する羽目になるのだった。これの防止のため護岸木を敷設するのは水辺の重要作業で、威野志士様がいなければ護岸木などする必要もない。無い方が環境としては正解の設えでもある。
 エコトーンの刈り払いは実施しないけれど晩秋になれば餌が不足するのだろう威野志士様に無残に破壊されたが「ひと夏の恋」ではないものの生物の活動期に繁茂していれば用は足せる。

 丸太を据え杭を打ち、土を移動していた最中にニホンアカガエルが飛び出した。越冬場所としていたのだろうけれど動きが鈍くなるような気温でもないし、新たな越冬場所は探せるだろう。何よりもメスでは無かったのでほっとした。
 作業したエコトーンの反対側は既に丸太で護岸してある。この用材はしっかりしたヒノキの丸太で、ずいぶんと格差を広げたように見えるけれど先立って補修した区域はニホンアカガエルの産卵場所なのでケチな料簡で設えは出来ん。

 その産卵区域も上棚に林接池を造成し湛水してから水が滲み出てくるようになった。護岸木を据え土を盛った岸部は滲みだす水でぐちゃぐちゃになってしまった。この滲み出る水が産卵部に影響を及ぼすのかどうかまだ分からないが杞憂としてある。まあ、ひとつ成せばひとつ現れ輪廻と因果は果てが無い・・・。身近なところで色即是空空即是色を実感する。

               ➡    ➡   完成したエコトーン

車輪をストックする

2019-11-23 | 何よりの楽しみ
 1月末のイベントまで日数があるようで製作時間は短い。数が多くて辟易して取り掛からなかった車輪の用意を漸く済ますことが出来た。それと言うのも夜間の降雨が2日続き、フイールドへ行ってもスリップ事故が恐ろしくて作業にならない。絶好の作業日和なのだが足元が危険なので作業とは絶交しての2日間で予定の車輪をそろえる事が出来たのだった。物が小さく手数が必要な部品は思い切って集中した作業時間を取らないと進まない。

 下地板の端材に所定の円を描き中心に軸穴を開けてから糸のこ盤で切り抜いた。これを旋盤加工で外周を削りペットボトルのキャップにはめ込めばタイヤの完成である。とは言ってみてもキャップには前もって加工を施しておかねばならなかった。内側にボトルの口に嵌る鍔が出ていて、このまま円盤を押し込んでも密着しないので、あらかじめこれも旋盤加工で取り除いておいた。
 懸念材料はボトルキャップがテーパー状だったことで、タイヤにした場合、内側しか接地しないきらいがある。摩擦が少なくタイヤが回り難い恐れは大なのだった。それでもキャップを使用する理由は「色合いと模様」を使って回転した時に目立たせたかったからだ。まあ、スムーズに回転しなければ元の木阿弥なのだが・・・。

 玩具1台に車輪は4個必要で、車付きの玩具10台が目標だった。ヨーグルトパックのキャップは機関車トーマスの車輪に使いたくて、せっせせっせとヨーグルトを飲み続け、都合3台分18個の車輪を用意できた。ボトルのキャップは何年分になろうか、同じキャップを4個1組で用意し、回転した時に模様に面白さが出るのが望ましかったけれど、これは贅沢と言うものである。
 キャップは洗濯機で洗ってみたが乾いた汚れは落ちず、結局はブラシを使い1個づつの手洗いになった。いつもの「ビビビッ!」で結局は自分の首を絞めている。語るに落ちる日々なのであった。

 頭頂部は語らなくても当の昔に落ち、同僚・後輩に語られていたのだった・・・。今更だけど、これはハラスメントではなかったで-す。単なるい爺られキャラ。20代から「じーじ、じーじ」と呼ばれては無いのも当然で蓋然ですから憮然は在りません。

シロヒラタケと自然薯を盛る

2019-11-22 | 何よりの楽しみ
 菌打ちさせたホダ木にシロヒラタケが発生した。ママさんグループが菌駒を購入して打ったから駐車場で出会う度に「採集時期になってますよ」と伝えていたけれどなかなか採集に来てくれない。既に変色が始まったからこちらで採集し、この日作業に来ていた3人で分けた。

 シロヒラタケでは「ヒラタケ」と観る人もおらず、そもそも毒キノコに見えてくる印象がある。それでも香りはヒラタケの香りだ、大きいものは手のひらサイズを優に超える。これなら正真正銘の「ステーキサイズ」である。持ち帰ったこの日、昼まで時間があったからイベント用の工作をしたのだが、いつものように食事は間に合わせになってしまった。
 それでもシロヒラタケとYさんが掘った自然薯があったからチキンラーメンに盛った。彩りが寂しいから庭のアサズキを刈り、微塵にして乗せる。これでインスタントと言えど季節の食材てんこ盛りとなって、あわただしい昼食を済ませたのだった。工作を始めると食が疎かになる。つまりは食事に掛ける時間が惜しいのである。

               シロヒラタケと自然薯   ➡    トッピングにした

ちっちゃい取水堰

2019-11-22 | 水辺環境の保全
 林接池へ水を供給する取水堰は石を並べただけの構造だった。流路はオニヤンマやハネビロエゾトンボなどのヤゴがいるから、池への取水口から放流吐水口までたかだか4m程度でも水を切らす訳にもいかないので水漏れ承知の列石堰にしてあった。しかし偶然とは言え、そこは威野志士様のお通りの渡河点だったので水見回りの度に補修せねばならずうんざりもしていたのだった。

 この日は除伐した樹を処理集積場所まで曳き集める作業で出かけたけれど、未明までの降雨で濡れそぼり足元が危ない。急遽、予定変更し取水堰を固定式に変えたのだった。作業は小一時間もあれば終わる程度の内容だけれど、こんな積み重ねが見栄えのする作業や活動より大切なのは言うまでもない。まあ、部分最適化が全体最適化に通じる、とでも言おう。前言と矛盾するけれど頭脳明晰・才色兼備・老いて増々であることをそれとなく盛り込むのは見栄張る君の業である。

 堰本体は廃材の中の廃材で腐食もシロアリの食害も進んだ材だけれど水に没して使えばしばらくは用が足せる。取水管の上端まで水位が保てるようにすると流路が干上がることまでには至らずとも水が切れる。そこで手斧で刻みを入れて取水とオーバーフローのバランスを取った。
 ここまでして気が付いた。威野志士様は水に足を濡らすのを嫌い、今度は堰に足を置くことになりはしまいか・・・。ホント、威野志士様には気が滅入るし肝が焼ける。この地にイノブタを放獣してしまった当人は被害甚大を引き起こした結果に何とも思ってはいないだろうなあ。根絶させるには豚コレラ大流行以外に打つ手は無くなった。
 流行るよ来い 早く来い 呆れ始めた爺ちゃんは 赤い帽子とべべを着て 流行るを来いと願ってる・・・・・。

      獣道直下の堰       完成した取水堰  ➡   池内流入は順調

立ち呆け、返す踵よ・・・

2019-11-21 | 感じるままの回り道
 水見回りの途中、足を止めた。目の前8尺ほどのところにアオサギがいたのだ。普段は遠くからでも人影を知れば飛び立ってしまうほど警戒しているサギなのに今日は動かずにとどまっていた。気が付かなかったのはミソハギの塀で視認し難かったのだが、アオサギも詐欺に遭ったような茫然自失感があったような無かったような・・・。

 こういう場合、一枚撮影して退散するのがルールとは言えないルールで、そのまま踵を返したのだったが、林道から見やると何事も無かったように採餌行動を見せていた。今日のアオサギはどうしたのだろうと詐欺にでもあった気分だ。まあ小生が折れ折れサギにあったのは間違いない。
 この日、どういうわけかトンボ池でもコガモに遭遇した。こちらも飛び立たず小島の後ろに泳いで隠れた。こうなるとここでも踵を返す羽目になった。ストーカではないし、かといってすごすごと帰る義理も無いのだがそうなってしまう気性の弱さだ。すべては無難に波風立てずの処世訓・・・村社会の掟。この亡霊から逃げられずにいる。

 それでも逃げなくても良い時もやってくる。かつらへの客土のため採土中、つるはしをふるうにくたびれ立っていたら突然頭上が賑やかになった。「ジュビジュビ」とエナガの群れが大挙してやってきたのだった。近い個体は手が届きそうな2mばかり先の垂れ枝にまで降りて採餌している。30匹はいただろうか。
 カメラを取りに動けば逃げるだろうから動かずに眺めていた。群れの中にはメジロもいたしコゲラも混じっている。シジュウカラもみえたが数は少ない。群れが去って次に来たのはヤマガラのカップルだった。姥捨て山孤高の高齢者に見せつけてはいけない。
 
 こんな近くに大群が来るなど稀だ。樹上を群れて移動しているのはまま見るけれど羽毛の模様や色まで手に取るように見たのは初めてで、意外にお洒落な装いだった。こんな事に遭遇するのも森が育ったことの証だろうと報われた思いがした。活動を始めたころの一帯は孟宗竹の藪だったのだから。

幾何回転体、スフェリコンとオロイドの製作

2019-11-20 | 何よりの楽しみ
 先に「楽々製作」を狙い加工デザインを変更したヘキサ・スフェリコンだったが遊び勝手は先の板構成の方が良いように感じて再度、作るなら先般のモデルにする。同じ幾何回転体のスフェリコンとオロイドは端材が使えそうなので板に製図して糸のこ盤で円盤を切り抜いた。この段階ではコースター、あるいはパンケーキみたいに見える円盤でしかない。

 糸のこ盤で切り出した円盤の外周は滑らかさが無いから木工旋盤で外周を削り両肩のR加工も施しておく。このR加工の出来不出来が転がり運動の円滑さをも決定する。この旋盤加工の前に中心に軸穴を開けておく必要があり。この一時的な穴が無いと旋盤加工が出来ない。この穴は外周を仕上げたらダボで埋める。
 両端から圧で押さえ加工する事もしたのだが外径に比べ圧着版の径と圧力が弱く切削中に動きやすく板に回転傷をつけやすかった。どうせ傷物を作るならダボ加工の方が確実なのだ。

 スフェリコンの場合は完成してから埋めてもかまわないけれど、オロイドの場合は組み合わせで隠れるにしろ溝を切り出す前にダボで埋め接着を完了させておいた方が始末が綺麗だ。
 旋盤加工の最初は2枚組で外周を削り、R加工は1枚づつになる。この二枚はペアで組み立てまで一緒だ。寸法精度が出せれば1枚づつの加工でR加工も済ませられるものの、糸のこ盤で円盤を切り抜く際に凸凹は生じるから2枚一緒の外周切削の方が同一寸法を楽に出せる。

 ペアごとにミゾを切り出す。緩みが無い方が接着の時に狂いも少なく円滑に転がろうというものである。用材の選択は同じ厚みでスフェリコンもオロイドも製作できるものの、薄板の場合はスフェリコンに使えばお互いに挟み合い、薄さからくる弱さをカバーできる。反対にオロイドに薄板を使用すると組み合わせる部分が少ないから破損の原因になりかねない。

 今回も端材を利用しての製作なので各々10個はまとまらなかった。べニア材ならあるのだが薄く剥離して来るから使わない。

 切り抜いた円盤を外周加工  ➡   1枚づつR加工  ➡   溝切し組み合わせ接着

 工程を見れば手を出しにくい回転体だけれど、ホームセンターでコースター用などの様々な直径の円盤が売られている。これを購入して嵌め合う溝を切れば工具は鋸だけで製作可能だ。この二種は薄板で作り軽くすると微風でも転がる軽やかさが出るのだがヘキサ・スフェリコンもそうだとは思い至らなかった。質量が増えれば運動エネルギーが増加するけれどヘキサ・スフェリコンは慣性力が邪魔になった。匠への道完成までの道のりは厳しい。

根絶の法則

2019-11-19 | 小人閑居して憮然
 例会日に初収穫し、小さいものは残していたから夜間の降雨もあっての3日後、再収穫の大きさになっているだろうと収穫するつもりは無かったのだが視認に行った。育った姿を見るのも楽しみの一つである。
 「あーんれまあ!」あるべきものが全く無くなっていた。心配になり手を当てたら股間のキノコは大丈夫だった。マツタケだったかスッポンタケだったか名称さえ忘れている。年相応でも年は取りたくないと思いつつわが身の根絶は日々の先にあるのだ。

 春のタラの芽やフキノトウ、初夏のササユリやヤマユリなども同様なのだけれど山荒氏様には共通する行動様式がある。総盗りと言うべきか絶滅収穫と言うべきか、要するに根絶、後先の事や思慮分別などに労しない。
 今回のヒラタケも株もとからむしり盗る形でごっそりとお持ち帰りだった。大きいものから外し小さいキノコは残してくれれば次回はあったはずなのに、盗る側からすれば「そんな悠長な事・・・」だったのだろうとは推測できる。恐らく買い物籠満杯の量になっていたはずで「そんなに喰えないだろうに・・・」と思うのは素人、日干しにすれば嵩も減り煮て戻せば歯ごたえのあるヒラタケが楽しめる。根絶総盗りでも憂いは無いのだ山荒氏君は・・・。今後は山荒師と呼ぼう。予防できない巧みな匠の域に達しているからである。

            きれいに消えた        完璧!      

追加除伐で処理連日・・・

2019-11-19 | 感じるままの回り道
 突端部の地拵えも済み定植も終わった。つらつら眺めて来春以降に除伐したかったコナラを追加で除伐、その処理が新たに残ってしまった。まだ落葉が済まないうちに日当たりを見ながら広葉樹林内の間引きを行ってしまいたのだがこれを片付けないと落ち着かない。この日、いつもより早めに自宅を出て「勝負!」のこんころもちである。

 枝の太い部分は先に切り離し、粗朶の部分を束ね集積場所に積みあげてからチェーンソーで押し切って刻んだ。こうすると案外早く片付いてくれる感じがするのだった。前足は粗朶を脛で押さえ加減でチェーンソーの刃を押し入れるから見えない足元には注意が必要だった。調子に乗って刃先を突っ込めば足先真っ二つなんて事態も起こりかねない。

 そんな点に注意して作業をしていて思い出した事がある。母が入院中に見舞いに行った時、同室の患者さんは片手に包帯をしていた。怪我かと思っていたら「裂甲」の修復だったとの事。小生と同年配の綺麗な女性だった。美形と言うべき美人だっただけに悩み多き日々だろうと思ったのだが手術の後、幸せは訪れたのだろうか。
 寄る年波のせいなのか、遠い昔の忘れていた出来事が蘇る。これは木久扇師匠のように頭コンコンせずともつながるから、まあ、小生の方がまだ程度は良いのかどうか。そう思っているだけ悪いのか、判断はつかない。

       追加分  ➡   処理終了  ➡   粗朶山が出来た

ヒラタケにヒラ麺

2019-11-18 | 何よりの楽しみ
 ヒラタケが大発生していた。発生期なんて気にもしていなかったから少々大きくなり過ぎの感がある。それでも月例会のこの日、参加しなかったから自宅まで配達した分まで加えると、都合8人分それぞれををレジ袋満杯で採集できたのだった。

 持ち帰ったヒラタケ、まず食したのはステーキ、としたかったものの、TVコマーシャルに影響された感がして手軽に「レンジでチン」にした。おやつ代わりの一皿である。しんなりするまで加熱したら皿には液がたっぷりと出てしまった。肉なら「肉汁」なのであろうがキノコではほとんど水分だろう。それでも捨てずに夕食の汁に加える。
 ステーキではバターと塩コショウが「美味しい」と信じて疑わない小生でも、我が家にバターは無いのであって、ましてはチンの代物だ。オイスターソースを手づかみで絡め口に放り込む。美味しいのは美味しいけれどフライパンで焼いた方が香ばしさも出るだろう。たっぷりあるからオリーブオイルで焼いてみよう。
                       ➡  

 夕食はカボチャの煮汁に滲出液と「出汁とりメカブ」を加えた。初めて使うこの「出汁とりメカブ」は三陸産で頂き物だ。これにきし麺と長ネギの微塵を加え煮込む。寒くなると煮込みのきし麺が食べたくなる小生であった。
 丼に入れてトッピングは予め煮付けておいたヒラタケのタンザクを乗せ、残り物のカボチャも乗せる。さらに頂き物の湖産の青海苔と海産の黒海苔を混ぜて仕上げた海苔を乗せた。軽く火に焙っても麺に乗っければしわしわで見る影もなくなる。見た目は悪い一品だけれど独りで味わう分には一向に差し支えない。
 インスタ映えが闊歩するご時世だけれど、インスタ映えを狙うわけもなく、粗食をあからさまにする必要もないものの、これが破綻年金世代の食事情でもあり食えるだけでもありがたい。インスタ、インスタとかまびすしいが小生には「インスター」とも聞こえ「入ん星=入寂」の連想がある。まあ、年寄りのひがみだろうけれど鑑になるのは絶望的だ。

尾根突端部への登り口

2019-11-17 | 今日は真面目に
 突端部への登り口が雨水で侵食され歩き難くなってきた。今までより果樹の手入れに通わねばならないから段々加工を施すことにした。材は伐採したものが集積されている。その中から横丸太と杭に使う材を調達した。作業現場のすぐ横であるから楽と言えば楽で、何せ運搬する手間が不要なのだった。

 段を仕切る丸太材を切り出しながら並べて間隔をみたら丁度よい。何気に数えてみたら「13階段」で「丁度で良くなーい!」のだった。だいたい物事はこういう顛末で小生にストレスを掛けてくる。それでも気合を入れなおし杭を打ち段の平面を作り半分ほど設えたところで気分が乗らなくなった。
 多分に13階段のせいで「引かれ者の小愚痴」気分だったのである。段々下部は瓦の破砕片を投棄した場所で表土のすぐ下は瓦片だらけだ。そのため杭が入らない可能性もあって13階段は物理的に回避できる可能性が出てきたが翌日回しの作業になった。

 翌日の作業は順当に杭を打ち上面の整地をしつつ設えを続けた結果、12階段で終えることが出来た。杭が入り難いし丁寧に13階段にする必要もなく、歩いてみれば12階段で歩調の乱れは無かったのだった。とにもかくにも上り下りが楽になって「安心だ」の一言に尽きる。

        完成した   ➡    苦労の後を見上げる